2012年02月24日

石神井公園「手打そば うどん 山喜」


商店街の音も賑やかな「石神井公園」駅前にある、

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外観はまるで立ち食い店のようだが店内は広い、

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「手打そば うどん 山喜」で出会った、

ちょっといい眺め。





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2012年02月22日

群馬・沼田「そば源」


東京からこんなに遠くても
道がこんなにわかりづらくても。

恐るべし美味しいものの吸引力、である。

夏に花火見物させてもらったあの日もなつかしいが、
冬の「源」は雪の中。



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店内には暖炉あり・・

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囲炉裏席あり・・

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炬燵あり、座卓席あり、テーブル席あり・・

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そのごちゃまぜ感が家庭的でいかにもほっとする。
ごちゃまぜと言ってもスペースはうんと広々しているので
ゆったりとくつろげる田舎家だ。



私の定番テーブル席の巨大な天井照明。
大胆さが「そば源」らしい。

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いつものお通し。
「そば刺し」
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「蕎麦の切れ端で〜す」とじつにさりげなくトンと置かれていくが
店に入って一番に「蕎麦の香り」に出会える喜びは大きい。
渋く滋味深い香ばしさ。おいしい〜



蕎麦を頼むとこんなたっぷり薬味が運ばれてくるので
喜んで前菜として楽しむ。

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ここは蕎麦だけでなく地元の黒豚料理も自慢で
その上焼き魚の種類も豊富という嬉しい店。
この店に来て蕎麦を食べずにそれらの定食を食べて帰るお客さんもいるのだから
すごいことだ。



今日のオーダーは

「鯖塩焼き」
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ああどうして私はこんなに魚の脂に弱いんでしょう。
鯖はエライ魚だ!



「黒豚のガーリックソテー」
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バッサバッサと大胆な大ぶりの黒豚肉。
とにかく肉そのものが美味しい!
ひと噛みひと噛みが、新鮮な肉の美味しさと脂の旨味に満ちている。
脂なのにサラッと澄んだイメージすら感じる旨味があるのだ。
ここから近い昭和村貝野瀬の農家の
「一週間に一頭」と言われる黒豚。
でも今回は味付けいつもよりやや甘めだったかな・・





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ヒラヒラと舞うように盛られた個性的な姿。

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「そば源」のまぶしき粗挽き、平打ちの蕎麦。
じんなりざりざりとした、独特の黒い肌だ。
ごく薄い幅広の平打ちの輪郭を箸先にたぐれば
うわぁーっ 今日はまた。
なんという、高貴なイメージの渋い香り。
澄んだ、黒い香ばしさ。
甘みが少ないのが一層その美しい香ばしさを際立たせているがする。
じんなりやさしい極粗挽きのざりざり感がたまらなくおいしいので聞いてみると
今日は十割でなく「外一より少ない程度に」つなぎを入れているそうだ。
これまたご近所、月夜野後閑の蕎麦。



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濃厚ポタージュ蕎麦湯は、色味も味わいも
今食べた蕎麦とはちょっと違って
いかにも田舎らしい、味も甘さも濃厚な蕎麦粉。


前回ここで食べて感激した、
煮た磯つぶ貝もまた食べたいなー


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2012年02月21日

鎌倉「ほり内」


鎌倉駅西口。
御成通りから細い道を入っていくと、
住宅街の中にいきなりラーメン屋と蕎麦屋が並んで現れる。

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静かな付近ながらこの2軒にはお客さんが出たり入ったり。
ちょうど昼時なのでなかなか忙しい。

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「ほり内」の暖簾には「手打ち麺ところ 蕎麦 きしめん ほり内」
とあるが、そりゃあやっぱり私はお蕎麦がおすすめですよ!

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ドカーンとたっぷり、これで普通盛りである。
これだけの量で「ざるそば」は500円、
「きしめん」に至っては400円というのだから驚きだ。

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繊細で清らかな印象の極細切り。
ほんのりと品の良い香りがふわりと漂い、
口に含むとふんわりと美しい舌触りが迎えてくれる。
絶妙のコシ、やさしい甘みと味わい。
寒いのでまたまたきのこのつけ汁にしたのだが
蕎麦が美味しくて結局「汁は蕎麦後」になっちゃいました〜


これはきしめん大好きの親友深雪ちゃんが頼んだ
「きしめん(冷)」
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注文した時点で「うちのきしめん固めですがいいですか?」と聞かれ
男気美女の深雪ちゃんは「いいですよっ」と即答したのだが
男気も驚く固さだったらしい。

食べ物は固い方が断然好みの私には興味の突きぬ不思議店。

湘南らしく「しらす卵とじ」っていうのもあるし、
「煮込みきしめん」は「チーズ入り」にも出来るらしい・・


面白い!






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2012年02月20日

浅草橋「御清水庵 宮川」


浅草橋駅からすぐの角にこんな看板がある。

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「熱い蕎麦あります!」

思わず
「相わかった!」
と駆け出したくなる勢いのあるロゴ。
さすがはグラフィックデザインの仕事をしていた店主。
可っ笑しいなぁー
私には「熱い蕎麦屋あります!」に見える。


ここにきたらやはりどうにもこうにも「越前おろしそば」だが
今日は寒い上に相当お腹がすいている。
店内の黒板メニューを眺めると「きのこ汁」というのがあったので
蕎麦の前にまずそれを頼むことに。
湯気を立てた田舎風の椀を想像していたら、
蓋付きの黒椀が運ばれてきた。


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凛とした、盆の中の小さな世界。
店内は気楽なムードだが、ちょっとした演出一つで
食べる者の気持ちは全く違ってくるものだ。

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蓋をあけるとふわぁ〜と柚子の香り。具沢山が嬉しいきのこ汁。
汁物の塩気が非常に気になる私だが
これは出汁がしっかり、塩加減は控えめで実に美味しい汁だ。
ああ あったまる・・ありがたや・・・
こんなふうに、野菜類がたっぷり摂れて体があたたまる汁物が
いろんなお蕎麦屋さんにあったらいいのになぁー
私は冷たい蕎麦しか食べないのでいつもは蕎麦湯頼りなのだ。



そしていよいよこの店での大問題に直面する。


ここは蕎麦が美味しい。

私は美味しい蕎麦には二人きりで会いたい。
(汁さんとか薬味さんとかとは後ほど親睦を深めるスケジューリング)

しかし私は「越前おろしそば」というものが大好きときている。

うう・・この深遠な問題・・・


そこで突如ひらめいた名案。
「そうだ!大盛りを頼めばいいんだ!」
(名案なのか・・?)


「越前おろしそば」
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ウハッ さすがに標高が高いぞー

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空気感を持って重なり合う蕎麦の軽やかさ。
輪郭線は太めながら、たぐりあげた感触、口に含んだ食感は
ホワンホワンの軽やかさだ。
ほんのりと香るかぐわしさ。
今日の香りは比較的やさしいので、
その分早い段階で「おろしそばタイム」に切り替えることができた。
いわゆる「おろしそば」とは違う、おろし汁たっぷりの「越前おろしそば」。
塩辛さもないのでつい全部飲み干してしまう。
またこの鰹節がいいんだなぁ〜



蕎麦湯を楽しむ私の耳に、
厨房から聞こえてくる福井弁。


ああ あったまるなあー


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2011年6月の「御清水庵 宮川」




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2012年02月19日

湯島「古拙」


夜は大きくて

闇は大きくて。


こんなに大きな店なのにこんなに目立たない。

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ぐっと奥まった店はちょっと高級店のような印象もあるし、
初めての人や一人では入りづらいかもしれない。
しかしメニューをよく見れば
夜のコースが1980円からという親しみやすさである。

店内は、蕎麦屋としては驚くほど広い。
この写真はごく一部で個室や地下には宴会場もある。

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よるそばコースは
梅「蕎麦みそ・出汁巻き玉子・おまかせ三品・〆にそば」
竹「蕎麦みそ・出汁巻き玉子・おまかせ四品・〆にそば」
松「蕎麦みそ・出汁巻き玉子・おまかせ五品・〆にそば」

「おまかせ◯品」のあたりに期待と妄想が膨らみ相当惹かれたが
アラカルトメニューのおいしそうさにつられてやっぱりそちらを。
ちなみに「〆にそば」とはちょっと少なめの蕎麦のことである。
(でも結構量あります!)


今日はまた寒いので、また熱燗。
素敵な徳利でやってきた、

島根「誉池月」
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最近熱燗がおいしい自分に酔っているのだが
ちょ、ちょっとこの誉池月さんはまだ私には早かったみたいっす・・
ガツンとした飲みごたえ〜




お通し「子持ち昆布」
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これは美味しい子持ち昆布!
お通しとしてこんなにいいものが出てくると
夜がうれしくはじまるというものだ。
これまた「脚付、縁飾り、青描絵」と
私の好きな要素を結集させたような器。
いいなあ〜



「そばがき」
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つるり、微粉のなめらかな肌。
お湯に浸っていない微粉肌はピカピカとして
表面が乾いているように見えるかも、しれない。
ところがどっこい!

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これは悶絶おいしいそばがきである!!
たまらぬフレッシュなかぐわしさ。
ぽてっとくちびるに触れてくる、ゆたかな感触。
なめらかな微粉の舌触り、エアリーなふっくら感。
蕎麦の濃厚な旨みと香りが口中に溢れる中、
そのエアリーふっくらがじゅわぁーと溶けていくのが見える。
もう、もう、すばらしすぎる・・・




「干物盛り合わせ」
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「うるめいわし」
「いか一夜干しいしる焼き」
「えいひれ」
「たたみいわし」
一番好きなのは、味わいが素朴な「たたみいわし」♪


誉池月を落第した私はここでやはり
なにか美しきものを舐めてみたい。

というわけで
岩手「浦霞 純米」
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やっぱりこれはおいしいー
私、先日気づいたのだが
まだまだ塩だの蕎麦だの豆腐だので
お酒を楽しめるようなレベルではないのである。
ところが「しっかり味の海のもの」を食べると
いきなりスイッチが入るんですねえー、不思議!
干物にはベストマッチ♪




「そばの芽のサラダ巻き」
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何気なくオーダーしたのだが
予想を超える美味しそうなものが現れた。
これ、メニュー名が地味すぎますよ、謙虚すぎますよ〜
「生ハムとそばの芽のそばクレープ巻き」
って名前にしましょうよ!

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これがびっくりするほどおいしいのだ。
ふっくらしたクレープの中にジューシーな生ハムとフレッシュな野菜類。
生ハムは日本のものだと思うが
こういう料理にはスペイン産やイタリア産のものより
ふっくらジューシーな日本のものの方が合うんだなあ。
オリーブオイルがたっぷりかかっているのだが
それがとてもフルーティーな香りのよいものなのにもマイる。
そしてもっとマイるのは絶妙な塩加減だ。
生ハムの塩分プラス、少しだけふりかけられた粒ソルト。
なんだかもう蕎麦を忘れてこれだけを10個位食べたい勢いで
大いに気に入ってしまった。
私はイタリアンもかなり好きなのだが
お気に入りベスト3のイタリアン名店でこれが出てきたとしても
意外な美味しさを絶賛の上毎回リピートするだろう。



200円安い「〆にそば」というのもあったが
当然私は普通盛りの方の、

「もりそば」
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佇まいが美しかったのでつい真上から撮ったのだが
これではこの店の個性が伝わらない。
こんなうれしい盛りっぷりなのだ。

ほら、ね!

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ドーンとうずたかい小山盛り。
よじ登っててっぺんで叫びたいような嬉しい眺めだ。


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端整、うつくしき極細切り。
そのフレッシュなかぐわしさはなんとも軽やかでふんだんで、
一瞬で脳まで届きどんどん染めていくかのようだ。
はぁぁ・・うっとり。
微粉の肌は極上のなめらかさでつるりとした舌触りだが
つるつるピカピカした感じではなく
細切りの束がシュクシュクとほどけていくような食感がここの蕎麦らしい。
繊細な肌だけに足は早いがその分香りと味わいは無限に膨らみ
もう私は完全ノックアウト状態である。
あああ なんて素晴らしいのでしょう。





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蕎麦湯はスーパー濃厚ポタージュ。
ズッシリ相当なボリュームだが、おいしくて止まらない〜
(黒いテーブルに黒い器なので真っ白に写ってしまったが
 もうちょっとナチュラルな色です♪)



次回もまたコースに期待と妄想とふくらませつつ
またアラカルトにしちゃいそうだなあ〜

だってあのサラダ巻き・・そばがき・・
普通盛りの蕎麦・・・♪(貪欲)






2011年10月の 湯島「古拙」




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2012年02月18日

長野・松本市安曇 「グリンデル」


乗鞍高原に大切な場所がある私には「必ず通る場所」。

とは言えなかなか時間が合わずチャンスを逃してばかりなので
今日は、うれしいぞぉー!!

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青い空、白い雪、赤い屋根。
絵のように楽しい眺めだ。



ここは蕎麦屋ではない。
外観には「レストラン」とあるがただのレストランではない。
フレンチと蕎麦が食べられる「オーベルジュ」だ。

雪の林に囲まれた店内。

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ピアノもあるのでライブもできそう♪


「信州馬刺し」
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私が今まで食べた中でも
相当ゴージャスな信州馬刺し。
たっぷりのった脂が甘くて
長野の馬刺しのイメージを超えている。
おいしいー!


「粗挽きそばがき」
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まぶしい、ザックザクの粗挽き。

箸先にとらずとも
置かれているだけで、ホワンホワンの香りが
テーブル中の空気を染めている。

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ジュワー、どろぉー と実にゆるやかな舌触り。
その中からたくましく力強い在来種の味わいが
濃厚に溢れ出して来る。
ああああ これはもう、うっっとりです・・
舌触りは見た目のようなザックザクのツブツブというより
もっと繊細さを感じる粗挽き。
ジュワーとやさしい粗挽き感、
脳を埋め尽くす渋いかぐわしさ・・

もうもう、しあわせすぎる。 鳥が鳴いている。ここはどこの天国だっけ・・




「粗挽きざる蕎麦」
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店主自ら育てた自家栽培の蕎麦と、
近郊の手刈り天日干しの蕎麦。
今日はこんなふうに自家製粉され
こんな姿で、私の眼前に現れた。

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透明感に満ちた褐色の肌。
そこにゆらめく白いかげろう。
はらはらと雪のように舞い散る無数のホシは
ひとつひとつすべて違う表情をしている。

見つめているだけで時が過ぎてしまいそうな眺めだが
箸先にたぐるとまた意外な出会いが。

儚く、ごく淡く香る、野の花のような素朴な甘い香り。
口に含むと、何というみずみずしさ。
ふるんっと軽やか、ちゅるぷるのみずみずしさの中に
やさしい粗挽きのジャリ感がたまらない。
ほんのりと上品な初めて出会う香りと、じわーと広がる甘み。
いやー、これは稀有な蕎麦だ。おいしい!!


しかもここはお蕎麦だけでないのだからスゴイ。

カレーだけで5種類。
「ビーフカレー」
「揚げナスとビーフのカレー」
「安曇野放牧豚舞豚のヒレカツカレー」
「究極の辛さインド風カレー」
「インド風カレーのカツカレー」

その他「ピザ」2種、「和牛のハンバーグステーキ」「黒毛和牛サーロインステーキ」
「安曇野放牧豚舞豚のしょうが焼き定食」などの和定食各種など・・


そうそう、ここの辛味大根の美味しさにはビックリしました。
冬だから甘くて、本当に味が濃かった。

店主も「今一番お蕎麦が美味しい時期なんですよ」と言っていたし

大好きな長野の冬は、美味しいなあ〜




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2012年02月17日

二子玉川「宇奈根 山中」


今夜は、大好きな仲間たちとたのしい蕎麦新年会・・
って随分遅いのだが、皆様ご活躍ご多忙につき
これでもやっと日程が決められたのだ。

世田谷の住宅街、静かな闇の中。
「宇奈根 山中」

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都心ではお目にかかれないであろうこの情緒。
店の前に到着しただけで一同から歓声が上がる。
私も久しぶりなだけに嬉しくて
入る前からニッカニカだ。


仕切りのないひろびろとした空間。

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天井もうんと高く、
洒落た山小屋に来たような楽しい気分になる。
特に田舎風の演出がされているわけでもないのに、
小旅行に来たような、楽しい気分になる。


さてまずは「立山 本醸造」でかんぱーい!
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シンプルで素直な印象の猪口に照明の格子が綺麗。
いかにも「立山」がするんと美味しく飲めそうだ。
が、私実は先週お酒で大失敗しまして・・
(赤ワイン飲んでふたつも物を失くしちゃった〜 !(TOT) )
反省を込めて、今日は本当にちびっと舐めるだけ〜


ここでのお楽しみは何と言っても蕎麦前の天ぷらである。

通常メニューの天ぷらアラカルトの種類の数もすごいが
その上に別紙で「季節のおすすめ」もある。

皆楽しみにして来ただけに

「えー牡蠣、絶対食べたい!」
「ふきのとう大好き!」
「白子いこうよー」
「まいたけ〜」

と、子供のように大興奮。
私わたし、あなご食べたいー!


「牡蠣とふきのとう」
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もうどっちも比べられないほど大好物だが
それにしてもどっちも美味しすぎる。
牡蠣のふっくら感。衣の美味しさ。
ふきのとうをかじった時の新鮮な食感!
すんばらしい。


「まいたけ」
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私の天ぷら大好物メニュー。




「白子」
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こりゃおいしいに決まっているだろうと思いましたが
期待以上の、悶絶の美味しさ。
外国人メンバーには英訳で苦労&盛り上がりました(^_^;)



「穴子」
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これも彩子大好物メニュー。
旬だろうとなかろうと食べたくなっちゃいます。


「はす と 玉ねぎ」
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「山中」において「はす」は絶対に外せません!
大推薦超おすすめ、絶対の美味しさでございます。
この思い切った超厚切りが生む、ほこほこのほっくり感。
これでもかというほど豊かな、はすの旨み。衣の異様なおいしさ。
玉ねぎも美味しいが、やっぱり今日も「はす」が大好き。




今日は皆といる楽しさ、天ぷらの興奮で、いつものように
「早く蕎麦に会いたくて内心ソワソワ」
がほとんどなかった私。

でもそろそろ、右手の打ち場に目をやったり、
蕎麦メニューを再チェックしたり気になってきましたよ・・・

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「山中」の蕎麦は「せいろ」と「粗挽き」の2種。
「せいろ」700円
「粗挽き」1000円
でも「二色せいろ」はなんと1200円!しかも量たっぷし(東海林さだお風)。
おトクでしょ? 
じゃあみんなでそれだぁ〜〜


「二色せいろ」の「せいろ」
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ありそうであまりない蕎麦なのだ。
その肌にゆらめく陰影は平らでなく、立体感をもって浮かんでいる。
ゆえにその輪郭線は無数にかすかな節を持っているかのようだ。
手繰り上げるとほのかに香るふっくらと甘い香り。
どこかパキパキとしていながら決して硬くはない独特の食感と
その肌の凹凸感。
おもひろい〜〜 おいひい〜〜
お腹いっぱいなのにおいしいものはどうしてスルッといけちゃうんでしょう。



「粗挽き」
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ぐっと黒い肌。
見た目は野性的だがたぐり上げた香りは意外にもほわ〜と品が良い。
スルスルとした舌触りも印象だが、噛みしめるとじんわり、
野趣ある香ばしい味わいが広がる。おいしい〜



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女性にはこんな可愛らしい深紅の猪口が。
なんとこれ、イタリア製なのだ。
日本の窯の温度ではこの鮮やかな美しい深紅は出ないそうで・・
しかも今日の蕎麦湯、なんだか特別に美味しいです。
この感じたことのない不思議な香ばしさは何ですか〜


天ぷらとお蕎麦に夢中だった私だが
気づけばみなさん相当いい気分、いいお顔色になっていらっしゃいますよ。
そういえばテーブルには次々いろんな種類のお酒が来ていたような・・

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最後にちょっと味見したこの樽酒!
めちゃめちゃおいしかったんだけど、
なんていうお酒だったのかなぁ?


みなさんまた行きましょうね〜〜!





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posted by aya at 13:41 | Comment(5) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>世田谷区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月11日

神田「眠庵」八種もりの会


尾道のあと松山を周り、
頭の中を綺麗な景色でいっぱいにして帰ってきた東京。

美しい旅先で思い出すと強大な化物のように思えた都会だが、
戻ってみればやはりほっとする。
私はこの街が好きなのだと気付かされる。

今回はあろうことか3日間蕎麦抜きの旅だった。
今まで国内旅行でお蕎麦食べなかったことは一度もない私には
それこそ危機的スケジュールだったのだが
帰京翌日にこの予定があったからこそ乗り切れた。

眠庵「八種もりの会」。



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お店の常連さんを中心とした希望者が
手に手に好きなお酒やおつまみを持ち寄っては集う楽しい宴。
今回は昼の部だ。

血中蕎麦粉度が下がりきった体ゆえ
食べた瞬間に口の中で蕎麦が溶けちゃうんじゃないかと思うくらい
全身の細胞がうれしくてジタバタしている感じである。

あー早く1枚目来ないかな!!



1枚目「福島・会津」11年新蕎麦、柳津在来。
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おー 何やら 
スパーンと直線的な潔いラインを描いているぞ・・
楽しみ!!


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あああああ 
脳がしびれる。

3日間の蕎麦断食明けゆえ
お蕎麦ならもう何だってありがたいくらいなのに
贅沢すぎる幕開けだ。

甘くふくよかな香りは極上白米のようなイメージもあるのだが
上品というよりは野性味を感じるところが面白い。
これが在来種というものの魅力なのかもしれない。
野性味と言ってもガツンと下を支える強さのない
軽やかな、品の良い野性。
「眠庵」の蕎麦の中でははっきりと際立った輪郭線で
噛み締めたコシも比較的しっかりとしている。
あああ お蕎麦ってなんでこんなに美味しいんでしょうねえ!!



2枚目「福島・会津」11年新蕎麦、品種は「会津のかおり」。
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香ばしいかおりがギュー!
1枚目が私にはちょっと珍しい印象だっただけに
この濃厚&正統派な香ばしさは「これこれ!」という感じ。
表面にさほど水分が多いようにも見えないのに
ものすごいみずみずしさで、「ちゅるり」・・でもない、「つるり」でもない
独特のみずみずしいすべらかさが魅力的だ。

1枚目と同じ会津だが、こちらは「会津のかおり」。
こちらの方が少し標高の高い畑だそうで
そんな具体的なことを聞くと私の心はウキウキと
会津ののどかな景色の中へ飛んで行ってしまう。




3枚目「茨城」11年新蕎麦、品種は「常陸秋そば」。
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驚きの黒さ。
それもそのはず、
玄蕎麦を挽いたものが7割、丸抜きを挽いたものが3割という蕎麦だそう。
たぐり上げて目に星が飛びそうになる。
なんちゅう渋いかぐわしさ・・・
香ばしいと言ってもよいが、華やかさや若々しさはまったくない、
渋く枯れた印象の、滋味を感じるかぐわしさだ。
こちらもみずみずしく、ややちゅるりとすべらかな舌触りなのだが
噛み締めた時の「限りなくやさしいジャリ感」がたまらない。



4枚目「富山」11年新蕎麦、山田在来種。
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ガツーンと香ばしい!
ふっくらした空気感を感じる食感だけに
噛み締めた時の香りの広がり方がすばらしく
フワンフワンの「香りのカタマリ」という印象すらある。
濃厚な味わいと甘み。
よーく見つめるとごく細かいジャリ感も感じる気がするが
食感が軽いだけにどんどん口に入ってしまい
アーアもうなくなっちゃった・・




5枚目「北海道・音威子府」10年、品種は「キタワセ」。
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ふわ〜、ふっくら〜と甘い香り。
表面にごくごく細かいざらつきがあり
あまりに細かいので粉に近いような舌触りに思えるのが面白い。
そのこまかいざらつき肌の上にはたっぷりとした水分を感じ
その水分の壁のせいか口に入れた瞬間はさっぱりした風味に感じる。
ところが、比較的しっかりした輪郭線、コシを噛みしめると
そこから濃厚な甘みと味わいがあふれ口中を染める。
なんて甘い。なんて味わい深い・・


6枚目「長野・松本」11年新蕎麦、品種は「信濃一号」。
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かすかに赤みを感じる肌。
甘く、軽く香ばしいかぐわしさによろこびつつ口に含むと
ウワー なんと深い穀物の甘み。
テーブルのあちこちからも「甘ぁい!」の声が聞こえる。
これまたみずみずしくちゅるりするりとすべらかな食感なので
何だか今日はあまり「おいしいものこそゆっくり味わおうブレーキ」がかけられずに
あっという間に食べ終わってしまう。




7枚目「福井・越前大野」10年、大野在来種。
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いつもトリを飾る福井が今日は7枚目に出てきた。
「いつもの凄い福井ではなく、これはフツウの福井なので・・」
と説明受けてから食べたのだが・・
どこがフツウなんじゃー!!

ここまでの蕎麦もかぐわしく、味わい深く、最高に美味しかったが
「レベルが全く違います!」。
香ばしい、甘い、深い、ふっくら、豊か。
全方向から最高濃度で攻め入ってくるかのようなかぐわしさ。
口が染まる。私が染まる脳が染まる何も考えられなくなってくる、
もうけいようしとかよくわかりません
ハイここで完全に壊れました。


8枚目「静岡」11年新蕎麦、在来種。
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7枚目にあんな福井を出されてしまったからには
8枚目トリへの期待は否が応にも高まる。
しかも静岡って・・?と思ったら
なにやら秘密の集落から手に入れた珍しい在来種らしい。

たぐり上げて目を見張る。
これまた全方向足りないものは何も無い、濃厚かぐわしさ。
確かに、凄い!
甘く深い香ばしさに早くも酔いつつ口に含むと
ちゅるふるふわぁー
最高のかろやかさ、やわらかさ。
といってもふにゃふにゃした頼りなさはゼロで
ふるりフワとした、みずみずしいコシがすばらしい。
「この蕎麦は味はすっきりですが最初の香りがすごいです」
との説明があったが味も甘みもすっきりどころか
それはそれは濃厚でございますよ。
あーん おいしいよう おいしすぎるようー



8種の蕎麦を楽しみ尽くし、幸せ満ち足りたような
終わってしまって寂しいような。

そして今日は珍しく、最後までお酒をひと舐めもせずにきてしまったことに
今さら気づき我ながら可笑しくなってしまった。
どんだけ血中蕎麦粉度の危機だったんじゃい・・
店の玄関から目を爛々とさせて入ってきて
そのまま蕎麦山に頭を突っ込んでしまいそうな勢いだったかもしれない。

せっかくですからあとからお酒もいただきましたよ〜
真ん中の「奥」っていうのが美味しかったな(にごり好き)!
お燗にしたらビリビリが更にすごくて、びっくりしたぁ

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(本日集まったお酒の一部)


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(一番の丸抜き美人ちゃんと思われた福井)


2011年12月の「八種もりの会」
神田「眠庵」
神田「眠庵」(豆のスープ)
2011年11月の「八種もりの会」
2011年9月の「八種もりの会」
2011年7月の「六種もりの会」
2011年5月の「眠庵」手挽き蕎麦
2011年3月の「眠庵」
2011年2月の「八種もりの会」
2010年11月の「八種もりの会」
2010年9月の「八種もりの会」
2010年7月の「八種もりの会」
2010年4月の「八種もりの会」
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2012年02月08日

尾道!


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尾道に、来ていまーす。

憧れていたとおりの、素敵な街!

千光寺公園展望台の眺めが
素晴らしかった。

まるでたくさんの神様が降りてくるみたいでした。

お昼は海鮮丼を食べたんだけど
尾道の魚の美味しさは、聞いていた以上でびっくり。
ひとつひとつのお魚がものすごーく美味しい。
これで980円なんて信じられない。
こんなにも違うものなのー!?

「あかとら」ってお店でした(^O^)☆



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2012年02月07日

西国分寺「潮」


「西国分寺に潮あり」。

いや、

「我が日本に潮あり」、である。

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世界に誇るべき名店は、
国分寺市の街道沿いに、ポツンと灯りをともらせている。




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店内には店主の作である大小の仏像が
無数に、静かに「居る」。
この店と、訪れる人とを見守っているかのようだ。


今夜は楽しい仲間が6名集まり楽しい宴。
しかもお誕生日祝いも兼ねている。
皆楽しみ過ぎて昼ごはん抜きの向きも一人に限らず、
もう意味もなくニヤニヤニコニコ。
嬉しいな楽しいな、とりあえず、かんぱーーい!

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座付「浜防風 胡麻びたし」
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割山椒の小鉢に盛られた座付の一品。
浜防風の香りがなんとも素朴なさわやかさ。
胡麻あえではなく胡麻と出汁の胡麻浸しなので全体にすっきり。
その出汁加減と香ばしさのバランスが素晴らしい。
あまりに美味しくて汁を飲み干したく、
しかしそれには割山椒の形が難しかったが
皆真剣に工夫を凝らし、
しっかり全部飲み干していたのが可笑しかった。
この割山椒も店主の作というから驚きである。



ここでお酒を。
「男山」「あさ開」を冷で頼み
江戸切子の猪口が運ばれてくる。
きれいー

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「男山」
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仏師であり陶芸家でもある店主。
この店のほとんどの器は店主の作である。
どっしり素朴な注器。



「あさ開」
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わたしコッチのほうが好きです。
おいひ〜




次の一品。
この黄瀬戸も店主作。
織部の緑が楽しい。

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蓋を開けて一同からため息!
ワーーーー!(←私だけ雄叫び?)

温物「蕪菁むし」
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ぐじ、白子、海老、穴子、銀杏、百合根、きくらげ、山葵、
なんと贅沢な蕪菁むし。
最初はただただ出汁のおいしさが体中に染み渡り、
とろ〜〜〜んと何が口に入っているのやらわからなかったが
卵の白身でつなげた蕪のやさしいとろとろ感が夢のような美味しさだ。
そのとろとろの中に発見して出会うものが全て驚くほど美味しい。
銀杏などはとても大きく、よくあるのとは違ってふっくらなめらか。
銀杏ってこんなにおいしいものだったの?
そして何と言ってもこの穴子の焼き加減、香り、味わいは・・・
人生最高と言ってしまいたいほど最高。悶絶。




美味しいものはお酒のペースを早めますのぉ〜
「浦霞」燗。
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燗酒がおいしく感じる自分が嬉しいので
ちょっとアダルト?ユニーク?なお猪口を選んでみた。
うう・・染み渡る・・アダルトだ。



ここでやっと「前菜」である。

「前菜」
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右上から時計回りに
「鰯辛煮」「雲丹磯辺揚げ」「あん肝味噌漬」「牡丹百合根」
「蕗のとう当座煮」「ばい貝旨煮」「のれそれ黄味明太(中央グラス)」

まず、私が泣いたのは
「蕗のとう当座煮」。
テーブルに置かれただけでふわぁーっと舞った春の香り。
はんなりじんわりといった煮物ではなく、味わいはスキーッとクリア。
蕗の薹の香りだけが鮮やかに際立ち、
塩気もしっかりあってお酒にぴったりだ。タマラヌ!!

「雲丹磯辺揚げ」
こんな味かな、と予想したのよりずっとやさしい味に驚く。
もっとメリハリの効いた味を予想したが、
グラデーションのような恍惚のマリアージュ。
なんと心憎い。おいしすぎる。

「ばい貝旨煮」
これも限界の薄味。薄甘さの中にばい貝の味わいがはっきり。最高の調理!

「あん肝味噌漬」
大事すぎて最期までとっておいた、北海道産あん肝の味噌漬け。
(おいしいものはとっておくタイプ)
おいしいだろうなーという期待を超えた、
濃厚な旨味、ネトフワ〜ととろける夢!この何倍でも食べたい。

「鰯辛煮」
これにも一同悶絶。
ギュッとさっぱり、パンチの効いた美味しさ。
酢だけで煮てから醤油で煮られてそうで、
骨が柔らかーい。骨がおいしーい。


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ここでやっと前菜が終わったとは信じられない、
怒涛の美食づくし。
しかも最後にお蕎麦に会えるなんて、
今は胸が一杯で頭が追いつかない。


小吸物「くちこ汁」
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生のくちこのお吸い物。
見るのも食べるのもはじめてだ。

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不思議な形。くちこさんはじめまして。
しかしそのくちこを食べぬうち、まず出汁だけで驚愕する。
この最高の出汁!おいしすぎます。たまりません。
そしていよいよくちこを一口・・・・
私は、目をかっぴらいたまま口がきけなくなった。
シュクシュクとした不思議なさっぱり目の食感。
その中から、ずっしり濃厚な旨味が見た目の通りの繊細さで小さく、
そしてそれが束になって全体では大量に溢れ出してくる迫力。

こ、こ、こんなにおいしいものが世の中にあるんですかい!
「生でもクチコの味がするんだ!」と驚く声。
私はバチコも知らないので、バチコも是非食べたくなった。




向附「ぐじ引き作り 山葵」
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店主の自信作・楓の器にぐじの皮の質感が映える。
「醤油だけでなく昆布でもおいしいですよ」
と刻んだ昆布が添えられている。

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私如きの筆では何をあらわすのも物足りないが
ねっとり、濃厚、悶絶の美味しさ!
ぐじの味わい、甘みが最高濃度でダイレクトに味わえ
皮の部分がまたたまらなく美味しい。
確かに昆布はとてもよく合い贅沢な味になるが
慎重に試した結果、私はやっぱりぐじの味があざやかにわかる醤油が好き。
(しゃぶしゃぶ屋さんでは頑なにポン酢ゴマだれ拒否、
醤油だけで肉を食べる「ショユラー」につき、かなり異端派意見だと思うが)

でもこの昆布がまた何だかえらく美味しい。
皆「これだけで美味しい!」と大切にチビチビ食べている。

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焼肴「まな鰹 味噌漬 赤蕪」
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「刺身にできるまな鰹の中でも一番いい、
 銀皮がビチーッとついてるのを焼いたんです」と店主。
銀皮に合わせて銀の器で。

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肉質がきめ細かくねっとり濃厚。
私西京焼きに弱いもので、これまた・・
この10倍でも食べたい!



さていよいよ本日のメイン。

鍋「真鴨なべ」
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下仁田葱、しろ菜(京野菜)、椎茸、豆腐

最高級のこの真鴨はなんと・・・!?

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琵琶湖産、と聞いて驚いたが(禁漁なので)
琵琶湖湖畔より300m以内は全面禁漁でも、狩猟を許可された場所があるらしい。
さすがは、圧巻の美しさである。

肉は最後に食べるので、まずはこちらから。

鴨つみれ、入りまぁーす♪
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野菜、入りまぁーす♪
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鴨鍋第一章「鴨つみれと野菜の鍋」。
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野菜も美味しいがこの鴨つみれには一同騒然。
ジャッキジャキに骨が入っている。
「かみそり骨」以外の骨は全部叩いて入っているということで
超ワイルドな食感。
しかし味わいよくある下卑たところが全くなく驚くほど品が良い。
脂もギンギンのっているがじわーとやさしい旨味で、
パクパク食べてしまうではないか!


ここで、肉、入りまぁーす♪
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鴨鍋第二章「滋賀県産真鴨肉、レバー、ハツ入り」
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私、今日生まれて初めて鴨鍋を食べた気がする・・
と思うほど、今まで食べた物とは別物である。
鴨鍋ってこんなに美味しいんですか!
この鴨・・見た目はさほど厚切りでもないのに
見た目以上に肉厚、ふっくらとしている。
それを噛み締めた時の美味しさ、幸せ感と言ったらない。
もう胃が痛いくらいお腹いっぱいなのに2杯いきました・・・



しかも、この鴨鍋に「平そば」が飛び込みます。
贅沢〜

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斜めお向かいのお誕生日ガールは湯気の中で
「おいしい〜っおいしい〜っ♪」と幸せいっぱいの笑顔。


「そばサラダ」
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ドッカーン。
写真では大きさがつかみにくいと思うがこの器、直径35cmくらいあった。
量にもびっくりだがその美味しさにも歓声が上がる」。

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玉ねぎと人参とお酢のドレッシングに
胡麻と揚げ湯葉の香味がすばらしい。
「ポテトチップだっていいんですよ〜」と店主はおどけるが
湯葉だから出る、品の良い、絶妙のアクセント。
そして何より、これだけのはっきりした味付けの中に
蕎麦のかぐわしさ、味わいが出ているのに私は参った。
実は胃弱の私、先刻から本当に胃が痛くなり
失礼ながら休憩までしていたのだ。
しかしここでいきなりモリモリ元気になり
お替りまでした私に、一同も私自身もビックリ。
やはり、おかしい。




最後に出された「海老芋・東西」。

「海老芋(関西風)」
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「海老芋(関東風)」
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関西風はあっさりと出汁で煮たもの。
関東風は甘辛の煮転がし。



この頃にはお腹ぱんぱんを通り越して
食べ過ぎて胃が痛いのをずーっとこらえていたのだが。


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ハッッッ


あなたは・・・

ときめく、「潮」の蕎麦。


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きめ細かな肌の、かすかな青み。
緑でなく、ブルーのような青さにまず心を奪われる。
香り立つ、正統派、王道のかぐわしさ。
優しい歯ざわりの肌は、やわらかな印象だが、
噛みしめるとひょいっと受け止めてくれるコシがある。
何よりも口中を染め続ける洗練のかぐわしさが素晴らしい。
さっきそばサラダの中に見つけた香りと味わいはまさにこれ。
これは、今までに食べた潮の蕎麦の中で最高の美味しさだ。
ああ大好き・・・
ここでもまた、食べきれなかった人の分を引き受けた私。
みなさん・・そんなバケモノを見るような目で・・・見ますよねそりゃ。




さて食後のデザートタイム。

これだけの料理人で仏師で陶芸家でもある店主、
パティシエでもあるからもう驚く気力も残っていない。


今日はお誕生日の方がいるということで
ホールのバースデイケーキ!

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おめでとうございます〜♪
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しっとりとキメの細かいスポンジが見事。
スポンジの甘さはしっかりめで、生クリームは甘すぎず、
お酒の効いた「大人のイチゴケーキ」(^o^)


これで素直に終わらないのが「潮」。
大トリは和のデザートで。

「翁松」
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最後まで楽しく驚かせ続けてくれる潮さん。
この和菓子・・・
ニッキの風味と松の実が美味しく、
なによりこの真中の白餡が異様に美味しい。
何とこの私が、この超満腹状態で完食したのだ。
甘いもの全般苦手、和菓子や白餡はもっと苦手なはずなのに・・
あまりに不思議で、「この白餡は・・?」と聞いたら
なんと生クリームが仕込んであった。
さらに腰を抜かした。
生クリームはもっと苦手なはずなのに
「潮バランス」で魔法をかけられたのだ。



夢の余韻。

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毎日毎日、まばゆい料理を生み、
休むことなく物を作り続ける。

日本が世界に誇る「潮」店主の両手である。






2012年02月01日

下北沢「打心蕎庵」


下北沢駅南口。
賑やかな商店街の坂をとにかくくだりまくる。
道がくねくねと曲がっても五叉路に出会っても
意志を強く持ってまっすぐに進む。
「森厳寺西」という信号に出会うまでは。

(しかしこの信号の看板、
 駅から反対方向側からしか見えない不思議な看板なのだが)


私はこの「森厳寺」という名前が好きである。
なんとなく森の神様にでも出会ったような気がして
この信号にたどり着いただけで
フィトンチッドに染まったような気持ちになる。

その森の神様の角を曲がってすぐ。

「打心蕎庵」。

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店名も凄いがその佇まいも凄い。
下北沢駅から数分とは思えぬ静けさ、この風格。


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私にとってはそのイメージも蕎麦も七変化を遂げてきた店だが
この庭のしっとりとした情緒だけはずっと変わらない。

年月を経て店は落ち着いた艶を帯びたようになり
今夜あたりも大変よい雰囲気で賑わっている。
どのテーブルも実に和やかで楽しそうだ。


「正雪 本醸造」熱燗。
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特注という松葉模様の徳利の粋な姿。


「お通し三種盛り」
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「筑前煮」
「鮟肝」
「赤鶏の西京漬焼」

「穴子の煮凝り」がタッチの差でなくなってしまったのは残念だったが
楽しい盛り合わせ。
「赤鶏の西京漬焼」は味しっかりで、
正雪に合っちゃうなあああ
こまっちゃうなあああ

「銀だらの西京焼き」
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これを食べた瞬間
顔が「梅干ばあさん」のようにぐっしゃぐしゃになってしまった。
おーーいーーしーーい〜〜〜!
和食の甘みが得意でない私だが、
銀だらの西京漬けとなると突然防御壁が完全撤去となる。
この、この脂ンところを口に入れちゃったら
もうもうその瞬間におちょこに手がのびるわけで
そのマリアージュときたらもうもうもう・・・
(2口で何をエラそうに。でもこの境地に至っただけでも大進歩なのだ)


「常陸秋そば」
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太めのしっかりとした輪郭線が
あざやかな曲線を描いて盛られてきた。

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透明感のある肌に浮かぶ、無数の白い影。
太くしっかりとした輪郭線ながら
見入れば繊細さすら感じる蕎麦である。

たぐり上げた刹那、ふわあっと舞うような美しい香りに軽く驚く。
これは・・しばらく出会っていない香りだ。
甘く品の良い、極上の和菓子のような、乳白色のイメージの香り。
水分をまとった、かすかにざらついた肌が、
独特のスルツルを持って口中をめぐる。
強靭なコシからあふれる美しい風味とほんのりとした甘みも素晴らしい。
ああ おいしいー 今夜も来てよかったなぁー



「福井挽きぐるみ」
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待っていましたこの黒々とした姿。
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これまた、たぐり上げてハッとする。
この姿から容易に想像されるような「香ばしい」という一言では片付けられない
なんとも言えぬ滋味なる香りが、そこに静かに横たわっている。
なんておいしい。
なんてかぐわしい。
そこにいるあなたを捕まえたい。追いかけたい。染まりたい・・・・
と夢中でたぐり続けていると
!!!!
私の蕎麦が消えてしまった!!
結局捕まえられなかったが
どこか甘い、シナモンにも似たスパイシーな夢だったような・・
嗚呼。



私にとってはいつまでも懐かしく、
いつも新しい「打心蕎庵」なのだ。


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posted by aya at 13:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>世田谷区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする