- 長野・木曽町「時香忘」
- 兵庫・丹波市市島町「そばんち」
- 兵庫・出石町「出石蕎麦 天通」
- 西高島平「蕎麦 ひびき庵」
- 恵比寿「手打ち 酒彩 蕎麦 初代」
- 神田「眠庵 」八種もりの会
- 自由が丘「sora」
- 大塚「みとう庵」
- 山梨・高根町「ichi」
- 山梨・小淵沢「なかしま」
- 保谷「手打そば 一喜」
- ちょいとブレイク
- 10月の出演のお知らせ☆
- 虎ノ門「蕎麦切り 酒 大愚」
- 神保町「松翁」
- 東大和市「手打ちめん処 松根」
- 表参道「青山 川上庵」
- お祭りやってるよ☆
- 瑞穂町箱根ヶ崎「手打そば むらやま」
- 立川「手打ち蕎麦 ふたつ庵」
- 0909のお知らせ
- 浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!
- 恵比寿「手打ち蕎麦 慈玄」
- スーパー水戸ライブ!
- 明日の出演!
- 岐阜「胡蝶庵 仙波」
2011年09月30日
長野・木曽町「時香忘」
何年か振りなのに
こうして来てみれば前回がつい昨日のよう。
車を降りてまず一番に迎えてくれる山の空気!
川沿いにある「時香忘」は一日中
山の空気と川の音に洗われているかのようだ。
店のエントランスから建物まではだいぶあります
だいぶあります
だいぶあります
とうちゃく〜
来る度に、一体どんな土地の形なのか把握しようと思うのだが
いつものことながら行きはソワソワ、帰りは蕎麦酔いふにゃふにゃで
結局どうなってるのか今もわかりません。
よくわからないままの方が楽しいのかもしれない。
吹き抜けの、気持ちの良い店内。
人気の店だけに午前中から続々とお客さんが集まってくる。
まずは、
「蕎麦がき」
ほわぁ〜と濃厚に漂う、野趣あふれる香り。
極粗挽きの肌がいかにもおいしそう!
噛みしめるとぎっちりと密な食感、モッチリとした歯ごたえ。
ひとつひとつはコロンとコンパクトながら食べ応えのある、
山の地らしい蕎麦がきだ。
そして本日は張り切って予約までしておりまして
3種類のお蕎麦を食べるんだぁー!
うれしいなー!
まずはこちらが前日までに要予約の
「野点そば」
こ、この肌・・・!!
小枝のような輪郭線、ネコヤナギの穂のような白い陰影。
見た目も物凄いだけあってこのお蕎麦、
ただのお蕎麦ではありません。
「蕎麦の実を粉にせず実のまま打ち上げる」というびっくり蕎麦。
蕎麦ウンチクはなるべく知らないままでいようと心がけている私には
さっぱりわからないが何だかものすごいらしい。
つなぎは0.18%だけ「山菜から取り出した葉脈」を使っているそうだ。
「通常の10倍以上の時間をかけてこねあげる
モチモチの食感をお楽しみください」
と説明にある通り、モッチモチの独特の食感。
無数の凹凸が口中を流れ、
ほんのりと野性味のある香りを見つめるひととき。
「夜明け蕎麦」
見たことのない方は必ず驚くであろうこのルックス。
「昼夜蕎麦」という名で呼ばれたりもする、
田舎蕎麦と更級蕎麦を重ねて仕上げた二色蕎麦である。
技術的にとても難しいとされるこの蕎麦を
こちらでは湯捏ねせず小麦粉も入れず
0.12%の葉脈をつなぎとして加え、水だけで打っているそう。
田舎蕎麦のねっとりざらざらした食感と
つるりと流れるような更科の食感が同時に感じられて
何とも珍しい感覚。
田舎らしい力強い香りなどは見た目ほど感じられず
上質の更科蕎麦が持つ上品な美しい味わいが印象的だ。
「極粗挽きおやまぼくち もり蕎麦」
せっかく来たのだから
この店のスタンダードといえる蕎麦もやっぱり食べたい。
極粗挽きの蕎麦粉に0.12%のオヤマボクチを
つなぎとして加え1時間かけこねあげている蕎麦だ。
オヤマボクチとはヤマゴボウとも呼ばれる植物で、
昔から長野の飯山辺りでは
このオヤマボクチをつなぎにした蕎麦が打たれてきた。
今日は「時香忘」の蕎麦としてはどの蕎麦もあっさりめの印象だが
この強いコシとややぬめるような表面のつるり感は
まさにこの店らしい。
噛み締めるごとに淡く浮かぶ香りを追いかけて
じっくり、じわじわ、味わい楽しむ。
素敵な仲間と楽しい蕎麦。
山の中。川の音。
ああ、しあわせなお昼だ。
10月の出演のお知らせ
2011年09月29日
兵庫・丹波市市島町「そばんち」
丹波市ののどかな田舎道ぞいに現わる、ちょっと不思議な建物。
映画のセットのようなレトロな看板に混じり、
「そばんち」と屋号があるが・・
うん?入り口は何処だろう。
どうやら店は右手にあるこの建物のようである。
入る前から何だか面白い店だぞ・・
店内に入ると「はーい」とどこからか声がするが姿は見えない。
まもなく店主が出てきて、広間に案内される。
窓いっぱいの、田園風景。
遠く重なる山の峰、平和にひろがる田んぼ。
なんと贅沢な眺めだろう。
「目の前は道路ですけど、ほとんど車通らないから気にならないんですよ〜」
と、嬉しげに語る店主。
定年後開業し、ここでの生活を楽しんでいるのが伝わってくる。
楽しんでいるどころではない。
このイタズラ心たっぷりの、楽しいメニューときたら!
お任せ「そば膳」「そば三昧」グルメ鉄道の旅!
店主は鉄道ファンなのか、コースメニューが
「鉄道すごろく」のようになっているのだ。
大真面目な顔で
丁寧にウキウキと説明してくれる店主が楽しくて、
何も食べないうちからこちらも大ニコニコ。
楽しみだなあ〜
どんな蕎麦鉄道の旅なんだろう!
まずスタートは
「揚げそば」
「平飼い鶏の有精卵 黄身の色が違います」
とすごろく、じゃなかったメニューにある
「出汁巻き」
この「出汁巻き」がですね・・
結論から申し上げますと、今までの人生で一番くらい、美味しかった!!
とにかく卵がものすごい。
卵の味がぎゅうううー!と濃くて、しかもしつこくない。
食べていて「美しい」と感じた卵なんて初めてだ。
焼かれた層の中にトローリと、濃厚なソースのような卵のうまみ。
ちょっとちょっと、出汁巻きの段階でここまで感激させられてしまうとは!
なぜか私の前に正座している店主さん・・
もしや只者ではないですね・・・?
お次は「ミステリー駅」停車。
「何が出るかお楽しみ?」とあるが、今日は
「梅そば」
すっきり、ひんやりとした出汁の中に
太い平打ち蕎麦。
梅としその風味がさわやかで、しそ好きの私には嬉しい美味しさ!
とは言え梅や柚子に敏感すぎる私。
すごく美味しい・・けど早くお蕎麦の味を感じたい・・
焦るな、自分!
お次の駅は店主の遊び心の最高峰。
「辛味大根ぶっかけ」
真ん中に黄緑色の大根と
ムラサキ色の大根がふたつ。
店主ががっしりした指で小皿を手にとり、
ムラサキ色の大根の一つにスダチをかける。
「いいですか見ててくださいよ〜写真撮らなくていいですか〜っ?♪」
あまりにウキウキ張り切っているのでこちらもつい
食いつかんばかりに見守る。
すると、
わぁー ムラサキが鮮やかなピンク色に!
楽しいー!
しかし「へへへー楽しいでしょっ」という笑顔で
こちらを向いて正座している店主はもっと楽しい。
私はたまらない。
「辛味大根ぶっかけ」はさほど辛くはなく
スダチの香りがふわぁ〜っと美味しい。
ここの汁はやや甘めなので辛味大根との相性がいいのかもしれない。
「そば掻き」
ここまでの粗さは珍しいほど、
限界まで粗く碾かれたザックザクの粒たち。
口に含むとフレッシュな緑の蕎麦風(!)が
ぱぁーっと体中を吹き抜けるようなかぐわしさ。
ザラザラのつぶつぶが、モチモチでつながっている感じの肌は
どこか白米のような甘さも感じ、
うーんこれは実にユニークな、素晴らしいそば掻きだ。
「水そば」
悪い癖だが、だいたい私は
「水そば」というものをバカにしがちである。
汁の味なしで食べさせるというのが新鮮な演出なのかも知れないが
もともと汁をつけない私には水の存在がただただ邪魔なだけである。
蕎麦肌が水でコーティングされて、
蕎麦の味が全く薄まって感じられてしまうのだ。
しかし「そばんち」の「水そば」で目が覚めた!
このたまらなくフレッシュな香り。
水の中に泳ぐ粗碾きの白い肌の美しさ。
何から何まで驚きの水そばである。
噛んでふくらむ、白いイメージの品のいい蕎麦の味わい、
しろくまあるいかぐわしさ・・・
ああ恍惚・・・
しかしコースはまだまだ続きます。
いったいどんだけ蕎麦を食べるんだ、と思われそうですが
一品一品の量は多くないのでお腹はまだまだ余裕でっす!
(これが肉料理ならとっくにドロップアウトしている私だが)
「粗碾盛りそば」
ああ あなたは。
夢のように、美しい。
カァー
「そば掻き」と同じ蕎麦を碾いただけあって
これまた吹き抜けるフレッシュな緑の蕎麦風!!
不思議なことに、同じ蕎麦でも
そば切りとなると何だか味わいにひねの要素が出ている。
はなやかでフレッシュなかぐわしさと、老成した雰囲気の渋い味わい。
ああもう 美味しいものにふりまわされて
何がなんだか・・・
終着駅は
「そば雑炊」
蕎麦の実というのは煮たり炊いたりした時が
一番蕎麦感が薄いと思う。
よって蕎麦雑炊を食べる時は普通の米雑炊を食べるときのように
心平らかに落ち着いて楽しむことができる。
鴨とネギの浮かんだ蕎麦の雑炊。
鴨の出汁がおいしいなあ。
食後の店主との話で偶然、コーヒーの話になったのだが
なんとここのコーヒーは「石臼コーヒーミル」なるもので
店主が手碾きしているとか。
そら飲まなあかん!
これがまた。
びっくりするほどおいしいのだから参ってしまう。
深くて、やわらかくて、コクがあって、甘い。
え〜〜
出汁巻きがあんっなに美味しくて
蕎麦もあんっなに美味しいのに
コーヒーまで美味しいんですかあ〜〜
自分のやっていることを自慢気にでもなく
ごく普通の態度で丁寧に説明してくれる店主は
なぜか自然に、ずっと私の前に正座している。
今は黙って、遠くの山を見ている。
なんて面白い、素敵な午後だろう。
そばんち、ばんざい!
10月の出演のお知らせ
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2011年09月28日
兵庫・出石町「出石蕎麦 天通」
皿そばで有名な蕎麦のまち出石。
「皿そば」とは兵庫県出石地方の郷土蕎麦で
江戸時代、お国替えで信州上田市の仙石氏が連れてきた
蕎麦職人にはじまるといわれている。
出石焼の白磁の皿に分け入れられた蕎麦は5枚一組を一人前とし
卵、とろろ、ネギ、山葵、大根おろし等の薬味と共に食べる。
だいたい、800円とか900円で一人前が薬味付きで出てきて、
そこに一皿120~150円くらいで小皿を追加していくシステムだ。
「出石蕎麦 天通」はその出石にあって
皿そばがメインでない、ちょっと珍しいお店である。
蕎麦も皿そばの蕎麦だけでなく
「十割そば」
「田舎そば」
「粗挽きざる」
と3種類もあり、すべて自家製粉。
しかも「田舎そば」と「荒挽きざる」はなんと手挽き!
「そばがき」も手挽き!
ヒャ〜〜 もう嬉しくて嬉しくて
開店時間(午前10時)のはるか前に到着してしまいました。
だというのに
「中でどうぞ〜。すぐには、できないかもしれないけど〜」
と、どこまでものんびりと親切な店のおばちゃん。
ああ なんて素敵な朝なんだろう。
開け放した扉からのどかな街の音が聞こえる。
「十割そば」
見るからに「これは香りそうだ」と嬉しくなったが、
予想を超えた、ときめくほどのかぐわしさ!!
まろやかでクリーミー。
素晴らしい香り高さに思わずうっとりさせられる。
ああ、おいしい・・・来てよかった・・・
見た目以上に密度の濃い肌。
ねっとりとやわらかめで、これはなかなか足が早い蕎麦だ。
さっさと食べないとせっかくの香りが淡くなってくる感じがあるが
大丈夫、そう思ったときにはもう食べ終わってましたさ!
朝イチ、お蕎麦に飢えていたところにこの美味しさであるから
その吸い込みの良さと来たらない。
「田舎そば」
黒々、ざっくりとした肌に浮かぶ無数のホシ。
不定形にゆらめく、素朴な輪郭線。
口に含むとザラザラとした肌の凹凸が心地よく
何と言っても殻の香ばしさ、味わいの深さがたまらない。
甘みが全くないのがかえって香ばしさをさっぱりと際立たせる。
見た目はハードだが食感はやさしい、手挽きの「田舎そば」だ。
「粗挽きそば」
キター
これは・・・
あまりにも美味しそうで食べる前からもう胸がいっぱいである。
もう泣いてもいいかもしれない。
白っぽい肌に浮かぶ大小無数の陰影。
細かく震える手挽きのライン。
うわーどうしよう、これは絶対おいしい、美味しそうすぎる!
もはやパニックに近い状態で手繰り上げると、
そんな私をふわっと和ませるような、やさしく白い香り。
そしてそのしっとりとやさしくも粗い肌を噛み締めた時の、
味わいの美味しさときたら!!
味わいもまた白いイメージで
品のいい穀物のうまみがぎゅううううと閉じ込められている。
ああ おいしいー おいしいようー
来てよかったようー
おばちゃんありがとうー
随所に感じる美味しさへの徹底した追求、
なのに拍子抜けするほどのんびりとした居心地の良さ。
どこか仙台の「たまき庵」に通ずるユニークさを感じるなあ・・と
思ったらこんなところに共通点が。
蕎麦湯の湯桶に浮かべられた柚子・・・
店を出てもまだ10時半。
さぁて、今日はまだまだ楽しいんだー♪
10月の出演のお知らせ☆
2011年09月27日
西高島平「蕎麦 ひびき庵」
美術館には雨が似合う。
雨露の中、板橋区立美術館の森に寄りそうような
「蕎麦 ひびき庵」。
メニューに
「クリームあんみつ」「そばしるこ」「杏仁豆腐」
などもある通り、
美術館帰りのカフェとしても居心地良さそうな店内。
窓を彩る濃い緑がいい。
うどんや海老天重などのごはんもの、
天ぷらやお造りのコース、鍋コースまであるが
なんと言ってもここは蕎麦である。
「せいろ」
あおいゆたかな瓜を思わせる爽やかな香り。
パキッとはっきりした輪郭線で
食感もくっきり硬め。
口中はひんやりさわやかな香りに染まり続け
北海道は音威子府の夢を見る。
そしてこちらが土日限定の
「粗挽せいろ」。
こちらはざる盛りですね。
見るからにじわーと香りそうな
黒く粗い肌、まぶしいホシ。
手繰り上げるとひんやり〜〜とした空気が
何とも香ばしく、かぐわしく染まりこちらに漂ってくる。
「わぁおいしいー!」(まだ食べてない)
こんなにもしめられているのにこんなにも香ってくれているのだ。
見た目はそうでもないが
口に含むと先刻の「せいろ」とは打って変わって
やわらかめの、輪郭のない蕎麦。
なんだか美味しくなさそうな表現で申し訳ないが
これが大変に美味しいのだ。
繊細な細さ、チリッとかすかな刺激を覚える粗挽き感、
表面はざらつきつつもみずみずしいのでつるりと口中を流れ、
その間じゅう溢れ続ける香ばしい香りと味わい・・
おいしいー!
雨は止んだように見えたが店を出るとまだ降っていた。
さーてどの道から帰ろかな。
10月の出演のお知らせ
2011年09月26日
恵比寿「手打ち 酒彩 蕎麦 初代」
恵比寿駅より徒歩1分。
以前からここにあった「あらこや」が
この度打ち場新設の改修工事を終え
本格的な手打ちの店「初代」として生まれ変わった。
昔の商店街の面影を残す駒沢通り沿いに現れる
ドーンとスタイリッシュな外観。
ガラス越しに見える店内も美しく「蕎麦」の文字がなければ
お蕎麦屋さんには見えないほどだ。
パァーッと明るく真新しい、お蕎麦屋さんらしからぬ店内。
1階はお寿司屋さんのような白木の大きなカウンターのみで
なんと言っても目を惹くのは奥に新設された打ち場部分。
厨房は暖簾の奥に別にあり、
カウンター内は打ち場だけという、なかなか珍しいスタイル。
「あらこや」時代からここにあった
木製冷蔵庫(?)のような扉もますます映え、
美しく楽しい眺めだ。
打ち場の横には作り付けのケースの中に生姜や山葵が
ディスプレイされている。
ん?その前にある木の箱はなんだろう。
なんと、6種類もの天然塩。
大島、広島藻塩、沖縄、フランスブルターニュ、バリ、ボリビアの天然塩が
なかよくひとつの箱に収まっているという演出。
ブルターニュ塩の色が素敵。
沖縄の塩は甘くて美味しいなあ〜
「そば切り」
お蕎麦は大きな横長い皿盛りで。
機械打ちかと見紛うほど端正な細切り。
いかにも密度が濃そうな肌に無数に散りばめられた
大小のホシがまぶしい。
手繰り上げるとふわぁーーっとふんだんに、
穀物のたくましさを感じる蕎麦の香り!
密度の濃い細打ちは程よいコシで
ツルツルでも、パキパキでもない・・何と言うか、
噛みしめるとかすかにチュクッとするような感覚があり
そこからあふれ続ける香りと味わいが美味しい。
これは・・北海道かな?と思ったらビンゴ!
幌加内の蕎麦であった。
「これはヒネなんです。来月は新蕎麦になりますからもっと変わりますよ」
とのことだったが、いやいやいや、これも大変美味しいですよー!
私は某俳句会の「紅白俳句合戦」において
短歌会のプリンス笹公人氏に奇跡の勝利を遂げた
輝かしい過去があるのだが、その時の句が
「新も良しひねもまた良し人と蕎麦」。
もちろん新蕎麦は新蕎麦で楽しみだが、
噛みしめるほどに、
口内の左右にも奥にもひろがるこの蕎麦の味わい・・
ああ私はどれほど蕎麦が好きなのだろう。
「手打ち 酒彩 蕎麦 初代」の営業はなんと午前4時まで。
焼酎もお酒もワインも豊富ならおつまみも充実していて、
「トマトと生ハムしそ包み揚げ」
「そば屋の唐揚」
「牛筋辛味煮込み」
「京風だし巻卵」
などなど、季節のメニューも含めて多数。
お蕎麦はぶっかけだけでも5種類もあって
特に「湯葉のせ豆乳蕎麦」っていうのが気になる〜〜
ああでも、食べられるのはいつのことやら・・
次もやっぱり「そば切りください」って言っちゃうんだろうな〜
でも食べたいなー あー ゆばのせとうにゅうそば・・・
10/7(金) 江古田でライブやります!
2011年09月24日
神田「眠庵 」八種もりの会
やってきました恒例の眠庵「八種もりの蕎麦会」。
今回もまた楽し過ぎる面々が集まって
面白かったなぁー!
いつものことながらお酒もおつまみも
美味しいものがたーくさんあって素晴らしかったのだが
すみません、私の愛はやっぱりここに集中しておりまして・・
1枚目北海道(2011)、瀬棚のキタワセ。
採れたて出来立ての新蕎麦だそう。
「乾燥機から出立てでまだまだ暴れているんですけどー」
という店主の言葉にドキドキしながらたぐりあげ
「おいしぃーーーー!!」
と思わず叫んでしまった。
なんという、香ばしさ。
甘くないフレッシュな香ばしさが素晴らしすぎる。
のちにふくらむ米のような甘さ。
いつものことだがやっぱり1枚目って感激が大きいなあ。
(昨日は張り切って蕎麦抜きしたしねっ♪)
2枚目栃木(2009)、2年熟成の常陸秋蕎麦。
お〜、これはまたじわーと、落ち着いた濃厚な香ばしさ!
1枚目も素晴らしい香りだったが
この濃厚香ばしさも素敵すぎる。
私、栃木のお蕎麦が大好きなのです。
この蕎麦、眠庵にしてはしっかりめなコシ、弾む楽しさがある。
そこからあふれる甘み。こういうのもいいなあ。
3枚目長野(2010)、松本の信濃一号。
甘い、濃い、香ばしい!!
今日はなんだかものすごい蕎麦続きだ。
この信濃一号はまた独特のはかない食感が魅力。
眠庵なやさしいコシ、はかない輪郭線をたどると
意外にも粘度の高い歯ざわりに出会う。
こんなにはかないものからじわじわと味わいと甘みが出てくる不思議。
4枚目新潟(2010) 、小千谷の「とよむすめ」という新種。
ひゅるーと流れるような、直線的な輪郭線。
栃木在来が元になった種だけあって、
私が好きな深い香ばしさがうれしい。
口中でも感じる直線ライン。
それを噛みしめると比較的しっかりしたコシがあり
そのぶんたっぷりふくよかさを堪能できる気がする。
それにしてもこの甘さ・・・今日の蕎麦は本当に全部凄い!
5枚目鹿児島(2010)、鹿屋在来種。
ムワー!たくましいまでに濃厚なかぐわしさ。
穀物のパワーにあらためて驚かされるような、
ちょっと目がさめるような力強い香りだ。
しかもこれだけ強烈な香りを放ちながら、この食感・・・
ふわっと繊細でやわらかな、
これをコシと言っていいのかためらうような絶妙のつながり。
噛みしめると何も頑張らずにあっさりと噛み切れるのだが
その刹那、ギューーー・・・と最後まで濃厚につながっている
蕎麦の粒子が見えるのだ。
6枚目宮城(2010)、秋保在来種。
もうおんなじことばっかり言っていてすみませんが
これまた甘く濃厚なかぐわしさがものすごいのであります。
私のメモには汚い字で「MAX!!」と殴り書いてあるほどでございます。
そして食感については「はらはらふわー」と書いてあります。
はらはらふわー、気持ちよい!!
しかもこの蕎麦、食べ終わって何分か経っても
ずっと口の中が甘かったのには驚いた。
東北の蕎麦ってすごいなあ。
7枚目徳島(2006)、5年熟成の徳島在来種。
5年熟成とは、また凄いものが出てきました。
おー、これはまた独特な、
ものすごい強烈な香りが内側に閉じ込められているような感じ。
音で言えば重低音。
軽やかな高音がなくズーンと響くような感じが伝わってくる。
しかもこのお蕎麦、かみしめているとなんだろう・・・
ハーブでもない、お香でもない、なにか別の、
なんとも良い香りがかすかにかすかに潜んでいるのだ。
この香りは5年の間に蕎麦が産んだものなのだろうか。面白い!
8枚目福井(2006)、大野在来種。
毎度のことだが蕎麦会最後の福井は色味が素晴らしい。
そしてこの、全方向から攻めて来るような強烈な香り!
甘さ、香ばしさ、ふくよかさ、野性味・・
もはや足りないものはないかぐわしさである。
この蕎麦、今日の今までの蕎麦とくらべると甘味がないのだが
それがかえってさっぱりすっきりして美味しい。
今回は冒頭に書いたように
あまりにも面白い、事件のような仕上がりになった方などがいらして
そのたのしい酔っ払いぶりに大笑いする人、対抗する人で
異例の?大盛り上がり。
私も間近で起こることが可笑し過ぎてどうしても笑っちゃって
いろんなものが上から降ってくるガレキの中で
必死で味わうことに集中しているような気分でした。
それがまた、そこまでして味わおうとする自分がバカ過ぎて可笑しくて
お蕎麦食べながら笑いすぎて涙まで出ました。
最高に美味しくて、楽しくて。
今も書きながら顔がニヤニヤするほど
やたらにしあわせ蕎麦でしたー(^^)
2011年7月の「六種もりの会」
2011年5月の「眠庵」手挽き蕎麦
2011年3月の「眠庵」
2011年2月の「八種もりの会」
2010年11月の「八種もりの会」
2010年9月の「八種もりの会」
2010年7月の「八種もりの会」
2010年4月の「八種もりの会」
10月7日(金)、ライブ@江古田バディ、来てくださいねー!
2011年09月22日
自由が丘「sora」
自由が丘にある、「三元豚のしゃぶしゃぶと手打ち蕎麦」のお店。
よく行く街なので
以前から気になっていたのだ。
「タジン蒸し野菜」
根菜中心で美味しい!
簡単だけどこういうシンプルなメニューはなかなかないのでうれしい。
「馬刺し(熊本直送)」
「ジャンボなめこおろしポン酢」
おおー確かに大きい。
でも東京で食べるときのこ系料理はやっぱり量がさみしいなぁー
山形・平田牧場の三元豚のコラーゲンしゃぶしゃぶ。
どのへんが普通の豚よりコラーゲンなのかはわからないのだが
すべての女子は「コラーゲン」の一言に弱く、
何よりも大事なのは「自己暗示」なのだ!
ああおいしい〜 しかもコラーゲンだって〜
そしてシメのお蕎麦。
はかなく、ふんわり、
八ヶ岳産の蕎麦。
香りも味もごく淡いが馬だ豚だと食べまくった後は
こんなやさしい蕎麦が合うのかも知れない。
さて帰りはお気に入りの
BEIGEGEでも見て帰ろうかなー
10月7日(金)ライブ@江古田バディ、やりまーす
2011年09月21日
大塚「みとう庵」
大塚駅前の路地に潜む、
立ち食いそば「みとう庵」。
お昼時の大人気ぶりは凄いもので
サラリーマンがひっきりなしに、
押し寄せるようにやってくる。
私の行った時間帯には女性客はおらず
全員クールビズなサラリーマン。
店内で並んでカウンターの空きを待っていると
「ハイここね!」と私がくっつくべき岸辺を指定されるので
慌ててそこに碇泊する。
最近になって
夕方5時までは細打ちの「石臼粗挽きそば」、
5時以降は太打ちの「石臼田舎そば」という
時間帯切り替えシステムになったこちら。
今は細打ちの時間帯だ。
「石臼粗挽きそば」
「乱切り」という言葉を思わせるような(意味は違うが)
荒々しい切り口。
しかしこんなたっぷり250gの蕎麦が300円で食べられるのだから
味気ない機械製麺の蕎麦が出てきて当然のところなのだ。
手切り風・不揃い押し出し機械製麺というのもあるが
無論それとも違う。
包丁手切りの素朴な輪郭線、ありがたいなあ。
ちょっと熟成を思わせるつやつやした肌。
たぐりあげるとムー!と濃厚な蕎麦の香り。
口内にかすかな、ちくちくとした刺激を感じるような粗挽きで
噛みしめると粘土のような密度の濃さを持っている。
香りも味も濃厚なら、食感まで濃厚な蕎麦だ。
これは、機械打ち手切りなのかな?
北海道幌加内産の玄蕎麦使用である。
店内で次から次に叫ばれるオーダーは
「かき揚げ天もり!」580円
「刻み鴨汁せいろ!」400円
「カレー南蛮!」580円
など、人気は集中せず様々のようだ。
入り口の食券売り場にあった
トッピング
「穴子天」200円
「かき揚げ天」100円
「ちくわ天」100円
ていうのも楽しそー!
10/7、江古田バディでライブやります!
2011年09月20日
山梨・高根町「ichi」
ここに帰ってきたよろこび。
万感の想いを込めて、
新生「ichi」!
山梨県高根町の大好きな「いち」が
蕎麦の営業をやめて早一年。
カフェ「ichi」として人気を集めているとは聞いていたが
また蕎麦も再開したらしい。
早速、イケメンズと連れ立って3人、
喜び勇んでやってきたのだが・・
こ、この看板の素敵さは、一体!!
ここの店主は図抜けたセンスと才能のアーティスト。
絵本の中の、と表現するほど可愛らしすぎず
アンティークな、という言葉が似合うほど気取った欧米風でもない。
日本のガラクタの美しさをひょいひょいっとすくい上げて
ichiの世界におさめてしまう。
もうこの看板だけで私は胸がいっぱいだ。
「ichi」に帰ってきた喜びと、
これからはじまる楽しい時間へのワクワク感!
築130年の、元は病院だった建物。
「明治病院」の看板は健在だ。
店内は、古民家レストランによくある
「天井とっぱらって吹き抜けにして広々、洗練の空間」
というようなことをしていないので
パッと見は天井も低いし家具や物が沢山あって広さの割に狭い印象。
しかしそれぞれの席に座ってみると
驚くほど落ち着いた、リラックスできる空間になっている。
店中に散りばめられた「ichi」らしいセンスのインテリアは
宝探しのようでついウロウロ。
そのセンスの良さにはいちいち(洒落かっ)唸るばかり。
以前使用していたらしい、メニューの値段用かな?
可愛らしい消しゴム判はもちろん店主の作。
さてさて、それではそろそろお蕎麦を・・
とメニューを見ると
ええっっ
なんとっ
「もりそば」がない??
書かれている蕎麦メニューは
「揚げ茄子のおろし蕎麦」
「ごぼう天のつけ蕎麦」
だけで、あとはカレーやハンバーグ、自家製パンなど。
しかも「ごぼう天のつけ蕎麦」は本日売り切れなので
今ある蕎麦メニューは「揚げ茄子のおろし蕎麦」のみ。
ここで慌て過ぎて、
「揚げ茄子のおろし蕎麦」は「蕎麦の上に汁や揚げ茄子がかかったぶっかけ」、
と勘違いした私。
突然池からはみ出してしまった鯉の如く窒息寸前ジタバタ大慌て。
そんな〜、「ichi」のお蕎麦を、お蕎麦だけで食べられないなんて(>_<)
あのぅ〜〜 本当にすみませんが・・・
「揚げ茄子のおろし蕎麦」3つはほしいのですが、あと追加で
「ごぼう天のつけ蕎麦」のごぼう天はなくてもいいので
お蕎麦だけをいただくことは出来ます、か・・?
(ジタバタジタバタ)
「いいですよできますよ〜」
と言ってくれたお店の方がちょっとキョトンとしているなと思ったが
「揚げ茄子のおろし蕎麦」が運ばれてきて納得。
まずはつけ汁だけやってきたのだ。
なぁーんだお蕎麦と汁は別々の「つけ蕎麦スタイル」でしたか!(^o^)
それにしてもこの豊かな眺め・・・
茄子ばかりでなく
畑の恵みが、お皿にぎゅううとてんこ盛り。
にんじん、じゃがいも、ズッキーニ、ベビーコーン、ゴーヤ・・
素揚げされた野菜達に、なんたって「鬼おろし大根」が
ジャキジャキ、いいアクセント。
鬼おろし、いいですよね〜
そして、お蕎麦がやってきた。
ゆるゆるのんびり
ざるの上にぽーんと投げ出されたような
リラックスした表情の蕎麦。
たぐり上げて思わず声が出る。
ごめんなさい、店主の「のんびりどうぞ」という気持ちは伝わってくるのだが
私は全くのんびりできておりません。
このすんばらしい香りは何ですか。
フレッシュで爽やかで、
私の全身を吹き抜ける山の風のような
鮮烈な蕎麦のかぐわしさ。
そしてさらにその食感。
ふんわりと口中にひろがり、噛みしめると余裕のコシ。
香り高い空気感と弾力。
もはや錯綜した形容詞の羅列でしかないが、私の頭の中は錯綜の極みである。
ああー だっておいしすぎる。
思わず、偶然席の後ろにいた店主に興奮して話しかける。
「お蕎麦、美味しすぎます!」
店主、ちょっと可笑しそうに、でも少し考えてから真面目に
「・・普通です」。
聞けば、お蕎麦メインだった以前とは違い、
今は「カフェで食べる蕎麦」ということで
作り方は同じでも以前ほど気持ちとして蕎麦に力は入れておらず
あえて「もりそば」というメニューは作らなかったそう。
「それで、野菜と一緒に来た蕎麦が ”あ、おいしい”っていう感じで
今はちょうどいいかなぁ〜って」
(>_<)
全く、才能ある人は
こーんなかっこいいこと言ってしまうのだ。
しかし、それもそのはず、
今店主が夢中なのはこの築130年の建物の、さらなる大改造。
今までほぼ眠っていた2階部分にも手を入れ始めたのだ。
「まだできてませんけど、どうぞ〜」
とのことで
まるきり、トトロのメイちゃん気分。
まっくろくろすけが、ぐわぁあああああ!!
って出てきたらどうしよう。
ウハッ
かわいい字で「いらっしゃいませ」だって。
だいじょうぶそうだね。
ふあー これは。
ひろびろとした2階いっぱい、
なんと懐かしく楽しい、不定形な空間!
吹き抜ける、色も香りも緑の風。
窓際の椅子から眺める、古い建物の形にふちどられた空。
まさに今、店主の世界がここに大きく飛躍しようとしている。
彼の視野には将来的にここでのライブやイベントもあるようなので
ますます楽しみだ。
これは確かに「蕎麦がメイン」という感じではないぞ・・
主役でない蕎麦がおいしい。
うーん、ニクイぜ、ichi。
<おまけ>
これも店主の最近の作品。
店の裏の駐車場が、緑で出来ている!!
やられたぁ〜〜
可愛すぎるぅううう(>_<)
10月7日(金)、ライブ@江古田バディ、来てくださいねー!
2011年09月18日
山梨・小淵沢「なかしま」
青空を飾る白い雲。
イケメンお二人とこんな素敵な休日。
おおー
お蕎麦屋さんと思ってきたけど、目の前にそびえるは
トトロの森か山城か?
(参考資料→「城あるきのススメ/春風亭昇太」)
登ってみよう。
あのー
どうみても「家」ッス。
これ以上近づいてもいいんでしょうか〜?
武田の矢が飛んでこないでしょうか〜?
よく見れば入り口らしきところに「不況に負けず営業中」の文字。
わぁーいよかった!
任せてください、イケメンズも一緒ですから、いっぱい食べますよ!
ヨーロッパの田舎風のような、
日本の古民家風のような・・
いろんな木の色が混在する、いかにも手作りの風情の小屋は
ここにしかない「なかしま風」。
空気の美味しさ、窓辺の緑の気持ちよさは
筆舌に尽くし難い。
「なかしま」のおもしろいところは
「お蕎麦のお代わり不可、注文したら人数分一緒盛り!」
というところである。
都会の気取った薄盛り蕎麦から考えたらなんて乱暴な、と思えなくもないが
蕎麦がやってくると、これまた楽しいものだ。
「お代わり不可」と聞いて、3人なのに4人前頼んだ一生育ち盛りチーム。
やってきたお蕎麦は確かに壮観のボリューム!
でもこうして写すと、別に普通の一人前に見えてしまうかも?
「4人前一緒盛り」を写真で表現すべく
お二人に同時にたぐる演技をお願いして撮影。
(なんたってお一方は俳優さん)
(演技過多気味なのは監督の腕が悪い〜(^^;;))
山の澄んだ空気に乗って
ふわぁーっと鼻腔に届く爽やかなかぐわしさ!
口に含むとひんやり、しっかりとしめられた硬く細い輪郭線。
しかし噛みしめると硬さは全くなく
むしろやさしい土のような食感。
なにより魅力的だったのはその肌の凹凸感。
なんというか、細かい粗挽きというか・・(わけわからん)
ビスクドールの肌のような
細かな細かな、繊細な凹凸感が口中を撫でていくのが
実に美しかったのだ。
急いで食べないと最初に感じたフレッシュなかぐわしさが
消えて行ってしまうのだが、
そこは4人一緒盛りですから!
誰ものんびりしちゃいません。
弱蕎麦強食、早いもん勝ち!
(一緒もりの狙いはこれかしらん?(^^;;))
帰り際、いかにもこの店の主らしい、
豪気な雰囲気の店主と二言三言、山の会話。
ああ 山はいいなあー
10月7日(金)、江古田でライブやりまーっす!(^o^)
2011年09月17日
保谷「手打そば 一喜」
夏の思い出。
たくさん歩いた。
とても暑い日。
午前中の静かな店内。
ひんやり涼しくて嬉しかったなあ。
「二八せいろ」
端正な笊にビシッと盛られた姿の美しさ。
手繰り上げるとシャキーンとつめたい香気。
店内がとても涼しいのにそれでもシャキンと感じるほどの冷たさ。
それがこんなにも香ってくれることに驚く。
枯れた印象の渋いかぐわしさに染まった蕎麦。
しっかりとコシを持ち、噛み締めた味わいがまたたまらなくおいしい。
見た目より繊細な蕎麦らしく香りが逃げるのが早い気がしたが
美味しすぎてそれより早く食べちゃったから大丈夫!
「十割あら挽きせいろ」
これまたビシッとととのった姿が美しい。
褐色の肌にワクワク。
見た目も黒いが香りも黒い。
香ばしくておいしいーー!(まだ食べていない)
口に含むとパキパキとした輪郭線。
かなり固めの蕎麦だが、それを噛みしめてふかまる
香ばしい味わいが美味しすぎる。
甘みも愛しすぎる。
ああ・・美味しい・・・
写真を眺めているとあの日に帰る。
また行きたい。でも今日は行かれない。
そんな時のために、私は写真を撮るのかもしれない。
2011年09月15日
10月の出演のお知らせ☆
Miluque live in Buddy
Miluque初の東京ライブが
10/7、江古田バディにて決定!
ファーストライブが6月福岡、
2回目が7月台北インターナショナルジャズフェスティバル、
そして10月ついに東京です。
バンド名のmiluque(ミルク)は牛乳でなく弥勒菩薩。
メンバーの一人が沖縄在住なのですが、
沖縄では弥勒菩薩を「ミルク神」「ミルクさん」と呼び、
お祭りの時は笑顔のミルクさんのお面をかぶった
ミルク神がねり歩きます。
ミルクさんがあらわれた場所は15年間無病息災という
縁起のよい名前です。
オリジナル曲を中心に楽しいライブにしたいと思っています。
是非是非いらしてください〜
2011年10月7日(金)
江古田buddy
open18:30 start19:30
前売り3000円 当日3500円 + 1drink500円
林正樹(Pf)、セバスティアン・カプテイン(perc)、
松永誠剛(B)、高遠彩子(Vo)
Miluqueライブ・フライヤー.pdf
***********************************
芸術家たちが塗り込め、逃がし、追う。
169分というひとつの時間。
ダンサー、コリオグラファー、ミュージシャン。
凄いアーティスト揃いです!!
山田せつこディスカッションダンス
「オドル/反復 流転 169分」
→公式HP
【日時】
2011年10月9日(日)14時開演(13時30分開場)
※16時50分終演予定
【会場】
日暮里サニーホール
【チケット】
チケット: 前売3,000 円/荒川区民2,500 円/当日3,300 円
チケットのご予約はイベントHP
「169分=2時間49分、新幹線で新神戸までいくことのできる時間をオドル。自分のダンスをこの場に持ち込み人とともにオドル。人のなかでソロをオドル。人のダンスをオドル。互いの間でダンスを反復し、浸食され、浸食する。ダンス・デイスカッションとでも言おうか。観客の方々は、基本的に出入り自由です。何を見たいか、何が見たくないか、見ることをオドッテいただけたらと思います。 山田せつ子」
上演に関するご注意
開演は14時、上演時間は169分と大変長いプログラムです。ですが、途中ロビーに出られる時間なども設ける予定でございますので、安心してご来場ください。
出演者・スタッフ
[ダンス]
新井英夫、白井剛、鈴木ユキオ、ユン・ミョンフィ、安次嶺菜緒、加藤奈緒子、山田せつ子
[音楽]
港大尋、クリストファー遙盟、常磐津和英太夫、常磐津菊与志郎、井谷享志、高遠彩子
[構成]山田せつ子 [音楽構成]港大尋
[コンセプト提案]宇野邦一
2011年09月14日
虎ノ門「蕎麦切り 酒 大愚」
新橋に現わる新星は
既に高みで揺ぎ無き輝きを放っている。
隠れようにも誰も放っておいてはくれないだろうに
名店は限界まで路地の奥に隠れ、
通りを見渡してもその姿は見当たらない。
店前に立ってやっとそれと気づくストイックな佇まい。
真ん前に立ったってまだ看板の文字が確認できないほどだ。
カウンターのみの店内は決して広くはないが
壁の色木の色、全てが温かみのある色でシンプルに統一され
広くないことがかえって心地よい。
大木の中の、秘密の小さな美しい部屋に招かれたようだ。
よく見ないと気づかぬほどの自然な曲線を描く
一枚板の美しいカウンター。
そのすべらかな木肌は
そこに置かれたものを実に美味しそうに演出する。
「諏訪泉 富田 純米生原酒50」
今日は偶然他にお客さんが居ない時間であったことや幸運が重なり
夜のおつまみの中からできるものをオーダーすることが出来た。
「鶏とアボカドの山葵和え」
「鶏皮ざく」
鶏皮をこんなふうにさっぱりとサラダ仕立てで食べられるのは嬉しい。
緑色のジューシーな野菜は瓜?冬瓜?と思ったらトマト!
とても楽しく美味しい一皿。
そして早くも時は満ち。
私の胸の高なりはもはや蕎麦待つ丘の鐘の如くである。
(意味不明だが個人的にはまさに!)。
なんたってですよ、
この「大愚」のお蕎麦は全て手挽きなのです。
えーっ ホントウですかぁ〜
こんな都会の真ん中で、そんな夢みたいなことってあるんですかぁ〜
大愚の、「せいろ」。
手びねりの陶器のような素朴な輪郭線。
その肌に浮かぶ無数の白い夢と陰影。
しばらく眺め入っていたいほど味わい深い眺めだが
蕎麦は食べるもんだ。食べる!
うわー!
なんという・・
夢のような、美しい香り。
はじめ淡いが薄衣が重なっていくように
どんどん深まっていくかぐわしさ。
見たとおりの素朴の舌触りの肌を噛みしめると
絶妙の弾力あるコシが迎えてくれ「参った!」。
しかもそのコシから溢れてくる味わいときたら何でしょう。
あまりに美しい、美味しい味わいなので
その味を舌の上にぜんぶ広げて味わおうとしている貪欲な自分がいる。
こんな気持ちになったのは久しぶり、いや初めてかも知れない。
ああーおいしい なんだこりゃ おいしすぎる
大愚の、「田舎」。
潔さを感じるほどの、この肌の黒さ粗さ。(凄い!)
ずっしりと重なる姿の迫力。
箸先にたぐりあげ、嬉しさと驚きで思わず笑顔になる。
この、めったに無い、ゴマやピーナツよりも更に深い、
やんちゃなまでの香ばしさ!
香りはがっつりだが味わいはすっきり。
甘みもあまりなく、それがかえってこの蕎麦の美しさを際立たせている。
ムッチムチのコシと弾力、そしてなによりこの香ばしいかぐわしさを
すっきり洗練のうちに味わえるのだ。
ううう・・・
この「せいろ」にこの「田舎」・・・
どっちが好きかと聞かれても全く選べないほど
それぞれが素晴らし過ぎる。
またふたつの対比も素晴らし過ぎる。
すべて手挽きだけに売れすぎたら
店主が寝る時間がなくなってしまうのではと
要らぬ心配をしたりもするが
すべて手挽きだけに行く度に違う輝きを魅せてくれるだろう。
壁の振り子時計がなめらかに刻む時を見つめながら、
蕎麦湯。
名店は、路地の奥。
その日にしか出会えない蕎麦に、出会いに行ってください。
.
2011年09月13日
神保町「松翁」
今夜は、大好きな「松翁」でかんぱーい!
6時半に店の前で約束しているので
るんるんるん〜っと見慣れた角を曲がり
この先をもうひとつ曲がれば・・・・あれ? ここじゃない。
もうちょっと先だっけ?・・・・ない。
またまいご〜
何度来てもまいご〜
15年以上、やって来る度にまいごになる規則正しい私。
言い訳すれば、この店は一度ごく近所で移転していること、
(移転してからも10年以上経っているのだが・・)
目印としていた簿記学校の何号館だかがなくなってしまったこと等いろいろあるが、
私が必ず迷子になるお店はここだけでないことを考えると
言い訳禁止!!
10分以上遅刻し友よスマヌ!!
店前でペコペコ謝り
まずは「黒龍 特選吟醸」でかんぱーい!
「穴子の煮凝り」
ここのおつまみは何でもおいしいが
この「穴子の煮凝り」はおいしすぎる。
煮凝り部分は透明でなく白濁していて
口に入れると天然の煮凝りのやわらかな弾力が
ほろり〜と夢のように溶ける。穴子も溶ける。
味付け加減もベスト。毎日食べたい・・
天ぷらが超美味しい「松翁」だけに壁のメニューの
「秋の天ぷら」というのと
「活海老と活穴子の天ぷら」というのが
両方美味しそうで選べない。
じゃあせっかくだから、と両方いってみた!
その中からいくつか。
海老の頭。
キス
匠の技とか言いようのない、
薄いのにしっかりとした旨味を感じさせる衣の美味しさ。
キスのふんわり感と味わい。
素晴らしいの一言!
活海老。
活穴子
うう・・・
穴子も美味しいのだがまず衣が美味しすぎる。
この衣・・何の魔法かと思うほど味わい深いのだ。
そしてそのパリっと美味しい衣の中に出会うふっくらとした穴子。
参った!
メゴチと松茸。
薩摩芋。
お菓子のように甘く、ギュッと密度の濃い薩摩芋。
友はこの薩摩芋に大感激!
お蕎麦は、ここではこれしか食べたことありません、
「並そばと田舎そばの合もり」♪
あー!!
この田の字の盛りを見ただけで血圧が上がる!!
(いつも90-50以下なので丁度いいんでは)
「並そば」
ときめく、フレッシュなかぐわしさ。
その美しい香りに誘われ恍惚と口に含めば
ほんのりとした歯ざわり舌触りがやさしく迎えてくれる。
口いっぱいに広がるフレッシュな香りと味わい。
ああああ 来てよかったようー
おいしいようー
「田舎そば」
箸先ですでに魅了されてしまう、香ばしく深い香り。
今日は並そばもいつもよりやさしい表情に感じたが
田舎は今までになく、びっくりするほど
フワンフワンのやさしい歯ざわり。
香ばしくほにょー
滋味なるふわぁん
「穴子の煮凝り」から美味しいものの連発で
今日はニヤニヤヘラヘラしっぱなし。
しかし今夜はまだ行きます!
なんと大馬鹿な私はこの「松翁」において
今夜初めて「変わり蕎麦」を食べます!
これだけ「変わりそば」の美味しさが名高い店なのに、である。
蕎麦原理主義なんて言われてしまうだけあって、
蕎麦の中の蛙、世の中まだまだ「初めて」だらけで楽しいです(^^;;)
「しそ切り」
まずはこの色の美しさに
目が覚める思い。
うわぁー
今日はちょっとした記念日かも知れない。
しそ切りってこんなにおいしいんですか!
以前山下アンシュや紋屋三田様とお招きいただいた宴の第1回目において
蕎麦教室桜庵の先生方による「しそ切り蕎麦サラダ」というものに出会い
いたく感激したこともあるが、今日は改めて大感激。
大体が私は、並そばや田舎そばといった「フレイバーなしの、蕎麦味の蕎麦」を偏愛するあまり
それらの風味を釜茹越しに染めてしまう可能性が高い
柚子切りや桜切りといった変わり蕎麦をつい敵視してしまう短所がある。
しかしこのしそ切りの爽やかな美味しさに出会ってしまうと・・・(>_<)
しそ切りさんは釜湯をしその香りで染めたりもしないしね〜
嗚呼、遅まきながら恋におちてしまったかも知れない。
そうそう、お蕎麦が美味しすぎて例によって一回もつけられなかったが
「松翁」には『甘汁」と「辛汁」があってどちらにするか聞かれる。
私はいつも辛汁だが、今日はしそ切りも取ったので
二つの汁を比べることができた。
代わりばんこにチビリと舌に乗せて楽しみながら
延々と、蕎麦湯。
薄めの甘汁は越前おろしそばの汁のようで
おろしと良く合いそうだ。
気がつけばすっかり夜も更け、暖簾もおろされた。
最後の客にならぬよう店を出る。
いつも帰りに付近の道をよく観察し
今度こそ覚えて帰ろうと思うのだが
蕎麦酔い、蕎麦宵。
いい月夜だなあー
2011年09月12日
東大和市「手打ちめん処 松根」
アンシュと立川キチ◯イ連合による
夢の多摩蕎麦ツアー第2弾!
お話も楽しい、心優しきW先生の
魔法のピカピカ馬車に乗って
たどり着きましたのは
えっ ここ!?
なんと〜〜
鮮やかなお花畑に今にも埋もれてしまいそうな
かわいらしい木の小屋!!
うれしーい!
このお店がねえ〜〜
実に素朴にゆる〜く、
いい〜感じでやっているんでございます。
いらっしゃぁい!と元気のいい
おばちゃんたちの声に迎えられ、
一行はニヤニヤヘラヘラ、ズイズイズイ〜と奥へ。
店のロゴになっている文字が少々読みにくく
T棟梁はずっと「松・・ケモノ?」と不思議に思っていたそうだが
お店の名前は「松根」。
うーん確かに、私には「松狼」に見えちゃうなぁ〜
こちらは武蔵野、うどんどころらしくうどんも手打ち。
「黒豚の旨味たっぷり」という
「肉汁そば」「肉汁うどん」があるのも
武蔵野らしい。
というわけで
「肉汁うどん」
真っ白でないうどんがいかにも地粉の感じで美味しそうだが
その通りつるりシコシコ、大変美味しいうどんである。
しかもしっかり煮込まれたこの黒豚汁、いいですね〜
煮肉好きにはたまりません。
「せいろ」
明るい色の肌、キリッとシャープな歯ざわり。
粉の甘い香りがほんのりとただよう、
素直でおおらかな印象の蕎麦だ。
棟梁が
「都心と違ってコッチの方(武蔵野、多摩)はつゆが甘くてどっぷりつけてもウマイんだ」
と力説し、どっぷりつけろつけろというので
どっぷりつけて食べる。
肉汁も奪って食べる。
アンシュは
「ほー、肉汁うどんてのは、いいんだなあ」
と、ここの黒豚汁とうどんが気に入ったようだ。
食後は楽しいお庭ツアー♪
うわーっ 棟梁見て!あんなお化けサヤインゲンがあるよ!
ちょっとアタシー(棟梁は私をこう呼ぶ。一瞬訳が分からない)、
この葉っぱナンの野菜かわかる?
おいしい蕎麦の栄養満タンの一行、
蚊のいい餌食になりながら
お花畑に見え隠れ。
しかしそんなかわいらしく終わるわけがないのが
立川キチ◯イ連合。
その後は立川市内で最も深き淵、
「めし おさけ くぼがた」で
こーんなことや
こーんなことになり
棟梁が容赦なくお皿まで注いだ「鼎(かなえ)」や
アンシュ持参のピアニカが起爆剤となり
ピーヒャラドンドン、夜が更けていきましたとさ。
連合のみなさま、
たのしいすてきなにちようびをありがとう!!
2011年09月10日
表参道「青山 川上庵」
昨日の「名物かいぶつ祭」
ご来場くださった皆様、
ありがとうございましたー!
私もとっても楽しかったです(^o^)♪
終演後私たちは打ち上げのそのまた打ち上げで
こんなところへ・・・
(とか言ってこれは結構定番コースなのだが)
「黒龍 特選吟醸」
金属の器がすてき。
「冷やしこんにゃく」
こんにゃくに入れられた刻みに辛子の黄色。
これは美味しくて素敵なアイディア!
「黒豚しゃぶしゃぶのサラダ」
入店前からかなりいい調子で酔っ払っていた
BさんYさん、目を離すと歌いだそうとするので大変。
(ともにover 50、同級生同士だそうで高校生にかえっています(^^;;))
でもお蕎麦が来たらみんな突如目がさめたようにキリッとした顔になり
「うまいー、うまいー」
と大喜び、夢中でたぐるたぐる。
いつもの川上庵レベルからすると
すこ〜し疲れた感じのお蕎麦?な気もしたのだが・・
あまりにもみんながウマイウマイ合唱するので
私もすっかりしあわせな気持ちに!
あーお蕎麦って素晴らしい!美味しい!
こんな酔っぱらいたちでも(失礼)さっぱりと美味しく、食べやすく、
しかも1枚を仲良く奪い合うBさんYさんのほほえましいこと。
お店の人も親切で、たのしい深夜蕎麦だったなあー
2011年09月09日
お祭りやってるよ☆
瑞穂町箱根ヶ崎「手打そば むらやま」
以前立川にあった「手打そば むらやま」が瑞穂町に移転し
行ってみたいなぁ〜・・と思っていたある日の午後。
仕事中に電話があり、出るとご機嫌のT棟梁。
お酒が入っているのだろうが
入ってなくてもあまり変わらぬいつもの調子で
「あのさぁー、今アンシュと『むらやま』にいンだけどさぁー、お蕎麦うまいよ。」
思わず、ウラヤマシ焼餅が瞬時に焼け焦げ
「なに〜〜〜ィ!!!」
と言いそうになったが、
大人はぐっとこらえて、こらえて。
さらに続けるT棟梁、
「何でもないんだけどぉー、そういう電話」。
(`ヘ´#)
ぶううう!!自慢じゃん!!
どっかーーん!! 餅、爆発!!
ズルイ、なんで私抜きで、羨ましすぎる、
とかナントカわめいたその時、ついでに
「むらやま一帯焼き払ってやる!!」
という問題発言があったらしい。
(むらやまさんすみません、蕎麦愛ゆえです。)
「こりゃ大変だ、連れてかないとむらやまが焼ける」
と焦ったアンシュとT棟梁。
多摩蕎麦ツアー第2弾の2軒めとして
本日めでたく連れてきてもらい、
晴れてニッコニコの、
新生「手打ちそば むらやま」@瑞穂町♪♪
まずはアンシュのリクエストで
「玉子焼」
(すでに数名に狩られた後(^^;;)))
焦げ目がいかにも美味しそうで
食べやすくちいさく切ってあるのが可愛らしい。
しっかり甘ぁい、多摩らしい玉子焼きだ。
「そばがき」
これがっっっ
ここまでとろふわエアリー、
しかも夢のようにかぐわしいそばがきは久々!!
たっぷりと肩まで蕎麦湯に浸ったそばがきさん・・・
ああ あなた素晴らしい・・ 大好き・・・
そしてそして、「むらやま」ですから
お蕎麦は3種類あるんでございます。
うひっ
「さらしな」(白いそば)
テーブルに突如あらわる白銀の峰。
狂い無き、端正な輪郭線。
編み目も美しい笊の上で、その重なりは一層まぶしく白く輝く。
歯ざわりは、来た来た来たー!これぞ「むらやま」スタンダード。
パキッと目も覚めるようなシャープな輪郭線である。
噛みしめようともかなり硬めのコシに切り返される、
潔い更科蕎麦だ。
「二八」
姿の美しさもまた「むらやま」スタンダード。
ビシッと完璧、端正なたたずまいだ。
さらしなと比べるとやさしいコシの奥に、
かぐわしい穀物の香りがほんのりとひそんでいる。
「田舎」(十割そば)
黒いホシが田舎らしさを醸し出しているが
隙のない完璧な端正さは先の2枚同様。
口に含むとこれまた、パキッ!と容赦なくシャープな輪郭線である。
ふわぁっとまとった甘い香りが
ジワジワ濃くなっていくのがうれしい。
店内左奥は掘りごたつ型のテーブル席になっていて
のんびりくつろぐにはもってこい。
というわけで、2テーブルを占拠した
アンシュと立川キチ◯イ連合の面々。
まだまだ旅は・・つづく!
2011年09月08日
立川「手打ち蕎麦 ふたつ庵」
山下アンシュと立川キチ◯イ連合による
多摩蕎麦ツアー第2弾!
第1弾から実に1年半以上も経ってしまったが
おかしなメンバーが集まれば早速ゆる〜い空気が流れ
なんとな〜くニヤニヤ〜としながら出発!
前日にアンシュから
「リーダーT棟梁の都合で2時から1軒め」との伝達があったとき
鬼な誰かが
「えっ何ですかそれ??お蕎麦屋さんは11時半からやってますよ!」
というスパルタンな発言をしたため(私だが)
集合可能なメンバーのみで午前中スタートということに。
皆の衆を叩き起しておいて満面ニッカニカの私、
やってきましたのは立川のピカピカの新店
「手打ち蕎麦 ふたつ庵」。
以前ここにあった「そば菜」がなくなってしまったのは
ほんとーうに残念だが(>_<)!!
新生「ふたつ庵」。
名前もかわいらしいし、同じ場所ながら
ぐっと明るくて綺麗なお店になったなあー
なにはなくともとりあえず、
アンシュと「朝ビー」。
アンシュのオーダーで、
「味噌焼き」
見た目ではわかりにくいが
食べてみると肉厚でふっくら!
ザクザクの食感といい、これ、おいしい〜
こちらのお蕎麦は1枚150gとたっぷり。
しかもメニューにはっきりグラム数が明記されているのが
わかりやすくていい。
「ふたつ庵せいろ」
150gあるだけにたっぷりゆたかに笊の上にひろがってやってきた。
たぐりあげた香りはさっぱりと淡い穀物の香り。
と思いきや程よいコシを楽しむうちに
非常にフレッシュなかぐわしさがふくらんできた。
北海道士別産の蕎麦である。
「田舎そば」
ダイナミックな流麗ラインが印象的。
近づけば、赤みを帯びた均一な肌。
見た目の通りの甘い田舎らしい濃厚な香りと
非常になめらかな歯ざわり。
甘さは噛みしめるごとに更に濃厚になっていく。
ニコニコ笑顔の店主夫妻も本当に感じがよく、
明るく綺麗な、カフェのようなお蕎麦屋さん。
次回は「精進煮かけ」、
たべてみたいなぁ〜
2011年09月07日
0909のお知らせ
明後日ここで歌います!
ヘンでステキな同人達による、おとなの文化祭。
お時間のある方はぜひ☆
かいぶつ句会10周年/かいぶつ句集60号記念
第10回 名物かいぶつ祭り
2011年9月9日(金)
青山スパイラルホールB1 CAY
■プログラム(予定)
黒川俊郎(丸亀丸)+榎本バソン了壱「トーク=に来たもんだ」
萩原朔美「トーク=トゥルーストーリー」
八木ブセオ忠栄「朗読=自作句・詩」
白石冬美(茶子)「朗読=山之口獏『鮪に鰯』」
川上(賤女)史津子「パフォーマンス=えろきゅんインザダーク」
笹公人「短歌=ピアノセッション」
サエキ(子覗)けんぞう「singsハルメンズ?withブギー
ザマッハモーターズ」
高遠彩子「懐かしの曲やJAZZ」
蜷川有紀(おゆき坊)「ライヴドローイング」
金原亭世之介(皀角子)「落語=演題未定」
ゲスト=杉浦哲郎「ピアノ演奏色々」
■恒例大句会「だれが天獲る!」
■オークション「持ってけ!ドロボーッ!」
製作・進行=石和亭ざぶん/南々桃天丸
かいぶつ句会10周年/かいぶつ句集60号記念
第10回 名物かいぶつ祭り
9月9日(金)19:00開宴
5,500円(ドリンク・軽食+60号記念号)
お問合せ・お申込み
かいぶつ句会
東京都渋谷区西原2-3-3 アタマトテ内
TEL.03-5453-2914 FAX.03-5453-2929
kaibutsu575@atamatote.co.jp
青山スパイラルホールB1 CAY
東京都港区南青山5-6-23
TEL.03-3498-5790
2011年09月06日
浅草「尾張屋」& レミ・パノシャン・トリオ!!
ひやっほーーー!!
楽しすぎて首の骨が折れるぅぅ!!
(振り過ぎてほんとうにグキッていった)
日仏学院内ラ・ブラスリーで行われた
レミ・パノシャン・トリオ&ティグランのコンサート。
スゴイスゴイと聞いてはいたが
こんなにスゴイた知らなんだ!!
ティグランも物凄い才能だけど
特に私はレミ・パノシャン・トリオで骨折寸前!
おとなしいお客さんの中に動物が一匹!!
昼間はベーシストのマックスを案内してこんなところに。
トーキョー初めての無垢なフランス人にまで
自分の好みを押し付けるなって?
いやいや私は
「浅草行きたいなら天ぷらでもうなぎでも何でもあるよ!」
って言ったんですよ〜
でも
「ayaと行くならsoba shopに決まってるでしょ!」
ん?マックスはん、なんでそんなこと知ってはるのん?
それにしてもさすがは私の愛する尾張屋。
二階に案内され上がってみると
店内埋め尽くすじいちゃんたちの印半纏ときたもんだ!
カッコイイぞ!
マックスも面白げに時々チラ見していたけど
じいちゃんたちもこっちのテーブルが気になって仕方ないらしく
至近距離でのチラ見合い(?)、超可笑しかった。
おいしかったなぁー
海苔いっぱい&鶉の卵入り汁で食べる
「尾張屋のざるそば」(^o^)!!
*Rémi Panossian Trio LIVEは
9月 7日(水)サラヴァ東京@渋谷でもあります。おすすめです!
2011年06月の浅草「尾張屋」(ここは蕎麦屋ではない )
2010年05月の浅草「尾張屋」
2011年09月05日
恵比寿「手打ち蕎麦 慈玄」
このところ、定期的に恵比寿に出没する私。
ふらりと足が勝手に向かうのは、あの路地。
おや、あんなイルミネーションサインなんてあったっけ。
入口脇に流れる「お気軽にお入りください」などの文字。
少々この店のイメージとは合わぬ気もするが
音もなく瞬く掲示板は、辺りに店もないこの路地の
平和な静けさに耳を傾けさせる。
確かに、以前より少し親しみやすいイメージになったかも知れない。
「せいろ」と「田舎そば」の「二色もり」。
「せいろ」
潔く、ひんやりキリッと締められた「せいろ」。
流麗にめぐる肌を噛みしめると
しっかりした歯ざわりの中からかぐわしい香りが生まれ、
しばし夢中でその夢を追いかける。
「田舎そば」
「せいろ」よりぐっと黒い肌。
素朴な陰影の中に浮かぶ黒いホシが美しく、
たぐりあげると冷気にのって田舎らしい香ばしさが届く。
これまた、キリッと流麗に口中をめぐり
ふくらんでいく淡く黒い味わいが、ああ おいしいなあー
都会で食べる洗練の田舎そばだ。
向こうのテーブルのグループの人は、
明日の子供の遠足が台風で延期になった、
自分も行かなくてよくなったとウキウキしている。
私は子供になって大いにがっかりする。
別の人は
「この店の鴨が好きで、だからこのあたりの道に詳しくなった」
と話す。
暖簾を出ると雨。
次回は初めて「鴨せいろ」食べてみようかなあ。
(と思ってもまたどうせ二色にしちゃうのだが・・(^_^;))
2011年01月の恵比寿「手打ち蕎麦 慈玄」
2011年09月03日
2011年09月02日
明日の出演!
またまた突然ですが
(ホントはずっと前から決まってたんですが)
明日水戸にて行われるスーパーなライブに出演します!
お近くの方もそうでない方も
是非目撃にいらしてくださいませ♪
9月3日(土) 茨城:水戸 自由ケ丘
茨城県水戸市東原2−7−39 石田外科医院
http://www5.plala.or.jp/Jiyugaoka/
☆村上ポンタ秀一(D)、山下洋輔(Pf)、 坂井紅介(B)
☆開場 19:00/開演 19:30
☆料金:前売り/当日 大人 4,000円 学生 3,000円
☆お問い合わせ・ご予約
・石田外科医院
TEL :029−221−5538
※受付時間 月〜水・金曜日 9:00〜18:00 木・土曜日 9:00〜12:30
2011年09月01日
岐阜「胡蝶庵 仙波」
名店は住宅街の角地に突然現わる。
料亭のような日本家屋は
当に威風辺りを払うといった体である。
店内に入るとぐっと暗い。
しかし「照明が落とされている」というよりは
これが古来自然な明るさと思える。
待合も兼ねた三和土の空間。
この店の名高さは格調高き佇まいからだけではない。
「そばがき」
無駄も隙も一切ない洗練の空間で出会った、荒々しきうねり。
汁と塩、両方が添えられている。
ふわーっ
とゆたかに香る、ふっくらしたいい香り!
ふっくらしつつも、やや枯れた趣を含んだ香りであるところが
この空間に合っている。
フワフワと軽いタイプでなく、
ざっくりモチッと食べ応えのあるそばがきである。
そして何より、蕎麦だ。
「ざる蕎麦」
これだけの粗挽きながら、はかないまでの繊細さ。
口に含むとこわれてしまうのではないかと思うほどだ。
しかしその肌はやさしく美しくつながったまま、
無数の凹凸が口中をめぐる。魅了する。
大切に噛みしめれば、ハラリこわれそうな絶妙のコシ。
それらが全て、フレッシュなピーナツのような、
最高の香りと味わいの中にあるというこの物語!!(興奮しすぎ)
「おいっしいーーーーーーー!」
と叫びたいのをこらえるのが苦しく
小さく「おいしいーっ おいしいーっ」とうなされたように
言い続けながら食べる。
余計怪しいが悪いのは私ではない。この蕎麦だ。
「手碾き蕎麦」
・・・もうダメ。
たしかにさっき
最高と言いましたがね
これまたあんまりにも
さいこうなのです
このっ
石のような墨のような
渋〜〜〜〜い、
しかもおいし〜〜〜い香りはなんでしょう。
噛みしめてジワジワ深まる
この麻薬のようにおいしい滋味はなんでしょう。
「ざる蕎麦」よりぐっと太くしっかりした肌は
噛みしめるとジャリ感がたのしく、
でもそんなことより
意識を保つのが困難なほど、
ああああ おいしい・・・
蕎麦の余韻を全身に響かせつつ、
蕎麦湯。
この店の座布団は広々ふかふか座り心地が素晴らしい。
何だか私は恍惚としたままこの座布団に乗って
孫悟空のように岐阜の空へ飛んで行ってしまいそうである。
これだけの空間でこれだけの蕎麦が1枚945円。
2枚食べれば1575円。
手碾きでも値段は変わらない。
一食の食事からあれだけの感動をもらった私には
むしろ安いと感じられる。
多い安いの庶民的な蕎麦屋でないことは店構えでわかるし
こういう店に来て怒る人の気持ちが私にはわからない。
(もちろん、こういう展開は非常に珍しくて楽しいが!)
日本中が格調高き蕎麦屋だらけでは困るが
こんな店にたまに行くのは心から楽しい。
楽しみにする時間がまた楽しい。
また次に行く日まで、
私は今日のしあわせを味わい続けるのだ。
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