最寄り駅はつくばエクスプレス「浅草」駅。
銀座線だと「浅草」駅でなく「田原町」駅の方が近いというのがややこしいが
歩くに楽しい街なのでどちらからでも遠く感じない。
国際通りを挟んでROXはす向かいの裏通り。
観光地的な浅草でなく、浅草の中でもディープなエリアに、
「おざわ」のやわらかな灯り。
「新そば」の小さな幟が清々しい。

「おざわ」には蕎麦が3種類もある。
メニューの表紙には
「つるつる 細打ち」
「もちもち 生粉打ち」
「もぐもぐ 太打ち」
とある。
しかし私は大抵遅い時間に来るので
「細打ち」が売り切れのことが多いのがちょっと、
いや大変に悲しい。
(ここのところ3回続けてなのだ(>_<))
しかしそんな痛恨の悲しみを一瞬で忘れられるほど
今日の「生粉打ち」はすごかった!!
「生粉打ち」


白い影ゆらめくみっちりと密な肌、
太めの素朴な輪郭線もそれは素晴らしいのだが、
何に驚いたといってその香りである。
たぐりあげ顔を近づけて驚いた。
ちょっと近年感じたことのない、フレッシュな香ばしさ!!
目が丸くなったまま固まりしばらく食べ始められなかったほどだ。
味わいもまたすごい。
その香りを美しく支えるような、軽く、フレッシュな味わい。
甘みが少ないのもかえって素晴らしい。
とにかく「おいしい」としか言いようがない。
「もちもち 生粉打ち」とメニューにあるように
食感がしっかりもちもちと非常に個性的なだけに
この素晴らしい香りと味わいをゆっくりと堪能出来るのがまたいい。
あああ〜おいしい〜〜 すばらしい〜 だいすき〜〜
「太打ち」

初めて見た人は驚くだろう。
「おざわ」の太打ちは容赦なく太い。
ざるの上には数本しかない、と言っても過言ではないが
満足感はものすごい!

いわゆる「固い蕎麦」というのとは全く違うのだが、
とにかくぎっしりと密な質感、それが太いので
モグンモグンと一生懸命咀嚼することになる。
「蕎麦肉」とでも呼びたいような肉厚の断面から生まれる味わいは滋味深いが、
先程の「生粉打ち」と比べてしまうとちょっと淡く素朴すぎる印象も。
ところが、これがを「おざわ」の汁につけると異様に美味しいのだ!
「おざわ」の汁は、すっきり洗練系でもなく、
私が理想とする
「甘いとか甘くないとか出汁がどうとか、余計なことを何も感じさせない中庸・上質の汁」
でもない。
濃厚で甘みもしっかりあるのだが、なんだかものすごく美味しい。
そこにこのゴン太蕎麦がめちゃくちゃ合う。
いつもの私にはありえないことだがネギも合いまくりおいしすぎる。
(もっと欲しかったくらい)
濃厚旨汁に、みっちりモグンモグン蕎麦。
この合い方はそばがきに似ているのかもしれないな、
と食べ終り頃気がつく。
食後の蕎麦湯がまたおいしい。
ここは魔法瓶ごと「どうぞ〜」と置いていってくれるので
(奥さんの接客がまた素敵)
一人客の私もたっぷり蕎麦湯がもらえてしまう。
ほうじ茶のような独特の香ばしさが濃縮された釜湯の味わい。
おいしくて魔法瓶ごと全部飲みたいのだが、
気がつけばお客は私一人になってしまった。
ラストオーダーにはまだ小一時間あったが
蕎麦はとっくに食べ終わっているので何だか申し訳ない。
更けゆく、西浅草の裏通りの夜。
「長居しちゃあ店に迷惑だ、次の一杯でやめなくちゃ、ああやめられないもう一杯」
ってどんな蕎麦酔っぱらいでしょう。
あ ぜんぶ飲んじゃったぁー

ところで、帰り道に見かけたコヤツ・・
新仲見世の新イメージキャラクター「新にゃか」!
キャラ自体は私のタイプからはちょとズレるんだけど
「にゃかよくしてね!」なんて言われると弱いのですよ・・
耳のような、風呂敷の結び目のような頭頂部もなにやら味わい深く・・・
いや、でもこの手のキャラならやっぱりJRの「アルクマ」がすきー!(>_<)