2011年10月31日

悪いことはコソコソ



悪いことはコソコソすればいい。
・・のではなく「悪いことはしてはいけない」のだが
どうしてもやめられないことというのはある。
そういうことは仕方なくコソコソ、
またはパパッと目立たないようにするしかない。


「お蕎麦を汁に付けずに全部食べてしまうこと」
「香りを堪能したいがために、お蕎麦に鼻を近づけすぎてしまうこと」
は、私の代表的なコソコソパパッだ。

前者はお蕎麦と汁のバランスに命をかけているお蕎麦屋さんに失礼であり
後者は単純にお行儀が悪い。
現に某頑固系蕎麦屋店主には
「蕎麦はかぐもんじゃねえ、食うもんだ」
と怒られたこともある。
「当にその通り」と反省した私は、以来彼の店では
彼が後ろを向いた瞬間にだけパパッと香りを楽しんでいる。
まるで「ダルマさんが転んだ」をしているトムとジェリー状態で
我ながら笑っちゃうのだが
香りを「鼻で」楽しむ今生のよろこびはそう簡単には諦められないのだ。


コソパパ歴十数年だけあって、
お蕎麦屋さんでも目立つことなく(本人評価)お蕎麦と私二人きりの世界に溺れているが
たまには油断してしまうこともありまして・・


撮られちゃいました〜


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(よい子はまねをしてはいけません(^^;;))




.
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2011年10月30日

完成!(並木藪蕎麦)


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生まれ変わって、真っ白な並木藪。

ようやく建物が完成し再開店ももうすぐ。


楽しみですねー!






2011年2月 改装前最後の「並木藪蕎麦」



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2011年10月28日

表参道「青山 川上庵」


昨日は、学生時代の大先輩の集いに
ちょっと離れて年少(比較すればね!)の私もお誘いいただき、
わーいとお出かけ♪


私がお店決めたんじゃないんですよ〜
黒幕でもありません リクエストもしていません
いちばんの年長の先輩が幹事役をしてくれたのに
偶然会場がお蕎麦屋さんだったのだ!!
わーいわーい


「お造り シマアジ」
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ぶりんぶりんで脂のってていいシマアジ(大好物)。
Takeshiさんナイスチョイス!


「豆腐の三種盛」
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「半熟うまき」
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う巻というよりとろとろ半熟のオムレツぽい、「洋」の感じ。
でも私のところにはウナちゃん来てくれませんでした・・(^^;;)


「もつ煮」
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これだから呑兵衛だとすぐに思われる、私のリクエスト。
川上庵のは初めてだったけど、ガツンと超濃厚の煮込み。
しかもモツが大きい!


「茄子と生麩の揚げ浸し」
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「そばがき」
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ぎっしり、食べ応えあるそばがき。
フワ感モチ感ゼロのこの田舎っぽい食感は珍しい。
香りは淡いかと思いきや、噛みしめるごとに渋い香りがふくらんでいき
あー やっとお蕎麦に会えた・・



「豚の角煮」
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もつ煮もそうだったがここは角煮もワンブロックが大きい。
煮肉だいすき。おいしい〜



いよいよお蕎麦の時間。
実は内心待ちきれないほどでした(飲まなかったし・・(^^;;))
日頃大人数でお蕎麦を食べることがあまりない私には
この眺めは壮観!

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「せいろ」
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ねっとりとなかなか濃厚そうな姿。

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ふわぁ〜と香る、甘く爽やかなかぐわしさ。
見た目通りのややねっとりとした舌触り。
輪郭線ハッキリ、しっかりした食感。
プチプチとかすかに感じる粗挽きの粒感も楽しく、
おいしい〜 今日の川上庵、素晴らしいですよ〜〜


たのしい先輩方と美味しいお蕎麦にいっぺんに会えちゃって
すっかり得した気分。



帰り道、路地から見上げる細い空に星が一粒。

もう空は冬のようだ。





2011年9月の「青山 川上庵」
2010年7月の「青山 川上庵」




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2011年10月27日

神楽坂「蕎楽亭」


昨日は素敵なお誘いをいただき
「ジョージ・ハリスン/ リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
の試写会へ。

3時間30分。
終演後は、あまりの陶酔と衝撃で口もきけなくなってしまった。
どこを歩いているかもわからないくらいだった。

そんなへにゃへにゃのふにゃふにゃのまま、
「蕎楽亭」でかんぱーい!

楽しかったなあー



「季節の天ぷら」(相変わらず衣が危険な程美味しい。キスダイスキ!!)
「穴子白焼き」(焼き具合最高!)
「丹波黒豆の枝豆」(大きくて豆感しっかり)
「白子ポン酢」(お酒が飲みたくなる!!)

そう、この私ですら「ここでちょっとお酒を舐めたい」
と何度も思うほど美味しいものばかりでしたが
ただでさえ映画酔いでふにゃってたので、昨日はやめときました。
(それを証拠に2口奪わせていただいたビールだけで
若干店内メリーゴーランド化〜(^^;;))



「二色そば」
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何度見ても心ときめく田の字もり♪


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映画とビールと楽しさで相当ふにゃっておりましたが
シャキーンと目が覚めた!

ふっくらとした穀物の香りがたまらなくおいしい「ざるそば」。
ちゅるんとした食感、さっぱりとした香ばしさが新鮮な「十割そば」。

うわー
今日の「蕎楽亭」のお蕎麦は、いつも以上に素晴らしい
ふにゃふにゃの私と溶けあうように


エンドロール最後の最後に
暫く聞こえていた音が耳から離れない。

音はたぶん昼間のものだったと思うが、
夜明け直後のフライアー・パーク
露に濡れた野生種のようなバラ
その上をただよう魂のような
霧のようなものが見える。






posted by aya at 08:19 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月26日

浅草「手打蕎麦 おざわ」


最寄り駅はつくばエクスプレス「浅草」駅。
銀座線だと「浅草」駅でなく「田原町」駅の方が近いというのがややこしいが
歩くに楽しい街なのでどちらからでも遠く感じない。

国際通りを挟んでROXはす向かいの裏通り。
観光地的な浅草でなく、浅草の中でもディープなエリアに、
「おざわ」のやわらかな灯り。
「新そば」の小さな幟が清々しい。

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「おざわ」には蕎麦が3種類もある。
メニューの表紙には
「つるつる 細打ち」
「もちもち 生粉打ち」
「もぐもぐ 太打ち」
とある。

しかし私は大抵遅い時間に来るので
「細打ち」が売り切れのことが多いのがちょっと、
いや大変に悲しい。
(ここのところ3回続けてなのだ(>_<))

しかしそんな痛恨の悲しみを一瞬で忘れられるほど
今日の「生粉打ち」はすごかった!!


「生粉打ち」
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白い影ゆらめくみっちりと密な肌、
太めの素朴な輪郭線もそれは素晴らしいのだが、
何に驚いたといってその香りである。
たぐりあげ顔を近づけて驚いた。
ちょっと近年感じたことのない、フレッシュな香ばしさ!!
目が丸くなったまま固まりしばらく食べ始められなかったほどだ。

味わいもまたすごい。
その香りを美しく支えるような、軽く、フレッシュな味わい。
甘みが少ないのもかえって素晴らしい。
とにかく「おいしい」としか言いようがない。
「もちもち 生粉打ち」とメニューにあるように
食感がしっかりもちもちと非常に個性的なだけに
この素晴らしい香りと味わいをゆっくりと堪能出来るのがまたいい。
あああ〜おいしい〜〜 すばらしい〜 だいすき〜〜



「太打ち」
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初めて見た人は驚くだろう。
「おざわ」の太打ちは容赦なく太い。
ざるの上には数本しかない、と言っても過言ではないが
満足感はものすごい!

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いわゆる「固い蕎麦」というのとは全く違うのだが、
とにかくぎっしりと密な質感、それが太いので
モグンモグンと一生懸命咀嚼することになる。
「蕎麦肉」とでも呼びたいような肉厚の断面から生まれる味わいは滋味深いが、
先程の「生粉打ち」と比べてしまうとちょっと淡く素朴すぎる印象も。
ところが、これがを「おざわ」の汁につけると異様に美味しいのだ!

「おざわ」の汁は、すっきり洗練系でもなく、
私が理想とする
「甘いとか甘くないとか出汁がどうとか、余計なことを何も感じさせない中庸・上質の汁」
でもない。
濃厚で甘みもしっかりあるのだが、なんだかものすごく美味しい。
そこにこのゴン太蕎麦がめちゃくちゃ合う。
いつもの私にはありえないことだがネギも合いまくりおいしすぎる。
(もっと欲しかったくらい)

濃厚旨汁に、みっちりモグンモグン蕎麦。
この合い方はそばがきに似ているのかもしれないな、
と食べ終り頃気がつく。

食後の蕎麦湯がまたおいしい。
ここは魔法瓶ごと「どうぞ〜」と置いていってくれるので
(奥さんの接客がまた素敵)
一人客の私もたっぷり蕎麦湯がもらえてしまう。
ほうじ茶のような独特の香ばしさが濃縮された釜湯の味わい。
おいしくて魔法瓶ごと全部飲みたいのだが、
気がつけばお客は私一人になってしまった。
ラストオーダーにはまだ小一時間あったが
蕎麦はとっくに食べ終わっているので何だか申し訳ない。


更けゆく、西浅草の裏通りの夜。
「長居しちゃあ店に迷惑だ、次の一杯でやめなくちゃ、ああやめられないもう一杯」
ってどんな蕎麦酔っぱらいでしょう。


あ ぜんぶ飲んじゃったぁー






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ところで、帰り道に見かけたコヤツ・・

新仲見世の新イメージキャラクター「新にゃか」!
キャラ自体は私のタイプからはちょとズレるんだけど
「にゃかよくしてね!」なんて言われると弱いのですよ・・
耳のような、風呂敷の結び目のような頭頂部もなにやら味わい深く・・・
いや、でもこの手のキャラならやっぱりJRの「アルクマ」がすきー!(>_<)



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2011年10月24日

某所「某取材拒否店」


随分前のことだが、私が出演していたイベントに
清水ミチコさんがゲスト出演した。

モノマネがどれもそっくりで本当に面白かったが
特に可笑しかったのが
「物真似をするときは一応その方の許可を取るのですが
今回どうしてもOKを下さらない方がいらして、
エ〜その方のを次にやりますっ」
とサクっと言って「DHCのCMソングを混ぜた愛の讃歌パロディ」を
ソックリ声で歌い出したこと!


それに習うわけではないが・・・

拙著「蕎麦こい日記」の巻末の「おすすめ蕎麦店データ頁」に
掲載させていただいた店の中に1軒、
「写真撮影お断り、インターネット等への書き込みもお断り」
の店がある。
データ頁は店名、住所等のデータと私の一言のみで
写真も取材もなしだったため許可が下りたのだ。
大好きな店ゆえ嬉しかった。


シカシね・・・
やっぱり私も人間ですから、時にはおさえ切れず
愛に任せて暴走してしまうこともあり・・

名前を出さなければギリギリ許してもらえないかしらん・・



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この肌は、唯一無二。
ここにしかない独特の、ビスクドールのような肌。
すべすべ、しかしごく細かくざらざらとした繊細な刺激に驚き、
そして酔わされる。
ふっくらとした歯ざわりのなかに
美しい甘みと味わいが閉じ込められている。
「ほんもの」の美しさが、私に染み渡る。


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粗挽きの田舎、今日はせいろと肌感が似ている。
ビスクドールな恍惚刺激肌。
しかしこちらの方がしっかり噛みしめるだけに
味わいがじんわりと深く
肌に酔い、その味わいに酔い・・
ここの蕎麦の慎ましくも不動の魅力は、
私にとってやはり唯一無二なのだ。


拒否拒否言われるとなんだか感じの悪い店かと思いがちだが
まったくその逆である。

店は小さく静かで、近所のお年寄りや常連が
静かに美味しい蕎麦を食べている。
奥さんは営業的でない、独特の親しみ深い笑顔で
(特に可笑しいことは言っていないのだがこちらも笑いたくなるひょうきんさがある)
「これ美味しいよ」などと教えてくれる。

テレビの音、平和な午後。
店は厳しい姿勢を持って
この小さな国をまもっているのだ。


その国に本日紛れ込んだ犯罪者一名。

シャッター音が全くないカメラをいいことに、全く・・・

もう撮りませんから、お許しを〜〜!
posted by aya at 11:39 | Comment(6) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>足立区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月23日

南大沢「車家」


生産量の少ない希少な在来種である「こそば」だが
東京でも食べられるお蕎麦屋さんはいくつかある。


たとえばここ。

あまりにも名高い八王子の名店「車家」。

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樹木の向こうに百獣の王のごとく潜むは、
築140年余の大きな古民家。
福島県只見町から丸ごと移築してされてきたものである。



圧巻の佇まい。

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入ってすぐの一番広い板の間は昔は座卓席だったが
どっしりとしたテーブルがいくつも置かれるようになった。
最初見た時はこの古民家の吹き抜けの間にテーブルはそぐわないように見えたし、
テーブル、椅子共に大きい上に高さもあるので見慣れた店内に圧迫感を感じた。
しかし床座りが苦手なお客さんへの考慮と思うと
急に非常に和やかな眺めに見えてきたから不思議である。
そして実際座ってみてその大きなテーブル席に
ゆったりとした安らぎを覚えたものだ。


今回座ったのは奥の座敷。

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ここは蕎麦もいいが料理が大変美味しい。

その時々で変わる「季節のお料理」は毎回の楽しみだ。


「秋野菜と舞茸、さんまのつみれ汁」
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秋という季節がそのまま美しく閉じ込めれた、
旬のおいしいもの尽くし。
味わい深くも澄んだ出汁がしみじみと、心から美味しい。



そして「車家」はお蕎麦の種類が多いのが毎回嬉しい悲鳴である。

「おせいろ」
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今回はちょっと変化をつけて定番の「おせいろ」を
きのこ&おろしで食べる「天然きのこおろし」にしてみた。

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淡い緑が清々しい、するんとした美肌。
ひんやりした冷気、香りは淡い・・?と思いきや
それがどんどんくっきりしてくる。
干し草のような、墨のような、どこか枯れた印象でありながら、
実にさわやかなかぐわしさである。
味わいは、この上品なルックスに似合わぬほど濃厚で
豊かな弾力も素晴らしい。


「二八そば」
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口に含むとなんともゆたかな、たっぷりしたイメージの舌触り。
コシ、弾力の強さはせいろと同様だがこちらは
どこかダイナミックな、それでいて洗練された食感だ。
味や香りは淡いが、これをさっきの「きのこおろし」の汁につけると、
うわーい おいしーい!




そしてこちらが数量限定で出されていた

「妙高々原こそば」
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うわ なんでしょうあれは
朱塗りの器の演出も素晴らしいが
あなた!その肌! 
どうやらうつくしいでしょう!!

もっと近くであなたを見ねば

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この色・・・この淡緑。
触れてはならない、神聖さのようなものすら感じるほどの
極めて清澄な淡緑である。
こんなフレッシュな、清らかな美しい色をした蕎麦、
見ただけでたまらなくうれしいではないか。
かすかな透明感をうかべた肌は、
極上のさらしなのような
天女のような香りを濃厚にまとっている。
口に含むとちゅるんと大変に密度の濃い肌で
すごいつながり、のびるような弾力。
あああ 私の体までひんやりと森の中で澄んでいくような思いだ。
なんてきれいな味わい。おいしい・・・



こそばさん、妙高からここまで何に乗ってきたか知らないけど
遠いところをありがとう。


おいしくしてくれた車家さんもありがとう。





車家さん、入口辺りはちょっと向田邦子の世界だなと、
いつも思うのですよ。
電灯のせいかなあ

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2011年10月22日

鎌倉・材木座「梵蔵 自家挽工房 」


今日はぽかぽか、たのしい鎌倉あるき。


材木座郵便局そばの、小さな入口。

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ひょいっと覗けば、「梵蔵」の世界がはじまる。


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「ボンクラじゃなくてボンゾウです。ボンクラは店主です」
とは、この店がまだできたばかり頃の店主の言葉。



「和」と海辺ののんびりした雰囲気が入り混じる店内。

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掲げられた「きそば」の看板は
この店が出来る頃ちょうど店仕舞いした
三代続いた近所の蕎麦屋から受け継いだもの。
この地で生まれ育った店主の地元への愛情、
歴史を慈しむ気持ちが伝わってくる。




まずは
「喜美心」と「ばくらい」から。

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「梵蔵」の「莫久来」はなんだかやたらと、
今までで一番くらい美味しい。
そしてこの 馬上盃。
特注して作ってもらったそうだが
野性味のあるシンプルさがこの店の雰囲気にぴったりだ。




以前は昼と夜で2種類の蕎麦が食べられたのだが
(そのまた以前は昼でも2種類食べられたのだが)
今は「十割せいろ」一本になっちゃったのはちょっと寂しい・・・
イヤイヤ、決して文句は申すまい。

だって、こんなにおいしいのだ!


「十割せいろ」
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むっわーー!!
箸先で香る、大地の力強さを感じるたくましい香り。

口に含むとまた、これでもかと濃厚な穀物の味わいと甘さ。
端正な姿ながら歯ざわりはネチッと密度が濃く、
都会っぽいような田舎っぽいような、
何ともこの店らしい蕎麦である。
量はたっぷりあったのに、
おいしい〜 おいしいよう〜
とあっという間に食べてしまった。


ここはまた汁が大変美味しいので、常日頃
「蕎麦湯がお酒で、汁がおつまみ」
なんて言っている私は延々と蕎麦湯が止まらなくて困る。

蕎麦湯、ゴクリ。汁、チロッ。



懐かしい湘南でたぐるしあわせ。



鎌倉野菜ファンとしては
「鎌倉野菜としらす」っていうお蕎麦も気になるなあ〜












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2011年10月21日

つつじヶ丘「そば処 末広 」


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とにかくメニューが豊富である。

「カツ丼」「カツカレー「とんかつ定食」「エビフライ定食」
「焼肉定食」「うな重」「天ぷら弁当」「和風サラダうどん」
「すき焼きうどん」他セット物多数・・・

そして「もり」は量たっぷりで600円である。
(ついこの間までは550円だった!)

そんな大衆ムードムンムン店でありながら
突然、


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と言われたらそりゃあ驚く。
自家製粉は今や一般的として、自家栽培は凄い。

群馬県妻恋村・群馬川場村・福島会津磐梯に畑があり
店主自ら農作業を行っているらしい。
メニューには畑の様子や刈り入れ時の写真が入っている。


「もり」
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横長のせいろに山盛りでたっぷりとやってきた「もり」。
さてどんなすごい蕎麦かと期待したが、
非常に堅実な、誠実な、言ってしまえば地味な印象の蕎麦である。
格別華やかなかぐわしさも濃厚な味わいもないが
しっかりした歯ごたえと、粉の甘みをのんびり楽しむ。


自家栽培まで行っている店にしては
蕎麦の印象も価格もメニュー構成も意外なことづくめだが
こういうことは田舎ではよくあること。

「幻の在来種を手刈り天日干しして蕎麦打ち名人のばあちゃんが打ちました!」
さて蕎麦は?

「あらっ 意外と・・?」


しかし、そこには「真心」がある。
蕎麦への「真心」と、気が遠くなるような作業の労苦がこもった蕎麦だ。


「末広」さんが種から育て、刈り取り、自家製粉した手打ち蕎麦。
噛みしめれていくうちに、ほわ〜と蕎麦の滋味深き香りと味わいが
浮かび上がってきた。


自家栽培までしながらカツカレーも出すお店。

次回は具沢山のぶっかけみたいな「尾瀬の里」っていうの、
頼んでみたいな〜





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2011年10月20日

渋谷「凛」


嫌なことがあった。

私は落ち込みやすいので
もうなんだか動くのもイヤな位落ち込みまくり
長年の恩人友人ZBさんに電話した。

話を聞き一緒に考え明るく励ましくてくれたZBさん。
へなへなの弱音電話がすぐに恥ずかしく申し訳なくなり、
「これからお蕎麦屋さん行って元気出します・・」
と後からメールしたらすぐにZBさんからお返事。
「お蕎麦どこ行くの?時間あったら一緒にたぐろうか!」
仕事と仕事の移動の合間に、なんと10分だけ
本当に駆けつけてくれたぁぁああああ〜〜〜(;o;)(;o;)(;o;)
なっ・・・泣かせないでくださいよ・・・

というわけで今夜は「凛 石臼挽き手打ち蕎麦・酒彩」にて
駆けつけ10分ひとたぐり。


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渋谷2丁目の路地、控えめな佇まい。
闇の中にぼんやり浮かぶ杉玉が風趣を漂わせている。
私は「手打ち 蕎麦」の看板を見ただけですっかり嬉しくなり、
鳴いたカラスがもう笑った!
はい、私は落ち込みやすく立ち直りやすいのです(^^;;)




「せいろ」
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褐色のざるの上の黒っぽい蕎麦。
薄くひろびろと散らして盛られ、独特の風貌である。

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黒い肌にクッキリとしたホシがまぶしい細打ち。
たぐりあげるとムワァー!
力強くたくましい、黒く甘い香りを驚くほど濃厚にまとっている。
噛みしめると微かにネチッとした食感があるのだが
繊細な細打ちのためにスルスルッと食べられ
全体としては「洗練の野趣」の印象。
味わいも甘みもしっかりと濃く、
おいしい〜 楽しい〜 来てよかったー!
蕎麦好きのZBさんはうまいうまいと1分以内で平らげた!


あっという間の時間だったが
私が元気になるには十分。
ZBさんありがとう!


「凛」は「酒彩」とだけあって
焼酎、日本酒、ワイン、ウイスキーなどに合わせて
「鴨肉のコロッケ」「トマトの卵あんかけ」「牛スジ煮込」「海老しゅうまい」
「ポテトサラダ」「焼きナスの煮びたし」「三元豚のみそ漬け焼」
などなど、楽しくておいしそうなおつまみがいっぱい。
「生ウニの焼おにぎり」なんてのもある。

ZBさん今度はゆっくり、行きましょー!


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2011年10月19日

大阪・谷町六丁目「そば切り 文目堂」



あやめどうが すき。


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古い建物。
そこに身をゆだねる時間。

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「細切り」
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嗚呼・・・

あなたはやはり、うつくしい。

あなたに逢いに、ここへ来たのだ。


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端正な「細切り」は、機械切りと見紛うほどのととのった面持ち。
たぐりあげると箸先からムワァーと濃厚なかぐわしさがこぼれる。
しっとりとした微粉の肌は足がはやく乾きやすいようで
余り阿呆のように恍惚としている暇はない。
しかし今日のかぐわしさはまた前回と全然違って面白い。
感覚を研ぎ澄ませて(怪しい顔つきになって)見つめると、
ポンセン?か、麦こがしか、トウモロコシのような、
とても美味しい香ばしさがある。

はあー おいしい・・・

きてよかったようー、しあわせだよーう




「粗挽き」
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だいすきな「文目堂」の「粗挽き」。
ザックザクの黒い小山は
ドキドキするほど(っていうかしてます)の眺めだ。

しかし・・およよ?
たぐりあげた香りはここの蕎麦としてはごく淡い。
表面にたっぷりたたえた水分のせいかと思い
一生懸命ゆっくり食べたら香りはどんどん濃厚に!!
甘さやふくよかさのない、どこかストイックすぎるような香りだが
この雑味なき清らかなたくましさは実にめずらしく新鮮だ。
またこの粗挽きの舌触りが素晴らしすぎる。

ザックザクー
ザラつぶー
ふくらむ味わい・・・



私の前で食後の読書をゆっくり楽しんでいた女性が帰った。

「ごちそうさま。おいしかったです。」

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私も、もうしばらくこの時間の中にいたい。



あやめどう だいすき。





2010年5月の「そば切り 文目堂」




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2011年10月18日

大阪・荒本「蕎麦 伊呂波」


西のお蕎麦屋さん、特に大阪の店で
東京にはない凄いパワーを感じることがある。気がする。

「気がする」というのは、私が何事も感覚で生きているいい加減な人間で
事項の分類とか整理して考察とかが滅法苦手なせいである。

そのいい加減な感覚によると、大阪のパワーはやはり
小麦粉圏の蕎麦屋であるということ、
天下の台所、和食のメッカであるいうこと、
などから来ているのかなという「気がする」。

私は目の前のことに夢中になるタイプなので
今どこにいるかなんて忘れていることもあるのだが
時にぐっと押し出すような西のパワーに
ハッとさせられることがある。
「蕎麦は此の地のものではないが、我此処に蕎麦を極めむ」
という気骨のようなものを感じるのだ。

「蕎麦 伊呂波」は「荒本」駅からもう見えているような立地なのだが
初めて行った時はちょっと迷った。


一見店があるようには見えない静かな道にいきなり!




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マンションの一階にはめ込まれたような、白亜の外観。

白玉砂利が目にまぶしく、市松模様の庭石の上を歩くときは
ちょっと緊張するほどだ。
ほんとにお蕎麦屋さん?



店内もまた蕎麦屋らしからぬモダンな雰囲気。

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席についてなお緊張気味の私だったが
「ざる蕎麦」「田舎蕎麦」などが並んだメニューを見て
途端にニコニコくつろいだ気分に。
お蕎麦屋さんとなるとどうしてこう
親戚の家のようにリラックスしてしまうのでしょう。
やっぱり私は蕎麦なのかもしれない。



「ざる蕎麦」
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こんもりと美しく盛られた、やや太めの九一蕎麦。
すべらかな肌はフワンと独特の食感である。
味わいは淡いのだが汁をつけて
ウーンと納得させられてしまうのがさすがは大阪。
好みもあると思うが、私は西の蕎麦汁が好きなのだ。
「伊呂波」のつゆは甘みが少ない中に
すっきりと美しい「うまみ」がしっかりとあり実に美味しい。



「田舎蕎麦」
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ふわーと香る、田舎らしい野趣に飛んだ香り。
平打ちのしなやかな歯ざわりの中に
まばらに散るザラつぶ感が楽しい。
香りは、はじめは淡かったのが食べ進むにつれ
ぐんぐん濃厚になっていく。
味わいも甘みも深くて、ああ美味しいなあー



ところでこの店のインテリアデザインは
店主自ら行ったそうである。

すごい!




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2011年10月17日

大阪・新石切「そば切り 粋人」


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近鉄けいはんな線「新石切」駅からすぐ。
店名の読みは「そばきり すいと」である。

店内は店名からイメージする「粋」の雰囲気よりも
あたたかく落ち着いた空間。
前に衝立のあるカウンター席や
テーブル席がうまく組み合わせられていて
家族連れでも一人客でもくつろげるレイアウトになっている。

私はカウンター席で

「ざるそば」
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極細切り、きめ細かな微粉の肌。
繊細な蕎麦ゆえ足が早くさっさと食べないと表面がややぷにっとしてくるが
その頃の香りがまたいい。
むわぁーっと香る、茨城は水府村の蕎麦。
味わいはほんのりと淡く、
大阪には少ないタイプの蕎麦だけに楽しい出会いである。
枯本節、枯めじか、利尻昆布を使っているという汁も美味しい〜



こちらは大阪で出会えた、鳥取・日南町の蕎麦。

「十割田舎そば」
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黒い肌、豪華なホシがいかにも「田舎そば」らしく
「ざるそば」とは対照的な姿だが
食感としてはこちらも微粉、つるりとした肌。
ところどころに混ぜられた粗い粒が
口の中でも「見える」のが楽しい。
粒を噛み締める度に生まれる香ばしい空気、
淡い野趣を含んだ味わい。
なんだか非常に素直な感じのする田舎そばである。



そう、素直。まっすぐ。
私にとってはこちらのお店、
「粋な人」というより「まっすぐな人」という印象で、
そこがかえって魅力だと思う。

店内の、こんな看板とか
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こんな案内とか
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どうにもこうにも私には、
まっすぐで一生懸命なイメージのほうが強く伝わってくるのだ。



そうそう、「粋な人」と言えば
私のソウルメイト田中秋男氏の名川柳を紹介しないわけにはいかない。
エッセイストであり毎日新聞の「万能川柳」コーナーの常連川柳作家でもある「おじさん」は
いつもセーターに穴があいている。
そのおじさんが墓石に彫るとふざけて言った一句。

「一生を野暮で通した粋な人」。


さすがおじさん、と大いに気に入った癖に、
すかさず連句してしまった私、

「粋な人自分で言った野暮な人」。


おじさん、2句並べて彫るそうです(^^;;)








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2011年10月15日

大阪・福島「蓮生」


営業していない時間は消えてしまう店がある。

看板をその都度出していて作り付けの看板がないとか
シャッターを閉めてしまうと看板ごと隠れてしまうとかで
営業時間外に行ってしまうと店ごと見つからなくなってしまう。
初めて行く店だと尚更だ。

「蓮生」は何度か営業時間外に行ってしまったようで
ずっと場所すらはっきりしなかった。
店の住所に行っても何も無いのでお化けのような店だと思っていた。


晴れて営業日に来てみると・・
お化けのような店だった。

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裸電球で照らされた店内は昼間なのに夜のよう。

「ふた言」でいうと「お化け屋敷風」、「夜店風」。



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隅の本棚には鬼太郎グッズや「お化け屋敷ゲーム」、
「はだしのゲン」などが置いてある。
小さい頃から極度の怖がりで
未だに鬼太郎すら直視できない私には
演出効果バッチリである。



こんなスリリングな?ムードの中お蕎麦をたぐるのは
初めてだ。

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器も箸も全てプラスティックというところも
夜店めいている。

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たっぷりドーンと盛られた細打ちの蕎麦。
水気をたっぷりと含みぬたーと束になってたぐれるところも
なんとなくお化けっぽいムード?
黒い肌からは微かな野趣を帯びた香りが漂い
粗挽きの粒が時折ジャリ、と舌に刺激を与えてくる。


ひとりきりで経営しているらしい若い女性店主は
商売気なく、あっけないほど素っ気ない。
しかし決して感じが悪いわけでなく
むしろ親切さまで感じるのだから不思議である。



福島の入り組んだ路地奥。

開いている時だけ現れる、お化けのような店である。



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2011年10月13日

大阪・福島「まき埜」


交通量は多いが、すぐ近くに貨物線が通っているためか
なんとなくレトロな情緒も感じる辺り。

マンションの1階に、ビシッとととのったしつらいが
遠くからでも目に飛び込んでくる。

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店内はすっきりと美しく、余計なものは一切ない。
なかに入ってしまうと、忙しない外とは別世界である。




「盛りそば」
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あかるくつややかな肌。
つるつると密な質感だけにたぐると重量感があり、
ぬたーと束になって口内をめぐるのが何とも色っぽい。
噛みしめるとほんのり淡く、しかしとてもうつくしい蕎麦の香りが
こぼれだす。



香りが繊細なだけに必死で山葵をテーブルの一番端っこに置く私。
あの〜コレあとで使いますので、蕎麦湯の時につまみますので
へんなお客ですみませんすみません…



「田舎そば」
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せいろよりも輪郭線の際立った黒っぽい肌。
まばらに散りばめられた黒いホシがピリっと目にまぶしい。
姿は対照的と言ってもいいが
こちらも「盛りそば」同様ズンとした重量感を持ち、
噛み締めたときにほわ〜と浮かび上がる香りがうれしい。

端正な空間で出会う、淡い野趣。




ここはつゆが個性的。
まるでチョコレートのような、不思議で濃厚な香りがあり
それがなんだかやたらと美味しい。
甘いわけではな決してなく、「コク」といえばいいのかなあ
美味しいのでめずらしく蕎麦湯にも入れてみたら
余計にその個性が感じられて楽しかった。
私は西の汁が好きだ。



おっ どこで見たような湯桶ですのー(^o^)

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.
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2011年10月12日

嵐山「星のや 京都」(宿の蕎麦)


虫の音響く渡月橋より舟で、「星のや」へ。

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何よりも立地が素晴らしい宿ではあるが
食事がまた素晴らしい。


カウンター内の蕎麦打ち道具の美しさ。

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「無花果の揚げ出し、雲丹のせ」
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一品目から軽くノックアウトされてしまった!
無花果を使った料理は大好物だが(だけに?)意外と難しい。
こちらの料理長は和食の修行の後
フランス・ブレス地方の三ッ星レストラン「ジョルジュ・ブラン」で
修行を積んだそうだが・・
何だかよくわかりませんがコレ、素晴らしい!
口の中がおいしすぎます・・


「八寸」
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柿白和え、鰻八幡巻、いくらと三つ葉の和え物など。
太刀魚小袖寿司、脂がのってておいしい〜
レモングラス風味のミニトマト蜜煮というのも素晴らしい。
こんなデザートがケーキ屋さんにあったらいいのに。



「鯛の薄造り」
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「名残鱧と焼きナスの椀 」
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「天魚塩焼き」
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小倉遊亀か奥村土牛かというような、まるで日本画のような眺め。
琵琶湖湖北の安曇川(あどがわ)で捕れたというアマゴ。
アマゴってこんなにおいしいんですか!感激。



「アワビ柔らか煮、白芋茎、モロッコいんげん」
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「牛ロース炭火焼とポレンタを衣にした玉ねぎ焼」
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時がきた。

先程から目の前で打たれていた蕎麦が打ちあがり、
木箱の中にすべて収まった。




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愛知の窯で焼かれたという陶器の蕎麦猪口 。
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透け方も音も、一見陶器には見えない。
貝かガラスのようなひんやりすべすべした質感だ。


ここまででかなりお料理を食べているので
「お蕎麦の量はいかがいたしますか?半分、などにもできますが」
と聞かれる。
自信満々はっきりと「ふつうでお願いします」という私。
大盛りでって言おうか一瞬迷ったけどやめときました(^^;;)
お蕎麦の分のお腹は一年365日いつでも空けてございますよ!


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奈川の蕎麦粉に北海道の小麦粉。二八である。

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めずらしいほどの超極細。
繊細に震えるラインが印象的だが儚さはなく
しっとりやさしそうな肌。

たぐりあげると・・・
なんとフレッシュ、なんとかぐわしい香り!
食感は非常に個性的で、シュクシュクとした変わった歯ざわり。
噛むとすんなりその場所で束ごと切れる。
何より、その肌から断面から溢れ続ける
この香りの素晴らしさはなんなのだ・・・

澄んだ香りが最初から最後まで最大ボリュームで私を染め続け
「おいひいです」と言うのが精一杯。
あとはなるべく私のことは見ないでください(傾いてるので)。


ああ 嵐山の奥にこんなしあわせがあったとは・・・



「虫の音に蕎麦を浸して嵐山」




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2011年10月11日

淡路町「神田まつや」


昨日は、福岡から来ているMiluqueのベーシストSeigoと
マネージャー美幸氏をご案内して小さな東京さんぽ♪

お昼を食べようと「神田まつや」に近づいていみると・・

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まじっすか

すごい行列!!

そう言えば考えてみると「昼時まつや」は初体験かも知れない。
(中休みのないありがたいお店には、他が中休みな時間にばかり来るもので)
しかも最終日とはいえ連休中だしね〜〜

しかし、ぽかぽか秋日和の行列の眺めはそう悪くない。平和に感謝。
そして、お蕎麦が人気なのは、うれしいことだ!


老若男女がぎゅううとひしめき、
賑々しさ極まる店内。

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ひとり本読みながら昼ビーのおじさま。
息子に「大人の世界」を見せに来たのか、小学生の子連れのお父さん。
「健全な大人は昼からノム」という常識を植え付けている!?(^^;;)

相席の、観光客らしい仲の良い母娘はうれしそうに
メニューを眺め、あれやこれやとずっと悩んでいる。
何だか新鮮でステキ、たのしそう!

私は寝ても覚めてもコレなので・・・(^^;;)


「もりそば」
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ほわわ〜 とただよう、やさしい粉の香り。
口に含んで「えー!」
久々のせいもあるが、
こんなにふんわり〜とした「まつや」の「もりそば」は初めてかも。
ふんわりとした空気感、ほわ〜んと香り続けるやさしく深い香り。
ア〜コリャ おいしいねえ・・

一同が美味しい美味しいと口々に言いながら食べる、しあわせなテーブル。

食後は、デザイナーHさんの案内で
近江屋洋菓子店(レトロかわいい!)→古書街おさんぽ♪

何だか今日は私まで観光客目線で東京を眺めることできて
すごく新鮮だった。

お蕎麦も、街も、
東京って楽しいところなんだなぁー


本も2冊も買っちゃった(^o^)☆





posted by aya at 14:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>千代田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月10日

劇場で発見されました


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「劇場の発見  オドル/反復 流転 169分」
無事終了しました!

169分ぶっ通しでほぼ即興という
挑戦的なイベントだけに
貴重な体験をさせていただききました。

素晴らしいアーティストの方々との出会いが
なによりの宝です!!

写真は共演の音楽家の皆様と。
この劇場で発見された「楽団」、
実はもう笑っちゃう楽団名もついています(^o^)


皆様ありがとうございましたぁーー!!



(私の衣装が7日のMiluqueライブと同じということは
何卒ツッコまれませぬよう!
ドレスコードが黒だったんだもーん(^^;;))





posted by aya at 23:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | aya>diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月08日

Miluqueライブ終了!!

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昨日はご来場ありがとうございました!!

3度目のライブでやっと上京できました〜

楽しかったあ☆♪☆♪
(≧∇≦)/

親しみやすいポップさと
ちょっとスリルある即興セッションを楽しんでいただける
バンドでありたいと思っております。

これからもどうぞよろしく!!




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2011年10月07日

ツーショット!


レコーディングはこの方のアルバムでした!

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男の中の男、遠藤賢司さま

来年1月発売のニューアルバムの、
「ア!ウ!」という曲で
参加させていただきました〜

わーいわーいわーい


今日はエンケンさんは岡山で
ライブだそうです。


江古田と岡山で、
わんわんわんと一生懸命吠えましょうね
エンケンさん(^o^)!!



10月の出演のお知らせ



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2011年10月06日

レコーディング

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昨日、都内スタジオにて
敬愛する某アーティスト様の
レコーディングに参加の図!

めっちゃカッコイイ曲に
参加させていただき楽しかったぁ〜


明日はいよいよMiluqueライブです♪

みなさん是非いらしてくださいね。

楽しみー!!


ライブのお知らせ


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2011年10月05日

湯島「古拙」


銀座「古拙」が閉店して早1年。

店主は新店「仁行」で既に大活躍だが
先月、ここに彼のもうひとつの蕎麦のかたちが生まれた。

料亭のような「仁行」に対して、
こちらは肩肘張らず気軽な蕎麦屋。
家族連れでも宴会でも気兼ねなく使える、
大衆に愛される蕎麦屋。
今までと打って変わった、新しい「古拙」。


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湯島の、ちょっと怪しい雰囲気も漂う辺り。
三組坂の途中に「P」とあるこの店のネオンも
何だか一緒になって怪しく映ったりもするが、
近づけば


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よ る そ ば。

お蕎麦だー!
「蕎麦」の文字を見ると家族に出会ったようにほっとしてしまう私。

夜蕎麦?寄る蕎麦?


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店に入るとすぐにつくばいのある、待合のようなスペース。
このあたりは今までの「古拙」っぽい感じを残しているような。



しかし客席に案内されるとこれはなかなか新鮮な「古拙」だ。
驚くほど広いスペースにテーブルがズラー。
照明もテーブルセットも「洗練」とか「高級」より「和み」の雰囲気。
極めつけ、BGMはカントリーギター!!
なんだかやけに気楽な「古拙」なのだ。

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テーブルには、何やらここの蕎麦の説明書きが。
店主の言葉のようである。
「水腰そば」?

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「本来、そばというものは香を楽しむものなのかもしれません。
しかし、ぼそぼそとしたそば特有の食感は喉越しが悪く、
それを苦手とする私があえて、喉越しを楽しむために、
香を犠牲にしても構わない、・・」

  (エッ香り犠牲!?そんな、ご無体な!!
  『死ぬ前に食べたいものは蕎麦の香り』とか言っている私は
   蕎麦が途切れてマカロニみたいになってたって
   香りがちゃんとあるほうがいいー!)

「・・構わない、それでいて、松茸を裂いたようなしなやかな食感、
それは、そばが苦手、という方に是非食べていただきたいと」

  (蕎麦溺愛者ですが食べてもいいでしょうか・・(^^;;))

「自信を持ってお勧めしたい
そんな究極の喉越しを目指した十割そば、
それが、「水腰そば」です  石井 仁」


ハァー そうですか・・・

音楽は有線放送なのか
電子音のポピュラーソングに変わってスーパーマーケットみたいだし
なんだか不安になってきちゃった・・
香り犠牲・・ああ・・


「もりそば」
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おーっ
「古拙」らしい小山盛りだがこれは小山ではなく結構大山です。


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繊細、美麗な極細切り。
手繰り上げると・・ 
めっちゃ香っているではないですかー!
爽やかな穀物のかぐわしさが
ふわぁ〜 ふわわぁ〜〜〜〜
香り、全然犠牲になっていません!

口に含むと、極細切りの束が流れるように口中をめぐる。
ややぬめるような肌を噛みしめると心地よいコシ。
極細の「束」が生み出すチュクッとしたコシはなんとも個性的だ。
「水腰そば」。水のような腰。
なんだかわかる気がする。

でもほんとはもう、先程から何も考えたくなくて
ただただ見つめるめぐる束、
口内と脳を染める爽やかな香りと味わい・・・

ああ おいしいなあー



店を出るとき入口付近でどこからか賑やかな声が。
店員の女性がにこやかに
「地下が大宴会場になっているんですよー」

エー!1階の客席もあんなに広くて個室もあって
おまけに地下に大宴会場!

確かにメニューには
「ポテトサラダ」「鶏唐揚げ」「鶏塩焼き」
などのおつまみや
「よるそばコース(2700円)」
「宴会コース(5000円〜)」
まであってこりゃお誂え向きである。


湯島の地で変貌を遂げた「古拙」。

「ひるそば」もたのしそうでしたよー



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今週7日(金)江古田でライブやりまーす☆!









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posted by aya at 09:29 | Comment(7) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>文京区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月04日

神宮前「手打蕎麦 松永」


ありそうでない店なのだ。

まず立地が、原宿、北参道、外苑前、千駄ヶ谷、
各駅のちょうど真ん中。
閑静な付近にはぽつりぽつりとデザイン事務所や美容室などが点在し
要は小洒落たエリアである。
右向いても左向いてもスーツ着たおじさんだらけの
新橋や神田とは別世界。


こういう場所に手打ち蕎麦屋があることがまずありがたい。
それがまたイマドキの感じの店でなく、
どこまでも飾らない、ふつう〜〜〜の蕎麦屋な雰囲気。
しかも店主は若い。
そして蕎麦は美味しい。

ありそうでない店なのだ。



「じゃこ天」
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さりげないのに「おっ美味しい」というのが
いかにもこの店らしい。
静岡の黒はんぺんのようなギッチリ濃厚な旨味で
ちびちびやりたい人にもぴったりだろう。
なんと豊かな400円。



「もりそば」
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蕎麦がまた、一見とても普通な印象ながら
「おっ美味しい」。
粉のしっかりした香りと味わい、二八らしい程よいコシ。
奇を衒わぬ真面目な美味しさがここにある。



店は通し営業なので昼酒にも持ってこい。
混んでいる時間も殺伐とした雰囲気にならないのは
この店が、店主と店主の両親の家族営業だからだろう。


隣では近所に仕事場があるらしい男女が
昼から「お疲れ様〜」とビールとつまみで楽しくやっていた。
今期のコレクションは、などというあたりやはりデザイン系らしい。

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帰り際、女性が陶器製の箸置きを落として割れてしまった。
「ごめんなさい!」
慌てる女性に、店の奥さんがゆっくりと歩み寄り
「あら、いいんですよ、大丈夫」。

さらに、
「形あるものは壊れますから」。
ゆたかな、頼もしい笑顔。

うーん参った。憧れた。
「相手に気を使わせないようにしている」
という意図を全く感じない、ごく普通の態度。
当たり前なおおらかさ。
本当に何もなかったかのように空気が戻った。



ありそうでない、素敵な店なのだ。




10月の出演のお知らせ


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2011年10月02日

長野・高遠町「高遠そば ますや」


どうも、高遠です。
横浜生まれ横浜育ちの江戸っ子ですが
高遠、仁科の血をひいていたりします。

やはり血が騒ぐのか?
学生時代から何だか無性に高遠町が好きなのです。

桜を見に来たり
お蕎麦を食べに来たり何度となく訪れておりますが
今回は新しくできたバイパス沿いの「ますや」。

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高遠の中でも広々見渡せるロケーションが素晴らしい。

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天井が高く気持ちの良い店内。
おっ 、なんだかお蕎麦屋さんらしからぬ
ものすごく美味しそうな香りがしているが・・


とりあえずはやはりどうしても食べたいものから。

「手碾き そばがき」
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なんとフレッシュな蕎麦のかぐわしさよ。
ホワーンとした香気に脳が侵されてゆく。(また人聞きの悪いことを・・)
恍惚とろふわの夢。
メニュー写真と違って汁に浸っていたのはちょっと不思議だったが、
なんでかな?


さて、「ますや」には二種類のお蕎麦がある。

「玄」
高遠産玄そばを鬼殻付きのまま碾いた黒っぽい蕎麦。

「抜き」
殻を剥いた八ヶ岳産そばを、手碾き石臼超粗碾きにした白っぽい十割そば。

こちらは黒っぽいほう。

「玄」
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透明感のあるみずみずしい肌に
はっきりと細かなホシ。
ひんやり伝わる淡い香りは、見つめるほどに美しい。
淡い香りの中に、蕎麦畑の豊穣のよろこびが見えてくる。
はぁー きれいだぁー




そしてこちらが白っぽいほう。

「抜き」
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ウワー
あなたすき。
たぶんすき とてもすき。(歌か)

だって、見るからに美味しいでしょうこれは!

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粗挽き、なんとも美しすぎる肌・・・
透明の陰影、ほの白い無数の粒たち。
チリチリとごく細かく揺れる輪郭線を見つめていると
うっかり時が過ぎてしまいそうだ。

たぐりあげると、淡くほんのりと甘い香り。
ざらざらとやさしく粗い肌。
しっかり噛みしめるとじんわりとした甘みが染み渡る。



そうそう、蕎麦に夢中になりすぎて
「高遠そば」について申し遅れました。
今回「玄」は伝統の高遠そばスタイルで食べたのだ。

高遠スタイルったって、何も私のように
恍惚陶酔酩酊状態で毎度ぶっ倒れながら食べることではない。
写真のように「大根おろし+焼き味噌+ねぎ」
のつけ汁で食べる、この地ゆかりの蕎麦のことだ。

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「ますや」はしゃもじの上の焼き味噌、おろし、ネギ等をすり鉢に入れ
自分で汁と合わせて作る本格的なスタイル。
メニューに手順も丁寧に書いてあるので
それを見ながら混ぜるのはなかなか楽しい。

高遠そばは元々この高遠の地で起こったものだが
江戸初期に高遠藩主保科正之公が高遠から会津に移ったため、
その時「高遠そば」ごと会津に移ってしまった。
実はここ高遠で「高遠そば」が町おこしとして
復活したのはつい最近のことなのだ。
(と、10年以上前に町の青年団某氏に聞いた(^^;;))
しかし美味しさが話題を呼び、今ではすっかり
この本来の地の大切な文化としてなじんでいる。

シテその高遠そばのつけ汁とは

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これはもう文句なく美味しい。

単に大根おろしと味噌というのではなく、焼き味噌だから香ばしい。
そこにネギが入りその合い方と来たらない。



しかしですね、実は特筆すべき
この店のスペシャリテがまだあったりするのだ。

「そばピザ」!

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そば甘皮で作った生地に、ねぎ味噌、きのこ、鰹節、鴨薫製。
ピザとしてはユニークすぎる和な具も大変美味しいのだが
蕎麦馬鹿高遠にはこの生地がとにかくたまらない。

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ハアー
ずっと鼻を近づけていたいような香ばしさ。
噛んだ味わいの豊かさ。
潔いバリバリ感!

そばピザなるものは今までに何度か食べたことがあるが
もともとピザという食べ物への愛情が「普通」な私は
やっぱりお蕎麦屋さんではお蕎麦がいいなぁーという感想が多かった。
しかし「ますや」さんのピザにはビックリ!

冒頭で書いた、店に入ってすぐ感じた美味しそうな香りとは
この生地の香りだったのだ。


店を出ると広い空。
ぽかぽか陽気の高遠町。


ああ やっぱり高遠町、大好きだぁー





10月の出演のお知らせ



posted by aya at 23:35 | Comment(2) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする