2011年03月31日

銀座「そばきりや山形田」(東北を食べよう!その2)


今夜は、蕎麦愛深き楽しいTさんと
こころゆくまで山形に浸りに、あーべー!

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拙著「蕎麦こい日記」で紹介した頃は京橋にあったのだが、
その後去年現在の銀座3丁目に移転した「そばきりや 山形田」。
松屋銀座の2本裏手、と覚えればわかりやすい。

こちらの名物はなんといっても板蕎麦、と言いたいのだが、
山形と言うところは蕎麦以外にも美味しいものがたくさんあるので忙しい。
とにかくこの店のびっちり並んだ豊富なおつまみメニュー,
その魅力的なことと言ったらないのだ。

しかしである。
ご存知の方も多いかと思うが
山形の板蕎麦というのは大変にサービスの良い盛りっぷりである。
田舎、十割、外一。
常時2種、うまくいけば3種あるこの店の蕎麦を全部楽しもうと思ったら
調子に乗っておつまみをいろいろ頼むというのはなかなか危険な行為。
一人なんかで来ちゃった日にはおつまみはおろか蕎麦複数種も危うくなってくる。


でもだからこそ、今日はノリノリ楽しいTさんとやってきたのでありますよ。
二人とも「山形田」が嬉しくって入店直後からハイテンション、
楽しくガンガン頼んじゃいましょう!

まずはこの「山形田」においては、絶対に絶対にハズせません。
「玉こんにゃく」♪

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見た目、地味です。
しかしこれが、ひじょーーーうに美味しいのだ。
よくしみた味つけといい、ポヨンポヨンの弾力といい、
「山形田」の「玉こんにゃく」はおすすめです!!


ふと見れば、向こうのテーブルにはサラリーマン4人組様。
慣れた様子で注文していたが、運ばれきたのは、まず「生ビール」。
そして次はおつまみ・・ではなく
「玉こんにゃく4つ」と「蕎麦4枚」が最初から一気に運ばれてきたではないか!!
とりあえず適当なおつまみをつつきながら、などではなく
のっけから全員が「マイ玉こん」と「マイ蕎麦」を満足げに抱え込んでの飲み会。
うぬぬぬ参った・・お主ら・・やるの・・・・


でもねえ、おいしいのは「玉こん」ばかりじゃありません。
「米沢牛タンやき」
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「米沢牛筋煮込み」
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煮込み好きの私にはたまりまへん・・・
煮肉、茹で肉にヨワイ!


「地鶏辛子」
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これまた私の大好物。
だってもうこれは美味しいに決まっていますよ、
この「地鶏辛子」、この店の名物「蔵王冷やし地鶏そば」に
乗っかってくるあの鶏肉なんですよー!
さっぱりとしているいるようでしっとりやわらかく、
鶏肉の味と香りをしっかり生かした非常によい塩梅の味付け。
今日は「田舎そば」と「十割そば」、2種類食べたいから
「蔵王冷やし地鶏そば」は我慢してこの「地鶏辛子」を頼んだのに。
やっぱり駄目だ、こんなにおいしくちゃあ、返ってこの「地鶏辛子」が呼び水になってしまった。
あとでやっぱり「蔵王冷やし地鶏そば」も食べたーい!



そしていよいよお蕎麦1枚目、「十割そば」。

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きた〜〜!懐かしや「山形田」の十割さま。
これでもかと巨大な木のせいろに
ツルッツルのピッカピカに輝く白っぽい蕎麦。
「山形田」の十割は一番粉のみで打ち上げた、言ってみれば更科系の十割なので
一般的な「山形板そば」のイメージとはちょっと違うかもしれない。
しかしこれがね〜、いくらでもちゅるちゅる入ってきちゃうんですね〜
ただちゅるちゅるなだけでなく、みずみずしくずっしりと密な肌を噛みしめると
ホワンとやさしい甘みがこぼれる。
ランチ時も夜のお酒の後にも、特に男性達に絶大な人気を誇っているのも頷ける蕎麦だ。



「田舎そば」

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ムハーッ

こちらはぐっと黒く、香り高く、噛みしめて甘い蕎麦。
力強い濃厚な香りがもうとにかくうれしい。
優しい歯ざわりの中から生まれるジワァ〜〜〜とした甘みがまたうれしい。
ああ美味しい・・山形すばらしいだいすき・・


そしてもういい加減お腹がはち切れそうだっちゅうのに
もうどうにもブレーキがききません。
ちょっと分けてもらっちゃいました、「蔵王冷やし地鶏そば」!!

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ウワー
なんでしょう
これ

もうなにか
マタタビでも
はいっているのでしょうか

おいしすぎて
もう形容詞等無理なのですが




本当に本当にお腹がいっぱいで可笑しくなってしまったほどだが
本当に楽しくてしあわせな夜だった。

やはり私はこの店が大好きなのだ。

いつも私は「お蕎麦はやはり手打ちであってほしい」とは思っている。
それはやはり、機械打ちの蕎麦にはどこか味気ない、冷たい単純さをどうしても感じてしまい
一種の寂しさ、のようなものを覚えることが多いからだ。

しかしこの「山形田」の蕎麦は手打ちではないものの
そういった味気なさ冷たさは全くない。
むしろ、あたたかい山形のぬくもりすら感じる蕎麦だ。
それはやはりこの店が素材や作り方を吟味して、
必ず美味しいものをお客さんに食べてもらおう、
山形の美味しさを伝えていこうという強い姿勢を崩さずに頑張っているからだろう。
この店において、蕎麦は非常にデリケートに扱われ
打ってから2時間以内の提供を基本としているそうだ。


今夜も、楽しい友人とこんな美味しいお蕎麦が食べられたしあわせ。

とてもだいじなことなのだ。

とてもありがたいことなのだ。








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2011年03月30日

石神井公園「手打そば 菊谷」


5月から巣鴨に移転ということで、
石神井公園での営業は3月いっぱいまでとなった「手打そば 菊谷」。

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こうして眺めてみればいつのまにか街の風景にすっかり馴染んでいる。


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昼時前から、店には途切れず客が訪れる。

ひとりランチのおじいさん
予約してきたお洒落なマダムズ
小学生の男の子連れのお父さん
昼から一杯のおじさま
小さな女の子と明るいおばあちゃん
赤ちゃんを連れたお母さん
品のよい老婦人

ちょっとこの店に居ただけで街の縮図を見てしまったかというような
地元の多様な人々が次々と訪れる。
皆思い思いの好きな蕎麦を注文し、美味しそうに食べている。


お蕎麦が愛されていると全然関係ないはずの私まで無性に嬉しい。

だいたい私は自分が蕎麦を食べるのはもちろん好きだが
人が食べているのを見るのも大好きなのだ。
「菊谷」の素朴で美しい蕎麦を
あああの人もたぐっている、
あんな小さな子も上手に口に入れている・・

それぞれの箸先にたぐられた、しなやかな蕎麦の曲線。
たぐる姿もいいのだが、すする音もまたたまらない。
特におっさんがたててくれるズズズッは最高だ。

なんにせよ、うっかりすると私は蕎麦を食べている人をうっとりと凝視してしまう。
それは傍から見ると、ただ人の食べ物を羨ましがっている動物のようで不気味なので要注意だ。
(でも実際、食前でも食後でも私は人の蕎麦が羨ましいのだから不気味大正解である)


隣の人の蕎麦も美味しそうだが、
わー、私の前にはこんな素敵なものがやってきましたよ!

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「菊谷」の「蕎麦掻き」。
いかにもむっちりと、香り高そうな肌。
見入れば、素朴な粗挽き感にときめかされる。

箸先にむんずと取れば、

もわぁあ〜〜〜

ふっくらとゆたかな、なんという香ばしさ!

口に含むとむっちりあたたかい肌から香りと味わいと甘みが溶け出し
ああ・・なんと滋味深き美味しさ。



玉子焼き。

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平生、玉子焼きはすすんで頼まぬ私であるが
「菊谷」の「玉子焼き」は太鼓判の美味しさ。

軽いのだがふわりとしすぎず、
あっさりとした味付けが卵そのものの味を前に押し出している。
ぱくぱくとあっという間に二切れ食べてしまった。


そして待ってました、
先程から何人の、他の方のお蕎麦を遠く羨ましく眺めていたことか。
2種の蕎麦が楽しめる「菊谷」の「利き蕎麦(ききそば)」。
1枚目は「二八」。今日は福井・丸岡と秩父のブレンドだ。

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(写真は1枚の半量)

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先程から眺めていたとおりの、見た目の美しさにまずヤラレる。
この一歩控えた、力の抜けた佇まい。
ことさらでない静かな野趣は、見つめるほどに、深い。

手繰り上げると、香りも味も見た目どおり。
ことさらではないのだ。
風味も甘みも香りも、濃ければいいというものではないことを
実感せずにはいられない美味しさ。
淡くやさしい印象の真ん中に
上質の蕎麦の味がほんわりと浮かびあがるような。

「やさしい粗さ」の肌の凹凸をなぞりつつ、
鼻腔をくすぐるほのかなかぐわしさを追いかけ、
舌に広がるやさしい味わいを追いかけ、
あああああもうなくなっちゃった・・・



2枚目は北海道産の「十割」。

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(写真は1枚の半量)

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うわぁ

これは香ばしいですよ!
いい香り〜〜
ずっと香っていたいが口が勝手にどんどん食べてしまう。
こちらは甘さと味わいが二八より更に淡く、
それによってかぐわしさがより軽やかに
ふわーっとひろがって感じられる蕎麦だ。
おっ おいしい・・・
「菊谷」さん、お蕎麦両方共、美味しすぎますよ!



そしてこの店は本当に困った店で、
お蕎麦がこれだけおいしいのに、美味しい種物をいろいろ展開しています。
ああお腹が3つ欲しい・・

この「練馬地野菜ぶっかけ」、
本当はひとり分全部食べたかったーー!!(お腹いっぱいすぎです)

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野菜はその時々の美味しい練馬野菜を使うらしいのだが、
今日はなんとキャベツ。お蕎麦屋さんでは意外と出会わぬ野菜である。
自宅の冷蔵庫にキャベツ欠かさぬキャベツ好き高遠、
そんなぶっかけ好きに決まってます。
しかもこのキャベツ、上物ですよ〜

そしてね、このぶっかけは「揚げ玉」がやたらと美味しいのだ。
「この揚げ玉、何ですか!!??」と聞いてしまったほど。揚げ玉だってば(^_^;)
菊谷の魔法のかかった、美味しい揚げ玉なのだ。




「あ〜キミは次回からもう大盛りだね」。

隣の、小学生の男の子連れのお父さんの声。
男の子はまだ2年生くらいで、小さくて細いのに、お父さんのお蕎麦をどんどん奪って食べている。
嬉しそうに奪われるお父さん。
その向こうに今入ってきたサラリーマン風の男性は
常連らしく慣れた様子でランチを注文している。
移転の張り紙を見て
「えっ もうそんなだっけ?あれー・・そうかあ・・」



移転は喜ぶべき店の進化の形だが
これだけ地元の人に愛されているのを見ると、
私までふっとさみしい気持ちになる。

石神井公園の地で愛され6年。
新しい「菊谷」は2011年5月から、豊島区巣鴨にてスタートする。


楽しい進化を、明るい気持ちで祝おう。




お店のHP




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

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2011年03月26日

新宿三丁目「手打ちそば処 楽庵 」


昨日のピットイン!

「梅津和時プチ大仕事」
梅津和時(sax, cl)、山下洋輔(p)、熊谷和徳(tap)


ほんとうにほんとうに楽しい
無限の、自由な、わくわく飛んで行ってしまいそうな世界!
そこには、かなしいことも こわいことも 何もなかった。


相変わらずエネルギーに満ちた山下庵アンシュ。
神出鬼没八面六臂のやんちゃぶりには
もう嬉しくてたまらなくなってついにワハハハと笑い出してしまうほど。


そして深夜の2丁目にて、こんな嬉しいハプニングも。

幸運にも「チョイと」行かれてしまった、定番「楽庵」♪

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白っぽい平打ちにおおきな黒いホシがひらひら。
「楽庵」の蕎麦はなかなか個性的な姿なのだ。

最近の「楽庵」ではよく出会うかなりの熟成感。
白い肌に似あわぬムワァ〜と濃い香りが密にただよう。
しっとりやさしい歯ざわりの蕎麦だ。

相変わらず力の抜けた、居心地のよい店には
騒ぐでもなくのんびり楽しげに憩う人々が集まる。
深夜の2丁目、小さな平和。


当たり前でいることがとてもむずかしく
当たり前のことがとても嬉しくありがたく
涙が出そうになるときだから。


訪れる人を深夜まで迎えてくれるこの店も、

大好きな方々とお蕎麦が食べられることも、

節電照明の街角の景色も、

楽しいライブも、


映画のように、胸の中でまわり続ける。





*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

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2011年03月24日

築地市場「手打ち蕎麦 成冨」



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雨上がりの東京。

まだ湿気を帯びた大気が地表の匂いを空に昇らせている。


ああ今日も蕎麦が食べられて嬉しい。

成冨の「せいろ」。
1枚目は北海道産だ。


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きめこまかな肌に新鮮な水分を流れるようにまとった、
美しい蕎麦。

たぐりあげれば、
たっ たまらない・・・・
深い香ばしさ、食べる前に全部吸い込んでしまいたいほどの
穀物の甘く豊かな香り。
こんなにも香ってくれるのか!

それが食べている間じゅう私を染め、
味わいとなって舌に体にしみこんでくる。
ウワー 今日ここに来られて良かったなあ

外はコンクリートの大都会東京だが
この笊の中は広大な北海道の畑だ。

そこに立ち、深呼吸するよろこび。



この店の蕎麦の「せいろ」はメニューとしては1種類だけだが
おかわりを頼むと産地を替えて出してくれる。
今日の2枚目は茨城産。

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こちらもまた、「成冨」らしい流麗な美しい蕎麦。


たぐりあげた最初の香りは、
うん、北海道のような香ばしさはない。

しかし来た来た、下から、まるくふくらんでくるような、
ゆたかなゆたかな茨城らしい王道の香り。

口に含んで広がる、絶妙の甘みと味わいのバランス。



最寄り駅は築地市場だが、私は使ったことがない。

東銀座や新橋はすぐだし、銀座、有楽町だって遠くない。



さて今日は、どこまで歩いて帰ろかなー





*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*



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2011年03月23日

千葉・稲毛「利兵衛」


ああー 今日はうれしいな、
はるばる来たよ〜「利兵衛」さん!!


生気あふれる楽しい店主と素敵な奥さん、
お二人の顔を見ただけでぱぁーっと明るい気持ちになる。


隣のテーブルで昼から一杯やっていたお客さんは
店主も仲良しの近所の方のよう。
なにやらひどく落ち込んでいて、
アハハハ〜と豪快に笑いながら元気付ける店主。


私も俄然お腹が空いてきまして・・

ここに来たらお蕎麦だけと言うわけにはまいりませんですよ!


だって、ほら!

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ここまでやるかの超厚切り。
「鴨のくんせい」、
見て垂涎、食べて落涙のこの姿!
ああ、ありがたや・・
これはお宝として大事にゆっくり食べよう・・
(できるかどうかは別として)


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「湯豆腐」
優しい温かさが
道中で冷えた体に落ちてゆくのが見えるようだ。




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こちらでは初めて頼んでみました、
「アジの南蛮」。
何事も野菜が多いのが「利兵衛」の魅力の一つ。
野菜好きの私には本当に嬉しい美味しさである。




そしてもう待ちきれません、
お蕎麦!!

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ウワーーー・・・・

泣けます。

なんという、美しい、品の良い、中庸のかぐわしさ、
白い夢、舌触りの素朴さ、真ん中に浮かんでくる粉の味わい、
ハニャはひほにょ・・・

なんて美味しいのだ!!!


「そんな、褒めすぎですよ、だって今日のは
 ろうそくの光の中で打ったんだもの」

「?」

「計画停電で。全然見えなくて、だから今日のはね・・」

「えーーーっ信じられない、美味しすぎる。
もうこの際だから外に貼り出しましょうよ、
” 停電蕎麦 打ってます ” って。」

「アハハハハハハそれいいねー!最高!」


何を話しても明るく大笑いになる会話。



今日は欲張ってこんなのも。
「納豆おろし」

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青描絵の美しい器にまず目を奪われる。
この器、写真では伝わりにくいが、うんとたっぷりと大きい。
聞けば菓子鉢だそうだ。
おおらかな曲線、鉢の張り具合、絶妙の薄さ。
見事としか言いようがない。

そしてその中に平和に収まる「納豆おろし」の
なんとも心あたたまる、家庭的な眺め。


これ、食べた瞬間、私の心は実家に帰ってしまいました。

私事で恐縮ですが、私の父は「納豆名人(自称)」でして
「俺の混ぜた納豆はうまい」と昔から大威張りで
(この「混ぜた納豆」という部分はあらゆるシーンで別のものに入れ替わるのですが)
私たち三姉妹が小さい頃から
父はよくその納豆とご飯を海苔で巻いたのをひとりひとりの口に入れてくれました。


懐かしい風景がよみがえるような「納豆おろし」、
おいしかったなあー

この「納豆おろし」の何が似ているのか分からないが、
共通点といえば
「利兵衛さんも父も大の納豆好き」
ということかな!



玄関脇のアンティークのレジスターが
この店にやってくるまでの物語を聞いたり
たくさんの楽しい話をしてお腹も心も血中蕎麦粉度も満タン!


さぁーもらった元気で、がんばるぞぉ〜



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*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

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2011年03月22日

2011年4月〜5月の出演予定


2011年4月6日(水)
下北沢 Three
open:19:00 start:19:30
前売り¥2300  当日¥2800 (+1drink)

出演:
ハリネコ+ナスノミツル
泉尚也×izumi misawa×類家心平
あくび+一樂誉志幸
Giulietta Machine + 高遠彩子

FOOD:
カレーの古里

Giulietta Machine + 高遠彩子 の出演時間目安は20:15です。





2011年4月10日(日)
細野晴臣さんのレーベル(トップページに音が出ます)
のパーティー「デイジーワールドの集い」に
Giulietta Machineとの共演で出演します。

いつも気楽に、のんびり〜な雰囲気の
音楽ファン必見の本当に面白いイベント。
今回は東京で音楽に携わる方々の思いのこもった、特別な雰囲気となると思います。

以下デイジーワールドHPより

>>>
デイジーの集いを4月10日(日)に開催いたします。
当日は統一地方選挙の投票日にあたります。大切な変わり目の時期の選挙です。ぜひ投票を済ませてからご来場ください。
今回の入場料は、義援金としてCAY/SPIRAL経由で日本赤十字社を通じて被災地の方々へ送付いたします。
また、継続する余震や原発事故による危険が続いていますので、無理のないご参加をお願いいたします。
当日は出来る限り電気を使わずに運営します。暗くて見えずらかったり、普段より音が小さかったりしますが、そのぶん音楽が近くなる集いです。

「デイジーワールドの集い 〜電気を消して心を灯すの巻〜 」
参加者  :細野晴臣グループ / ワールドスタンダードほか
日時   :4月10日(日) 18:00 Open[今回は早めに開演する予定です]
会場   : Cay(青山スパイラルB1F)
入場料  : ¥2,000
       + フード/ドリンク・オーダー
      (フードは¥800〜¥1,200程度、ドリンクは¥600〜です)
お問い合せ: EATS and MEETS Cay 03-3498-5790
SPIRALの関連イベント:アーティストからのメッセージ「アートのちから」

お問い合せ: EATS and MEETS Cay 03-3498-5790





2011年5月4日(水)
渋谷dressに於いて行われる、
Giulietta Machineの江藤直子さんのピアノライブに
ゲスト出演します!
GW真っ最中、おすすめのライブです☆
dressは渋谷駅より徒歩1分、
お料理が美味しい素敵なバーです。

2011/5/4(wed:holiday)
江藤直子(pf) / guest.高遠彩子(vo)ハHP
open 18:30 / start 20:00
music charge 2,500yen



posted by aya at 11:27 | Comment(2) | TrackBack(0) | aya>お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月21日

ライブの延期と出演のお知らせ


以前お知らせした出演予定のライブが
中止又は延期となりましたのでお知らせします。


3/22(火)
デイジーワールドの集いは今月は中止となりました。
4月以降にまた実現予定ですのでお楽しみに!


5/8(日)
荒川区ムーブ町屋で行われるダンス公演「遊ぶ劇場」も
延期となりました。
このイベントは延期を機にさらに内容を深めていく予定ですので
こちらもお楽しみに〜


また新たに、
4/6下北沢THREEでのイベントに
Giulietta Machineのゲストヴォーカルとして
出演が決定しています。
詳細はまたこちらでお知らせしますので
皆様ぜひいらしてください!




posted by aya at 21:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | aya>お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月18日

神田「眠庵」


昨日夕方。

「大規模停電の恐れ」もなんのその屁のカッパ。


私はこんな方と「二人の世界」でした〜♪


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栃木のお蕎麦に弱い私。

目をかたく閉じずにいられないほどの、香ばしいかおり。
じんわ〜〜〜っと舌を、口の中全てを染める、貴い穀物の味わい。



直後の浮気。
今度は「福井」のお方と二人きり・・
汁さん薬味さん、ちょっとしばらく離れていてね。

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っあ〜〜〜〜!!


失礼。


たくましく力強い福井の蕎麦の味と香りに
染まっていく自分が見え、
あまりに、ありがたくてよぉー・・うぅ・・泣ける(>_<)



東京じゅう大移動大混乱の中、
いつもの暖簾を下ろしてくれていた「眠庵」。
そこに、お蕎麦を愛するお客さんが次々集まり
みんな嬉しそうに、それぞれの元気を充電している。


20:00からのスタジオリハを控えた私、
街に戻ればどこもかしこも快適なほどガラガラ!電車もガラガラ!
ダイヤも通常、あっけないほどすんなりとスタジオに到着〜


帰宅後ニュースで、夕方の危険極まる、群集殺到大混乱の駅の様子をみてびっくり。

私の方はスタジオの停電もなく、リハも順調に進み、
帰り道もガラガラでラクラクでしたよ〜♪



蕎麦にもらえる元気、歌が歌えるよろこびを大切に、
いろんなものを、
ぐるぐるまわしていきたいでーす!





2011年2月の「八種もりの会」
2010年11月の「八種もりの会」
2010年9月の「八種もりの会」
2010年7月の「八種もりの会」
2010年4月の「八種もりの会」




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浅草「会津手打そば やかた」(東北を食べよう!その1)

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浅草の中心部からすぐ、隅田川の畔に位置する
「ホテル ニュー魚眠荘」。
まずこのホテル名からしてたまらない。

このホテルは何が面白いと言って
やはり1階のメインダイニングである。
写真左方の白い看板、「お食事処 やかた」と見えるのがそれであるが
近づけば「会津手打そば やかた」とある。

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ホテルのメインダイニングが手打ち蕎麦(居酒)屋!
なんとものんびり、そして私には泣かせる話である。

浅草は、東北への窓口である上野からもすぐ。
東北の人にとっても東京の人にとっても
ここで東北の香りに触れられることは何となく嬉しいものだ。


数年前改装されるまでは、
それこそホテルの常連(住人?)たちのリビングといった風情だったこの店。
それぞれのテーブルにはボックスティッシュや魔法瓶などが置かれ
外部の人間である私などは「お邪魔します〜」と言いたくなるようなお茶の間度。
年配の男性客が店員の女性に
「ただいま〜饅頭買ってきたよー」とおみやげを買ってきていたり
東京にはなかなかないような、何とも家庭的で楽しい蕎麦屋だった。


数年前改装されてからはすっかり小洒落た内装になったが
何となくのんびりした居心地はそのまま。

メニューはおさしみや天ぷらなど王道メニューに混じって
「莫久来(ばくらい)」や、私の大好物の「燻りがっこ」など
東北らしいメニューもチラホラ。

お酒も
「浦霞純米辛口」(宮城)
「高清水純米」(秋田)
「花泉 本醸造」(福島)
「飛露喜 純米」(福島)
などなど、名酒がズラリ並んでいる。



蕎麦は「会津手打そば」。

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おっ?
これは、ここではかつて見たことのない姿である。
透明感を帯びた肌。かすかに縮れたような、コシの強そうな輪郭線。

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たぐりあげて、なるほど。
熟成感あふれる蕎麦である。
むわぁーーっと濃厚な、ピーナッツのような香り。
ここでこういう蕎麦に出会えるとは、意表をつかれ面白い。


かつて私は東北蕎麦めぐり数日の旅をし
行きたかった名店や秘境の蕎麦をたずねるという幸せに恵まれた。
素朴であたたかな人々、美しい蕎麦。
しかし東京へ帰った次の日、まだ東北から離れたくなくてやって来たこの店で
旅で食べた蕎麦に負けず劣らず、イヤイヤそれより美味しいかも・・・
という絶品会津蕎麦に出会い、仰天したことがある。


すんなりとした清らかさの中に素朴な味わいがしっかり感じられる、
「やかた」の蕎麦。

いつもの印象とは違い、今日のような熟成系濃厚蕎麦は意外であったが
食べている間じゅう私の心はあの旅の中に帰った。



私以外には1組しかいない、静かな店内。

今日の浅草は日中から、雷門前ですらひと気なく、
街じゅう悲しい夢の中のように静かだ。



うずくまっていては何もかもが飲み込まれていくばかりだから、
私は自分のできる精一杯の自家発電をしたい。



さあっ
「蕎麦力」つけて、今日も元気!


ライブの準備もすすんでいますよ〜


みなさんに楽しいライブで会えますように(^o^)!!


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(ところで「和田の姉妹店」ってなんだべさーと長年思いつつ聞いたことのない私・・
 わからないながらも何だか味わいのある謎のフレーズ(^_^;))






*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*
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2011年03月12日

どうか!!


みなさまの安否を心配しております

たくさんの皆様に
「また遠くまでたぐりに行ったりしているのでは?!」
とご心配のご連絡を頂きました

ありがとうございました


高遠彩子、無事で、自宅におります


皆様ご無事を心から、

お祈りしております!


どうかご無事で!!





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2011年03月10日

浅草橋「手打ち 更里」


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あらっ 

足が! 勝手に!!


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2軒目、さらり。

「生粉打ちそば」「更科そば」の2色せいろを
「もりそば」と「生粉打ちそば」で頼んでみました♪

お〜、もりは、熟成感を帯びていますの。
わー!生粉打ちは、ムンッムンッの熟成ですね!

濃い〜




静かな夜。


離れた席の酔客の話し声をBGMに。



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浅草橋「江戸蕎麦手打処 あさだ」


久々に,携帯にて実況写真〜


今夜はここで・・・


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大賑わいの「あさだ」さん♪

自家製粉の十割蕎麦。

ひんやり、淡い香りが予感させた
香ばしいような味わいが口の中で静かにひろがる

つるつる潔い、粋なのどごし。
「十割江戸蕎麦」という言葉、頷いちゃうなあー
まさに!



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2011年03月09日

自由が丘「蕎麦 衾」


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ドーーーン!

何とも度肝を抜く店構えである。


自由が丘の閑静な住宅街。
駅から(迷わなければ)徒歩10分とは言え
住人以外はほとんど通りかからないエリアだ。

こんな場所にこれほどの偉容を誇る、純日本家屋の店舗。
蕎麦屋としては驚くべき存在である。


店名の「衾(ふすま)」はこのあたりの旧地名だそうで
そういうものを大切にする気持ちはありがたい。
なくなっていくものは、まもらなければ、なくなってしまう。
(武蔵村山市のディープ居酒屋「くぼがた」も旧地名(^^))



中に入ってみれば、なるほど。
ここは全くの民家を改造した店であるのがわかる。

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和室の縁側部分の席に通されると
初めて来た場所なのに不思議と懐かしい気持ちにさせられる。
母のアルバムの中にある家に似ているのかもしれない。

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お通しとして運ばれてきた「蕎麦味噌」。

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「あい焼き」。

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さっぱりと焼き上げられているからこそ脂がおいしい。




「ほたるいか酢味噌」

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ほたるいかは大好物!
(このほたるいかさんは後に大活躍〜)




そして「自家製」という、蕎麦。

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手打ちの風情がないのは残念とはいえ、
むわぁ〜と濃厚な、蕎麦の香りが漂っている。
乾麺ぽいといえばそんな風味なのだが、
たまに出会う「無味無香の手打ち蕎麦」より私には楽しい。




私がおおいに気に入ってしまったのは、ここの「とろろ山掛け」。

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(器もすき。蔓植物描絵に弱いのだ)

この「とろろ山掛け」、おつまみのメニューから選んだのだが
感じの良いスタッフの女性が「お蕎麦の時に持ってきましょうか?」
と気を利かせてくれた。

蕎麦時、汁またはプラスαが必要になるかもしれぬ・・・
と予感していた私には渡りに船。
是非そのタイミングでと頼んだのが大正解。

千葉産というこのとろろ、
ものすごい粘りとふっくらした味わいで素晴らしく美味しい!

これにね、汁入れてグルグル混ぜて
そこにお蕎麦をたっぷり入れてズルズルっと食べれば、
そりゃーもう、おいしいーーー♪
(しかも告白すれば,私はそこにほたるいかも投入したのだった。
 そんなもん美味しいに決まっているではないか!)





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窓から見える庭はさりげなくライトアップされ、
見事な松が見栄を切っている。
松好きにはたまらぬ贅沢。
何事もノリのいい私は、すっかり金沢にでも旅行に来たような気分だ。




「暗闇坂宮下」の系列というこの蕎麦屋。

これだけの店舗で、もしこれが料亭であれば
なかなか敷居が高いものになってしまうだろう。

しかしここなら、せいろ800円という親しみやすさ。
これで蕎麦が手打ちであってくれたならという思いは拭えないが、
自由が丘に遊びに来た人が喧騒を離れ
ここで庭を眺めつつランチでもしたら
さぞや贅沢な気分になれるだろう。


そういう意味で、価値の高い蕎麦屋なのだ。







*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*



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2011年03月08日

千葉・天台「遊蕎心 泰庵 」


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「たいあん」ではない。

「やすあん」である。


店名の印象は何となくおおらかでやすらか、のんびりなイメージだが
私は少しもそんな気にはなれない。

だってね、「泰庵」にはお蕎麦が
「本粗挽き(外二)」
「田舎(外二)」
「極上白雪(十割)」
「極上一本挽(十割)」
と4種類もあるんですよ!

しかもこれは日によっても変わるし(今日はたまたまこの4種類あったということ)
この他変わりもやっている。
そんなにたくさんお蕎麦があってくれちゃあ、
そんなもんお昼を抜いてでも全部食べたいに決まっているではないですか!

ああ今日あるのはどの蕎麦だろう、
もしどれかが売り切れていたらどうしよう、
ああ心配でたまらない・・・

というわけで「やすらか、のんびり」とは
ちょっと話が違ってきてしまうのである。




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お蕎麦だけでなくおつまみやお酒のメニューも驚くほど充実しているお店。
店内には一面に、おいしそうなメニューが掲げられている。


この日は、焼き物だけでも銀ダラや鰻、ブリかまなど7種類ほど。
煮物はキンメやキンキなど5種類ほど。
酢の物(大好き)だけでも7種類。
揚げ物はカンパチ大葉包み揚げ、生湯葉天、盛り合わせなどなど。
お刺身は旬のものを揃え、その他一品料理もたーくさん!


・・・ね?

全然のんびりしていられないでしょ?
特に、大の魚好きの私にはたまらないメニュー揃いなのであります。


そんな超・魅力的な、美味しそうすぎるおつまみ。
それらに対する、後ろ髪だの誘惑だの未練だの、
ありとあらゆる煩悩と闘った挙句・・

全てを振り切り目をランランとさせて
やはり、蕎麦4種のみにこの夜を捧げるところが
高遠彩子のアホさ加減であります。
イヨッ 蕎麦馬鹿!!



抜き実甘皮(外二)とメニューにある、
「本粗挽き」。

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かすかな透明感を帯びた肌にゆらめく白い影、黒いホシ。
素朴なざらつき,凹凸を感じつつも全く荒々しくはない「やさしい風情」。
これは・・素晴らしい景色だ。美しい。

たぐりあげてびっくり、大変に個性的な香りをまとっている。
なにか濃い、海産物系のダシのような、生命力がギュッと凝縮されたような香り。
野性味のある蕎麦ながら、しなやかなやさしい食感が心憎い。




そばの殻まで挽き込んだ黒っぽい玄そば(外二)とメニューにある
「田舎」。

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黒っぽい肌にホシをゴージャスにまとい、
見入ればかすかな透明感をたたえた蕎麦。

お〜、これはやや熟成味を帯びている。
そして濃い!香りも、味わいも。

その香りがですね・・
一枚目「本粗挽き」に優るとも劣らぬ
個性的な香りなのだが・・なんと言ったらいいか・・
野菜のブイヨン、ポテトチップ・・・?!
どれも例えとして「当たらずとも遠からず」ではなく
「当たってないし遠いしー」なのだが、とにかく濃縮された何かを感じる。
これもまた、濃厚な個性を持った蕎麦であることには相違ない。




そして、来ました、十割の
「極上一本挽」・・!

ウワーこれはすごい眺めだ。

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「胸を打つ」ってこういうことを言うのでしょう。
この美しき、貴き、そして目をみはるほど凄い粗挽きの眺め。

なめらかな色の肌に浮かべた白いホシ。
細かくふるえる輪郭線。
これだけの粗挽きながら、普段ほかの粗挽き蕎麦に感じるような
「ザクザク」「素朴」「野性的」といった要素がないのが不思議である。
素朴といってしまうには、恐れ多い。
ふっくらとやさしい印象の奥に、量り知れぬ力強さと品格を秘めた粗挽きなのだ。

口に含むとこれもまた濃厚な味わい。
見た目もそうだが、静岡県の「こばやし」を思わせるような
ふくよかな、品の良い濃厚さだ。



そして最後は、「極上白雪」。
十割の更科蕎麦である。

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田舎や粗挽きに慣れていた目にはまばゆいばかり、
まさに白雪、銀世界。

ふわぁ〜

なんと!
白雪だというのに濃厚に香ってくるではないか。(凄い)
味わいもしっかりと濃く、また私には絶妙と思えるコシが魅力的だ。

強いて言えばこの「白雪」、不思議と風味としての「清らかさ」が感じられない。
これだけの凄い更科だと、極上の更科蕎麦に感じるような
美しい,清らかな味わいを期待してしまうのだが
何故かこの「白雪」にはそれがない。
清らかさよりもたくましさすら感じるような味わいなのだ。
それが「泰庵 手打蕎麦」の「白雪」、独特の個性なのかもしれない。



全くもって全然無視していましたが
こちらの汁や薬味はこんな楽しい演出でやってまいります。

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次回は(できたら)
あの美味しそうなおつまみと、そして蕎麦全種類を!!と切望するが、
どうかな・・そんなにいけるのかな・・それより売り切れてないかな・・

と、やっぱりソワソワ、胸騒ぎの「泰庵(やすあん)」である。



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*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*


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2011年03月07日

埼玉・浦和「庵 浮雨(un peu)」


浦和駅前のデパート裏。



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「ナカギンザ通り」という名のアーケードに一歩足を踏み入れると
いつも時空がグニャリと歪む。

私は昭和の映画の中にでも流れついてしまったのか。

ここに、埼玉が誇る超・名店蕎麦屋が潜んでいるとは
知らぬ人にはわかるまい。




この店に来たら、まずはとにかく「自家製豆腐」と「自家製燻製」!

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これを食べて飲みたくならない人っているんだろうか?
この私がそんな生意気を思うほどの美味しさである。

埼玉産の大豆「借金なし(何度聞いてもスゴイ名前)」
で作られた豆腐はまるでチーズのような存在感。
とろ〜り甘くて濃厚な豆腐が大流行の昨今であるが、
ギュウッとした凝縮感と味わいの深さは他では出会えないもの。
お酒のつまみとしてチーズのように
チビチビ食べられる稀有な豆腐である。


そしてメニューには、ずらーり並んだ選びぬかれたお酒のラインナップ。
ここの店主は「酒好き、おいしいもの好き」のかゆいところをかきまくってくれるのだ。


もちろん蕎麦好きの、かゆいところもですよ。

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ふっくらした肌。
そこにゆらめく白い陰影に見入れば、ときめき過ぎて言葉にならない。
(大嘘。ウワー!!おいしそーっっ!!って大騒ぎしました)



こちらは、産地違いで,福井。

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みずみずしくふくよかな蕎麦を箸先にたぐれば
鼻腔をくすぐるさわやかな蕎麦の香り。
品のよいやさしい味わいが、口の中を美しく染める。

ああ今日も、やたらにしあわせだなあぁー
来られてよかったなあー



そしてこの店の困ったところは、お蕎麦がこんなに美味しいのに、
フレンチ出身の店主が腕に任せて
美味しいつけ汁をバンバン発明してしまうところだ。


「肝せいろ」
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「クリーム花巻せいろ」
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その他、「鴨せいろ」「カレークリームせいろ」などなどあるのだが。

あのー、そんなことされてもですねぇ〜・・

お蕎麦がこんな美味しくちゃあ、
いつまでたっても私は汁にはつけられないんですよぉー!



先程隣の席にやって来たサラリーマンらしき男性は
慣れた風に入ってきて
「カレークリーム大盛り!」。
美味しそう〜に、かなりの量をあっという間に平らげ
今は満足そうに蕎麦湯を飲んでいる。
そう、ここのつけ汁のファンはとても多い。
「庵 浮雨」にしかない美味しさなのだ。


だというのに、このどこまでも融通のきかないわからず屋(私)は、
今回もまたつけ汁は最後までつけず、
お蕎麦とは別々に味わいやがりました。
全く・・・


お蕎麦さんはお蕎麦さんだけで♪
汁も遠ざけ、薬味も遠ざけ、
ああ今宇宙にはお蕎麦と私の二人きり・・・


ぷう太郎さま、しあわせを、ありがとう〜〜〜




2010年08月の「庵 浮雨(un peu)」






*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*

posted by aya at 02:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月05日

豊島園「手打ち蕎麦 SOBAR UKOU」


練馬区の住宅街の奥の奥・・・

うーん、こんなところにお蕎麦屋さんがあるのかなあと
不安になりかけた頃、ちょこんと目に止まる看板。
看板さえなければ静かで平和な全く普通の民家である。

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手描きの看板はイラスト入りでなかなかの力作。
絵の上手な娘さんか奥さんが真心込めて書いたのだろうと、
入る前から心温まる思いだ。

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まるっきり普通の家のまるっきり普通の玄関を開けて中に入ると
これまた普通の家の小綺麗な和室に通される。
よく晴れた静かな昼時、窓辺の光がまぶしくあたたかい。

最初の印象は純和風の立派な和室といった雰囲気だったが
窓辺にくつろいでみればちょっと違ってくる。
店内にはどこからか、ラジオのような軽い音で
洋楽が小さく流れている。
まだ若い店主夫妻は都心のカフェでフレンチトーストでも運んできてくれそうないでたち。
自然な笑顔とどこか初々しい接客が実に感じがいい。


まずは外の看板を見て既に決めていた「蕎麦豆腐」。
器といい全体の演出といい、予想に反してなかなか渋いセンス。
これは・・期待高まっちゃいますよ〜

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看板に偽りなし。濃厚クリーミーな美味しい蕎麦豆腐だ。
豆乳のまろやかな味わいの中に、ちゃんと蕎麦粉のかぐわしさが感じられるのがいい。
蕎麦豆腐というのはその定義からして難しいのか多種多様で
濃くて美味しいけど肝心の蕎麦の味わいがないものや
これはもはや胡麻豆腐では?というものなどまであるだが
「手打ち蕎麦 SOBAR UKOU」の蕎麦豆腐は力作だ。




ランチタイムはランチメニューのみで
どのセットにも必ず天ぷらがついてくる。
というわけで私にしてはめずらしく天ぷら付きのセットですよ!

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ふっくら、こんもり、小山盛り。
薄桃色の萩焼のような丸い器の中央に
小さくも豊かに重なりあう美しい束。

見た目の通り重量感のある蕎麦で
たぐり寄せた刹那伝わるふわっとまろやかな蕎麦の香りが嬉しい。
(「うわっおいしい!」とこの時点で言うのはふつう変なのですよね)

口に含むとやはり、噛みごたえのあるしっかりとしたコシ。
見つめれば、後から後から品の良い蕎麦の風味が生まれ続ける。


食後には、こんな小さなデザートが。

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ウッ・・・

こ、この美しい佇まい。

小さな小さな器に入った、きなこのかかった蕎麦寒天・・なのですがね。

食べるよりもまず、先程から気になってたまらなかった
演出、器の素晴らしさについに我慢できなくなり
一体なんなのですかとついに聞いてしまった。

するとなんと、この店で使われている小さな素敵な器の数々は
先々代(蕎麦屋さんではないのだが)のコレクションなのだそうだ。
なるほど!あいわかった。

古き良きものが引き立てる、小さな小さな和のデザートの存在感。
甘いものは得意でない私だが、このデザートは素晴らしい。
さりげない甘味。
蕎麦と寒天,両方の素材の味。
小ささといい、大変に気に入りました。

ランチは他に
「赤いせいろセット」
「鴨せいろセット」
「たぬき蕎麦セット」
などいろいろあって
この季節は限定で桜せいろなども打っているよう。

基本的に金土日のみの営業なので
いらっしゃる前は是非電話かHPでご確認の上どうぞ〜♪



お店のHP




*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*


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2011年03月02日

禁断の「家蕎麦」


「蕎麦ト名ノツクモノ城内二持込ムベカラズ」
を家訓としている私。

蕎麦茶、蕎麦粉入りパン、蕎麦ガレット、炒り蕎麦茶のトッピング・・・
蕎麦が入っている事を知らなくても体が勝手に感知するのか
あまりの美味しさに目がランランとして猫にマタタビ状態になり
そんなものが家にあった日にはそればかり食べてしまう。
外でも蕎麦、家でも蕎麦では、私は今に蕎麦になってしまうではないか。

同じ食品ばかり摂ることはどう考えても体に良くないし、
大量摂取は食品アレルギーのきっかけにもなる。(蕎麦アレルギーこわい)
リンカランwebでの「やたらにしあわせ蕎麦」連載時のキャッチコピーは
「蕎麦ばかり食べてドクターストップがかかったシンガー」。
正確ではないが嘘ではない。事実、そういう過去があったのだ。

というわけで冒頭の家訓となるのだが、
今回のような特例は、大、大歓迎!

先日高円寺「次郎吉」で共演させていただいた
日本が誇るスーパードラマー、村上ポンタ秀一さんのご紹介で
ご縁ができた水戸のKKさん。
「ご趣味で」蕎麦打ちをされているとのことで
こんな素晴らしい贈り物が!!

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なんと泣けます「当日便」というのがあるのですって。
今朝、水戸で打たれたばかりのお蕎麦さん達が
夕方には東京の私の自宅へ到着してしまった。
汁と、丸大根までついているではありませんか。


こんな美しい宝物の到来、
お蕎麦を茹でるのは本当に久々だったし、
茹でる前は大変に緊張いたしました。
「家で一番大きな鍋」
「笊」
「洗い用の大ボウル」
「シメ氷水用の大ボウル」
「ほぐし用菜箸」
「お蕎麦すくい上げ用網(粉ふるいで代用(^_^;)」
を準備。

薬味皿や猪口やお箸もテーブルにセットし、
大変丁寧な説明書をつけてくださったので、傍らの見えるところに置いて
タイマーOK、いざ!!


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うわぁ・・・
なんとしっとりと繊細な、美しき宇宙。
押えきれぬ思いで手繰り寄せると・・

エッ
なんですかコレーッッ!!!
美味しすぎませんかーー?!
見るからに、あまりに美しいので覚悟はしておりましたが・・・

鼻腔を抜ける、切ないほどのかぐわしさ。
かすかな刺激を帯びた薬草のような、個性的な要素を含んだ鮮烈な蕎麦の香り。
口の中いっぱいが爽やかな蕎麦の風味であふれるようだ。
でも、しかしですよ・・これは少々、茹で過ぎかも?


説明書通り40秒茹でたのだが
きっと揚げる時にモタついているとか、ボウルが小さいとか
素人ならではの落ち度があるに違いない。

でもねー、お蕎麦はまだいっぱいあるんだー!
さあっ おかわりは、30秒で♪


<30秒蕎麦>
やっぱりさっきよりおいしい〜!
色も一層美しい緑になった。

でももう少し攻められそうな・・・
次は思い切って、15秒、いっちゃおうかな・・


<15秒蕎麦>
ああ・・これまた素晴らしい・・・
最初びっくりしたかぐわしさが、
さらにどんどん増しているとはどういうことなんでしょうか。
こんなに美味しいものが家で食べられている今が信じられない。

しかし。
やはりどうしても、やってみたい、挑戦したい。
次は「6秒」で!!
(K市S庵の真似〜)



完成、「6秒蕎麦」である。

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なめらかな肌。
端整な細切りの輪郭線。
完全な美に、息をひそめて見入るひととき。

箸先に手繰りあげずとも、ただ対峙し眺めているだけの私に
フワーッとかぐわしさが漂ってくる。
口に含むとかぐわしさは味わいとなって舌の上に溶け出し
口中いっぱいが青い青い蕎麦の夢に染まる。

ああ・・KKさん、ポンタさん、ありがとうございます・・



驚きは蕎麦だけではなかった。
この汁。
どうにもこうにもやたらと美味しい。
普段蕎麦には汁をつけずに、蕎麦だけ食べている罪を自白済みの私であるが
蕎麦後の余韻、蕎麦湯のお伴として汁は大切な存在。
汁は蕎麦以上に人それぞれの好みが異なる難しいものだと思っている。

蕎麦と汁を一緒に味わっていない私の偏った意見ではあるが、私の好みとしては、
汁は「甘いとか甘くないとか出汁が美味しいとかいう個性を、一切感じない汁」がいい。
しかし、このKKさんの汁は舐めた瞬間、「ええ!?これおいしいー!」
と感じてしまう稀有な汁。

たまに気が向いて蕎麦を汁につけると
99.9%「つけなければよかった・・」と思ってしまう私だが
この汁はつけて後悔しないどころか、つけたらこんな別の世界が!なんて美味しい!
でも、やっぱりつけないで蕎麦だけ食べたい、でもつけても食べたい、ああもうお腹いっぱいだし、ああ・・
と私の心から穏やかさというものを全て奪い去ってしまう罪な汁であった。



食後は、もちろん。
「家蕎麦につきやりたい放題」のシメとして
これでもかと煮詰めて濃くした「蕎麦湯」!

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蕎麦湯が何故か
「すごく美味しいホクホクの栗の味」がしたのは不思議。
無理矢理グラグラ煮詰めたせいかなあ。
お腹いっぱいなのにその風味がなんとも美味しくて
そのあと延々と飲む飲む、止まらない。


時間も量も制限のない「家蕎麦」は、やはりこんなにも危険なのである。


KKさん、ごちそうさまでした!!
近く茨城へおいでの方は、この本是非おすすめですよ〜






*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*



posted by aya at 23:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | aya>diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする