2011年08月30日

岐阜・郡上八幡「蕎麦正 まつい」


RIMG4082.jpg

のどかな美しい観光地、郡上八幡。


一般に「観光地」という言葉には
賑やかで楽しい、本来のイメージと共に
物価が高い、演出過多で風情に欠けると言った
マイナスイメージの響きもある。

しかしここ郡上八幡は、行政の力を借りず
街の人の力だけで街づくりを行ってきたということで
自然な、美しい観光地である。

街外れにもなると眺めは一層のどかになるが
しかしその中にも手作りの雑貨の店や飲食店などが
ぽつりぽつりと点在している。

RIMG4021.jpg


その中に一際の存在感を放つ外観。

RIMG4077.jpg

街全体の情緒を深める、美しい佇まいだ。




家紋のデザイン美に滅法弱い私にとって、
こんな眺めは蕎麦を食べる前から恍惚である。

RIMG4030.jpg




実は郡上八幡には行列ができる老舗有名蕎麦屋があるのだが
このルーキー「蕎麦正 まつい」の人気も相当なもの。
休日はこちらも大行列である。
どうも、この郡上八幡のような和の景観が美しい街に来ると
人はお蕎麦を食べたくなるのではないでしょうか。
それは実にいいことだ!



こちら、メニューはぐっと絞られておりまして、
なんと蕎麦メニューは「ざるそば」と「おろしそば」のみ。

壁の張り紙に
「絶品 大人の味 おろしそば」
と書いてあるのが微笑ましい。
ここの辛味大根はかなりしっかり辛いので
その意味もあるのだろう。

隣席の4人家族連れのお父さん、家族を仕切って大張り切りで
大声で注文を始めたがお父さんが一番混乱していて可笑しい。
彼らが頼んだ「ざるそばの大盛り」が
物凄い山盛りに見えたのでびっくりしたが
普通盛りもやや多めかな?




「ざるそば」
RIMG4046_1.jpg

奥に長い店内は、京都の町家のように客席の奥に中庭があり
その庭を越えたまた奥も客席になっている。



RIMG4059.jpg

しっとりと重なる肌に
黒い小さな、はっきりとしたホシがまぶしく浮かんでいる。

手繰り上げるとふわぁーと枯れた情緒の、藁のような香り。
しっとりぴたぴたとした食感と心地よいコシを楽しむうちに、
その香りが口中を隙間なく染めてゆく。
あーおいしい・・と、汁無しであっという間に食べてしまう。
私は好きな人と一緒にいられる時間が
どうしてこうも短いのでしょう。


汁は結構甘めだが、越前おろしそばに代表されるように
こういう汁は辛味大根と食べると非常によく合うのだ。



欲を言えは「ざるそば(900円)」
もうちょっと安いと嬉しいんだけどな〜
郡上八幡だからこそ!





.
posted by aya at 12:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月29日

庚申塚「手打蕎麦 ひさご亭」


面白い駅があったものだ。

都電荒川線「庚申塚」駅。
電車からホームに降り立ったその足を、
そのままうっかり3歩5歩進めてしまうと
あら大変あんみつ屋に入ってしまう。

RIMG3799.jpg

この「あんみつ屋」と「炭火焼屋」の所在地は「庚申塚駅ホーム内」。
改札のない無人駅につき電車を利用しなくてもお店には入れるのだ。
小さな階段を降りた駅前にあるものといえば
「箏曲教園」の看板のみ。
なんて面白い眺めだ!


とは言え不思議な世界はこちら側だけで
ホームの反対側は商店街になっている。
観光地化して賑やかな「巣鴨地蔵通り商店街」が
やっと落ち着き普通の商店街らしくなってきたあたりだ。

RIMG3831.jpg
その商店街の八百屋さんの隣に、なにやらいい感じの構え。
「手打蕎麦」の四文字が、
私にはラス・ベガスの電飾くらいピカーッと輝いて見える。

RIMG3828.jpg

カウンター7席のみの小さな店。

店内は木の壁の雰囲気があたたかく、
清潔な調理道具、趣味のいい器などが整然と並んでいるのが目に入り
居心地はすこぶるいい。
奥の席では地元のおばちゃんが二人、
「アタシね、ここのお蕎麦だーいすき」と
お昼のサービスセットを食べている。

ランチタイムのサービスセットは
「天ぷら盛り合わせ(4品)+二八そば」。

天ぷらはまず海老かキスかを選び、
残りの3品は目の前の笊から好きな野菜を選ぶ。

RIMG3803.jpg


色鮮やかな野菜が美しく、何とも嬉しい演出。
お客さんが選ぶ時以外は
手拭いがかけられているのも良い風情。


目の前で揚げてくれた天ぷら。
ちょっとちょっと、特に手前のキス、おいしそうじゃあないですか?

RIMG3809.jpg

「おいしーー!」
思わず声を上げてしまった。
バリッとした衣の中の、ふんわり〜としたキス。
かぼちゃ、玉ねぎ、茄子も
香ばしくバリバリの衣に美味しさを守られて
うわー、こりゃおいしい天ぷらですよ。

「綿実油で、揚げているんですよ」。

美味しい美味しいと喜んでいる私に、店主がのんびり教えてくれる。
カウンターのみの小さな店は店主のキャラクターが
店の一番の印象となりやすいが、
この店は前述の通り、実に居心地がいい。

「二八そば」
RIMG3816.jpg 

目の前で茹でられ、目の前で丁寧に美しく散らして盛られた蕎麦。

RIMG3821_2.jpg

ふわぁっと香る二八らしい甘い香り。
口に含むとまた「ふわぁっ」。
軽くやさしい食感である。
そっと大切にかみしめ、ひろがる甘みと味わいを楽しむ。
壁の張り紙によると「 群馬県赤城村産 深山蕎麦」だそうだ。


「ね、おいしいでしょ?ここのお蕎麦おいしいんだから!」
おばちゃんが話しかけてくる。
おばちゃんだけに勢いがあり、これでおいしくなかったら辛いところだが
本当においしかったので私もニコニコ
「おいしかったですー!」。



暖簾を出ると、雨上がりの商店街。



巣鴨方向へ歩き出すと、面白いもの発見。
さすがは「巣鴨地蔵通り商店街」。
ラーメン屋さんらしいのだが・・・
ショー・・?

RIMG3834.jpg








posted by aya at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>豊島区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月28日

浅草「吾妻橋やぶそば」


「贔屓の店」というものがある。

理由もなく好きなのか、
それともいろんな要因があって好きなのか
自分でもわからないが、そんなことはどうでもいいことである。

私はただただ、「吾妻橋やぶそば」がだーーーい好きなのだ!

RIMG3836.jpg


駒形橋のたもと。
まずそう聞いただけでうっとりだ。
しかし移転前の店舗がその店名の通り「吾妻橋」近くにあった時も
「吾妻橋!いいよなぁ〜〜〜」
とうっとりしていたのは確かである。
しかし現在のロケーションは駒形橋のまさに真横の一軒目。
その風情たるや、私にはたまらないものである。


新しく清々しい店内は昼下がりというのに
空いているテーブルがひとつしか無い。
ここは中休みなしの夕方5時まで営業なので
のんびり一人蕎麦、のんびり昼酒組も多い。
一人客が憩いやすいテーブルレイアウトも実に気がきいている。


真夏日に涼感を運ぶ、入り口付近の演出。
白地に染めぬいた「やぶそば」の文字が美しい。


RIMG3833.jpg


今日は入って右側の「お忍びデート席」に通された。
そんな名前がついているわけではないが
低い壁で小さく仕切られた二人用の席は
ちょっとめずらしくて楽しい。

「お忍びデート席」に一人で虚しい?
とんでもない。

私は、お蕎麦と二人きりimage/2011-08-28T12:45:51-1.gif


RIMG3809.jpg



ほかではあまり見かけない、少し横長のざる。

RIMG3813.jpg

ちょこや薬味皿と共にびしっと並んだ様は茶の湯を思わせる美しさで
私は密かに「藪点前」と呼び愛しんでいる。


瑞々しい蕎麦が、
さざなみのように美しく散らされた盛り方にしばし見惚れる。

RIMG3821.jpg

甘い香りを漂わせる蕎麦をたぐりあげると
驚くほど「スルスルッ」とした食感。
ツルツルではない、スルスルッと、潔く涼やかな粋な蕎麦なのだ。
噛みしめると程よいコシが心地よく
そして何より、食べている間じゅう私は
「ああー 大好きだー しあわせだー  このお店が好きだー」
と無言で吠えている。

汁はまさに藪!な濃厚汁。
これがまた美味しくて、最後の方はしっかり汁につけて楽しむ。


この店は奥さんがまたすんばらしい。

その接客はまるでおひさまのようと言うか野に咲く花のようと言うか
特別な何かをしているわけではないのに
こちらは毎度根っこから癒されてしまう。

店主もとても感じがよく
暖簾を出ると「ああ ここに来てよかった、また来たい」
としみじみと思う。



駒形橋のたもと。

私の密かな、贔屓の店である。



RIMG3848.jpg
(駒形橋上より)




posted by aya at 08:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>墨田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月26日

あら一年


image/2011-08-26T18:30:18-1.jpg

経っちゃったのです
いつのまにか

去年とおんなじ場所で
おんなじように空き時間があったので
おんなじように写真撮ってみた!




.
posted by aya at 18:33 | Comment(2) | TrackBack(0) | aya>diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月25日

名古屋「紗羅餐 ミッドランドスクエア店」


「紗羅餐」と漢字だけ見ると取っつきにくいが、
フランス語の「sarrasin(サラザン=蕎麦)」に漢字をあてた店名である。
ちなみに蕎麦粉はfarine de sarrasin(ファリン・ド・サラザン )と言うらしい。

私のおかしいところは「蕎麦」「手打ち蕎麦」という言葉を溺愛するように
farine de sarrasinという言葉も好きになってしまうところである。
ファリン・ド・サラザン!スペルも響きもなんかステキ!
今ちょっとそれふうに発音してみた!できない!


さてお蕎麦屋さんの「紗羅餐」であるが
名古屋では本星崎の本店「蕎麦工房 紗羅餐」をはじめ
支店も幾つかあり「紗羅餐グループ」として名高い。
また本店の蕎麦教室の出身者によるお蕎麦屋さんは全国に増えていて
今や大きな「流れ」である。

その「紗羅餐」の中でも、名古屋の一番の中心部にある
「紗羅餐 ミッドランドスクエア店」。
2007年にできた名古屋駅前47階建ての商業ビルの4階にある。

RIMG4066.jpg




入り口を一歩入ると蕎麦打ち場が見える。
それはよくある作りだが、ここはその演出がいい。
低めにつけられた正方形の窓から
職人の手つきだけが見えてとても美しいのだ。

RIMG4054.jpg

顔が見えないので気恥ずかしさなく見ていられるし
低い位置にあるせいか「手打ち実演しています!」という
押し付けがましい感じもない。



店内はイタリアンバールのような小洒落た雰囲気。

RIMG4010.jpg



ランチタイムは天ぷらや丼物などとのセットメニューや
小鉢やかき揚げ、お寿司までついた「サラザン膳」などが
人気のようだが、ここでも、こんな奴ですみません。

「二八蕎麦」
RIMG4017.jpg

RIMG4022.jpg

白や黒のホシが陽炎の如くゆらめく、
たまらなく美味しそうな肌。
手繰り上げて感激、素晴らしい穀物の香り!
やさしげな見た目より輪郭線は口中ではっきりとして
その肌の凹凸が心地よい。
味わって食べようとするとすぐにぴたぴたとしてきて
なかなか足の早い蕎麦であるが、
そうなってきた時がまた一層、
味も香りも甘さも最高潮になってくるのだからたまらない。
ああああ おいしい〜 
おいしいよう〜
来てよかったよう〜



「十割蕎麦」
RIMG4032.jpg

「二八蕎麦」よりさらに細打ち。
ぐっと黒っぽく見るからに香り高そうな蕎麦。

RIMG4034.jpg

ウワー

これまた・・・ううう降参・・・

なんとも素晴らしく香ばしい、深い穀物の香りである。
口に含むとふんわりしっとり。
そして驚きはその味わいである。
私は田園調布「ベッカライ・シュタインメッツ」のブロートや
三軒茶屋「シニフィアン・シニフィエ」のパン・オ・ルヴァンような
味わいの濃いパンが大好きなのだが、
この蕎麦はその味わいに近い、すんばらしく美味しい味がするのだ!
熟成系の蕎麦でもないのに本当に不思議。
それらのパンは発酵系だが、発酵ぽさが似ているのではなく
強いて言えば極上の香ばしさと濃い味わいが似ているのだ。
この野性味あふれる香ばしさにこの味。
参りました。美味しすぎる!



駅前のビルにこんなお蕎麦屋さんがあるなんて・・・

そして鰻は絶対蒸さないなんて・・・
(やっぱ焼きでしょ!バリバリでしょ!ひつまぶし万歳!)


あー 名古屋の人たちが羨ましい。



posted by aya at 12:29 | Comment(6) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月24日

名古屋・浅間町「手打蕎麦 ふたば」


RIMG4119.jpg

不思議なムードのある店である。

24席あるのだから特に小さな店ではない、
しかし店の印象は実際以上に小さく薄暗いイメージで
どこか時代を超越したような枯れた情緒がある。


店構えはごくシンプル。
何を気取るわけでもなく、
白い首振り扇風機がのんびりと店内を見回している。


RIMG4093.jpg


しかもこの静かで薄暗い空間に、
開店時間前から行列ができたりするのだからまたのけぞる。

この蕎麦目当てに、車社会の名古屋中から、
続々車が集まってくるのだ。


「十割せいろ」

RIMG4100.jpg

RIMG4109.jpg

繊細な細切り。
見た目の印象はしっとりやさしいが
たぐりあげると意外にもハリハリと固めの質感で
それが空気感をもってふんわりと重なっている。

この店のイメージにぴったりの、
干し草のような香りに「おいしい〜」。
噛みしめると穀物の甘みと、微かに熟成の味わいがひろがる。
長野県は八ヶ岳産の十割蕎麦である。



こちらは
「せいろ」

RIMG4115.jpg

何がすごいってまず値段がすごいんでございます。
先程の十割せいろが600円も安いですが
こちらのせいろは450円。
量が少なめとはいえ、どちらも手打ちでこの値段。
お代わりしやすくて嬉しい値段設定だ。

「十割せいろ」に比べると
白っぽく更にやさしい印象の「せいろ」。
味や香りはほとんどないが噛みしめるとのびるほどのコシがあり
汁につけて食べたらつるつるどんどん入ってしまいそうだ。

蕎麦前も充実しているので
早くも一杯やっている人。
家族連れで十割とせいろを適当に頼み分け合う人。
みな静かにこの店の時間を楽しんでいる。

「お子様そば」600円っていうのも見てみたいな〜


posted by aya at 23:35 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月23日

岐阜・下呂「手挽き手打ち蕎麦 仲佐」


どんなに遠くても行きたい、大好きな店である。

ゆったりとした風情の中、
季節の料理と美味しいお蕎麦を楽しむ
静かなひととき・・・


のはずが!


開店時刻に、この有様である。


RIMG3924_.jpg


ハレー


他に店らしい店もない、のどかな下呂の裏通りにこの大異変。

私は開店時刻より少し早く到着していたので
ここまで並ばずに済んだが、それにしたってすごい。
桜や紅葉の季節に来たこともあるが
こんな行列は初めてである。



さぞかし店内はテンヤワンヤ・・
と思いきや。


RIMG3927.jpg

なんとなんと、
中は満員でありながら騒々しさは一切ない。
皆、ただただここのお蕎麦が食べたくて、
ひっそりとそれを楽しんで帰っていくのだ。


やっと席に通されメニューを。

RIMG3930.jpg

今日は誠に残念ながら蕎麦三昧は売り切れ。
ではせっかくだからと「手挽きざる」と
もう一枚、「冷やしかけそば」を注文することにする。


RIMG3954.jpg

店内は次々とお客さんが入れ替わっているだけに
さすがに接客の女性たちは忙しそうだ。
しかし実に感じがよく気配りの細かい人ばかりで
こちらはゆったりとした気持ちでいられる。



RIMG3939.jpg

窓際の席。
丹精した庭が、曇り空が反射する白い光を浴びている。

私の蕎麦が運ばれてきた。




「手挽きざる」

RIMG3964.jpg

茶の湯の置きあわせを思わせる程の
揺ぎ無き佇まい。



見つめれば、宇宙。

RIMG3974.jpg

RIMG3990.jpg


みずみずしい艶。
透明感のある黒っぽい肌に浮かぶ、
粕入りの和紙のような美しいホシ。
何ともやわらかいラインを描いて落ちる、
控えめな姿。

私は吸い込まれるように見入る。

貴さに、目を細める。


RIMG3987.jpg

口に含みびっくり。
予想以上のちゅるつる、表面はぬるりとすべるようだ。
そして今日の蕎麦はいつもよりぐっと品の良い香り。
まるい、澄んだ、美しい香りを羽衣のようにまとっている。

やわらかくやさしい、ひんやりちゅるぬる、天女の夢。

香り爆発でも味わい濃厚でもないのに
何だかどうにも美味しくて無我夢中にさせられてしまうのは、
「魅力」としか言いようがない。


しかも「冷やしかけそば」がまた美味しい!

RIMG4011.jpg

RIMG4016.jpg

私は常々、柚子の香りの使い方は難しいと訴えて(?)いるものだが
この「冷やしかけそば」の柚子のニュアンスは絶品。
主役の邪魔をしないどころか、
主役の美しさを際立たせるさわやかさ。
これまた、ひんやりちゅるぬる、恍惚のひととき。
(美味しすぎて本当に一瞬に思えた!)


また会える日を思いながら暖簾を出る。


どんなに遠くても行きたい、大好きな店なのだ。




RIMG3919.jpg





posted by aya at 21:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

牛込神楽坂「たかさご」


夏の衝撃。

私はここしばらく、蕎麦の素晴らしさというものを
忘れていたような気すらした。
これだけ毎日蕎麦ばかり食べて、
うおーうおーと美味しがっている私が何をと思われるかも知れないが、
全てがリセットされてしまうほどの鮮烈な魅力が、その蕎麦にあった。
私は最近ずっと、こういう蕎麦が食べたかったのだ。


1年ぶり程にもなるだろうか。
久々、神楽坂「たかさご」の「せいろう」。

RIMG3802.jpg

RIMG3809.jpg

粗挽き流行りの昨今にあって
この均一感のあるクリーミーな肌。
一目見て「むッ これは!!」と思ったが・・・

その肌からふんだんにこぼれる、香りの素晴らしさよ!


「かぐわしい」「いい香り」という言葉では全く不足である。
これほど素晴らしいかぐわしさはどれくらいぶりだろう。
こんなにもフレッシュで、鮮烈で、
青い蕎麦畑の上澄みのような香りのする蕎麦。
「そうだこういうものがあったのだ」と
私はただただ驚いてしまった。


あまりにも美味しくて夢のように駆け抜けてしまい
「すみません、同じのお代わりくださ〜い・・」
ということに。
すると、今日はめずらしく空いているせいか
「辛汁」も試させてもらえることになった。

普通「せいろう」についてくる汁とは違う、
お砂糖を全く入れない汁らしいのだが、
今の1枚目も汁無しで最後まで平らげてしまった極悪人としては
せっかく「辛汁」をいただいても喜べるかどうか・・スミマセン・・・・
という思いで2枚目が茹で上がるのを待つ。

RIMG3832.jpg

1枚目よりなだらかな稜線を描き
豊かにひろがってやってきた2枚目。


RIMG3837.jpg


カァァァー




美味しすぎてカラスになってしまいそうである。

この香り。
滑らかな肌。
夏の夜に心地よい、潔くはっきりとしたコシと、
それを噛みしめて更にふくらむ香りと甘み。

こんなに美味しいなんておかしい。
今すぐバタバタ飛んで行ってしまいたい。
もしくは店の前の道路に出て行って「美味しい蕎麦ありますよ!」と宣伝したい。


2枚目もこのまま平らげてしまいたかったが
せっかくいただいたので「辛汁」を試さねばと
私の大事なお蕎麦を、恐る恐る辛汁に浸してみる。
当然だが見た目はふつう。

RIMG3845.jpg


これがっっ 

大変に個性的で、大変に美味しい。
ちょっと変わった強さの奥に、深い旨みがあり
なんとも言えず美味しい。

聞けば何も個性的なものは入っておらず
丁寧に丁寧にしっかりとった一番出汁と醤油とみりんだけだそう。

試しに普通のせいろうの汁にもつけてみたが
うーん私にはやはりこの「辛汁」が魅力的だ。

しかもここは、天ぷらなど料理も大変においしいので
蕎麦だけで帰る馬鹿者は私くらいである。
ああいつかここのコース食べに来たいな〜〜!!



拙著「蕎麦こい日記」において
「目立たないにもほどがある」
「一度前を通り過ぎて戻ってきてまた通り過ぎてしまうこともある」
と書いたほど控えめな外観。

RIMG3798.jpg


牛込中央通りに面して看板らしい看板もなく
目印は白い暖簾だけ。
その暖簾に書いてある文字が・・・

RIMG3857.jpg


一字も読めまへん。(私には)
「うにゃにゃにゃ」?(^_^;)

これでは通り過ぎてしまう人が私以外にもいそうで心配になってしまうが・・・



名店は、ただ静かに白い暖簾を掲げている。






posted by aya at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月21日

築地「布恒更科」


夜の築地に浮かぶ灯り。

RIMG3659.jpg

「築地」駅至近だが
私はたいてい銀座の中心あたりからのんびり歩く。
その時間も好きなのだ。


ここの蕎麦は大森の店同様、どーんと盛りがいい。
横長のせいろにまさに「山盛り」でやってくる。

「もり」
RIMG3635.jpg

RIMG3637.jpg

密な肌。
これだけパッキリとエッジの立った蕎麦も珍しいほど
シャープな輪郭線を際立たせている。
香りよりもまず迎えてくれるのは
ひんやりしゃっきり締められた、澄んだ冷気。
口に含むと見た目以上くっきりした輪郭線が口中をめぐり
噛みしめてその強靭なつながりに毎度驚く。
これはしっかり噛んで楽しむ蕎麦だ。



「もりと生粉打ち」と頼んだので
追いかけるように「生粉打ち」が運ばれてきた。

RIMG3645.jpg

盛りがいいだけに2枚が並ぶと
何だかものすごい大食いみたいで恥ずかしい。
(いい加減認めたらどうなのか。いや、昔は本当に大食いだったんですけどね、最近はもう・・ゴニョゴニョ・・)




「生粉打ち(十割)」
RIMG3650.jpg

「もり」よりもさらに密な肌の太打ち。
これまた手強そうなまでにパッキパキのエッジっぷりである。
ふっくらと甘い香りに誘われて口に含むと、
おお〜、今日はまた、
今までで一番の噛みごたえだ。
ひんやりクッキリ潔い蕎麦をモグモグ噛みしめる度
口中に広がる穀物らしい香り。


店の外は昼間の熱がまだ冷めず、うだるように生ぬるい都会の夜。
しかし、私の脳はひんやり清らかな蕎麦畑を旅している。



真夏は、いつもよりちょっとひんやりめ、
しゃっきりめに締められたお蕎麦がいいな、と毎年思うのだ。



.
posted by aya at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>中央区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月20日

新高島平「手打そば もとはし」



都営三田線「新高島平」駅からすぐの、堂々たる構え。


RIMG3951.jpg


店の向かい側は通りに沿って長い緑地帯になっている。
緑地帯のすぐ向こうは車通りの多い駅前の大通りだというのに、
そうは思えぬほど、店は緑に守られている。



店内は老舗らしく思い切り広い。
そこにうんと間隔を持たせて
テーブルが配置されているのが実に贅沢である。

RIMG3903_2.jpg

中休みなしの通し営業。
運が良ければこれだけの空間を独り占めできてしまうのだ。

しっとりと雨に濡れる静かな庭。

RIMG3949_2.jpg



うーんこんな蕎麦屋で昼酒したい!
と思ってくださった方。
いいものがございますよ〜〜
「もとはし」の「軽く一杯コース」!

「生ビール一杯」+
「渡り蟹の唐揚げ,一口ももカツ、梅くらげ」
1000円

「天狗舞純米酒一合、枡酒一合」+
「鱧の梅肉あえ、ままかり、板わさ」
1260円

ウハッ (≧∇≦)
「セット」でなく、「コース」てぇのが
ますます楽しいではありませんか。
前者は通称「生コース」、こんな具合である。


RIMG3917.jpg

「梅くらげ」
RIMG3912.jpg

「渡り蟹の唐揚げ,一口ももカツ」
RIMG3923.jpg

渡り蟹の唐揚げというのは初めて食べたが
下味しっかり歯ごたえしっかり、
香ばしくてビールにぴったりだ。




四つ山盛りでやってくる
「せいろもり」

RIMG3925.jpg

RIMG3933.jpg

「白っぽい細めのおそば」とメニュー説明にある通り
かなり白めの細打ち蕎麦である。
箸先から濃厚に漂う小麦の香り。
よくある二八蕎麦のもあ〜っとした小麦の香りでなく
更科蕎麦から漂うような澄んだ香りである。
ちゅるちゅるとした食感が涼やかで
おろしを加えた蕎麦つゆに浸して食べるとおいしいこと!



「田舎もり」

RIMG3937.jpg

RIMG3945.JPG

打って変わって黒っぽく太い平打ちそば。
むわ〜とたくましい香り、その奥に微かな熟成感をひそめている。
みっちり密な肌感だが平打ちなので食べにくさはなく
噛み締めた甘さがとてもおいしい。
熟成もこれくらいだと好きだなあ!
この蕎麦も、おろしを加えた蕎麦つゆで食べたら
穀物の甘さが更に際立ち美味しかった。


私、「老舗な汁+おろし」というのに弱いのかも、
と最近気づき始めております。


posted by aya at 07:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>板橋区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月17日

六本木「蕎麦ダイニング くろさわ」


六本木ヒルズすぐ脇のレトロな構え。
目の前はグランド ハイアット東京という場所にある蕎麦屋である。

RIMG3917.jpg

「黒澤明監督の食卓をテーマとしている」ということから「くろさわ」であり、
豚肉料理を得意とするダイニングバーでもあり、
また場所柄か芸能人率が高かったりするのだが
私にとっては「美味しいお蕎麦屋さん」である。


とは言えやはり豚料理も売りの一つなので
ランチでは豚丼が三種類も。

RIMG3873.jpg

黒豚丼の赤(特製醤油だれの三枚肉)
黒豚丼の白(塩風味の三枚肉)
黒豚丼の黒(特製味噌と三枚肉の相性)


ミニ豚丼と蕎麦がセットになったランチもある。
今日は私も珍しく蕎麦以外のものも食べたい気分だったので
ちょっとだけ迷ったがやはりこういう選択に。

「はりはりそば」
RIMG3843.jpg

RIMG3846.jpg

「たっぷりの針野菜と梅肉のさっぱりした冷かけ」
とメニューの説明にあるとおり、ひんやりさらさらさっぱり。
こういうメニューこそ出汁のよさが際立つ。
茗荷の風味が爽やかでおいしかったので、
なんと別添えの梅肉を最後まで入れずに完食してしまった〜

そしてもちろんこれだけでは帰りませんよ!



「もりそば」
RIMG3852.jpg

RIMG3861.jpg

「くろさわ」らしい、つるつるの舌触りと弾むばかりの豊かなコシ。
青い瓜を思わせる爽やかな香りがふわっと漂う二八蕎麦だ。




「田舎そば」
RIMG3880.jpg

RIMG3883.jpg

「もりそば」よりぐっと太く赤黒い姿に
熟成の香りのモグモグ蕎麦を予感したが
香りは「もりそば」と同じ爽やかな香り。
しかも「もりそば」以上のつるつる感と弾むコシで
かえってこちらの方が軽やかに感じるほどの田舎蕎麦だ。
軽やかな食感を楽しむうちに感じられてくる
かすかな野趣、たくましい香ばしさがおいしい!




今日初めて気づいたのだが、
店内の欄間にはコウモリさんが。
古材で作られた店舗と以前聞いたが
あれも古いものなのかな?
RIMG3893.jpg





.
posted by aya at 12:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月16日

神奈川・鴨宮「手打ち蕎麦 萬人」


小田原市鴨宮の住宅街に
私が大好きな店がある。

大好きなくせに、何度行っても軽く迷子になる。
鴨宮中学校の側ということはわかっているのだが
店に近づくと方向を失ってしまい
「あら? らららら?」と言っていると
なんだか突然現れる不思議な店。いや「家」だ。

RIMG3679.jpg

ごく普通の住宅を蕎麦屋に改装した店舗。
とは言え、私が初めて来た頃に比べれば
随分店舗らしくなってきた気がする。
店内もすっかり蕎麦屋らしい趣だ。


RIMG3653.jpg

RIMG3559.jpg


ここはお蕎麦も美味しいがつまみも美味しい。

まずは

「そばがき」
RIMG3570.jpg

RIMG3573.jpg

うわぁ 
今日のはまた一段と素晴らしい!
これ以上ないほど馥郁たる香ばしい香り、
とろぉりふわふわの食感がたまらない、
絶品の粗挽きそばがき。
「おいしい〜・・おいしい〜〜」と唸りつつ箸が止まらず
ひとりで全部食べてしまいたいほどであった。



「だし巻き卵」
RIMG3601.jpg

このだし巻きがまた、何ということはないようでいて
やたらと美味しい。
私が理想とする京都風あっさりでも繊細薄味でもないのだが
卵のうまみが濃厚に感じられる、ガツンと美味しいだし巻き卵。
おろしに混ぜられた紫蘇もとてもいい。


ここは華やかで楽しいランチセットが色々あり
お昼時はやはりそれらが大人気。

そんな中「せいろ蕎麦ください」という私の言葉は
相変わらず浮いている。


「せいろ蕎麦」
RIMG3605.jpg

RIMG3620.jpg

来たぁ・・・
私の大好きな「萬人」の「せいろ蕎麦」。
本日は福井県坂井市丸岡町の丸岡在来種である。
見るからに美味しそうな肌にドキドキしながら箸先にたぐりあげれば、
あああ、まさに先程の「そばがき」と同じ、馥郁たるかぐわしさ。
このまま食べなくても満足なほどすでにうっとりなのだが、
噛みしめてその感激は更に深む。
じわぁーとひろがる素朴な穀物の味わい,甘み。
ああー 美味しいよう・・・
すみませーん、「せいろ蕎麦」もう一枚くださーい(^o^)


2枚目を待つ私の目の前には全く別の、
パリのクレープリーのような世界が広がっております。

「そば粉のガレットランチ」のガレット。
RIMG3632.jpg

ほわぁー おいしそう!
モンパルナスのジョスランでの大感激を思い出してしまったではないか。
蕎麦粉が入っていると何故か麻薬のように反応してしまう私。


ランチセットの本日のデザートは
「白玉ぜんざい」。
RIMG3648.jpg


鹿児島産本わらび粉と徳島産和三盆のみで作られた
「自家製極上わらび餅」というのもあるらしい。
「とろモチッの新食感」だって!
RIMG3658.jpg


そして最後のお楽しみ、
蕎麦湯の演出がまた素晴らしすぎる。

RIMG3639.jpg

ロイヤルコペンハーゲンBlue Flutedシリーズの
ミルクピッチャーとカップ!
Blue Flutedも蕎麦湯も大好きな私にはたまらない演出だ。



「田舎せいろ」が予約制になってしまったらしいのはちょいと残念だが
次回はしっかり予約して行けばいいのだー

とは言えなんだかんだいつも突然「立ち寄る」ので
なかなか難しいのだが・・・

2日前までに予約が必要な「おまかせコース」というのも気になるなあ〜


posted by aya at 08:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月15日

保谷「そばきり すゞ木」


RIMG4094.jpg

灼熱の練馬区南大泉。
住宅街に佇む美しきオアシスには
12時前に「本日の蕎麦は売り切れました」の看板が立つ。


この泉の水を知る人が静かに憩う空間。

RIMG4025.jpg

RIMG4087.jpg


お酒は美しいガラス器で

「大信州 純米大吟醸 」
RIMG3995.jpg



昼のおまかせコースより

「胡瓜漬」
RIMG3957.jpg


「秋刀魚の酢漬け」
RIMG3968.jpg

この時期の秋刀魚、そして酢漬けとくれば
私好みど真ん中!



「人参のきんぴら」「ポテトサラダ」
RIMG3969.jpg

ころんとまあるく仕立てられたオシャレなポテトサラダ。
上にかかっているのはバルサミコかな?と思いきや
ウスターですよウスター!
こうこなくっちゃ、と感激に泣くオジサマもいるのではないだろうか。
ポテサラというものにそれほど興味がない私だが
このポテサラは何だかやたらと美味しい。
玉ねぎの風味が実に爽やかで、じゃがいもの素朴な味わいが豊かで、
あれーポテトサラダってこんなに美味しいものだったっけ?


「ささみの風干し」
RIMG3989.jpg

最初ほんの一瞬コワイと思ってしまったのだが
(恐竜がいた頃の動物のイメージ?)
鶏のささみである。これがおいしい!
まるで燻製のように香ばしいのだ。



「蕎麦豆腐」「キャベツの漬物」
RIMG4004.jpg


「夏野菜の天ぷら」
RIMG4013.jpg



これはメニュー表で美味しそうだったので追加注文、

「砂肝煮」
RIMG4022.jpg

美味しい焼き鳥の味わいのようでもあり、
ワインに合うフレンチでも食べているような気にもさせられる
ぎゅーっと濃厚な旨み!



蕎麦は季節の「トマト蕎麦」と「せいろそば」、
2種やってくるという嬉しさ。

「トマト蕎麦」
RIMG4037.jpg

鮮やかな絵画のような眺め!
ことり、とテーブルの上に置かれただけで
トマトの甘い香りがふわぁーっと漂う。
トマトの青い香りというよりは、
フレッシュなトマトジュースのイメージの甘い香り。

RIMG4043.jpg

味わいはごくすっきりとシンプル。
青紫蘇のみでアクセントをつけているのが実に心憎い。おいしすぎる。
さらさらひんやりしたトマトのジュースの中に
粗挽きのしっかりした蕎麦が泳ぐ、真夏の午後の夢。
しあわせだ・・
今日ここに来て良かった!


「せいろそば」
RIMG4045_2.jpg

RIMG4058.jpg

粗挽きの素朴な肌と直線的なラインが美しい、
「そばきり すゞ木」らしい「せいろそば」。

手繰り上げて思わず小さく「おいしい!」。
やや枯れたイメージの独特の香ばしさがふわりと迎えてくれる。

見た目の通りのしっかり固めの歯ざわりで
噛みしめると粒の中からまた別のふっくらした香りが生まれ続ける。
口中を無数にくすぐる粗挽きの粒感がたまらない〜・・



RIMG4073.jpg

デザートは熊本のスイカ。
ノスタルジックな手毬の器がぴったりよく合い
「にほんの夏はいいなあ〜」と
最後まで楽しい気持ちにさせてくれる演出だ。


店を出ればまた目も眩むような灼熱地獄。
しかし往時の半分もつらくない。
オアシスで得た潤いは、どうやら駅までは保ちそうだ。


posted by aya at 05:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月14日

静岡・沼津「手打ちそば 杉本」


沼津市本田町。
静かな住宅街に突然
「石臼挽き手打ちそば 杉本」「営業中」と大書きされた看板と、
大きな駐車場が現れる。

お蕎麦を愛して18年、多少きくようになった私の鼻ではあるが
この時点では素敵な予感は嗅ぎ取れない。
駐車場は広く、その奥の竹薮の中にあるらしい店はよく見えないのだ。
観光バスが立ち寄る食堂のような大箱店かな?
 
しかし店に近づいて胸が踊った。

この風情。

静けき山の温泉宿に来たかのようではないか。
(大好きな七沢の元湯玉川館を思い出す〜(^o^)♪)

RIMG3531_3.jpg




RIMG3514.jpg


ハレー。
こんな素敵な店とは思わなんだ。
古民家の風情にすっかり癒される。
硝子戸の外の緑がまぶしい。


RIMG3463.jpg




「手打ちそば 杉本」の蕎麦は契約栽培の十勝産。
自家製粉の十割蕎麦である。

「もりそば」
RIMG3473.jpg

RIMG3481.jpg

うわぁ これは!

見るからに美味しそうだと思った方、
大変に素晴らしい鼻(目?)をお持ちです。
萩焼のような粗挽きの肌と
繊細にふるえる輪郭線がたまらなく美しい蕎麦。

美しさは見た目ばかりでなく、
たぐりあげてその香りの「美しさ」に驚かされる。
何と言うか、香ばしくないのだ。
フレッシュなイメージ・・でもない。むわぁーともしない。
とにかく澄み渡るように爽やかで美しい香り!
このままずっと(鼻にくっつけて)かいでいたい恍惚の時。

口に含むとしっとりとやさしい食感。
そしてですよ、それをそっと大切に噛みしめると
そこに絶妙のやさしいコシが待っていてくれまして、
そこから蕎麦の滋味なる味わいと甘みがふくらむ、ふくらむ・・・

あああああ、降参です。
わたくしこのお蕎麦にメロメロになってしまいました。


しかも。


「鴨南蛮」
RIMG3495.jpg

ここの鴨南蛮の洗練ぶりときたら何なのだ!

思い切りすっきりとした汁に浮かぶ香ばしい和鴨。
汁の濃さ、味わい、蕎麦のざらつき、ほどよい柔らかさ。
何もかもがピタリ、完璧なおいしさで、
これはどうにもただ事ではない「鴨南蛮」である。

シンプルな朱の器がこの鴨南蛮を
一層引き立たせただただ唸るばかり。
うう・・・ひたすら、参りましたです・・・


帰り際縁側を通りかかると
壁の額に掲げられた一文字、「鴨」。

RIMG3506.jpg

成程。
これほどの思い入れがあるからこそ、
あれだけの鴨南蛮に到達できるのだろう。

店の人によればこの店の出汁巻き卵が一切砂糖を使わず
おいしいと人気なのだそうだ。
静岡らしく「みそおでん」もある。

私の鼻に、美味しそうな予感がムンムン!
次回はそのあたりも是非。



posted by aya at 07:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>静岡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月13日

多摩川「おおたにや」


RIMG2069.jpg


老舗である。

中原街道沿いに大書きされた、何とものどかな店名ロゴ。
「おぉ」と最初の「お」だけやたらに大きいのが
何だか視力検査みたいだ。

こちら、1階のショーケースを見る限り、
お寿司も天ぷらもうどんもやっているが
歴とした手打ち蕎麦屋である。

店は2階なので外から店内の様子は伺えないが
2階に上がってみれば相当広々とした立派な店だ。
寿司屋のようなカウンター席もあり、
テーブル席は衝立で個室風にしてある。

RIMG2066.jpg


昼時は「蕎麦+寿司」「蕎麦+丼」などのセットが大変お得で人気だが
私は相も変わらずこういう人間でして・・


「もり」
RIMG2055.jpg

笊の上にたっぷりと広がるのどかな印象の蕎麦。

RIMG2062_2.jpg

しかし近づいてみれば思いのほか、
素朴な肌感が美しい端正な蕎麦である。
瑞々しいコシと甘い香り。
これは熱ものにもよく合いそうな蕎麦だなあ。


帰りには同じく中原街道数軒先の有機野菜屋「えころじあ」、
おすすめですよ〜



posted by aya at 12:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>大田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月11日

門前仲町「手打ちそば 深川 萬寿庵」


RIMG3849.jpg


門前仲町は永代通り沿い。
富岡八幡宮のすぐ南側にある
「手打ちそば 深川 萬寿庵」。

かつて赤坂にあった「手打ちそば 萬寿庵」が移ってきたのだが
まあ場所が違えば店の印象とはこうも違うものか。


以前は赤坂ど真ん中、
しかも地下の小さな店だったので
あまり雰囲気がいいとは言えなかったが
現店舗は下町の商店街に面してのんびり広々。
こうなってくると色々なことが
意味なく好ましい方に受け取れてしまったりする。

やけに賑やかなグループ客も、
ちょっとやわらかめの蕎麦も、
「うーん下町来たねえー ズルズルッ」
てなもんで。

RIMG3802.jpg

RIMG3819.jpg

本日の蕎麦は茨城。
箸先で香りを寄せると、深く香ばしい香りがふわぁ〜。
これは・・赤坂時代よりずっといいではないか!
歯ざわりは少々ムニュンとしてやわらかめなのだが
香りのよさと味わいに誘われて
夢中で、あっという間に食べてしまう。



RIMG3837.jpg

広々し過ぎてスペースが有り余った入口付近では
ミツカさんの製粉機が居心地悪そうに佇んでいる。
「お客さん来ないかな」と窓の外を覗いているようだ。




じゃこが炒ってある「じゃこ豆腐」も
とてもおいしかったですよ〜
RIMG3797.jpg



posted by aya at 23:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

新橋「友庵」


先週、前々から楽しみにしていた友人達との集まりがあり
私がお店を決めることに。
お蕎麦屋さんならいつものことだが、
なんとリクエストが「肉、もしくは居酒屋ハシゴ!」。
さあ大変だ、全く疎い分野である。

場所は新橋辺りということで
一応webで見当をつけたが
ハシゴとなると不安。

そんじゃま、下見も兼ねてぶらり新橋ついでにたぐり。


以前お蕎麦屋さんでもらった
「常陸秋そば使用の店」というパンフレットに出ていたこの店。

RIMG3799.jpg

路地裏という言葉がふさわしい、小さな路地に灯るあかり。
飾るでもなく飾らぬことを気取るでもない、
控えめな風情が逆に印象的である。




本日の蕎麦は群馬県渋川市赤城町のキタワセ。
「夏新そば」とある。

RIMG3818.jpg

RIMG3833.jpg

まばらに散る大きな黒いホシ。
熟成感を含んだ香りをまとった
美しい細切りの蕎麦だ。



まだ新しい店内のスタッフは全員男性。
奥で楽しげに集うグループも全員男性。
新橋で飲むのが好きだった、この世では会えなかった祖父を思う。



静かな路地裏を抜け出した帰りには
駅まで歩くついでに翌日の様子見。
いや、1軒は決めてあったのだがハシゴに備え
だいたい街の様子を見ておこうかと・・
何処へ行っても蕎麦屋しか頭にないので
居酒屋目線で新橋を見るのは初めてなもので。


翌日は下見の甲斐あって(?)
めでたく楽しい3軒ハシゴと相成りましたとさ♪
RIMG3803.jpg
(新橋「まこちゃん本店」にて人生初やきとん。
 蕎麦ばかり食べていると世の中ハジメテだらけです(^_^;))






.
posted by aya at 23:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月09日

荻窪「石臼挽き手打ち蕎麦 高はし」


美味しいお蕎麦屋さんの前を素通りしなくてはならない時の
何とも言えない悲しい気持ち。

時間が無いとか既に数軒ハシゴしていてお腹がいっぱいであるとか
状況は色々だが、車での素通りは時速のせいか(?)
比較的気分が楽である。
(否、それがなかなか行かれない遠方だと
 これまた断腸の思いであることを思うと都内限定の話か)

まあとにかく私は、環八荻窪付近を車で過ぎる時は
必ずかなり前から目を凝らしてこの看板を探し
見つけたら「高はしだぁー!バイバーイ!」と
ニコニコ手をふるわけである。

RIMG4037.jpg




8月の灼熱の中、久々に正面から眺める「高はし」。
環八沿いのちょいと高級な、大人の蕎麦屋だ。

RIMG4031.jpg





中に入るとスッと整った空気。

照明が落とされ小さくジャズコーラスが流れる空間は
たった今まで私が居た
目も開けられぬような灼熱の喧騒とは別世界である。




蕎麦だけで帰るのはもったいなくなり

「穴子煮こごり」。

RIMG3998.jpg

RIMG3992.jpg

「ふるふる」でも「フワーッと口溶け」でもなく
ピンと角の立ったタイプの煮こごり。
やや甘めの煮こごりの中に穴子がたっぷり入っている。




久々に出会う、「高はし」の「せいろ」。

RIMG4007.jpg


RIMG4019.jpg

しっとりと重なる粗挽きの肌。
無数に揺らめく粗挽きの陰影とホシが
手びねりの陶器のような風情だ。
箸先で香る、微かな熟成感を帯びた香ばしさ。
じんわりした歯ざわりはコシというものを意識させず
全体にしっとりと脱力した感じが枯れた趣である。

「作りたい蕎麦、作ってるなあぁー」



「高はし」の世界を久々にガッチリと受け止め
また灼熱に帰る。




デザートの天然ビタミンCが身にしみて有り難かった!

RIMG4022.jpg



posted by aya at 11:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>杉並区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月07日

銀座「手打 きだ」


RIMG3465.jpg


まず場所がとてつもなく便利である。

銀座三丁目、アップルストアの真裏。

そして、土日全滅の銀座エリアにして
この店は火曜日定休というのが誠にありがたい。
三越の中に「箱根暁庵」もできたし
昔に比べれば土日の銀座が呼吸しやすくなったような思いである。


また私の足をこの店に向かわせる要因として
銀座のど真ん中にして、かなりくたびれていても気軽にフラッと寄れる
心安い雰囲気の店であることも大きいだろう。
銀座らしい高級洗練の雰囲気の店もいいし
デパートの中のような賑わい華々しい雰囲気も楽しいが
「ヨレッとフラッと」寄りたい気分の時はここなのだ。


「めごち天」
RIMG3487.jpg


「じゃこおろし」
RIMG3482.jpg

フワフワではなくよく干された固めのじゃこ。
お酒のつまみにちびちび楽しめそうだ。


そして、何と言っても嬉しいのは
この店のお蕎麦の種類の豊富さである。

「もり(外二)」
「生粉打ち」
「粗挽き」
「御前更科そば」
「季節の変わりそば」

私としては、やはり最初の3つは外せない。

「もり(外二)」
RIMG3501.jpg

RIMG3498.jpg

香ばしい素晴らしい香り!
やわらかいが茹で過ぎのやわらかさでなく、
フワフワ軽い空気感を含んだ弾力のあるやわらかさ。
しっかり濃い穀物の味わいが実に美味しい。



「生粉打ち」
RIMG3501.jpg

RIMG3510.jpg

見た目にさほどの違いはなく見えるが
先程の「もり」の空気感とは対照的に
みっちりしっかりとしたコシを持つ十割らしい蕎麦。
どこかクリーミーな印象の白い薫りを淡くまとった
品の良い蕎麦だ。


「粗挽き」
RIMG3521.jpg

RIMG3536.jpg

ややざらついた平打ちの肌の
ところどころに浮かぶ黒いホシ。
箸先で寄せた香りは、意外にも「生粉打ち」とほぼ同じ
品の良い白い香り。
しかしかみしめてびっくり、藁のような香ばしい香りが
ふわーっと口中に広がる。
面白い。おいしい〜


土日は早仕舞い(18:30)なのはちょっと切ないが
やはりここは私にとって、土日の銀座のオアシスなのだ。







.
posted by aya at 23:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>中央区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月06日

始動


昨日の石神井公園コース続編・・・

商店街の「小松屋豆腐店」。


RIMG3956.jpg



RIMG3959.jpg


笊豆腐 始動!!

了解ラジャー!




posted by aya at 09:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | aya>diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月05日

石神井公園「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」


RIMG3909.jpg

石神井公園駅から徒歩3分の路地。

2005年、ここに「手打そば 菊谷」が生まれた。
店は瞬く間に近所の人や遠方の蕎麦好きに愛される人気店となり
そして今年、巣鴨に移転した。
かつて店があった場所に立ち、時の流れに思いを馳せる。

ここは今、「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」。
「手打そば 菊谷」の店舗を引継ぎ開店した店も、またいい店だ。
店先の杉玉が銘酒処としての心意気を示している。


「冷肴おまかせ五品もり」を頼むと
こんな楽しいことになる。

「そばの実おひたし」
RIMG3801.jpg

「ゴーヤのおひたし」
RIMG3815.jpg

「鳥肝しょうが煮、きんぴら、昆布煮」
RIMG3818.jpg




この店の主は日本酒ライター。
カウンター前の大きな本棚には日本酒に関する文献が図書館のように並び
店内黒板には他では見かけないような名酒の名前がズラリ。

暗号のような名前があると思ったら、酵母の名前で出しているお酒だったり!


お酒好きのハートをガッチリ掴むおつまみメニューの中に
野菜料理が多いのも嬉しい。


「鯖の燻製」
RIMG3854.jpg

「茄子の煮浸し」
RIMG3827.jpg


「しらすおろし」
RIMG3849.jpg



蕎麦は産地別で二種用意されている。

まずは

「福井産の十割」
RIMG3885.jpg

RIMG3878.jpg

はかないまでに繊細な粗挽き。
箸先から漂う香の素晴らしさに、思わず食べもせぬうちから
「おいしい〜!」。
口に含めば見た目以上の繊細さで、まさに「はかない」食感。
しかしそのはかなさの中から、ふっくらとした味わいがしっかりと溢れ出して来る。



二枚めは

「栃木産の二八」
RIMG3897.jpg


うーん、栃木の香ばしさ!
こちらは二八だけに先程の福井十割に比べるとムチッとしたコシがある。
みずみずしくしっかりとした蕎麦。
何より私は栃木の香ばしさに弱いのですっかり酔わされる。




ところで今回この店の帰りに面白い店を見つけた。


「蕎麦に銘酒 野饗」からも石神井公園駅からもすぐ。

「茶房 珈路(こみち)」。
RIMG3953.jpg


商店街に面して「自家焙煎」「一杯出し珈琲専門店」と看板にあるが
店は2階なのでなかなか地味な印象である。


しかし2階に上がると、そこは!

RIMG3914.jpg

RIMG3919.jpg

一階の印象からは想像できない、
驚きの広さの、実に美しい店なのだ。
なんとも嫌味のない高級感。
肩肘張ったような洗練ではなく、
ホテルオークラの旧館ロビーのような、のどかな気品。

あまりにも専門的なコーヒーメニューには圧倒されたが
相談に乗ってくれた店主は極めて感じがよく
バシッと美しい姿勢で丁寧に淹れてくれる。

そのコーヒーが、驚くほど美味しい。

RIMG3924.jpg




石神井公園にこんなコーヒーの名店があったとは・・


「蕎麦に銘酒 野饗」に帰りには是非。







RIMG3942.jpg
カウンター正面の窓。一面のコブシ!(茶房 珈路)





posted by aya at 21:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月01日

神奈川・片瀬山「手打そば処 山家」


「片瀬山」駅と聞いても東京の人はピンと来ないと思うが
私には故郷のような場所である。
大船から湘南モノレールで約10分。
終点の「湘南江の島」駅の2つ手前のこの駅は
私が6年間通った中学・高校の最寄り駅であった。

駅前に店一つない静かな無人駅。
付近は立派な家が立ち並ぶいわゆる高級住宅地だが
駅の裏手に回るとこの「手打そば処 山家」の看板に出会う。

RIMG2380.jpg


自分の「故郷」にあるという意識があるからか、
ここの雰囲気は独特に感じる。

普通の蕎麦屋の姿をしているようで
そこに流れる時間は高級住宅地の中のサロンのような
とは言え何が違うわけでもない、普通の蕎麦屋のような。

RIMG2319.jpg



普通といったが、やはり訂正しよう、
すべてのメニューが、一般的な蕎麦屋よりやや高めの値段設定である。
「おろしそば」が1100円。
しかし値段も違えば、姿も味も違う。

RIMG2328.jpg


蕎麦にたっぷりとかかった胡麻にまず眼を見張る。
西国立 の「かめ井」で感激して以来
おろしにたっぷりの胡麻という組み合わせには弱いので
私が頼んだのではないがひと目で気に入る。

おろしが入っていた器。
たっぷりと大振りで、この絵付けこのデザイン。
なかなか出会えるものでない。

RIMG2358.jpg


蕎麦は湘南に何故か多い平打ちである。

「もりそば」
RIMG2334_2.JPG

RIMG2354.JPG

箸先で香る正統のかぐわしさ。
しっかりしたコシを持ちつつもヒラヒラと軽やかな平打ちの食感。
噛みしめるためにふくらむ美しい味わい。
お、おいしい〜・・・
見た目は何となくのんびりしているが見事な蕎麦なのだ。


壁のメニューにある「めひびそば」も他ではあまり見かけないが
このメニュー名も知らない人には謎だろう。
卓上メニュー表の真ん中あたり・・「おやた?」。

RIMG2363.jpg


長野県南部の「親田(おやだ)地区」に伝わる「親田辛味大根」を使った辛味おろしそば。


静かに扉を開けては入れ替わり立ち替りお客さんが入ってくる。
昼時の厨房はなかなか忙しそうだが店内は静かで居心地がいい。

RIMG2374_1.jpg

長い間この地で愛され、育まれてきた「この店の時間」。
店の姿とは店だけで作っていくものでなく、
「店とお客さんで作っていくもの」だとつくづく感じされられる。

この日は午後1時には暖簾を仕舞ってしまったのだが
その商売気のなさもいかにもこの店らしい。

私の故郷にある特別な蕎麦屋だ。








.
posted by aya at 07:11 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする