2022年10月26日

栃木・那須塩原「胡桃亭」


本日はだぁーーーっっいすきなお店の蕎麦懐石コースを予約して
わくわくやってまいりました〜!♡

行き当たりばったりな行動が多いため
予約が必要なコースというのは私にはなかなか難易度が高いのだが
今夜は気合入ってます!

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相変わらず、道路側の看板がなかったら
通り過ぎてしまいそうなさりげない外観ですが・・・



ステンドグラスの飾りがついたりして
なんだか素敵になってる〜!
(入り口の向きも変わった!)

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店内は以前と変わらず広々、シンプルなインテリア。

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今日はこの一番下の蕎麦懐石をいっちゃいまーす!

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しかもお蕎麦の追加もお願いしてるので
もうわくわくドキドキどころではございません・・・

ああああああ
胡桃亭のお蕎麦に、これから会える・・・
なるべく落ち着いて書くつもりですがたぶん無理です〜 (≧∇≦)♡

興奮あまって奇声をあげたりしないように。
こちらは大人の店なのです。

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栃木が生んだ名酒・旭興(だぁーいすき♡)ももちろんあります。

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と言いつつ暑いので、まずはこちらを〜
(訪問は8月末)

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「お通し」
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さて、コースのトップバッターがいきなりこちらでございます。

落ち着けったって無理なほど、
ここのはもんんのすごいんです!!

「蕎麦がき」
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ギャーーーーーー

やばいやばいやばいですーーーー!!

わかっていたことではあるが、
相変わらず凄すぎます!!胡桃亭さん!!


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湯気にのってほわ〜んとただよう、たまらないかぐわしさ。
青く軽やかフレッシュ!とかではなく、
落ち着いた、王道のかぐわしさ、香ばしさの中に
ずっしりとした生感があるという、絶妙素晴らしすぎる香り!
口に含むとこれがまた、
最高のザラモチふっくら、
そしてことさらでないエアリー感がニクイ!!♡
しかもその中から広がる旨みの濃さといったら・・・
口中全体がガンガン旨みに染まる感じ。
いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんなの最高に決まってるでしょ!!
初っ端から幸せすぎます・・・・(T_T)


「蕎麦寿司」
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老舗蕎麦屋に多いイメージの蕎麦寿司。
ハレのイメージでとても綺麗だし
お蕎麦がぎっしり入って美味しいので
あると絶対頼んじゃうメニュー。
この蕎麦懐石コースに入ってて嬉しいな〜


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卵焼きの甘み、しいたけの食感と甘み、
そこに紅生姜が効いている。
彩りも形も可愛いし、いつも思いますが
これ作るの、もんんのすごーく、難しそうですよね〜



「蕎麦田楽」
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演出が美しいのでついつい真上から撮りたくなっちゃう。
この益子の器もかわいいな〜


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揚げたそばがきに八丁味噌ベースの味噌だれ。
このタレはタレで美味しいのだが
蕎麦と私の間に入る者は水も空気も許さない、
とかアタマのおかしいことを言っている私は
大変申し訳ありませんが全力でお味噌と揚げそばがきを
分けて別々にいただきました。
この揚げそばがきがまた強烈に美味しい!!
粗挽きを揚げたザクザク感と香ばしさが最高。
塩で食べるのが私にはビンゴでした〜



「出汁巻き玉子」
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出汁巻きというより卵焼きな感じの甘さではあるが
このジューシーさはまさに、極上のだし巻きの食感!!
口の中で溶けてしまうような舌触り。
このジューシーさ素晴らしい〜 出汁が美味しい〜



「天ぷら」
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ここの天ぷらがですね〜
もう食べる前からおいしいってわかっちゃう天ぷらでして!
運ばれてきた瞬間から、いかにも上質、という感じの衣の香りが
ふわわわ〜と漂っているのだ。


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もうなんでしょう、この美味しさは!!
衣は香り高くパリッと軽やかだが
それが何?というくらい全体が美味しすぎるーーー!
(↑意味不明だがメモにそう書いてあった(笑))
アスパラの食感、香りの鮮やかさ!
ちいさな無花果が潜んでいたのは可愛いサプライズ。
しかも、こんなコースの天ぷらに
さりげなく穴子様が入っているというのは嬉しすぎます。
しかもこの穴子がバッッカ旨でして!!
脂がのってミニは美しい弾力があり、
穴子の臭みにやたら敏感な私ですがここのはもちろん臭みゼロ!!



さてこの後はいよいよお蕎麦♡お蕎麦♡お蕎麦♡

蕎麦懐石コースのお蕎麦は本来一種類ですが
私は事前予約で種類を増やしてもらいました〜


き、 きた・・・!!!!


「ざる蕎麦(湯津上産)」
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みなさま 
この胸の高鳴りが聞こえるでしょうか

美しすぎてもうあらゆる角度から撮りたくなっちゃいます

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すごすぎます
やっぱりやっぱりすごすぎます

さあみなさんご一緒に見つめましょう!
せーの!

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なんという肌、なんという輪郭線・・・
透明感をまとった粗挽きの宇宙に吸い込まれる。
箸先から香りを寄せると、
意外にもムワッと香ばしい、ガツンと濃い香り!
口に含むとざらつきありつつ滑らかな舌触りで
これまた意外にも、むっちりとした太さを感じる食感。
そこからあふれる味わいの濃さよ!!
噛み締めるごとに口いっぱいに
蕎麦という穀物の濃厚な味わいが広がる。
ああああおいしい〜 おいしいよう〜〜!!


「ざる蕎麦(越前町産)」
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もうなんというか、凄みすら感じる景色である。
全世界に自慢して歩きたくなる、この完全美!!


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ウッヒャーーー (≧∇≦)♡!!
こんなの誰が見てもときめきますよね!!
この粗挽き肌、繊細な輪郭線、
蕎麦と蕎麦の重なりの間に介在する香気までもが目に見えるようだ。

箸先から香りを寄せると、
おほーーーっ これまた意外にも、
大変ナッティーなかぐわしさ!!
むわっとした芳しさもあるがそれよりナッティーが優っていて
熟成の蕎麦に似た香りだが熟成ではなく、
かろやかフレッシュで綺麗なナッティーなところが素晴らしい。
質感がまたユニークで、
表面ざらざらで輪郭線もしっかりしているのに
噛み締めると硬さは全くないむっちり感に出会う。
いっや〜〜〜これまたおいしすぎちゃって、
1枚目の湯津上産と甲乙つけられません〜!♡
越前町の小粒の在来種。


「ざる蕎麦(平打ち・湯津上産)」
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すごい、蕎麦刺しみたいな幅広っぷり!!


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この高台つきの笊も美しい。



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1枚目と同じ湯津上産だが、
不思議とこちらの方が香りは淡い。
しかしその極上美しい香りが淡く香る感じががなんとも上品でいい!!
そして対照的に味わいはこちらの方がさらに濃く、
ざらざらしつつも滑らかつるりとした食感をもぐもぐ噛み締めると
もぐもぐの中からいくらでも旨みが溢れ出てくる感じ。
自分でも意外な程だったが、先程の絶品2枚を超えて、
今日はこの平打ちに一番感動しました〜!!♡

ちなみにお蕎麦に添えてあるピンクの塩は藻塩で、
店で岩塩と混ぜているらしい。

蕎麦汁は酸味しっかりめで
甘みも旨味もこっくりと深くあわさって
さすがとても美味しい汁。

さあ次は蕎麦湯・・・
と、その前に、こんなすんごい寄り道をしちゃいましたーーっ



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冷たいすだち蕎麦かと思うでしょう?
これがね、あたたかいんです!!!
しかもね、すだちじゃなくて、柚子なんです!!♡
(訪問は8月)

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すだち蕎麦は今やあちこちで食べられますが
胡桃亭の「柚子蕎麦」は、それとは一線を画するおいしさ。
だいたいこんなちいさくてかわいい緑の柚子ってあるの??
という感じなんですが、これは、胡桃亭の庭で取れる
「花柚子」という柚子なのだそう。
それをあえて温かい蕎麦にしたところが、胡桃亭のセンス爆発といったところ!
あたたかい蒸気の中のゆずの香りがフレッシュで
しかも強すぎず上品で最高!
出汁がまた絶品の美味しさ。超〜すっきり澄んでいて、濃くない!!
何より何より私が感動したのは
出汁も花柚子も上品だからか、湯津上の蕎麦の香り、旨みが
はっきりと感じられるのだ。
蕎麦の香りを感じたいあまり普段種物を選ばない私からしたら
この「柚子蕎麦」は革命的な美味しさであった。



すっかり長居してしまい、最後は店主と楽しい登山談義!
今日私が登ってきた那須岳のいろんな情報を教えていただきました。


那須岳は今度は別ルートで登りたくなったので
その時はまた予約したいな〜〜♡




<2015年8月の胡桃亭>








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posted by aya at 17:54 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月07日

都立大学「柿の木」


以前も手打ち蕎麦屋さんだった場所に、
去年生まれたお蕎麦屋さん。
店名の「柿の木」は、ここからすぐの地名からとったのだろう。

駅近、緑道沿いの気持ちのいい場所に
物語の始まりそうな階段がある。


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この建物、この階段のデザインのせいで
なかなか良いムードがありますねえ〜
(ちなみにこのビルはその名もニューヨークコーナー! ( •̀ .̫ •́ )✧)



お店はこの階段を登った2階にある。

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キリッと清々しい暖簾をくぐると、
入り口すぐ脇の蕎麦打ち場前に、心躍る張り紙が。

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キャ♡
福井在来種だあ〜!
さてどっちかな? (≧∇≦)


開放感のある大きな窓のある空間。
緑道の緑にそのまま染まるような気分になる。

ご繁盛で窓を入れた全景は撮れなかったので
緑を背景にしたメニュー写真をお楽しみください。

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おっほ〜!
昼からしっかり飲めちゃうー♡危険ー♡
しかし今日はこの後があるので
愛は蕎麦粉に集中させまして、
とりあえず「手作りそば豆腐」と〜

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うふ。もちろん「せいろ」でお願いします!

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「手作りそば豆腐」

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見た瞬間、少ない・・・と思ってしまった蕎麦大食いの私 (^^;) 。
(今日は仲良しの蕎麦好きガールと来たので
お店の方であらかじめひとり分ずつ盛ってきてくれました)


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量はちょっと寂しかったが
素朴な洗練を感じる姿が大変美しい。
見た目の通り、クリーミーな質感、
そしてナニコレおいしい〜!!
私は味覚の中でも苦味という味の成分が大好きなのだが
これはなんと結構苦味のある蕎麦豆腐。
韃靼蕎麦にも通じる苦味で
蕎麦の穀物らしい風味も感じられ
いやー、見た目からは想像しなかった美味しさでした〜♡


「せいろ」
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ウワー・・・
美しさに思わず固まる私。

青絵描きの磁器、木の器、
そこに盛られた蕎麦の肌の美しいこと!!

自然光の下眺める蕎麦はいつも美しいが、
そこに緑があるとなおさら美しく見えるのは何故だろう。


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粗挽きの震える輪郭線。
浅黒い素朴な肌は、
ちょっと熟成の蕎麦のような不思議な透明感がある。
箸先から香りを寄せると、
ムワァ〜〜とずっしりたくましい香りプラス、
笹とか畳のようなシャキッとさわやかな野生がある。
いいですねえーー!
噛み締めた質感はやや輪郭線硬めで
噛むとすこしネチッとした質感を感じる。
たくましさが強いので私の舌では福井らしさはあまり感じ取れなかったが
滋味深さもあり美味しい。
うん、このお蕎麦、意外とありそうでない、
見た目と味のバランスかも!


蕎麦汁はかなり甘めで、
酸味も出汁も強いもの。
例によってついお蕎麦に夢中になりすぎて
一度もつけて食べることができなかった大悪党の私だが
このガッツリした蕎麦汁は、ここのお蕎麦に合うんだろうなあ〜


おしゃれエリアの都会的なお蕎麦屋さんだが
気取った感じではなく自然な雰囲気なのがとてもいい。


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夜、ポテサラと塩辛と牛すじ煮で一杯、ってのも楽しそう! (≧∇≦)


欲を言えば前やっていた
「柿の木混ぜ蕎麦」
是非復活させて欲しいなあ〜♡












<s8>
posted by aya at 12:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>目黒区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月07日

栃木・足利「蕎遊庵」


私にとって、名店とはこういうものだ、
という最高の、憧れの店。


とにかく蕎麦がすごすぎる。
「おせいろ」「田舎そば」「十割そば」「石臼手挽きそば」などなど、
その全部がのけぞるほどの名蕎麦。
でありつつ店は質素で素朴。
でありつつ窓からは緑と美しい展望。


食堂風に白衣やエプロンを着た店員さんが
忙しくサンダルを脱いでは小上がりに上がったり
飛び回って接客してくれる、フツ〜〜な雰囲気がまた素晴らしく、
全てがカッコよすぎて私は憧れが募りボンヤリしてしまうのだ。


ここはロケーションからして特別だ。

関東平野を一望できる織姫山の中腹に位置し、
縁結びや夜景で有名な「織姫神社」境内にある・・・
って、すごすぎませんか!?
普通はそういうところには
観光客向けのおしるこ屋さんとかがありそうな気がしてしまうが
めちゃめちゃ美味しい手打ち蕎麦を何種類も出す超一流の名店が
本当にあるのでございます。


これが、織姫神社。

ドーーーン!!

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段飾りのお雛様のように華やかな美しさ。
まばゆい〜!まぶしい〜!



その正面の階段を2段?2階分?下ります。

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左側にあるのが、日本が誇る名店「蕎遊庵」。

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大人気につき名前を書いて順番待ちしている人が
外に大勢いますねえ〜
本日は珍しいことに家族と一緒に訪れたので
私も名前を書いて順番待ち。

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私はここのさりげない外観が大好き。
よく見ると入り口には結構ポップなデザインの暖簾がかかっているし
扉にもピンクや黄色の和紙があしらわれていたりするのだが
全体の素朴な雰囲気の中でまったく違和感がない。
むしろ「蕎遊庵」という店名にぴったりで、
唯一無二の自然な情緒を感じる。


そしてここでの驚きのもうひとつ。
外と中を出たり入ったりして、
並んでいる人に座敷とテーブルどちらがいいか尋ねたり、
店内で忙しくお蕎麦を運んだりしている白割烹着の男性こそが、
ここの名蕎麦たちを打っている店主その人なのである!



店内の雰囲気がまた私をシビレさせてやまない。

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昭和の映画に出てくるような日本の家の風情。



この、外の緑に包まれたような座敷席も素晴らしい。

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さてメニューでありますが、
ここの凄さはもう正気の沙汰ではありません。
(いや正気じゃなくなっているのは私の方なのでそれは濡れ衣( ̄▽ ̄))

だってね、最高の、もんんんのすごいレベルのお蕎麦が、
7種類もあるんですよ!?

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とりあえず私にはお腹が一つしかないので
絶対に食べたいのは

「おせいろ」
「田舎そば」
「十割そば」
「石臼手挽きそば」!!

一つ一つの説明を読むと
謙虚な姿勢の中にも美味しそうさがバンバン伝わるうえに
その横に書いてある価格を見ると
もうこの織姫神社の長い階段を全部転げ落ちそうになる。
「おせいろ」も「田舎そば」も650円!?
「石臼手挽きそば」が800円ってありえないんですけど!?
(手挽きだと重〜〜い石臼を1時間ゴリゴリゴリゴリ挽いても
10人分も挽けないくらい!?)
ただただ、開いた口が塞がらない価格設定である。


普段は種物や変わり蕎麦には興味が薄い私でも
ここの「冷汁〜すだちエスプーマ」や
「木の芽切り」はめっちゃめっちゃ美味しそうだあ〜!!
家族に頼んでもらって一口もらう気まんまん (≧∇≦)

私はもちろん、
「おせいろ」
「田舎そば」
「十割そば」
「石臼手挽きそば」
全部いきます!!

お蕎麦に関しては恥ずかしいくらい欲が深い私は
その中の一つでも売り切れていたらどうしよう!!と
ここに着くまで心配でたまらなかったのですが
全部あってばんざぁーーーいっ!!
ばんざぁーーーいっ!!
(この時の歓喜の様子を母に激写されました↓↓ (^^;) )

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もうワクワクし過ぎて爆発しそうというのは
まさにこのこと。
落ち着け・・・自分落ち着け・・・と
心を清めてお迎えしたのは、まずはこのお方!!


うおおおおおお

キターーーーーーーーーー

これが「蕎遊庵」の、「おせいろ」であります!!


「おせいろ」
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ウッッ・・・

この一見天衣無縫に見える、
自然体の美しさ・・

しかしそこに、その下に、
選ばれし最高の素材と完璧な技術が
がっちりとあってこその美しさであることが
顔を近づけなくてもわかる。

ああああああ しあわせだ!!!



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ぴょんぴょん飛び上がりそうな心を鎮めつつ
箸先から香りを寄せると・・・
かーーーーーーーっっ
目が覚めるようなフレッシュな香りーーー!!
ふくよかで、フレッシュで、さわやかさも野生味も香ばしさも甘さも、
すべてがバランスの良く完全な円のように満ちている。
口に含むとふんわりと優しい質感にもう一度目が覚める思い。
どうしたらこんなことができるのか、何が違うのか?と
驚きが止まらない最高のコシ。
噛み締めるほどに小麦粉らしい甘さも深まり、
それでいて、私がよく言うところの
「小麦粉が連れてくる蕎麦の風味」がとにかく素晴らしい。
二八の最高の姿としか言いようがない!!
最高すぎて倒れそうな上半身を支えるのが大変なんですが
そういう私に見慣れて(見飽きて?)いる両親の
「へーそんなにおいしいのー」というクールな対応との
温度差がすごいことになっております( ̄▽ ̄)  。
(ちなみに両親は種物を美味しい美味しいと
つるっと食べた上におせいろをおかわりしてました)





「田舎そば」

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ひゃああ〜〜
これまたものすごいのが来てしまいました・・・!!


遠目にはずこの極太っぷりに目を奪われると思いますが、
この肌、この輪郭線をご覧ください!!

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これだけの極太ながら
ふっくらむっちりやさしい輪郭線。
そこにゆらめく白い陽炎のような粗挽きの蕎麦粒子、
細かいホシたち。

見た目はこれだけ違うが、
先程のせいろと同じ素晴らしい香りがふわーっ。
そして口に含むと意外な食感に目が丸くなる。
質感に、ユニークな硬さがあるのだ。
その上この太さなのでもぐんもぐんと噛む蕎麦だが、
固茹でということでは決してなく(固茹ではよろしくないですね (^^;) )
質感がみっちり密すぎて硬いという感じ。
そして見た目以上に口中で感じるざらつきが心地よく、
そこからあふれる味わいの美しさ、まあるい完璧さに
ただただうっとり、恍惚のひととき・・・
これだけ完璧を超越した蕎麦でありながら
さきほどの「おせいろ」も「田舎そば」も
ろ、650円って一体・・・!?

これだけの蕎麦出してるからこれだけいただきます、
というのもまあ当たり前なのでもちろんそれでいいのだが、
これだけのお蕎麦出してるけど別にこんなんでいいっすよ〜っ
とかるーく言われると、
ああ・・・本当にすごい人ってこうなんだな・・・
と、私の中では別格のそのまた上にいる
神様にしか見えないのだ。



しかし神様、「石臼手挽きそば」が800円ってのは
いくらなんでも安すぎます!!
(前述の通り、手挽きは重〜い石臼をゴリゴリゴリゴリ1時間挽いてもほんの何人分かしか挽けない)
メニューを見た時から心配になったが
実際に対峙してその思いはさらに・・・


「石臼手挽きそば」
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うわああ・・・

この美しき存在感、オーラ・・・

写真で伝わるでしょうか?

この肌のとんでもない美しさ、
繊細にふるえる輪郭線、
そして私の胸の鼓動が!!!

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見つめるほどに吸い込まれそうになる宇宙。
陰影の浮かぶ貴い肌の色、褐色や橙のホシ・・・
香りは意外にも淡めなのだが、とにかくその質が素晴らしい。
美しく上品でまろやかな穀物感。
うっとりと口に含んでその質感にさらに恍惚!!
「これは大切なものだ」というのが口の中から伝わってくるような
繊細なざらつきのある舌触り、
やわらかいけれどしっかりと受け止める極上のコシ!!
こんっっなすっぱらしいお蕎麦が、しかも手挽きで、はっぴゃくえん。。。
ひいいぃ〜


「十割そば」
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おおお〜!
このありえない価格設定の「蕎遊庵」において
一枚だけ1000円という価格がついている「十割そば」だけあって
塗りの美しい笊でやってまいりました。


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きれい・・きれい・・・
だいすきーーーーーーー!!
(いよいよ壊れて語彙崩壊してまいりました( ̄▽ ̄))



このお蕎麦のみ「福井産 希少在来種」ということで、
手挽きでも800円という脅威の値つけのこの店だけに
相当高級な蕎麦粉であることが伺えます。

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香りはややおとなしめなのだが
これまたその香りの質が素晴らしく、
香ばしさを含んだ野生の香りが清澄に漂っている。
質感は意外とクッキリパッキリしているのだが
決して硬いわけではなく、非常に密でなめらかな質感だ。
味わいは在来種らしくじわっと後から深まる感じ。
うおおおお さすがこれもおいしいいいい!!!!!



蕎麦汁は甘味が結構強いが、よくあるベタッとした甘さでなく
スッキリと澄んだ中に甘みがある感じ。
全体にこっくりまろやかでとても美味しい。



こちらは、父がとった「木の芽切り」!


「木の芽切り」
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なんとみずみずしい、透明感のある美しさ、鮮やかさ。
紫大根の紫と、木の芽切りの紫に加え、
テーブルとお盆が赤いってのも
神社境内内のお店らしくもあり素晴らしいセンスだ。


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一口食べたかったけど
この時私は「おせいろ」や「田舎そば」に夢中になっていて
奇襲する時間がありませんでした〜(^^;)。



こちらは、一口いただくチャンスがありました。
母がとった「冷汁すだちエスプーマ」!


「冷汁すだちエスプーマ」
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これがねーーー!!
すだち蕎麦ってみんなそうですが、普通はすだちの香りと
すっきりした汁の美味しさをまず楽しむ感じじゃないですか?
この「冷汁すだちエスプーマ」は、お蕎麦が美味しすぎて
まずそこにシビレさせられちゃうんです。
どうやら私が今日食べたかったけど多すぎて食べられなかった
「さらしな生一本(さらしなそば)」が入っている模様。
ここのさらしなはなんと十割。
極細のちゅるちゅるで、上品な粉の味わいが素晴らしい。
蕎麦汁はすっきりした中に甘みがある、
まさにせいろのつけ汁で感じたのと同じ印象で
あーーーー 何を食べても美味しいなあーー!!
(貰いすぎたら悪いなと思って遠慮したけどエスプーマ部分も食べたかった(笑))


今回は珍しく家族で来たけれど
全員が美味しかったいい店だったと大喜び。
並ぶのが苦手な江戸っ子の父も「蕎遊庵」には大満足だったようで
よかった〜〜!



どこをとっても、一段高いところにいる、
神様のような店。

長年お蕎麦を食べ続けている私には
この「蕎遊庵」のような、神様みたいなお店は
いくつか、いくつもあったが、中にはもうリタイアしたお店も多い。


素晴らしいお蕎麦屋さんで食べた最高のお蕎麦、
過ごした時間は毎日毎日流れて消えてしまうけれど。


私はどうにかそれを繋ぎ止めたくて
こんなウザ長い駄文を書き続けているのだ。





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(入り口脇にある鰹節と昆布♡)












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posted by aya at 12:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>栃木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月02日

某名店にて絶唱? (≧∇≦)


歌っているのではありません。


私がよくお蕎麦を前にして

「っはあ〜〜〜♡」とか

「ぎゃーーーーー」とか

と書くのはこういう瞬間です (≧∇≦)


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2022年08月24日

新江古田「じゆうさん」


悔しいくらい、国内最高レベルの蕎麦である。

悔しいというのは表現がおかしいかもしれないが
とにかく私個人に降りかかる問題として、
お値段が高級な上に量が少なめ。
私が食べたい量を食べてしまうと
お昼から1万円とか平気でいきそうなの〜・・・(涙)
(オマエの量がおかしいのだ(笑))

しかし、「それも仕方ない、これだけの蕎麦だもの」
と思えるほどの、ニクイ、悔しい美味しさなのである。



今年6月にリニューアルして店舗もぐんと美しくなった
東京が誇る蕎麦屋、「じゆうさん」。

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構えはストイックでさりげない印象だが
中の空間は明るくモダンな美しい空間。

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かと言って気取り過ぎた感じもなく、
自然なお洒落さが大変居心地がいい。
前のお店も好きだったが、今度はさらにいいなあー!


もう食べたいものはほぼ決まっているのだが
もちろんメニューはガン見します。

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こちらは量が上品なので欲望のままに頼むと
「せいろ」3枚+「手挽き田舎そば」3枚くらいは
余裕でいけそうなのだが、大人のブレーキで一枚ずつ頼みます。


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ここの「そばがき」は宇宙をブチ抜く美味しさなので
それも絶対忘れちゃいけません〜♡



そしてこれも昔から大好物。
極太が個性的な、ぜんまいの含め煮!

「ぜんまい」
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魚沼産の極太ぜんまいを2日かけてふくめ煮にしたもの。
これがさすがの味しみで、美味しいんですよね〜
一本一本食べても食べ応えのある極太が素晴らしい。


そして早くも・・・

胸打ち震える、この方!!


「そばがき」
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やややややや ヤバイやばいヤバイ!!

もうだめだ 語彙喪失!!

これは絶対にヤバイですーーー!!


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すっっ

素晴らし過ぎて瞳孔が開きっぱなしになる程
すんばらしい香りである。
とにかく青くさわやかでフレッシュ!最高の美しさ。
しかもその美しさに加えて、落ち着きと余裕を感じる、
「臈たけた」とでも形容したくなるようなニクイ深みがある。
舌触りは思い切りザラつぶなのに、質感はたまらないふわもちエアリー!!
その最高のエアー感の中からいちいち香りが爆発し
舌に触れたところ全てから濃い味わいが伝わってくる。

これ以上のそばがきはない!!
これ以上のそばがきはない!!

興奮のあまり2度言ってしまいました(^^;)




「せいろ(十割)」
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テーブルに運ばれてきた時から
私は固まりました。
この揺るぎなき存在感・・・


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写真では伝わりにくいかもしれないが大変繊細な極細で、
見つめるほどに吸い込まれそうになる程、
それはそれは美しい輪郭線なのだ。
もうこれは食べなくてもわかる。
奇を衒わずまっすぐに、
蕎麦という穀物の美しさを空から掬い上げたような
完全で完璧な姿。
見事としか言いようがない十割蕎麦だ。


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箸先から香りを寄せると、
おー!先程のそばがきと同じ香りだー♡
この最高の青い美しさと臈たけた深み・・・
どこのお蕎麦なんだろう?全然わからない!
(あとでわかりました (≧∇≦))
口に含むと、これまた飛び上がるほどの感激が降ってきた。
ふんわりと繊細で極上の優しい食感ながら
頼りなさは全くなく、なめらかで凛とした美しい食感。
そこからあふれる味わいは超濃厚で
グルタミン系の強烈な旨味がぎゅうーーと舌全体に押し込まれるよう。
な、な、ナンデスカこの美味しさは!?!?
こんなのシビレ過ぎて椅子から落ちちゃうでしょーー!!
完璧を超えた最高の魅力にもうメロメログデグデ!!
えーーん これあと3枚食べたい・・・(笑)



「手挽き田舎そば」
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ああヤバイ・・・
語彙喪失アゲインでござるよ・・・
こんなの誰が見たって美し過ぎて素晴らし過ぎて、
私なんかが何を語っても全く意味はない。


もう、何も語らず、誰にも邪魔されず、

いつまでもあなただけを見つめていたい。

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なんという肌。
なんという輪郭線とその間の空気感。
素朴な趣に満ちた肌だが
「田舎」という名前に違和感を覚えるほど
洗練を極めた姿である。


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っはあーーーーーーー!♡
これはまた「せいろ」とは全然別の世界。
極上の炊き立てごはんのようにふっくら甘い香りプラス、
厚みのある香ばしさが素晴らしすぎる。
口に含むと見た目の通りたいへんに繊細、
なのに楽しいジャリ感もある。
味わいがこれまた濃い!
この滋味深さ、深い旨味、なんなんですか〜〜
もう最高すぎてシビレすぎてなにもいえまへん〜〜〜
身も心も奪われてヘナヘナ、
全壊しましたので高遠彩子終了のお知らせですさようなら・・・




お蕎麦がどちらも大気圏をブチ抜く美味しさだったので
蕎麦汁にはついぞ一度もつけられなかった。
(おかわりすれば一回くらいはつけられたかもしれないけど(笑))
なので蕎麦汁は蕎麦湯を飲みつつちろっと舐めてみただけだが
がっつりと濃く、甘さも辛さもしっかりの汁だった。
うーん、夢としては、
せいろと田舎3枚ずつ頼んで汁もつけて食べてみたい・・・(笑)


帰り際に訊くと本日の蕎麦は
「そばがき」と「せいろ」はやっぱり同じ蕎麦粉で
「滋賀・伊吹」であった。
ほぉーー!そりゃわかんないわけだ!


そして「手挽き田舎そば」の方は「群馬・黒保根」。

高い目線からさらに高いところを見据えた
店主の選んだ名蕎麦たちである。


今日はとにかく最初から最後まで
とんでもなく美味しいものしか食べていないが
店主はまだまだ若手と言っていい世代である。

この店のみならず、近年、驚くほど美味しい物ばかり出す
若手の凄い蕎麦屋が何軒も現れ
その中には価格的に一般的なイメージより高めの店も出てきた。
お蕎麦屋さんも経営者であるし、それぞれにスタイルというものがあり
いろんなお蕎麦屋さんがあってこそ楽しいと思っているので
それはそれでいいことだと私は思う。
手打ち、ましてや手挽きとなれば大変な手間と労力がかかるものでもある。
たまに行きたい、最高の味と環境に出会えるお蕎麦屋さんというのもあるべきだ。


ただね、長い長い間、
手打ち蕎麦屋さんというものをしつこく愛し続けてきた身としては
めっちゃめっちゃすんごいお蕎麦や美味しいおつまみを、
ひょいっとなんでもなさそうに、
フッツーーーの価格で出しちゃうお蕎麦屋さんのカッコよさには、
敵わないなあーとは思っちゃうんですが・・・


でも、点数をつけるのが嫌いな私が
もしこの「じゆうさん」に点数をつけろと言われたら
「100点満点の100億点!!」 (≧∇≦)

それでも足りないくらい、ひれ伏したいほどベタ惚れです〜〜!







posted by aya at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>中野区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする