2017年02月14日

長野・佐久平「磊庵はぎわら」


国道からひょいと入った田園風景の中に身を潜める日本家屋。

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暮れゆく佐久平の空の下、
大きな屋根のシルエットが昔話に出てきそうなこの店は
知る人ぞ知る「ものすごい」店!


昼時は大混雑の人気店だが今夜はシンと静か。

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木目が美しい、落ち着いた空間。 

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でもまだ別に「ものすごい」という感じではないですよね?



長野らしくまずはお漬物でもてなされる。

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これも「ものすごい」わけではないですね?
とってもおいしいです♪


ではメニューを見てみましょう。

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おお?

おおおおお!?

お蕎麦が・・・

発芽寸前の萌え萌え状態となっております・・!



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その「水萌えそば」以外に
「手碾そば」
「せいろそば(細)」
もあるんです・・・
はい、まさに「ものすごい」ことになっております!!

茅野「そばのさと」でも出会った発芽、熟成の「どうづきそば」
http://ayakotakato.seesaa.net/article/390467255.html
をここでは「水萌えそば」と呼んでいるらしい。

美味しそうなお蕎麦が3種類も・・
きゃ〜〜〜〜〜〜!!(≧∇≦)♡♡♡
いやいや、シーンと静かな店内に座る私ですから
いくら嬉しくても騒いではいけません。



でもね、でもね、

こんなものすごいものが出て来ちゃったら
思わず歓喜の声が漏れてしまっても仕方がないですよね!?

「そばがき」
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うわああああ〜〜
ナンデスカあなたは!
なんなんですかそのものすごい緑色は!



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息を飲む超絶美、この絶景。
お餅のようにもったりとした肌に浮かぶ無数の蕎麦粒子に
思わず話しかけそうになる。(やめましょう)
トップの香りがとんでもなく素晴らしい。
石のような落ち着いたイメージの、フレッシュなかぐわしさ。
注文の時お店の人が「柔らかいです」と案内してくれたが
かなり粘度が高くもっちりモッチモチー!
あああ これは大変な、ものすごいものをまず食べてしまいました・・・
おいしすぎるー


「天ぷら」
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季節の野菜や山菜など旬のものを揚げてくれるそうで
今日は「ふきのとう」「しみ豆腐」「えのき」「かぼちゃ」。
パリパリの薄衣にくるまれた春の香り。
しみ豆腐の天ぷらというのもいいですね〜


「手碾そば」
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す、すごい
予想をはるか超えた迫力の太打ち。



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むっちりと黒っぽい肌に浮かぶ無数の蕎麦粒子。
これだけの極太故たぐりあげるのもよいしょだが
そこからあまり感じたことのない、素晴らしいかぐわしさが漂ってくる。
うわあ、なにこれ・・
低く、深く、たくましい。なのに軽くて、甘くないかぐわしさ。
噛みしめるモチモチネチャネチャといってもいいほどの極太の質感の中に
粘土のようなごく細かいざらつきがあり
そこに時々やや強めにジャリッ!とくるのが楽しい。
角がなく丸い輪郭線なので舌触りはごく優しい印象。
モグモグかみしめる蕎麦だがこういう蕎麦によく感じる、
じわじわ膨らむ味わいや甘みはあまりなく
深くたくましくい香りが突き抜ける爽やかな極太蕎麦。
うぅーん おいしい・・・
長野・奈川の蕎麦。



「水萌えそば」
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うわー・・・
覚悟はしていたがまたまたものすごい姿!!
蕎麦の器としては珍しい、クールな印象の器が
その生々しい迫力を一層際立たせている。



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これは・・・なんとものすごい、迫力、圧巻の肌!

鮮やかな緑、オレンジ、陽炎のようにゆらめく白の蕎麦粒子たち。
その宇宙に見入り吸い込まれる。
大きな粒たちが手をつなぎ描くポコポコと震える輪郭線が美しい。
「水萌え」させているためなのか熟成のそばのような艶がある。

手繰り上げてさらに驚く。
まずこういう香りの蕎麦にはほとんど出会ったことがない。
この上もなくやわらかくやさしい、何と表現したものか・・
「野生的でない草」、いや「ふっくらやさしい草のような」とでも言おうか。
見ての通りの輪郭線ゆえ、舌触りもポコポコと粒を感じる。
手繰りあげた感じはずっしりとして先ほどの「手碾そば」と似ているが
食感は全く違いハラハラと一本一本が独立したような感じ。
こちらも甘さや強い味わいはなく、フレッシュな爽やかさがずっと続き
うわ〜〜これも美味しいなあ〜、甲乙つけがたい。
「千本杵搗き製法」という大変珍しい製法で作られている蕎麦。




「せいろそば」
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はじめて、いわゆるスタンダードなイメージの
細打ちのお蕎麦が出て来ました。

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ほわっと漂う優しい穀物の香り。
粉の甘みもあり上品な二八っぽい印象。
先の二つがあまりにもすごいので個性としては負けているが
端正な極細で程良い腰があり食感も素晴らしい。
長野・浅間高原の蕎麦。


ここの蕎麦汁は意外にもかなり甘めで
ガツンとたくましく鰹が効いたやや大衆的な印象の汁。
ところが水萌え蕎麦にのみ「マグロ出汁の蕎麦汁」というものがついてきた。
これが大変軽やかで、上品な甘みがありおいしい。


空いていたせいもあって帰り際、店主が色々と蕎麦の話をしてくれた。
「水萌えそば」「手碾そば」の製法など。

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信州大学の井上教授(蕎麦研究で有名な宇治原教授の後継者と言われている)と
スロベニア蕎麦の旅などにも行ったらしい。



いいなあ〜スロベニア行きたーい!!

ユリアンアルプス〜〜〜♡
ジガンツィ〜〜〜♡




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2016年09月13日

長野・茅野「傍」


9月、長野の爽やかな空気。
今日は大好きなマイアイドル、めっちゃくっちゃ可愛い「たみちゃん」と
ドライブデートなんです♪
うほほほほ いいでしょ〜〜〜(≧∇≦)/

緑の中を気持ちよくドライブして「お店はどこですか〜」
と探していたら、まず「どらむかん」に出会いました。

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かわいい〜♡

そしてお店はあれですね。

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一昨年9月にオープンした
お蕎麦が食べられる農家食堂「傍」。

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近づいてみると、あ、野菜売ってる!

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うわー大変、めちゃくちゃ綺麗な野菜ばかり。
おいしそうすぎる!

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これは帰りに買うのが楽しみだなぁー

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向こうに絵のように緑が見える素敵なエントランス。

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店内に案内されると
まず目を惹くのはいかにも気持ちの良さそうなテラス席。

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すぐ下は車が通る道路なのだが、草木のおかげで気にならない。
何と言ってもこの大きな木が素敵。

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向こうのお山と青空が最高〜〜♡

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店内席もいい雰囲気。

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程よくランダムな感じがウマイ!




実は「傍」は私がブログに書くお店にしては大変珍しく手打ちではないお蕎麦屋さん。
でもそれをおいても書きたくなるのはやはりこれだけの雰囲気で
おいしい野菜が沢山食べられて、
しかもお蕎麦が「白そば」「黒そば」2種類あるところ♡
それも手打ちでないことを忘れさせる素朴な美しいお蕎麦なのだ。

しかもその2種類のお蕎麦をこんな楽しいセットにできちゃうんです〜〜(≧∇≦)/

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マイ・アイドルたみちゃんはお料理も上手で
美味しいものにはいつも興味津々なのでとっても楽しい♪
ふたりで頭をひねりいろいろ組み合わせて
全部のメニューを食べてみようというよくばり計画を打ち立てました(^^)



こちらがセットについてくる
「本日のやさい小鉢」。

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そして「本日のやさい小鉢」は
プラス300円でこちらに変更できます。

「傍のやさいプレート」。
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すべて農薬・化学肥料を使わない農法の野菜ばかり。
花オクラやまんまるの見かけないナスの煮浸しなど
おいっしいー!すばらしー!(≧∇≦)
ちょっとクミンが効いていたりして真似したくなる味♡


お蕎麦来たぁー!


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自然光の中の美しい景色。
明るい色のトレイ、笊、そしてモダンな和の器の取り合わせが実に上手い。
いつもいつも数限りないお蕎麦の景色にしびれているけれど
カフェ蕎麦のおしゃれな演出に新鮮に感激。


「白そば」
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思わず見入る素朴な肌の風情、粗挽き感。
長野らしいさわやかな野生がほんのりふわりと香る。
見た目からも感じたが舌触りや食感はかなりしっかりめ。
ハラハラ素朴にいびつに揺れるような固めの輪郭線が口中でやや暴れる感じがある。
味わいはすっきりさっぱりとしているが
食べ進むうちに二八らしい甘みもひろがってきて
食感もしなやかに食べやすくなってくる。
カフェだけに、このお蕎麦はのんびりゆっくり食べるのがいいな♪



「黒そば」
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むわ〜とした甘皮の香りがさわやか!
見た目からちょっと熟成感を感じただけに
さわやかフレッシュなかぐわしさに感激。
こちらも「白そば」同様、舌触りはかなり固めでいびつで素朴な輪郭線がクッキリハッキリ。
ところどころに節というか、ポキポキしたような感覚もある。
味わいも甘みもしっかりとして
今日はこちらの「黒」のほうが好きかも(≧∇≦)/
どちらも二八のお蕎麦。


ちなみにお蕎麦のセットには普通の「かえしつゆ」ともう一種類
「選べるつけ汁」がついてきます。
「トマトの汁」か「柑橘の汁」。

「トマトの汁」
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さっぱりとした中にフルーティーなトマトの風味。
すこし甘めだけどさわやか。


「柑橘の汁」
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こちらはさらに甘めで私にはジュースのような感じ?
でもすごくおもしろいアイディア!



そして普通の「かえしつゆ」がとてもいい。
うまみがまろやかに調和し、しかも甘すぎない美味しいつゆ。
これは誰にでも愛されそうだし、おいしいなあ〜



「天ぷらとおそば」のセットも美しい。

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カリカリに揚げられた天ぷら。
野菜はさすがの美味しさ!
下から海老さんも出てきたぁ(≧∇≦)



セットでもサイドメニューでも食べられる
「ローストビーフ小どんぶり」
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うっわー またまた素敵なルックス!
この器かわいいなあ〜 高台つき、ライオンさんの顔つき。
ぎゅっと盛り込まれたローストビーフとごはんの間に
フライドオニオン?が仕込んであるのが素晴らしいアクセント。
ごはんは白米に雑穀が散らしてある。
うん♡うん♡いろいろとうれしい♡




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食後は入り口の野菜売り場でワンサカと野菜を買いまくり、
ものすごーくゆたかな気持になって
近くにあるハーブのお店「ハーバルノート」へ☆

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ここ大好きなんです。
はあ〜〜〜〜〜山の香り♡
フィトンチッドだけはお蕎麦の香りより(たぶん)好き!


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お世話になっている方にフレッシュな作りたてハーブティーを買い・・・


マイ・アイドルたみちゃん、
またプチ蕎麦旅しようね〜〜〜(≧∇≦)♡








posted by aya at 08:54 | Comment(3) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月10日

長野・南松本「深志荘」


お蕎麦を食べようとあらかじめ電話をしたら
「民芸旅館 深志荘でございます」
と言ったので驚いた。

到着すると、おお〜なるほど・・・

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いかにも旅館らしい立派な外観。
看板には「ご宿泊 ランチタイム・手打ちそば 懐石お重」と書いてある。
すぐ脇には水路が流れ、その手前は田んぼ。
リーン、リリーンと涼しげに鳴く夏の虫たち。
素晴らしい環境、日本の夜の風景にうっとりさせられる。


玄関脇には明かりに浮かぶ立派な松!
(松好きなもので・・♡)
電話するまでてっきりお蕎麦屋さんだと思っていた私は
予想外の展開にわくわくしながら中に入る。

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入ったらすぐに銀座がありました。

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「アルプス銀座」。
宿泊の方の朝食会場でしょうか。
山賊焼応援団って幟の迫力がまた・・・(≧∇≦)


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ここは喫茶&休憩スペース?
松本民芸家具がどっしりといい雰囲気。
ここで私はなんだかすごい方とすれ違いました。
その存在感は昭和の元祖セレブタレントを思い出すような、
とにかく声も姿もめちゃくちゃ華やかー!
どうやらここの女将さんらしい。
その女将さんの教育が素晴らしいのか
この「深志荘」はスタッフが全員ありえないほど完璧な接客態度である。
どの人も一歩控えた、しかしぴたっと寄り添う思いやりを感じる接客態度。
これは何だか物凄いところにきちゃったぞ・・・


通されたのは二階のお部屋。

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赤じゅうたんの立派なお部屋。
向こうの席では熟年男性グループの賑やかな宴が催されているが
広いので全然気にならない。


しかしここで悲報が!(>人<;)

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なんと〜〜〜
土日はそばメニューのみで、おつまみ類は一切ないらしい。
えーん、向こうのおじさんたちは
なんかいろいろ美味しそうなもの食べてるんだけどなあ〜(コラ)
きっと前々からの予約コースとかなんだろうなあ〜(;o;)
宿なので土日は忙しく仕方ないのだろう。


というわけで迷いなく「ざるそば」を。

税抜760円の「ざるそば(小盛り)」でも地物のほうれん草と
漬物がつくのが長野らしくて嬉しい。

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「ざるそば(小盛り)」
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え、高遠彩子が小盛り??と驚くなかれ。
なんと小盛りでも120gもあるんですよ〜

山葵をすってお待ちくださいということだったが
その横にはなんとお砂糖が( °o°)
「ねばりが出て香りが立って辛味が出るんです」
とのこと。
汁も相当甘めだし、なんだか子供の頃両親がよく連れてきてくれた頃の長野を思い出した。
東京の蕎麦しか知らなかった私は汁の甘さにとても驚いたのだ。



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ムワ〜〜
これがまた期待以上にかぐわしくて感激!
むっとたくましく力強く、でもフレッシュな感じが素晴らしい。
食感はちょっと不思議でみずみずしく軽くふるっとした感じがある。
この「ふるっと感」はここから近い唐沢地区の「山法師」の蕎麦をも思わせ面白い。
県によってエリアによって(都市部だと沿線によって)
近いエリアにあるお蕎麦屋さんには不思議な相似性があったりするのだ。
食感はこんなに軽いのに舌の上に旨味がジワーと広がるのがすごい。
うわあ〜おいしいなあ〜
地元・塩尻市片丘の蕎麦とのこと。


土日だけに宿泊客も多いらしく
お手洗いに立つと廊下はいかにも宿の夜らしいムード。
洗面所を使う人あり、嬉しげに廊下を行き来する子供あり。
私まで宿泊するような楽しい気分に。


外に出るとひんやり涼しい夏の夜。
もう信州には秋が来ている。

黒い田んぼを渡る虫達の声に誘われ
私も闇の奥に吸い込まれていく気がした。




posted by aya at 12:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月29日

長野・上田「くろつぼ」


移転してからは初めての「くろつぼ」。

以前は上田市内の「黒坪」と呼ばれる場所にあった
素敵な古民家蕎麦屋さんだったのだが新しい住所はその名も「常盤城」。
「真田丸」でも話題だがさすがは歴史の深い上田だけのことはある。
(某師匠の専門分野ですが上田市内は城跡だらけみたい。百城ちかく!?)


張り切りすぎて開店時間より大分前に着いてしまったので
車を降りて歩いてみる。

なんて静かで、素敵なところなのだろう。

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立派な古民家やお蔵がそこここにある風情ある街並み。
上田城からも近いだけに歴史の中を歩いているような気持ちになる。



可愛らしい小川も流れ、橋の名前は「高橋」!(^o^)

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そして、肝心のお店はあれなんです!
今度も素敵な古民家。
しかもあまりお店らしくしていないところがいいじゃあないですか〜〜♪

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外観でも十分に風情たっぷりだが中はもっとスゴイ、
あたらしき「くろつぼ」。

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そっと扉を開け中に入ると

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なんと、待合室だけでお店ができるくらい大きい!
店内の様子はここからでは伺えず、大きな建物なんだなあ〜


店員さんに案内されて奥に入ると

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わあ・・


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ひろい〜〜

すてき〜〜


店内も広いがその上広いお庭もある!

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それにしてもこの縁側の幅広さはすごすぎる・・・
どんなお金持ちのお家だったんでしょう・・



庭を望む縁側席もいい。

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この上カウンター席のみの別の部屋まであるのだから驚くばかり。

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細工の細かい障子戸や工芸品のような欄間など、見どころだらけの美しい古民家。
こんなところでお蕎麦が食べられるなんてうれしすぎる。


メニューはシンプルに絞り込まれているようでいろいろと見逃せない。

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まず「馬刺し」が2種類「上赤身」と「ふたえご」とあるのがすごい。うれしい。
さっすが我が愛する長野♡
そしてお蕎麦は「もり蕎麦」と「粗挽き田舎そば」は両方ぜったいいくんですが
その上「あつもり」もあるじゃあないですか・・
これは・・3種類いっちゃう? いっちゃえ!(≧∇≦)


こんな魅力的なお申し出もいただいてしまいました。

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予約でこんなのも食べられるらしい。

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へえ〜鴨肉の脂肪って、そうだったんですか!
牛や豚の脂身はあまり得意でない私なんですが
鴨肉は脂も美味しいと感じることが多いのが長年不思議だったんですが・・
なんか得した気分〜♪



個人的にシビレたのはこの景色。

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割り箸と普通のお箸、両方がセットされてるんです♪♪
大きな声では言えませんが私「お蕎麦屋さん限定で」割り箸が苦手で・・・(^^;;)
お蕎麦が出てくるとお蕎麦の香りを嗅ぎたいあまり
突然嗅覚がそれまでの何倍もになってしまう不思議な現象を毎日体感している私。
(それを簡単に蕎麦犬現象と呼んでおります)
割り箸を使うとどうにもこうにもお蕎麦が割り箸味にしか感じられないのだ。
その理由でいついかなる時もマイ箸を持ち歩いているだけに
このお箸サービスは嬉しい〜
(お蕎麦がたぐりやすいという理由では割り箸もいいですものね)



「地物野菜の天ぷら」
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思い切りバリッバリに揚げられた天ぷら。
エリンギ、トマト、パプリカ、にんじん、えのき、なす、ブロッコリ、ズッキーニ。
地物だけにどの野菜もほんとうにおいしい。
特に葉付きにんじんとブロッコリー♡




「馬刺し(ふたえご)」
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メニューに
「あばら部分の三層肉でコリコリした食感で脂身さっぱりが人気の理由」
と書いてあって惹かれた「ふたえご」。
確かにすごい噛みごたえ、噛めなくて美味しーい!
(って変な表現ですが私は硬い食べ物が大好きなんです)
そして旨みが大変に濃い。
お醤油をチョンとつけて、これはおいしいなあ〜!



「もり蕎麦」
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古民家に差し込む光に浮かび上がる、蕎麦肌の陰影。




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すーっと香る長野らしい野生の香り。
ちょっとウリにも似たような爽やかな野生だ。
繊細細切りの蕎麦はふわっとやわらかく
食べ進むほどにその野生の風味がどんどん深まっていく。
甘みもじんわり。

はあ〜
上田のこんな静かな古民家で、
午前中から、うれしいなあ〜



「あつもり」
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知らない方のために念のため申しますと「あつもり」というのは
冷水でしめていないあったかいもりそばのこと。
見た目からして全然違うでしょう〜
蕎麦全体がなんとなくくっついいて、蕎麦肌につやもない。
でもこの眺めこの肌こそいかにも香りそうな感じで私はワクワク〜〜(≧∇≦)♡♡♡
「もり蕎麦」と同じ蕎麦なのだからもちろん香りは同じ方向なのだが
こちらはぐっと甘く炊きたてごはんのようなふくよかさのある香りが前面に出ている。
食感はさらにやさしくもたっとして、
急がないとくっつき始めるので大喜びでさっさと食べちゃいました。




「粗挽田舎そば」
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「粗挽田舎」はどっしりとした陶器の器で。
こんもりと美しい蕎麦のお山、上田のお山。


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おおお
こちらは先程の「もり蕎麦」と共通する爽やかな野生に加え
ごま油のような芥子のような厚みのある、ゴージャスで個性的な香ばしさがある。
意外にもくっきりした輪郭線のしっかりした舌触りなのだが
繊細な細切りのため食感はやさしい。
味わいや甘みはすっきりで厚みある香ばしさが際立っている。
蕎麦汁は甘めでバシッと濃い感じ。




帰り際、玄関のところでおや?と気になる張り紙が。

「2Fは丸山階(まるやまフロア)です
 ご自由にお上りください」

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階にフロアと読み仮名がついているのが面白い。
デパートのアナウンスの「5階、紳士服フロアでございまぁす♪」とかみたい(≧∇≦)

なんだかわからないけど登ってみましょう〜〜



えっ

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ええ?

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武士道でサムライな父に育てられた私には
かなり親しみある感じの異空間が突然現れビックリ。
何だかいきなり父の怖い声がした気がしたようなしないような?(* ̄∇ ̄*)


ここは一体・・と思ったら

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ということらしい。なるほど!
古民家でこんな展示を見られるなんて
めちゃくちゃ素晴らしいではないですか〜!
しかもそれがお蕎麦屋さんの二階とは。


展示室とは別にある座敷もいい。

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店の奥、駐車場側には立派な門もある家。

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家は使わなければ朽ちていくけれど
人が住み大切に手入れすればこんなふうに
世界中に自慢したいような美しい宝物になる。

特に店舗などでの利用は沢山の人が楽しむことができるので
本当に素晴らしいと私は思う。
私も含め今の時代の人は日本の古い家の素晴らしさを知る機会が少ないせいで
日本の家に対する親しみも知識も誇りもない。
日本を訪れた外国人も日本の古い家を体験できる機会はなかなかないが
お蕎麦屋さんなら気軽に美しい時間を体験できるではないか!


というわけで、私は古民家のお蕎麦屋さんが大好き(≧∇≦)/
京都の町家造りのお店も大好き。


古い家に育ったわけでもないのに「懐かしい」と感じる家。

日本人であることが嬉しくなる、新しき「くろつぼ」でのひととき。


楽しかったね〜〜っ♪


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2016年07月02日

長野・上田「十割そば処 福田」


田んぼとお山の夏景色。

そのまんなかに、「そば処」の幟が小さく元気よくはためいている。

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水車のまわるお蕎麦屋さん、「十割そば処 福田」。

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くるくる回る水車の眺めと絶え間ない水の音。

このまま店に入らずしばらくここに居たくなる・・・

しかしそうはいかない事情がある。


初めて来た時も驚いたが、道から外れたこんな田んぼの奥にあるというのに
この店は驚くほど混んでいるのだ。
なんとなく気忙しく店に入ると今日もほぼ満員!
すごいなあ〜、美味しいものを作れば
どんな辺鄙なところでもお客さんはこんなに集まるものなんだなあ〜



お茶はセルフサービスで飲めるようになっている。

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こちらのお店には不思議なルール?があり
メニュー写真だけは撮影禁止。

なぜメニューだけ?と不思議になるが
体裁も内容も特に変わったところはない普通のメニューだ。

「もりそば、天ぷら付もり、あたたかい天ぷらそば、かけそば、きつねそば、
天丼、ドライカレー、冷奴、焼き油揚、焼き厚揚」

などなどがわかりやすく一枚の紙に書かれて各テーブルにある。


でもこちらは持ち帰り用の小さなカードなので撮ってもいいですよね?

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すごいでしょう、青木村産タチアカネの十割!
こういう郷土性はうれしいなあ〜


「焼き油揚」
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「焼き厚揚」と迷ったが「焼き油揚」にしてみた。
カラリ軽くてとても美味しい。


「もり」
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キュウリの甘いわさび漬けと、薬味はネギと大根おろし。
野菜と蕎麦の眺めが長野らしい。



「もりそば」
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ふわ〜〜〜!!と高く軽やかに香るさわやかな野生。
そこまでいわゆる信州の品種らしい感じがしたが
食べるといきなり透明な穀物感に満ちている。
味はみずみずしく透明でまろやか。
タチアカネというあまり出会えない品種だけに新鮮な気持ちで味わう。
食感も個性的でプツンと切れる感じでやや短めのお蕎麦が多い。
地産地消、すぐ近所で育てられた穀物を田んぼの真ん中のお店で食べる贅沢。
ああ〜 うれしいなあ〜

ここは汁も個性的。
ちょっとなめてみるとなんとも枯れた風情のやや変わった印象の汁なのだが
試しに(試しにって(^^;;))蕎麦につけてみると何の違和感もなく
すんなりまろやかに美味しいので驚かされる。
コンビネーションの妙技!


店内奥には製粉コーナー&アンティーク販売?コーナーも。

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店を出るとむわっと夏の濃い緑の香り。

今この瞬間にもはじけ花開きそうな桔梗のお姫様にも出会った。

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今日出会えたのは偶然じゃない。

景色も、花もお蕎麦も。


毎日違う姿だからこそ貴いと、私は思うのだ。


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2016年06月15日

長野・山形村唐沢地区「山法師」



蕎麦の秘境として知られる山形村の「唐沢集落」。

のどかな田園風景の中に10軒ほどの蕎麦屋が点在する
夢の世界の入り口にはこんなゲートがある。


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観光向けに作られたゲートは立派だが付近はどこまでも静か。
霧のような小雨の中、緑の香りが私の胸の中まで満ちるようだ。


「山法師」は集落を奥に進んだところにある。
ここの蕎麦屋はどこも看板こそあれどまるきり普通の民家のような店が多い。

「山法師」も暖簾がなければ店には全く見えない。
いや暖簾があってもあんまり店には見えない。
「自家栽培・自家製粉」なんていう物凄い店にはもっと見えない。

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玄関に入るとすぐ階段があり
たいへん感じの良い奥さんが「どうぞ、いらっしゃいませ」と迎えてくれる。
お店なのはわかっているのだが
「お邪魔します〜・・」と言いたくなってしまうほどまるっきり普通の日本の家だ。



広々と、静かな座敷。

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家も庭も、隅々まで手入れが行き届いていてとてもきれい。
こんな空間を独り占めとはなんて贅沢な午後だろう。

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長野らしいもてなしが嬉しい。

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お庭の素晴らしいこと!

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鳥の声に耳を澄ませていると
雨上がりの気配まで聞こえてくる静寂。





メニューはシンプルだが唐沢集落らしい嬉しいものばかり。
(「お客さん撮影」ってところに人柄が出ていて可愛らしい(^o^))

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下にある「そばうすやき」っていうのはなかなか見ないですねえ、
これも是非いきましょう!



「馬刺し」
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長野に来たらやっぱりコレ。
ちいさめ一口サイズ。



「わらび」
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えええええ
250円でこの量にビックリ。
しかもパリッパリの素晴らしい食感にさらに大喜び!
わらびは茹でると柔らかくなってしまいがちなだけに
この絶妙な食感はさすが〜おいしい〜〜



「そばうすやき」
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きゃーー!!
ここでいきなり大興奮。
さすが蕎麦だけに尋常じゃない香ばしい香り!!
(いつも思うがその日一番の蕎麦成分の体へ浸透、感動は格別!!)

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あああああ

なぜ私は蕎麦粉が入っているだけでこんなにも強い反応を示してしまうのでしょう。
薄焼きピザのようなものなのに、この香ばしさは麻薬!!
特に焦げてるところが最高!!(≧∇≦)
蕎麦の香ばしさ、滋味深さに加えバタークッキー?みたいな芳醇な香りと味わいもあり
とても美味しい薄焼きだ。

って蕎麦部部分に夢中すぎて真ん中に塗ってある蕗味噌について
全然書いてなくてすみません(* ̄∇ ̄*)
甘めの蕗味噌と蕎麦の素朴な風味、これぞ長野なアイディアメニューだ。



「蕎麦(並みもり)」
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今気づいてびっくりしたのだが
なんとあろうことかこの私が蕎麦のアップの写真を撮っていなーい!
その時感じた熱情を閉じ込めるためにも蕎麦肌を撮り忘れたことなどないのに。
静かな座敷でよほど気持ちよくのんびりして
頭のネジが緩むどころか取れてしまっていたのだろう。


箸先から漂う、石のような静謐な香り。
口に含むとひじょーうに独特なふるんふるんとした食感にハッとさせられる。
ふるんふるんフカフカと不思議な柔らかさだ。
食感も軽いが味わいも透き通るように軽くさっぱりとした蕎麦。

汁もこれまた独特なのだがなんだか大変美味しい。
甘さもあるがストイックな渋さを感じる出汁の風味。


あまりの居心地の良さについ長居してしまい
自然と店主夫妻とお話することになったのだが
あまりの感じの良さにさらに長居してしまう。
こんな、ふらりと入ってきた得体の知れない蕎麦野良犬にも
こんなに感じよくニコニコ親切にしてくれるなんて
心温まりすぎて心中遠吠えするしかない。
おおーん おおおおーーーん・・・


店主によると以前は全て自家栽培だったがイノシシにやられて以来
ひと月ぶんくらいしか作らずにあとは地元の信濃一号を入手しているそう。


「山法師」の店名を尋ねると穏やかな笑顔で

「家の前にたくさん咲いている山法師からとったんです」

とのこと。


えっ山法師が咲いてた?
蕎麦蕎麦蕎麦で全然気付かなかった・・・(* ̄∇ ̄*)


「お送りしがてらお見せします」と店主。



外に出ると雨上がりの山形村の景色。

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なるほど山法師が今を盛りと咲いている。

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私は素晴らしい季節にここに来たのだ。



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見入ると吸い込まれそうな花の宇宙。




「ハナミズキより品があると僕は思ってるんです」


静かな言葉が胸に響いた。







<おまけ>
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玄関にあった呼び鈴の置き場所がおちゃめすぎるんですけど・・
ミニチュアの石臼の上に置いちゃった(≧∇≦)♡
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2016年04月30日

長野・白馬「蕎麦処 りき」


白馬の青空、白馬の風。
「手打ち蕎麦」の幟がまぶしくはためいている。


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緑の美しい山の麓の道路沿い。
店などはポツンポツンと点在する程度なのに
どうしたことかここには二軒並んで手打ち蕎麦屋さんがある。

「蕎麦処 りき」の左隣は「蕎麦酒房 膳」

偶然なのだろうが、私にはなんとも落ち着かない眺めだ。
以前埼玉県鴻巣市でも起こっていた現象だが
(あちらは静かな住宅街に突然お蕎麦屋さんが2軒並んでいた)、
こんなにくっついていたら便利だけどお腹の都合上
ハシゴ出来ないじゃないですかっ(≧∇≦)


テーブル席と小上がりがある明るい店内。

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一品料理もいろいろ。

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こっ 、この右側真ん中はなんだ!!

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「そば」の文字はどうしてこんなに私の胸に、
恋のように突き刺さるのでしょう・・・
甘いものは得意でないのにジーッと見てしまう・・・(* ̄∇ ̄*)



あ、あの壁のホワイトボードにあるあれ、是非食べたい!

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左から二番目のですよ〜〜〜
あれはゼッタイですね!



そして「蕎麦処 りき」はなんといっても
量を選んでお蕎麦を食べられるところが面白い。
しかも蕎麦粉は全て白馬産だ。

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八方 150g
杓子 200g
鑓  300g
五竜 400g
白馬 500g

「蕎麦好きが沢山食べられる価格設定にしておりますので一人一品お願いいたします。」
と書いてある通り、大人数用に盛られた蕎麦をみんなでつつくのではなく
一人ひとりがお腹いっぱいお蕎麦を食べてほしいというサービスらしい。


ここで毎日いーっぱい白馬のお蕎麦を白馬の水で
手打ちしていると思うとじーんとしてしまう私。

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非常に豊かなおおらかな気持ちになるが
豊かなのはお蕎麦ばかりではない。
  

天ぷら盛り合わせ(810円)というのを頼んでみたら・・・

ドーーン!!

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続いてやってきた「ふきのとう天ぷら」も・・・

ドーーン!!

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ものすごいボリューム!!


どちらも、ボリューム小さめに慣れてしまってる東京モンがイメージする量の
ゆうに倍はある。


二つを見下ろすと天ぷらの大海原を見渡しているかのよう・・・壮観。

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サクサクパリッと揚げられた天ぷら。
私はやっぱり蕗の薹とまいたけとえびが好き♡



「ざる蕎麦」
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私は基本量の「八方」で。
それでも150gありますからたっぷりめ!


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さわやかな野生と二八らしい甘い香りがふわ〜。
端正な細切り、ふわりと軽いコシがあり味はすっきり。
これは確かに量を食べられちゃうお蕎麦ですね〜



テーブルにはこんなシートがあった。

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楽しい〜 こういうの大好き♡
一つ一つジーッと読んじゃいました。

誰かが私にお腹を貸してくれたら回りたいんですけどね〜
あーん  せつない(≧∇≦)♡




posted by aya at 09:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月12日

長野・栂池高原「手打そば ふるさと」



この角を曲がれば、そこは「ふるさと」。

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小谷村の空に映える「手打そば」の文字。
この白馬・栂池高原エリアが大好き、お蕎麦が大好きの私には実に嬉しい眺めだ。


しかし店に近づくと看板には「手打そば」より大きく「ジンギスカン」!?

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「手打そば」の幟がなかったら遠目にはジンギスカン屋さんに見えるに違いない。

そして外観は私が大好きななまこ壁♡
「ふるさと」というほのぼのした店名も好きだしジンギスカンも大好きだし
入る前からいろいろと素晴らしいお店ではないですか〜(≧∇≦)



入り口前のメニューでもジンギスカンはイチオシされております。

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近年豪州からの観光客激増の白馬村だけに
英語表記もバッチリ!
「冬期限定おじや」なんかは英語の説明を見た方が内容がわかりやすくなっております。
おいしそう(^o^)



そして御覧下さい、この店内のいい〜雰囲気。

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店名を裏切らない、この「ふるさと」な風情(≧∇≦)!!
素晴らしい!!



席についたらまずお茶とお漬物を持ってきてくれるのが長野♡
子供の頃から長野が大好きな私は長野らしさがいちいちうれしい。

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ワラビには鰹節とマヨ。
ほっこり〜(^o^)

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白馬には何故かジンギスカンとお蕎麦が食べられるお店が多いのだが
「ふるさと」のジンギスカンは大変に美味しい!

このお肉、すごいでしょう?(≧∇≦)

「ジンギスカン(単品)」
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野性的なラムらしさを楽しみたい私としては
ここのジンギスカンは最高!!
「甘めのタレに漬け込んで臭みを消したやわらかいラム」とかよりも
ガッツリガッチリそのまんまが嬉しい♡


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歯ごたえも旨みもしっかり。
でも固いのではなく弾力がある感じで素晴らしく美味しいジンギスカン。

きゃ〜 たまらない〜♡

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「ざるそば」
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おーっと、デフォルトで海苔がかかってまいりました。
「ざるそば」だもんね!(≧∇≦)


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やわらかく重たげに重なりあう素朴な肌。
いかにも二八らしいむわ〜とした香りを想像したが
これがなんだか独特な、ふっくらとした穀物感に満ちた素晴らしい香りをまとっている。
繊細な細切りの平打ち、ふんわりやさしい食感。

汁はかなりの甘さで
昔ながらの長野らしいといえばそうかも(^^)?

子供の頃両親に連れてきてもらった長野で入ったお蕎麦屋さんでは
蕎麦よりも汁の甘さが印象的だった記憶がある。
今思えばあれはどこだったのかなあ・・・



気がつくと店内では小さな店員さんが甲斐甲斐しく働いていた。
小学生らしい、ここのお家の男の子だろう。
さっき裏口からお父さんらしい人とスキーから帰ってきたばかりだが
もうエプロンをしてしっかり働いている。
スキー遊びををしたんだからくたびれているだろうにエライなあ〜
黒く澄んだ目がとても可愛らしい。



窓の向こうには白く美しく輝く白馬のお山。

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ああ 私はほんとに 長野が好き。










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2016年04月10日

長野・白馬村「蕎麦酒房 膳」


山間の村の夜は真っ暗。

その暗闇の向こうに楽しげな灯りが輝いている。

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白馬産十割手打ち蕎麦の店「蕎麦酒房 膳」。

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夜は予約なしでは入れないことも多い白馬村の大人気店は
今夜も平日なのに満員御礼。
お座敷もカウンターも大賑わいで楽しい雰囲気だなあ〜

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特に近年豪州からのお客さんが激増している白馬村だけに
外国人のグループが何組もお座敷で足を伸ばしてくつろいでいるのが印象的だ。
もし私が外国人で山の麓のこんな店で賑やかな夜を過ごしたら
さぞ楽しい思い出になるだろう。


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料理メニューもこんなにたくさんあって宴会でも家族連れでもなんでもこい。
人気なのも頷ける。

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テーブル席はグループのお客さんで埋め尽くされていたが
カウンターでは常連らしい1人客が3人、じっとこの夜を楽しんでいた。
いろんな層に愛されている店なんだなあ。



アルコールは
「大信州」「佐久の花」「信濃鶴」「夜明け前」「白馬錦」などの長野の日本酒をはじめ
ビール、カクテル、ワイン、焼酎などが揃っている。

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白馬産十割蕎麦をうたう「膳」だけに
なんといってもお蕎麦が楽しみ!
安曇野産二八もあるのでもちろん両方いきますよー♡

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ところが・・・

十割はお昼だけなんだってー!ガーーーーン!!! (TOT) (TOT) (TOT)
超ショックだけど安曇野産二八をたのしく頂きましょう〜


おっあれは?

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「プレミアム信州牛のたたき」
いいですね〜
お魚好きが祟ってアニサキスアレルギーを発症して以来
お肉に反応するようになった自分が我ながら新鮮(^^)
ヨシ、あれで十割失恋の傷を癒しましょう♪



「きのこおろし」
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長野に来たらまずこれでしょう!
ここのはまたやたらめったら美味しい。
塩漬けしてあるのでお醤油要らず。
乗鞍でいつも自分で採ったきのこを食べさせてくれた亡き人を思いながら、
懐かしくしみじみと味わう。



「豆乳豆腐」
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「豆乳につけた冷たいお豆腐をゆず醤油とゆず胡椒で」
とメニューに書いてある通り、柚子の風味が華やか。
お豆腐は何も付けないで食べたい私としては
ゆず風味は別添えにしてもらえば良かったな〜なんて小さく後悔してしまったが
心眼で柚子胡椒を取り除き見つめた豆腐は
ざっくり濃厚、素朴な味わいと質感で美味しかった(^o^)♪




「信州サーモン」
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海魚全面禁止令が出ている私ですが信州サーモンは川魚さんなので嬉しい限り。
味わいが濃く甘みがあって美味しい。
実はこれ、本当は「信州サーモンとまぐろの刺身」というメニューだったのを
お願いして信州サーモンのみにしてもらったのでした。
アレルギーとは無縁だった自分ですがなってみて初めてお店の方の大変さがわかりました。
こうして対応してもらう度に申し訳ないやらありがたいやら、本当に感謝です。



「プレミアム信州牛のたたき」
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見るからに美味しそうないいお肉♡
そしてこちらもゆず胡椒+ちょっと甘さを加えた味がついております。
とってもおいしいお肉だけに私は塩かお醤油で食べたかったけど
それは私の偏ったワガママでして・・どこに行ってもそうなんです〜(* ̄∇ ̄*)



「もりそば」
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やわらかそうに波打つ、やさしい印象の細切り平打ち蕎麦。
甘く濃厚な二八らしい香りがムワァ〜とただよい、
口に含むと繊細だがふっくらとしたコシがある。
食べるほどに二八の個性が深まってくるだけに
これは十割も食べたかったなあ〜!
今度は是非お昼に来なくちゃ。
しかも十食限定らしいので早めに来なくちゃ。



私がいる間にも何組のお客さんが来ては断られ、
電話もガンガンかかってきては断られ、
その度にお店の人はとっても申し訳なさそう。
大人気なのも大変だ。


各国混合の店内の賑わいは冷めることなく
白馬村の夜が更けていく。

外の暗闇と残雪を思うとこの賑わいがますます楽しく思える。


賑わいを聞きながら、

濃厚な蕎麦湯を飲みながら、

天井を見上げている旅人の私。


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2016年04月07日

長野・乗鞍高原「手打ちそば 御池」


3月末、まだまだ残雪まぶしい乗鞍。

乗鞍は私にとってとても大切な場所なのだが
今日はお世話になった「おかあちゃん」と連れ立ってお蕎麦屋さんへ!


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「手打ちそば 御池」はこのあたりでは有名なお蕎麦屋さんだ。



店に入るとまずはお漬物。

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「おかあちゃん」とおんなじおもてなし。
これをつまみながらお茶を飲みながら延々とおしゃべり、が長野なのだ。



向こうの席のカップルはこのあたりの郷土名物「とうじそば」を食べている。

野菜やきのこなどが入ったあつあつのお鍋の中に
冷たいお蕎麦を「投じ」、ざるですくって食べる蕎麦。

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「とうじそば」の田舎らしい風情といい、
お店のおばちゃんのほっかむりといい、
いい眺めだなあ〜〜


風情を愛でておきながら「とうじそば」は一度も食べたことのない私。

だって・・
私はこの人のものなんだもの・・・♡


「もりそば」
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ずっしり大きな陶器のお皿に
ひろびろと豊かに広がってやってきた「もりそば」。
雰囲気はのんびり田舎風だが価格は900円とちょっと都会的?
でも量はたっぷり(^^)


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乗鞍の清冽な水でキンッと思い切りしめられた瑞々しく流麗な蕎麦。
やや固めのコシ、しっかりした弾力があるが平打ちなので食べやすい。
香りはごく淡いがしっかり噛んでいると二八らしいやさしい味わいが深まっていく。

つゆはガッチリ甘辛の濃いめ。


蕎麦の器が凄いと思っていたら店の隅には陶芸コーナーが。

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その横には「そば打ち道場ギャラリー」。

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躙り口風の入口が特別な雰囲気を醸している。
(蕎麦打ち場は私にとって鶴の恩返しのような秘密の魔法の小部屋(^^))





青い空、広がる峰。

乗鞍は私の大切な場所。

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2016年04月05日

長野・白馬村「こいや」


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パッと見て一番目立つのは木彫りの「うなぎ」の看板である。
しかし店名は「こいや」。
「川魚料理」の文字も見えるので鯉も自慢の店なのだろう。



しかし風向きが変わって幟がたはためくと・・

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「手打そば」ーーーーっ!!

ハイハイ入りますよ入りますよ!
なんだか面白いから磁石のように吸い込まれてしまいました。



店に入るとやはり。
うなぎと鯉料理と手打ち蕎麦とジンギスカンまで入り乱れて
たいへんなことに・・・いや、それがごく当たり前のようになっております(^o^)

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近年オーストラリアからの観光客激増の白馬村ゆえ
メニューもインターナショナル仕立て。
日本語と英語と中国で書かれ写真も付いて、大変親切です。

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魚好きが過ぎて1年半前にアニサキスアレルギーというものを発症した私。
(このアレルギーの人のほとんどはお魚の食べ過ぎが原因で
お魚大好きの人や漁業関係者がなることで有名なアレルギーです)

というわけでこの一年半お魚全面禁止なんですが
でも川魚にはアニサキスがいないので鯉はオッケーなんです♡


うわーい


「鯉こく」
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お蕎麦屋さんで「鯉こく」となると
どうしても愛する愛する「宮野屋」の絶品鯉こくを思って期待が高まってしまうが・・・


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うっはー!!!
「こいや」も素晴らしい〜〜〜ばんざーーーい!!
なにコレ、もんんのすごく美味しくて困るんですけど!!
臭みゼロで脂の乗った鯉がたーっぷり。
期待以上の美味しさにパクパクあっという間に食べてしまった。
ああ〜私は本当にお魚が好きなんだなあ〜
ひさびさのお魚だけに泣けるような美味しさ。


「もりそば」
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細切り、やさしい印象の明るい色の蕎麦。
微かなホシが一面に散りばめられ、食感はすんなりつるつる。
香りも味わいもごく淡いが
うなぎや鯉やジンギスカンなど濃いものの後に
つるっと食べるのにはぴったりなんだろうなあ〜

つゆは意外と甘くなくストイックな印象。



次回は是非夜に来て
うなぎ→鯉料理→ジンギスカン→お蕎麦、
と全部やるだけやってこの店を体感したいもの。
ちょっとそれは私も未体験の世界ですよ・・・うふふ(≧∇≦)








posted by aya at 10:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月27日

長野・白馬村「そば工房 林檎舎」


白馬村にも春が来た。

お山にはまだまだ雪が輝いているが下界はすっかりぽかぽか。
「林檎舎」さんの赤い目印も春の陽に輝いている。

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店に入ると店員さんが「今お蕎麦打っておりますので〜」
と案内してくれて、なんだかとても嬉しい気持ち。
たしかに店の奥でゴトリ、ゴトリと蕎麦包丁を使う音がしている。




とにもかくにもまずはお漬物、なところが長野。

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子供の頃から長野、特に白馬が大好きだった私にはうれしいおもてなし。



出されたお茶は「苦そば茶」。
セルフサービスでお代わり出来るようになっている。

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くるみだれのお蕎麦があるのも長野ですね〜♪

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い、いなごがあるもの長野ですね〜(かなりヘッピリ腰(* ̄∇ ̄*))

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「いなごのつくだ煮」
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虫もヘビもあんまり怖くない(フリができる)男気な私ではありますが
いなごちゃんを食べるのはやっぱり無理でした・・・
地元の方によりますと「林檎舎」の「いなごのつくだ煮」は
「たいへん上手に炊けている」そうであります!



「そばがき」
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お〜 
ざっくり荒々しい北斎の神奈川沖浪裏風そばがき!



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モッチリざっくり素朴な質感。
ちょっと椀がきっぽい生々しい蕎麦の味わいが私には非常に懐かしい。




「そば三昧」
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長野を感じたくて「くるみだれ」を味わえる「そば三昧」にしてみました。


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「醤油つゆ、おしぼり汁(辛味大根の絞り汁)、くるみだれ、
 信州の味が一度に食べられるおすすめのセット」
だそうです(^o^)



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パキーン!!
爽やかな野生が吹き抜けるようにかぐわしく、
パッキパキのシャープな輪郭線が口中を流麗にめぐる。
思い切りキンキンに冷たくしめられているのにこれだけ香ってくれるのはすごい!
二八だそうだがあまり二八っぽくない、十割のような印象のお蕎麦だ。
食感は固めだが繊細な平打ちなので食べにくさはなく
深呼吸したくなるようなフレッシュな爽やかな野生に浸るひととき。
長野らしい野生だなあ〜と嬉しく長野に浸っていたら
本日は北海道の蕎麦でした、アハ(≧∇≦)
時々長野と北海道の個性で間違えるのがあるんですよね〜


あれっ
あーっ! せっかく「そば三昧」をとったのに
一回も汁につけずに全部食べちゃった!やっぱりやっちゃった!
美味しいお蕎麦はどうしてもお蕎麦だけで食べたい私は、
2枚食べないと汁につけるのは無理そう・・・(* ̄∇ ̄*)

後から慌ててスープのように汁を味わう。
醤油つゆは鰹がバンと効いてほわんとした甘みがあり老若男女に愛されそうな美味しさ。
くるみだれはかなり甘めなのだが
単体でチビリとなめると素晴らしい蕎麦湯のお供に♡
おしぼり汁はと味噌とネギを入れるようになっていて大変おいしい。


春の日差しが斜めに入る店内。

向こうの席では地元のおじいちゃんおばあちゃんグループが食後のおしゃべりをしている。
よーく観察すると夫婦ではなくバラバラにおじいちゃん二人おばあちゃん二人らしい。
あらーいいですねえ〜♪
話し声は静かだが楽しげで
白馬村の小さな春の風景を見た気がした。



さあ〜てと、午後は大好きなあの温泉に行くんだ〜♪





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2015年02月23日

長野・松本 美ヶ原温泉街「米十」


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山は暮れ、家は眠る。



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美しい、日本の家。

古民家のお蕎麦屋さんに来るたびに思う。

この家が建てられた頃のこと。
この家に帰ってくる人達がいたこと。
この家が見てきたもの。



御免ください。

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土間の部分がひろびろとした玄関になっている。



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都会ならこの玄関スペースと同じ広さのお店はいくらでもあるだろうなあ。




囲炉裏のある座敷。

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他に誰もいないのでストーブを焚いてもらうのが申し訳ないような気持ちになる。
昼は観光客も多いので座敷担当の人がいるが
夜は蕎麦を打っている人がひとりきりでやっているとのこと。
したがって夜は要予約だ。


ちょっとこの眺めは実家を思い出してしまった。

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縁側の幅の広さが素晴らしい。

あ、外に建物が・・


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なんと庭には築150年超というお蔵があった。
なまこ壁が美しく、かなり大きい。
ああ なまこ壁ってなんてファッショナブルでカッコいいんだろう!!

最近、日本のお蔵の貯蔵能力の凄さについて聞いたばかりなので
なおさら憧れを持って見入ってしまう。
普通の家に長年放置したらホコリやカビまみれになるものが
蔵の中からはピカピカで出てくるらしい。



何はなくともまず「お茶とおつけもの」。

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大好きな長野にいるよろこび。


「米十」にはビールやお酒のメニューはあるがおつまみの類は一切ない。
あるのは
せいろそば、かけそば、鴨や天ぷらなどの種物そばなど
蕎麦メニューのみ。
メニューにはないのでお通しなのか「季節の小鉢」というのが出てきた。

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「せいろそば」
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わ〜 せいろにきのこおろしが添えられている。
長野のきのこ大好き!これはうれしい。

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ふわっと軽やかに重なる二八らしい肌。
墨のような香ばしさと北海道らしい強い野性を感じる香りをまとい
たぐりあげると一本一本がほろり軽くほどける。
程よいコシのすべすべした蕎麦だ。
普段は地元産の粉だけを使っているということだが
この時は製粉所の都合で北海道と長野のブレンドだった。
きのこは長野ならではの大きなものですごく美味しい〜

汁は利尻昆布と鰹を使用とのことで
鰹は淡めのスッキリ美味しい汁。


「鴨せいろ」の汁はこんな感じ。

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この汁がとてもいい。
極上の肉厚鴨!とかではないのだが、鴨を焼いた香りが香ばしく
しかも汁は脂の浮いていないすっきりしたもの。
うん、おつまみなくても「鴨せいろ」とって
まず鴨汁だけもらって日本酒とチビチビ・・っていうテもありますね〜
(ってまたこういう発言をするからすごーく飲める人だと思われる・・(^^;;))



ストーブはあるが家の中は寒い。
天井が抜いてある古民家はよくあるが
ここの天井はこれまたすごいことになっている。

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完全にまっくろくろすけのお家だ。



私はまたこの家の永い時間を思う。

この家が建てられた頃のこと。
この家に帰ってくる人達がいたこと。
この家が見てきたもの。


時は流れこの家は東京の古民家を愛する人の手に渡り
東京から蕎麦打ち職人がやってきて蕎麦屋として経営されている。
芸能事務所の経営というのはこの家のイメージからはおよそかけ離れている。

しかし継ぐ人がいなければ、お金をかけて修復してくれる人がいなければ
古いものは壊れ消えていってしまう。

私が今夜この美しい家に出逢えたのもありがたい運命だ。



そして、
今こうして全く関係のないよそ者の私がここに座っているのも、
この家はじっと見ているのだろう。






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2014年05月14日

長野・長野市「手挽きそば 蔵之内」


長野駅から2kmほど。
山深いところに名店が多い長野県において
車がなくても行かれる市街地のお蕎麦屋さんというのは貴重である。
新幹線をちょっと遅らせれば美味しいお蕎麦がたぐれるのだ!

山の蕎麦屋は「お昼でおしまい」なお店も多いので
営業時間が20時半までというのもありがたい。


「手挽きそば 蔵之内」は今宵も大人気、大盛況!

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家族連れやグループ客など、ひっきりなしに車がバンバン訪れる人気店。



「手挽き」と店名に冠しているだけあって
入り口に入るとすぐに石臼に出会えた。

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いつも思うが、こんなに重そうな石臼を毎日ゴリゴリ手で回して粉を挽く、
その労力にはただただ頭が下がる。
以前秋田にあった「石碾屋」さんで挽かせてもらった時
恥ずかしながら10センチくらいしか動かせなかった私でありました・・( ̄▽ ̄;)



ここはメニュー に創意工夫がありとても楽しい。
蕎麦のメニューも「本日の素材そのもの料理」 というおすす料理メニューも
読み応えがあってついついじっくり見てしまう。


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「 信州サーモンの軽い燻製グリーンサラダ」
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モダンな三角の器が楽しい演出。
信州サーモンは肉厚でとろっとして、燻製の香りが最高!
やや甘めのドレッシングがさりげなくあしらわれている。



そしてここの「そばがき」がまた面白い。


「名物 そばがき餅風(上伊那箕輪地粉)」

そばがき餅、風?
そばがき、餅風??

どっちでも同じだろうが面白そうだ。

頼んでみよう!



わー ほんとに面白いのが来た〜〜(^^)


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デザインの面白さに思わず激写しまくってしまいました(^^;;)
餅風、ってこういうことだったんですね〜〜

墨のような、干し草のような野性味ある香り。
モチッ ホワッとした食感が素晴らしい。
甘みが少ないのが野生の香りをストイックに際立たせ、いかにも地粉という趣。
あああ いいなあ おいしいなあ



いよいよお蕎麦・・・の前に、
隣のテーブルの男性陣がガンガン食べているお蕎麦をご覧ください。
すごい大盛りでしょう〜?

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しかもこれが「大盛り」ではなく「中盛り」という名称であることに驚かされる。
「 手挽き 蔵之内」において「中盛り」は「普通盛り」の2倍もあるのだ。
それがなんと、たったの50円増し!!
すごいっっ



でも私は「量」より「種類」が食べたい方なので
「中盛り」にはせず「普通盛り」で「二色蕎麦」を(^o^)♪

「いしうす蕎麦 地粉自家製粉(上伊那産)」
「田舎蕎麦 あらびき粉 色は黒め 毎十五食」
の2種類のお蕎麦だ。


「二色蕎麦」
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「いしうす蕎麦 地粉自家製粉(上伊那産)」
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生々しいほどにたくましい香り。
ビスクドールのような「細かく均一なきめの荒さ」のある肌で
のどかな風情がとてもいい。
舌触りはやわらかくやさしいのだが
中に空気を含んだような独特の軽さがあり
噛み締めるとジューシーなイメージもある。
そこから淡い味わいがこぼれてくる。




「田舎蕎麦 あらびき粉 色は黒め 毎十五食」
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こちらも「いしうす蕎麦」同様に生々しいほどのたくましい香り。
それに加えこちらには甘皮のくろい香ばしさ、甘さがガツンとあるのが嬉しい。
ズシッとしっかりした食感で、噛みしめる度に甘みが口の中にひろがる。




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2種類が一緒に盛られているお蕎麦だとつい
「2つの宇宙の間」
を撮りたくなってしまう私。

その頭の中に
「クロ〜とシ〜ロと〜の間〜にはぁ〜〜っ」
という替え歌が響いていることは誰も知らない・・ (* ̄∇ ̄*)



汁は鯖節?のような強い味わいで
甘さも強めだが全体のバランスのいい汁。




さきほどまであれだけ混んで、あきらめて帰るお客さんも多かったのに
今はラストオーダー後の静かな時間。

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手挽きの蕎麦粉がどのお蕎麦に使われているのか結局わからなかったのだが
「毎十五食」限定という「田舎蕎麦」だったのかな?


今度行った時もし空いていたら訊いてみようっと(^o^)
(ついでに、幻らしい「大盛り」の実態も!)

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2014年03月16日

長野・軽井沢「ささくら」


石畳の道に面した、昼も夜も大人気のお蕎麦屋さん。

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追分宿の旧道にあるので昼間は観光客が圧倒的に多いが
夜は地元の人率がかなり高そうである。
21時までやっていてくれるのは本当にありがたい。
入り口ののれんには
「あなたのそばに ささくら」
と書いてある。




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古民家を改造した店内は今夜も大賑わい。
家族連れやら地元の人らしきグループやらで
活気があって楽しい雰囲気だ。

カウンター内の壁にはお酒の瓶がずらりと並べてあり、
おつまみも豊富なので皆で集まって飲むのにもぴったりなのだろう。



「お刺身盛り合わせ」
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つい先日聞いた
「長野の寿司屋は海が遠いので命懸けで仕入れてくるから美味しい」
という話が面白かったのでとってみた。
真鯛の昆布締め加減が美味しく、
バチマグロも酸味なくたしかに新鮮(^o^)



「スジと豆腐の煮込み」
を頼んだら残念なら今日はもうなかったのでこちらに。
どーーんと大きなお鍋でやってきました。

「豚もつ煮」
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もつが大ぶりで嬉しい♪
味噌煮ながら甘すぎない濃すぎない味付けがとてもおいしく、
お鍋が大きいだけにボリュームもあって大満足。


「ささくら」はお酒に合いそうなメニューが沢山あるので
次のメニューは
「サバの一夜干し焼」にするか
「カレイの一夜干し焼」にするか
「ハーブ鶏の塩こうじ焼」にするか
あれこれ迷った挙句ここに着地!

「スモークサーモンハラス焼」
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どっひゃー 思った以上のすごい脂、ジューシーさ!
これは・・私が酒豪ならこれだけでどれほど飲めちゃうだろう(^^;;)
ただのサーモンハラス焼ではなく「スモーク」であるところが
燻製好きの私には魔法のように美味しい。
ああ燻製万歳・・・



「ざるそば」
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大きな陶皿の上に
ひろびろ豊かに気持ちよさそうにひろがってやって来た。

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ぱっと見は、割と普通?に見えたのだ。
しかし・・よく見るとありそうでないかすかな透明感と、
ほんの少しだけ褐色を帯びているところに静かな魅力を感じる肌。

いかにも二八らしい、甘くやさしい香りを濃厚にまとい
舌触りはムッチリしっかり。
しかし食感は軽く味わいもあっさりなのでするするっと食べられて
これは飲んだあとにもぴったりだろう。

「ささくら」の蕎麦は自家製粉。
今年は軽井沢産と南相木産のものを使用しているそうだが
これはどちらかな?ブレンドかな?



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蕎麦湯の時になってはじめてつけ汁と仲良くしはじめる私。
「ささくら」の汁はカツオがよく効いた薄口で
個性的ながら美味しい汁だ。



店内では、先程までカウンターで一人飲んでいた男性が
もうすっかりこっち向いちゃって
真ん中のグループ客とお友達になっている。
地元の人同士知っている人が重なっているらしく
誰かの名前を出しては大笑いして実に楽しそうだ。

向こうのグループはいよいよ蕎麦タイムとなったらしく
一人が全員に何の蕎麦にするか決めろと呼びかけている。
結局みんな同じになっているところが酔っぱらいらしくて可笑しい。


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この店の夜は、いつもこんなふうに更けていくのだろう。

私は、隅っこのヨソモノながら
この古民家で今のんびり蕎麦湯を飲んでいる時間を
とても幸せに思った。






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こういうのだいすき



posted by aya at 08:55 | Comment(6) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月05日

長野・上田「いちや」(いちや×る庵)


上田菅平インターからすぐの住宅街にある「いちや」。

住宅街の奥の普通〜!の民家がお店なのだが
「生活感あふれる自宅を改造してお店にしました」
という感じはない。
店主は店としてその家を選び、
ひろびろと、穏やかに営業している。


私は以前上田が誇る超有名パン屋さん「ルヴァン上田店」併設のレストランで
ライブをさせて頂いたことをきっかけに「いちや」さんと知りあったのだが
お蕎麦もお料理も、どこまでも自然なまま洗練された店主のセンスに驚いた。
出会いというもののありがたさ、深さを思う。


そして今夜は、その「いちや」さんが
「ルヴァン代々木八幡店」奥の秘密のスペース「る庵」にて
三日間限定で「出張いちや」を開店しているということで
張り切って予約してやってきました〜


もう「ルヴァン代々木八幡店」は閉店している時間。

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こっそりおじゃました気分の「る庵」。
ひえー、「ルヴァン」の奥に、こんな楽しい場所が隠れてたんだ!!
炬燵に柱時計に和箪笥・・・ 泣けます。
エンケンさんに見せたいなあ〜(>_<)♪♪

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本日のメニュー。
「いちや×る庵」と題されている。

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和紙に印刷されたこのメニュー表をつくったのは「る庵」さん。
かすかな桃色のラインが効いている。
さすがのセンス、素敵!




まずはこんなふうに始まりまして

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付きだし
「独活のきんぴら」
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「アボカドおろし和え」
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どちらもシンプルだが隅々まで行き届いた美味しさ!
あらためて、今日ここで「いちや」の料理に出会えたことに感激する。
アボカドのおろし和えは緑大根という地元の大根のおろしだそう。


「五人娘 生酛仕込み 純米」
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「ルヴァン」店主の甲田さんもおすすめのお酒。
私にはなかなかオトナな味わいだが
お料理が美味しいのでつい舐めてしまう。今日は危険ですよ〜(^^;;)
添えられた「芹」がまた美味しい。
すばらしい自然の香りが口の中にやって来た。



朱塗りの椀に胸がときめく。
中に何が控えているのかなあ〜とわくわくする。
日本の器は素晴らしい。

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椀盛
「自前ねぎの粕汁 春菊のせ」
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蓋をあけると、こんなご馳走が控えていました。
「いちや」店主が近所の畑で育てたネギ、とろっとおいしい〜



刺身
「信州産鹿肉たたき 自家製味噌」
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信州で最近知り合った猟師さんから直接仕入れているという鹿肉。
これがものすごーーーーーくおいしくてビックリ!!
ねっとりと密な舌触り。
そしてこのじわぁ〜〜んとした味わい深さ、ほんのりした甘さはなんでしょう・・・
鹿肉はもともと好きだけどこんなにこんなにおいしかったっけ・・?
盛り付けも素敵でただ恍惚。


煮物
「新玉ねぎ蒸し煮 そばの実 菜の花飾り」
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今回の器は「いちや」のものではなく「る庵」のものだが
それぞれの料理に合わせた趣向が楽しい。
新たまねぎの甘さに菜の花の香りがさわやかさを添えている。



「ルヴァン」店主の甲田さんが
ソースを付けて食べる用にパンを持ってきてくれちゃいました!
でもルヴァンのパンは美味しすぎるので結局パンだけで食べてしまった私・・・
お蕎麦もパンも、どうしてこうなっちゃうのでしょう(^^;;)

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こうばしさとかすかな酸味、噛むほどに味わい深く
「ルヴァン」のパンはやっぱり特別!大好き!





「かきオイル煮、わさび菜」
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「いちや」の料理は素材の味がそのままなのが本当に素晴らしい。
簡単なことのようで、なかなか出会えないものなのだ。
牡蠣もわさび菜も大好物ゆえ、嬉しく大切にあじわう。


「のりれんこん」
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生のりと和えるとこんなふうに赤くなるそう。おもしろーい!
こういう料理にも余計な甘みが一切ないのが「いちや」の素晴らしいところ。
和食において「甘み」というのは本当に難しいものだと思っているので
「いちや」のバランスにはいつも唸らせられる。



「豆腐の塩麹漬け」
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これまた驚きのアイディアメニュー!
濃厚で深〜い味わいと、チーズなどとは違う後味の軽さがたまらない。
こんな絶品のアテがあったらお酒なんていくらでも飲めちゃいますよ!(口だけです(^^;;))。
上に散らしてあるのはエゴマ。




箸洗い
「つけもの」
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日本は美しい国だなあ、とずっと眺めていたくなるような盛り付け。
しかも牛蒡と蕪と鶉って・・素材のチョイスが素晴らしい!



そば
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きゃー きちゃった!
いよいよついに、数年ぶりの「いちや」のお蕎麦!


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明るい肌、端整な細切り。
たぐりあげるとふっとさわやかに墨のような渋い香りがただよう。
口中で感じる輪郭線は角張らず何処か丸みを感じる上品さで、
女性的な印象すらある。
すべすべした肌を噛みしめると程よいコシが迎えてくれ
さっぱりした味わいがスッとひろがる。

以前は長野の蕎麦だったが今日は北海道の蕎麦だそう。

ああ 東京で「いちや」のお蕎麦に出会えるなんて・・・
「いちや」さん「る庵」さん、本当にありがとう(;_;)



菓子
「そば豆腐」
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蕎麦豆腐の上に生姜の蜜煮と黒糖。
すごい、冬でも温まりそうな最強のヘルシーデザートだ!



茶道もたしなむ「いちや」店主らしく、最後は薄茶で〆。


懐かしくて 嬉しくて 楽しくて
夢のようなひとときはあっという間に終わる。



でもこの夢の夜には、後日談がありまして。

うひゅひゅひゅ・・・
訳あって「いちや」のお蕎麦は今後さらにもっと進化しちゃうんです! (≧∇≦)/
ああ早くまた上田に行きたいー!


今夜の「る庵」のほっこりレトロな雰囲気も最高だったが
上田の「いちや」の雰囲気にも想いを寄せる。

山の空気。
縁側と大広間。
懐かしいような民家で出会う「いちや」の美しい料理の数々・・



「上田菅平インター」と聞いたらピクッとお耳を立ててくださいね♪
降りたら「いちや」がありますよ〜(^o^)





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(お薄♪)


posted by aya at 17:37 | Comment(4) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月04日

長野・茅野「そばのさと」


諏訪インターからすぐの、152号線沿い。

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国道に面している上に店も大きくて立派なので
ぱっと見た感じでは手打ちのお蕎麦屋さんには見えない。
チェーンの和食屋か何かのような印象で
そこでお蕎麦も出しているのかな?くらいに思われてしまいそうである。


ところがどっこいこの「そばのさと」、
攻めに攻めている物凄い手打ち蕎麦屋さんなのだ。


まず入り口にあるこの蕎麦メニューの攻めっぷりをご覧頂きたい。

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特に圧倒されるのは「どうづきそば」の写真で
目が覚めるような物凄い粗碾き、ザックザクのツブツブ肌のアップの写真に
「今までの常識を破ったまったく新しい製法のそば切り」
と書いてある。

その他
「粗きりそば」(限定品)
「玄挽きそば」(日替り限定品)
「変わり更科」(日替り限定品)

日替わり限定品もあるにせよ、これ以外に二八の「ざるそば」もあるので
今日は何種類のお蕎麦が食べられるかな〜?(^o^)


広々と綺麗な店内。


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メニューを開くとドカーン!

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えっ さっきの物凄いザクザクツブツブ蕎麦、十割だったんですか!
あんな物凄い粗碾きを十割でつなげるってどんなんだ!!
しかも、せ、せんろっぴゃくえんって・・ ホントに?



お店の人に聞いてみると今あるお蕎麦は
「どうづきそば」
「粗きりそば」(限定品)
「ざるそば(二八)」
らしい。
(もちろんその他、種ものや丼ものはありますよ!)


今あるお蕎麦は全部いきます!全部ください(^o^)!

「どうづきそば」
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うおー、写真通りのすんごいザクザクツブツブ肌!
しかもアレレ、天ぷらがついていますよ?
1600円にはびっくりしたけど「どうづきそば」は自動的に天ぷら付きなのでした。


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見れば見るほどものすごい肌!!
粗碾きの大きな粒がポコポコと、ネコヤナギの芽のように輪郭線から飛び出している。
たぐりあげると甘〜い、極上の米のような香り。
ザラザラを通り越して大きな粒を口中でも感じる初めての舌触り。
これが全部蕎麦粉でできているなんて凄すぎる、面白すぎる。
1本1本はかなり短く切れているのだが、それよりも
これだけの大きな粒がよくつながっているなあーと感心してしまう。
食感は固めだが口の中で暴れる感じはなく、かみしめるとじんわりそのまま切れる感じ。
そこからほんのり甘い上品な味わいがこぼれ続ける。
すごいなあ、ものすごい攻めっぷりだなあーー!
国道沿いの外観からは想像できない世界だ。




「粗きりそば」(限定品)
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「どうづきそば」ほどではないが
これも十分にすごい粗挽き!


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明るい肌に浮かぶ白い陽炎のような蕎麦の粒子。
いびつに揺れる輪郭線。
ビックリ尽くしの「どうづきそば」よりこの「粗きりそば」のほうが
落ち着いてその美しさにうっとりできる気がする(^^)。
こちらは「どうづきそば」より野性味のある、青い葉のような、お茶のような?
爽やかな香りをふわぁ〜・・とまとっている。
食感はしっかりめだが「どうづきそば」よりはやややさしくしなやかさもあり
その中に粗碾きのツブツブ感が感じられるのがとても美味しい。


しなやかで長さもしっかり長いので
一般的には「どうづきそば」よりこちらの方が人気がありそうだが
なにより私は、「どうづきそば」へのあのストイックな挑戦が凄いと思う。
店の営業のことを考えれば普通の二八のお蕎麦でもっとたくさんの種物を作ったり
セット物とかをやったりするほうが絶対にいいはずなのに
店主は「蕎麦への挑戦を続ける人」なのだ。
1600円出してあの一風変わったお蕎麦を食べようという人は多くはないと思うし
天ぷら付きですよとメニューに全然書いていないところにも
不器用さのようなものを感じてしまい、つい応援したくなってしまうではないか。


「ざるそば(二八)」
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今までの2つの蕎麦にはなかった、ムワァ〜と甘くたくましい蕎麦の香り。
見るからにこれが今までで一番しなやか、やわらかそうかな?
と思ったら大間違いで、はっきりとした固めの食感。
口の中で1本1本が暴れる感じすらあるしっかりした蕎麦だ。
蕎麦だけでそのまま食べると固めでコシがなくぷっつり噛み切れる感じの食感だが、
汁に付けてみるとアラ不思議、突然しなやかな印象になるのが面白い。

また「そばのさと」の蕎麦にはどれも「水そば」がついてくるのが特徴だ。
融通の効かない私はどうしても蕎麦は蕎麦だけで食べたく、
水すらも「蕎麦と私の二人の世界に入り込んでくる人」とつい疎んでしまうのだが
もちろんついているものはありがたく頂きました。
3種類とも、水につけると香りが消え、ギュッと締まってさらに固めの食感になり
汁につけた時との食感の違いにビックリ!
こんなに違うものなのかあ〜 面白いなあ〜



八ヶ岳山麓産、地の蕎麦だけを使い
こんなに凄い挑戦を続ける素晴らしいお蕎麦屋さんが
諏訪インターからすぐの国道沿いにあり、茅野駅からも近く、
しかもしかも、しかもですよ・・・!

「中休みなしで20時過ぎまで営業!!」

インターから数時間の山深いところにあったり、
「お昼で終わり」や「売切仕舞」というお店も多い長野において
この便利さ、ありがたさは筆舌に尽くし難い。


次回は「玄挽きそば」も是非食べたいなぁ〜〜〜



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2014年01月31日

長野・小布施町「せきざわ」


雪の中に佇む名高き名店。
 
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今夜は偶然のタイミングとは言え、なんと「せきざわ」を独り占め出来てしまった。
混雑時は数十人待ちもザラな店だけに、なんという贅沢!


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玄関を入ってすぐの待合のような空間から店内を見る。
そう、待合スペースが必要なほどの店なのだ。




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静かな雪の夜。

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「せきざわ」の蕎麦は、
自家栽培(信州栄村)や契約栽培の蕎麦を手狩り、完熟、天日乾燥させ
それを低温貯蔵し、自家製粉したもの。
書くは易いが気の遠くなるような手間のかけられた蕎麦なのだ。

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まずは、「せきざわ」では必ず頼みたい「手挽きそばがき」から。
あの愛しいそばがきに対峙できる今宵のありがたさ、嬉しさときたら・・・

「手挽きそばがき」
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身を寄せ合う姿がなんとも可愛らしい。
でもさらに見入ってください、見つめてください。
「せきざわ」の「手挽きそばがき」の超絶肌!!

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どろ〜り、ギリギリで形を保っているような極粗挽き肌。
網ですくって器に取り分けただけで、テーブルに香りがふわぁー!
フレッシュな、青い、しかし野性味というほど暴れていない、
出会ったことがないほど上品なフレッシュさ。
こんっな素晴らしい香りがこんっなにふんだんに香ってくれるなんて・・

口に含むと姿の通りのどろどろ〜
極粗挽きゆえつぶつぶ感も大変楽しく
つぶつぶどろどろ〜としているのにほわっとエアリーな感じもしっかりあり
エアリー過ぎてシュワシュワした感じすらある。
この食感はすばらしすぎる。恍惚過ぎる。

つけて食べるように「自家製味噌」や「つゆ」も添えられてくるのだが
それは一生絶対につけられないほどそばがきが美味しい!!!
お味噌はあとでそれだけで美味しくいただきました(^o^)



「おまかせ」
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「鴨ロース」「出汁巻き卵」「蓮根まんじゅう」
「二十日大根」「田んぼで採れたセリ」「にしん」 

出汁巻きは上品な薄味ながら甘みはしっかりあるタイプ。
蓮根まんじゅうが揚げたてで香ばしくて美味しい!
田んぼで採れたセリのおいしさにも感激。大地の香り。



いよいよ、心澄ませて、蕎麦。


「生粉打ち」
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ひろびろと美しい木の空間と蕎麦の景色。
静けさが際立つ瞬間。

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わーっこれは!!
そばがきとまっったく同じすんばらしい香りである。
繊細な極細、1本1本がちゅるちゅるちゅるりと超みずみずしいが
こういうみずみずしいタイプの蕎麦にはありえないほど香りが濃厚である。
ちゅるちゅるだが、1本1本が非常に繊細で大切な印象。
みずみずしいせいか味わいはごくさっぱりと感じられるが、
とにかくひんやりと清澄で、しかも香りが濃くて、最高の美味しさ!!





「磯切り」
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さすがは磯切り、鮮やかな緑。
これまた極細ゆえ重なりが密なのか、
なんだが全体が小さくギュッとくっついたような印象の小山盛り。

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新海苔がはいっているというので
青海苔のようなはっきりした香りがプンプンの蕎麦を想像したが、意外や意外。
さきほどの生粉打ちの上澄みだけのような清澄な香りに
磯のヴェールをふわりとかけた程度。なんというニクい美味しさ!!
「磯切り」というより「磯の風切り」とでも呼びたいような。
この蕎麦は、噛めないほどの強靭な食感だったのがまた面白い。
一本一本断面が丸いイメージの輪郭を持ち、ちゅるんっちゅるんでものすごい強靭さ。
すっきり薄口の汁につけるとこれがまたドンピシャリ合っていて美味しい〜。


「あら挽き」
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またまた全く同じ、美しいフレッシュな香りに感激!
「同じ蕎麦なら同じ香りで当然なのでは」と思われるかもしれないが
同じお店の同じ品種の蕎麦でも、
挽き方や打ち方で香りの方向性が違って感じられるのはよくあること。
しかし「せきざわ」ではすべて「この香り」という、同じかぐわしさをピタリ突いてくる。

同じとは書いたがこの「あら挽き」は
先出の「そばがき」や「生粉打ち」よりさらに白い粉の夢のようなすべすべしたイメージ。
(いつもながら私の感覚、表現って・・(^^;;))
粗挽きのざらつきはあるがみずみずしいので全体としてはすべらかで、
なによりもちっとした食感が美味しい。
しろく美しい味わいがしろいもちもちのなかでひろがる恍惚・・・



お馴染みのオリジナル湯桶。

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蕎麦湯はナチュラルだが、底に濃いところがあって嬉しい。
今は誰もいないが、それまでは混んでいたことを伺わせる味わいの濃さである。



雅やかなネーミングのデザートも、おいしそう♪

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2013年07月10日

長野・山形村 唐沢地区「石碾き蕎麦 水舎」


上高地の玄関口とも言われる場所に
「唐沢地区」という蕎麦集落がある。

乗鞍に家族のような知人がいる私には
乗鞍から松本に戻る途中ひょいと寄り道するエリア。

田んぼの奥、畑の奥をどんどん入っていくと、
突然目まぐるしいほど蕎麦屋の看板や幟だらけの蕎麦街道に突き当たる。

江戸の昔から唐沢川の水を利用した水車がここにあり
祭り時には蕎麦粉を碾き蕎麦を振舞う習慣があったという歴史ある蕎麦集落なのだが
うーーーん あまりにもお蕎麦屋さんが密集していて決められない!!
     
って実は今日はもう決まってるんですが(^^)



大好きなフィトンチッドの中に
ゆったりと佇む「石碾き蕎麦 水舎」。

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自家製粉石臼碾きの手打ちで
「粗びき蕎麦」「十割蕎麦」「八割蕎麦」「吟上蕎麦」
と4種類も蕎麦があり、
繁忙期は25台の駐車場もいっぱいになる人気店。
なんとこの山の村に行列までできてしまうのだ。


とは言え今日はぬかりなく(?)曜日も時間も外しに外して来ましたので
静かな「水舎」を独り占め!
(「水舎」は珍しく10:30から20:00まで通し営業なのが泣けるほど有り難いお店なのです)
  

独り占めにつき今日は奥の大広間ではなく入ってすぐのテーブル席に案内されました。

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まずはお漬物がないとどうにもなんにも始まらないのが長野です(^o^)


「天ぷら」
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海老、茄子、エリンギ、紫蘇、かぼちゃ、
そしてこのモチーとした野沢菜味のものは何かな?と思ったら、
「野沢菜おやき」の天ぷらだった!
衣の中にこっそり隠れた郷土性、楽しいなあ。


「トロ馬刺し」
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あまり肉の脂が強いものは苦手な私だがこれは適度なトロぶりがとても美味しい。
肉質はぽってりやわらかいが噛み応えがあり
噛むほどに贅沢な甘みと味わいがぎゅううとひろがる。
小さい一片をいつまでも噛んでいたくなる。
おいしい〜 こういう馬刺し大好き〜


あっ 「根曲がり竹」のメニューもあったんだ
気付かなかった・・(>_<)

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3月に秋田・仙北市の「そば食べくらべの会・タベクラーベ」で食べて美味しかったから
今日も食べたかったなあ〜
でも今日は早く東京に帰らなくてはいけないのでガマンガマン。


早く東京に帰らなくてはならない身ではありますが
4種類あるお蕎麦はもちろん全部食べます(^O^)

きゃほ〜〜〜〜〜♪

「粗びき蕎麦」「十割蕎麦」「八割蕎麦」「吟上蕎麦」
を運ばれてきた順に、いきますよ!


まずは「八割蕎麦」から。

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「八割蕎麦」
挽きぐるみ石臼挽き蕎麦粉八割の田舎蕎麦(メニューより)
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やや透明感のあるつややかな肌に黒い小さなホシ。
見た目からして熟成かな?と思ったがそうではなく
ちょっと北海道の蕎麦を思わせるような野性的な香りを濃厚にまとっている。
食感はごく軽く柔らかく、ふにゅんふにゅんとしたコシが印象的だ。
なんだかペロッと食べられちゃいますねえ〜
(蕎麦ならみんなペロッと食べちゃうくせに何の寝言か)




「十割蕎麦」
挽きぐるみ石臼挽き蕎麦粉十割の生粉打ち蕎麦(メニューより)
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十割だけに先程の八割よりも密度濃く、
直線的な輪郭線が大胆な印象の蕎麦。
野性的な強い香りは在来種のたくましさを思わせる。
この香ばしさいいなあー!
十割と思えないようなしなやか食感で、噛みしめるとなめらかなコシがあり、
そのたびに味わいがずんずん深まる。濃く、口の中にひろがる。
おいしい・・ しあわせ・・・




「吟上蕎麦」
蕎麦の実の中心部分を多く使った、特にコシがあり透明感のある白っぽい蕎麦(メニューより)
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更科としてはかなり色が濃い、黄色味を帯びた蕎麦。
むわあ〜と熟成の香りに満ちているが
つるり繊細、束感ここちよくしなやかなコシがあり
つゆとの相性もいい蕎麦だ。


店員さん、なんだか次々お蕎麦を運ばせてしまいすみません〜(>_<)
この建物は旅館のように大きく、しかもこの部屋は厨房から離れているため
長い廊下を運んでくるのは実際かなり大変。
しかし若い男性の店員さん達のキビキビ素早い対応は
さすが繁忙期に押し寄せるお客さん達をもてなしているプロだ。




「粗びき蕎麦」
北アルプス山麓の高地で栽培された玄蕎麦を用い星の多く残った超粗挽き八割蕎麦(メニューより)
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透明感のある柔らかそうな肌。
姿からしてこれも熟成かな?と思ったらやはりであった。
むわぁとした熟成の香りと強い野性味ある香りが濃厚に入り交じっている。
粗びきと言っても口の中では粗碾き感はさほど感じず、
やわらかくやさしい印象のほうが強い。
ピンと強い味わいがこれまた濃厚である。



今回は特にお客さんの少ない時期だったが
トップシーズンはもっと全然違う印象なんだろうな〜


まあいつもの「中くらいの」季節に、

また来ますね〜!




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2013年04月19日

長野・姫木平「利休庵」


3月某日。雪解けの白樺湖付近。

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湖畔からも近い152号線沿いにある、
なんとも可愛らしい茅葺き屋根のお蕎麦屋さん。
「利休庵」は、あるメニューで有名な人気店だ。


どんなメニューかはあとでのお楽しみにして、
まずは入ってみましょうか〜

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囲炉裏調のテーブルに石油ストーブ、パッチワークの椅子カバー。
ほっこりあたたまる雰囲気の店内。


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片隅には漫画コーナーもある。
そしてなんといっても、
「本日のサービス品」というセルフサービスのおかずコーナーが素晴らしい。

「手作りえのき」
「野沢菜漬け」
「紅心大根と白かぶの甘酢漬け」
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「利休庵」で食べられる野菜のほとんどは、自家栽培の有機野菜。

広大な自家農園(約4000坪!)において
農薬はもちろん化学肥料も一切使用しない、自然農法で栽培されているのだ。

そんな自家栽培野菜を「セルフサービスでどうぞ」なんて・・
ううっ そんなの、心温まっちゃいますよ・・・



その上お蕎麦は3種類もある。

「もり」
「十割そば」
「ダッタンそば」

この店で特筆すべきは「ダッタンそば」。
通常「ダッタンそば」と言えば中国産がほとんどなのだが
「利休庵」の「ダッタンそば」はなんと地元・長和町の地蕎麦。
農家の方々が町の名産品にしようと栽培を始めたという
「信濃霧山ダッタンそば」なのだ。
これは絶対にハズせないではないか。


でも三種類全部だとさすがに多いので
「十割そば」を一枚と、
「もり」「ダッタンそば」は「二色もり」にしてもらおう。
そして「十割そば」はかき揚げつきの「かき揚げ天ざる」にしてもらおう!

ちょっとちょっと、
なんで「量が多い」と言いつつ「かき揚げ」をつけるのかって・・? 

それはこのかき揚げこそが、冒頭で紹介した
「利休庵の名物」だからです!

さあみんなでびっくりしましょう、

ドッカーーーン!!

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やっちゃいましたね店主さん・・・!

どういう経緯でこの標高に至ったのかは知らないが、
ここまでやるか、の天突く高さである。
その高さ、およそ14cm!

海老、かぼちゃ、ごぼう、玉ねぎ、春菊。
がっつり食べ応えある「宝のタワー」、楽しすぎるー!!


「十割そば」
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この私ですらつい「かき揚げ」の方に目がいってしまう眺め・・


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浅間山と八ヶ岳の蕎麦粉のブレンドという「十割そば」。
香りや味わいは淡くさっぱりとして、
キンッと清冽に冷水でしめられた肌はムチッと密な固めの歯ごたえ。
これがまたかき揚げと一緒に汁につけて食べると
歯ざわりがやさしくなりこのすっきりした味がよく合って
ひじょ〜〜〜においしい。これはベストコンビネーションです!


「二色もり」
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「もり」
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見た目は十割よりやわらかそう、繊細そうでだいぶ違うのだが
不思議なことに食べた印象は酷似している。
すっきりさっぱりの味わい、固めの歯ごたえ。
しかしこちらは食べ進むうちに
いかにも二八らしい粉の甘い香りと味わいが濃厚になってくる。
面白いなあ〜


「ダッタンそば」
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ダッタンそばは色が濃いものだが
これはまた驚くほど鮮やかな黄色である。
今までの2種とは違ってやさしく、どこかはかないようなコシ。
そして何より、ダッタンそば特有の苦みが少なく
滋味深い素朴な味わいがとてもおいしい。
ダッタンそばは苦いとか美味しくないというイメージを持っている人でも
このダッタンそばなら美味しいと思うんじゃないかな?

これは是非、農家の方々には頑張っていただいて
長和町の名産にしてほしいものだ。
中国産ではなく「信濃霧山ダッタンそば」なんて素晴らしいではないか!
血液サラサラの味方、ルチン80倍だしねっ(^o^)




ふと窓の外を見あげれば
日本の春の景色、「干し大根」が。

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ああ いいなあ 
和むなあ


と視線を下ろしてきたら、

ん?


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この私の目の前の、もふーとしたものはなに?

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わわわわ

全然気がつかなかった!そんなところにいたの〜〜♪?


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た たまらない・・・

いっしょに眠ってしまいたい・・・



すっかりほにゃほにゃのところに、仕上げの蕎麦湯。
通常のものと、ダッタンのものと2種類出してきてくれた。

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色の違いが凄い!
ダッタンの底にたまったところはまるっきり卵の黄身のように
濃い黄色のドロドロでびっくりしました〜



ああたのしかったー、とお店を出たら
さらなる出会いが待っていた。


一歩、二歩、三歩あるいて

ふと右を見ると

わーーーっっ


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キミ さっきからそこにいた!?

キミはちょっと子犬さんだね!?

甲信越地方だけに甲斐犬の血も入っているんじゃないかい???


かかかかわいいっ・・・・(>_<)
日本犬好きの私にはたまらなすぎるかわいさ!!


「好きな犬を見ても騒がないこと」という家訓?を忘れ、つい騒いでしまい


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「この人間・・なんじゃらほい?」

と首をかしげられてしまいました・・(^^;;)





奥の窓辺にはさっきのにゃん太郎もいて、



春風が きもちいいねー



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2013年03月18日

長野・松本「蕎麦倶楽部 佐々木」


久々に、目が覚めるような思いをした。

人気の店にはワケがある。
面白いなあー!


観光地だけあって、松本には実に蕎麦屋が多い。
すぐに名前が挙がる有名店だけでも相当あるし
行く度に「えっこんなお店もあったんだ!」と
私は嬉しい悲鳴で大忙しである。

「蕎麦倶楽部 佐々木」は
有名老舗「手打ちそば こばやし本店」の数軒隣というすごい立地。
周囲は飲み屋や飲食店が点在するいい雰囲気のエリアで
石畳で整えられた裏路地は、ほろ酔いそぞろ歩きにもってこいだ。

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なまこ壁がアクセントの外観。

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純和風でありながら洗練された「新しさ」を感じさせるセンスの良さ。
いい外観だなあー、この外観だけでも入ってみたくなっちゃうよなあー
としばし見惚れる。

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本日のそばの実 「麻績日向」。
聞いた事ないけれど、
松本の北に位置する麻績村(おみむら)のあたりで採れたお蕎麦かな?
楽しみ〜♪

夜の部は18時からの「蕎麦倶楽部 佐々木」。
私は18時の開店と同時に入ったのだが、
驚くべきことに私が席について5分もせぬ間に
お客さんが入ってくるわ入ってくるわ、
あっという間に店内はほぼ満席となってしまった。
それもカウンター狙いの常連さんが多いらしく
皆さん慣れた様子で「いつもの」を注文している。

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人気のカウンター内を観察すると、確かに面白い。
シングルモルト好きという店主だけあって
グレンリベットやマッカラン、ボウモアなどスコッチのボトルが勢揃い。
その他バーボン、コニャック、ワイン、泡盛などの他
日本酒は木曽・湯川酒造の「十五代九郎右衛門」が専門店並に揃っているのが
長野らしくていい。
そして黒板にはいかにもお酒に合いそうな本日のおつまみが
ぎっしり書かれている。

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よーし、せっかくですからテーブル席の私も、
伸び上がって目を凝らして黒板メニューの中からおつまみを頼んでみよう!

一番上に書かれていた、
「豚肩のソテー」
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こ〜れ〜が〜!
見た目も嬉しいが食べてビックリのブタカタソテーなのですよ。
写真からもお分かりかと思うが、柔らかジューシー!みたいな
ごはんのおかず的なソテーではなく
ギッチリコッチリ旨みが凝縮、かめばかむほど味が出る、
どうにもこうにもお酒のおつまみなブタカタソテーなのだ。
お店の奥さんに訊いてみると「焼く前にちょっと燻煙をかけてるんです。簡単ですよ〜」
と親切に教えてくれた。
添えられたサラダにはこれまたお酒に合いそうなチーズのドレッシングがかかり
焼きネギの自然な甘みがまたいい。
ちょっとちょっと、これは呑兵衛にはたまらなすぎるおつまみでしょ!


そしてこれは定番メニューより

「そばがき」
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珍しいほどの超濃厚ポタージュ蕎麦湯の中に浮かんだ姿にもまず驚いたが
さらなる驚きはこのあとにやってくる。

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これだけ、いかにも香りそうなそばがきだけに
「さぞや素敵な蕎麦の香りがするだろうなあ・・!!」
とワクワク顔を寄せたのだが・・
あれ?今厨房でジャーッと調理してるものの香りがここまで強く漂っているのかな?
出汁の香りしかしない・・さっき注文が入った「サンマの唐揚げ」かな?

一口、口に含んでビックリ。
なんと蕎麦ポタージュ部分にはあらかじめ蕎麦汁が入っているのだ。
それだけで単なる「そばがき」を超えて東欧の豆のスープか何かのような
存在感を持ってくるから不思議である。
おそらく蕎麦汁しか入っていないと思うのだが、あまりの濃厚さに
バターか何かが入っているような贅沢な錯覚を覚えるほど。
蕎麦の香りや味わいはほとんど感じられないのは
私のような蕎麦蕎麦蕎麦虫にはやや物足りなかったが
これまたお酒のおつまみとしてはすんばらしい「そばがき」である。
面白いなあー!


そしていよいよ、お蕎麦〜♪(^o^)
「蕎麦倶楽部 佐々木」のそばメニューはもりそば1000円からなので
かなり高級イメージ。
本日は「そば粉九割二分で打ちました」とのことである。

「もりそば」
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おお〜
ホシいっぱいの黒っぽい肌、いかにも香ってくれそう!

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極細、ザックザクの粗挽き肌。
食感はややネチッと粘性があるが繊細な極細のため気にならず
かえってその食感がジャッキジャキの粗い粒感を程よく優しくしてくれている感じがある。
見た目は柔らかそうだが舌触りはしっかりはっきりとしていて
いびつで粗い輪郭線は手びねりの陶器のようだ。
香りにも味わいにも甘みがないのが硬派な印象。
墨のような渋い香りがじわーと低く漂っている。

ちなみに「蕎麦倶楽部 佐々木」は蕎麦汁も甘み少なく硬派な印象なのだが
それがやたらと美味しい。
最初はちょっと個性的な汁に感じたのだが、私は大いに気に入ってしまった。
あの出汁には何か魔法があるぞ!(^^)


そしてこの店では欠かせないメニューではないだろうか、
「鴨つけそば」
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この出汁がまた何だかやたらと美味しい。
本鴨だという鴨が大きくゴロゴロ入っていて嬉しい。
ネギ好きとしてはネギいっぱいなのも嬉しい。
そしてこの鴨汁につけるとここのお蕎麦の食感は一段と良くなる。
これは美味しいメニューですよ〜〜〜
もりそば1000円とつけ鴨そば1500円だったら
断然こちらがお得な感じがしちゃうなー!おすすめです。


店内の壁にはオペラのステージ写真が絵画のようにたくさん飾られていて
訊けばサイトウ・キネン・オーケストラ演奏のものだった。
そうだ、ここは松本、サイトウ・キネン・フェスティバルの地だった。
音楽好きらしい店主夫妻、
奥には真空管アンプもあったので素敵なBGMも楽しめそうだ。



くだけすぎず気取り過ぎず、
美味しいお酒を主役に「ちょっと上質な時間」を過ごす蕎麦屋。

開店と共にいっぱいになってしまう、
松本の人気店の「ワケ」をちょっとだけ垣間見た気がした。


面白い夜だったなあー






<おまけ>
近所には、こんな路地も・・これまた魅惑的でしょう?
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posted by aya at 01:49 | Comment(6) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月29日

長野・木曽町「時香忘」


山はもう冬支度。

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紅葉した木々は背伸びするようにして、
その最後の色を日差しに輝かせている。


今日は大好きな方々と、大笑い大はしゃぎのピクニック気分♪


森のトンネルに入っていくかのような、「時香忘」の入り口。

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一見簡素だが贅沢な建物だ。

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木曽らしく、「中乗りさん」とお通し。

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蕎麦以外のおつまみメニューは
「そばがき」「焼きそばがき」「自家製スモークベーコン」のみ。

しかも今日は残念ながら「自家製スモークベーコン」は売り切れなので
「蕎麦がき」「焼き蕎麦がき」「蕎麦」と、
もう私が蕎麦になってしまいそうな蕎麦づくし!
(いつものことでは・・・?)


「蕎麦がき」
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ギチッ ボソッ と極めて素朴で密な食感。
ふわとろエアリー、なんていうのとは対局にある蕎麦がきだ。
予想に反して蕎麦らしい香りと味は殆ど感じられず
「原始の食べ物」という言葉が浮かぶようなつつましさ。


「焼き蕎麦がき」
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香ばしく焼かれた「焼き蕎麦がき」。
こちらも蕎麦の香りはあまりないが、
焼かれた分、穀物の滋味深い味わいが感じられる。
甘みのない質素なイメージは「蕎麦がき」そのままで
ギチッ ボソッ とした個性はさらに強い。




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この器 すき。


「極粗挽き おやまぼくち もり蕎麦」
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来ましたー、「時香忘」のまんまる盛り(^o^)

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わ、わ、今日はまた大変に素晴らしい香り!
「国内で一番荒い蕎麦粉」とメニュー説明にあるザックザクの超粗挽き肌から
ふわ〜〜〜とただようかぐわしさ。
フレッシュで、野性的で、
それでいて美しく全てをまとめるようなまろやかな香りにしばし恍惚。
粗挽きの肌はザラザラながらぬるぬるでつるつるのため
流麗な食感を楽しむうち口中がひんやり鮮やかに洗われるよう。
噛みしめるとこれまたまろやかな穀物の味わいがあふれ、
香りはだんだんヨモギめいてきた。
下に敷かれている葉っぱのせいかと何度も確かめたがどうも違う。
あとから追いかけてきた山の香り。

うーん、今日は今まで4回程来た「時香忘」の蕎麦の中でも一番の感激!
大好きな方々と、木々に囲まれたこんなに場所でこんなに美味しいお蕎麦が食べられて、
もう心も顔もゆるみっぱなし。
しあわせだなあー


たくさん笑ってたくさんしゃべるとお腹も空きまして、
こんなのも頼んでみました。

「極粗挽き おやまぼくち いかすみ蕎麦」

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圧巻のまっくろそばすけ。
いか墨が練りこまれた蕎麦ではなく、
先程の「もり蕎麦」をいか墨で和えた蕎麦である。


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色が色だけにアップにするとものすごい迫力だが
味はさっぱりしたイカスミパスタのよう。
甘めの味付けにワサビがよく合い、これはお酒のおつまみにもぴったりな蕎麦だ。


「時香忘」でゆっくりお酒を飲みたい方は、
最初に「いかすみ蕎麦」をとっておつまみにする作戦、おすすめですよ〜





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入り口のギャラリースペースにあったライトにひとめぼれ。
かわいい・・(>_<)



2011年9月の「時香忘」


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2012年05月23日

長野・須坂市「手打ちそば処 小杉 須坂店」


蕎麦が好きな人の間では有名な店なのに、
意外と近所の人が名店と知らない蕎麦屋は多い。

住宅街の自宅改造店や都会の裏通りに隠れている店が気づかれないのは、
もともと目立たぬ立地であるからまだ理解もできる。

しかし、この店は、大きーい・・!!


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須坂インターを降りて数百メートル。
トラックがガンガン通る58号線沿いの、ファミレス並みに大きな店である。
だからこそ、名店と気づかれにくいのは理解できる。
私だってもし何も知らずに通りかかったら
「うーん、手打ちって書いてあるけど、どうかな・・?」
と訝しむかもしれない。




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54席のひろびろとした店内。
ここにお客さんが満員となったらさぞ壮観だろうが
その時店主は厨房で「千手観音」みたいになっているのではないか。

なにしろこの店主は、あとで紹介するような非常に繊細で美味しい蕎麦を
一日に何百食も一人で打ち続けてきたという
驚異の蕎麦打ち職人なのだ。
しかも蕎麦打ちはすべて独学。
というよりこの店主はなんでもかんでも「独学」で
常人の域を遥か超えた世界を作り出してしまう、
とても一回のブログでは書き尽くせぬ「超人」なのだが・・・

とりあえずお腹すいたので蕎麦、食べたいですよね(^o^)
食べよう食べよう!


ここのお蕎麦は3種類。
「霧そば」(十割・長野産の蕎麦粉100%)1200円
「雪そば」(御膳更科十割)800円
「並ざる」(十割そば)700円

3種類もあると嬉しい半面、「そばがき」も食べたい私は
「片腹痛い」じゃなくて「二腹あっても足りない」。
そんな時の強い味方が「あわせもり」!

今日は「霧そば」を堪能したいので「霧そば」を一枚。
それに「雪そば」と「並ざる」を合わせた「雪あわせ」を頼むことに。


「雪あわせ」(「雪そば」+「並ざる」)
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うわー「雪そば」、ほんとに雪のよう。


「並ざる」
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やや平打ちの、端整な姿。
穀物らしい王道の蕎麦のかぐわしさが
口に含んで「味わい」として舌に広がる。
最初空気のように香りのように感じられていた甘さや香ばしさが、
繊細なやさしいコシを楽しむうちに、
ジワーッとした「味」になって口に広がっていくのだ


「雪そば」
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目にまぶしいほどの白さ、肌の繊細さ。
更科というのはツマラナイものは大変ツマラナイのだが
これは全然ツマラナクナイことが見てわかる。
あなた、おいしいでしょう・・!!



空をとびましたぁー



極上の、おいしい更科は「天女の羽衣」のような香りがする、
と私は出会う度に思う。

「蕎麦の香りの、強さやたくましさや香ばしさや野性味をすべて取り除き、
 清澄な雪解け水で洗ってその上澄みだけをそっと空気にして空に放ちました」
みたいな。
(どんだけ頭が蕎麦に犯されているのか)

まあ私の頭のおかしいのは置いておいて、
おいしい更科はとにかく美しい香りがする。
つるんつるんの喉越しだけを楽しむそうめんみたいな更科とは別物である。

「小杉」の更科の天女の香り、
その「つるんつるん」ではなく「すべすべしとっ」した舌触り・・・
はああ おいしい・・・



そして待ってました!
楽しみにしていた、

「霧そば」
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遠目にわかる、美しい青緑。

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その青々しい姿にも感激したが
それよりもさらに、驚くべきかぐわしさ!

箸先にたぐりあげて香りをこちらに寄せずとも、
ふわあぁ〜〜〜と何とも爽やかな野生の香りが
周り中の空気を染めているが伝わってくる。
青い夏の草のような、たくましさとさわやかさを併せ持った香りが、
私を山の野原へ連れていってしまう。

コシは並そばよりもしっかりとして
噛みしめるうちに味わいと甘さがぎゅうう〜と濃くなっていく。
なんというか、味の中の、下を支えるたくましい部分が
どんどん濃縮されてくる感じだ。
あああ これは確かに、どこにもない蕎麦だ・・・



ちょっと順序が後先になってしまったが


「そばがき」
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ムハーッ (≧∇≦)☆
あたたかな香気・・・なんというかぐわしさ!
どちらかと言えば「並そば」に近い、
野性味というよりは王道のかぐわしさだ。
ぽてふわモチッとした食感もたまらないー




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時分時は繁忙を極める店だというのに
昼下がりともなれば
こんな独り占めもできてしまう。
この不思議、この贅沢。


さっきまでカウンターで酔っ払っていた男性は
相当この店を溺愛している常連さんのようで
近所の人かと思ったら東京の人だった。
面白いなあ。


食後は、才気あふれる店主の作品の数々を眺め
今食べた蕎麦の余韻に浸る・・・

と書きたいところだが、この店主の作品の数々は
今食べたあれだけ素晴らしい蕎麦たちを一瞬忘れそうになるほどの
ものすごい力を持っている。

店主が自分で作ってしまった店内の設いもすごいが、
なにより、自然を題材とした写真作品の数々。
店内にも幾つか掲げてあるが、
感動をわかりやすくパッと鮮やかに捕えた、
今すぐ写真集にしてもらって買って帰りたいような写真ばかりなのだ。
(特に鳥の作品が凄い!)

蕎麦打ちでも写真でも何でも独学で、
とんでもない高いところまで登りつめて
独自の世界を作り上げてしまう店主。


こんな名店が、58線沿いにファミレスのような顔をして
ドーンと建っている。

その意味で私はこの店を「目立たない店」だと思うのだ。





「手打ちそば処 小杉」長野店





.
posted by aya at 20:43 | Comment(2) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月12日

長野・戸隠「戸隠手打ちそば処 二葉屋」


蕎麦どころとしてあまりにも名高い戸隠。

戸隠高原に近づいていくともうそれこそ「そば」の看板だらけ。
なんと50軒近くもの「お蕎麦屋さん」や「蕎麦を出す宿」があるのだから
その悩ましさもどかしさと言ったらない。
なにしろこちらのお腹はひとつなのだ。

何度か来ているうちにお気に入りの店などもあるが
やはりいろんなお店に行ってみたいということで
今回は中社近くの、初めて行くお店である。


標高1200mの清澄な空気と、
「戸隠手打ちそば処 二葉屋」。

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店主は夜はショットバーを経営していると聞いていたので
古典的で立派な外観はやや意外だった。
しかも私はこちら側から行ったのでこの写真になったのだが、
実はこの写真は店の裏側で、正面玄関は反対側になっている。
裏側にもきちんと立派な玄関があるのだ。


5月に入っても戸隠の朝は寒い。
お店の人は、ストーブで部屋を暖めて、
お客さんを迎える準備をしている。

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長野のおもてなし、お漬物。

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二葉屋さんには嬉しいことにお蕎麦屋が2種類ある。
「ザ・戸隠そば」な「ざるそば」と「十割そば」だ。

「ざるそば」
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来ました来ました、しと〜と横たわる「ぼっち盛り」。

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ふわぁ〜と淡く漂う香り。
口に含むと蕎麦粉とつなぎの小麦粉の織りなす甘さが
じわぁーとひろがる。
「二葉屋」ではつなぎの小麦も長野産を使用しているのだ。

戸隠そばというのは「水切りをしない」という特徴があるのだが
ここの蕎麦もまるで水と一緒に食べているような水分量である。
そして、よーく見ると写真からでも伝わるかと思いますが、
この蕎麦ものすごい角の立ち方をしています!
みずみずしくやわらかな刀のような。


限定10食(休日は20食)の
「生粉打ちざるそば」
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ぼっち盛りの「ざるそば」とは打って変わって、
ひらひらと細かく舞うような盛り。 

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姿からはふわっと軽い蕎麦を想像したが
口に含むとこれまたくっきりはっきり、
すごい角の立ち方をした蕎麦である。意外!
さわやかに浅くひろがっていくような、淡い香り。
ほんのりとした味わい。
パラパラと口中でほどけていくような食感が心地よい。

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隅から隅まで綺麗に調えられた広い店内を眺めつつ、蕎麦湯。

すっきりと甘さを抑えた汁が澄んだ空気に合う。



店も、私のお腹もあたたまってきた。








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2012年05月10日

長野・小布施「手打そば処 鼎(かなえ)」


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小布施町の静かな住宅街。

自宅改造のお蕎麦屋さんらしいが
もともとの造りが純和風だったのか
とてもいい構えである。
2階の瓦屋根が描く曲線と
黒い縦格子が効いている。




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早い時間なので店は空いていた。
地元の人らしい年配の男性が二人、
ゆっくりとした口調で話している。

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「特製そばがき」

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メニューの説明に
「十割同様の粗挽き粉を口あたりなめらかに。
 蓋を開ければあつあつもっちもち。」
とあるそばがき。
削り節、辛味おろし、山葵などの薬味とともにやってきた。




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ほわわわ〜

たちのぼる、かぐわしき湯気。
凝縮された穀物の香りがギッチリ香っている。
洗練とろフワ、というようなイマドキな食感とは正反対。
モチッズシッと食べ応えのある
いかにも「田舎のおやつ」といった風の素朴なそばがきだ。




「もりそば」(二八そば)
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白木の横長せいろの上の、小高きたっぷり盛り。
ここで何故か突然
「ああお蕎麦ってなんてシンプルで、美しくて、面白い姿なんだろう」
と初恋のように惚れ直す。
木の箱の上にパスタやラーメンなどの炭水化物がのっていたら
ちょっとびっくりするではないか。
外国人から見たらとてもユニークな眺めに違いない。

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ふわり、淡くただよう
炊きたてのお米のような甘い香り。
肌に独特のざらつきがあり、どこかスポンジのような
空気や水分を粗く内側に含んでいるような感じが面白い。
しかし食感はしっかりとしていて、噛みしめるとムチッとした二八のコシ。
味わいもまた淡いのだが、ほんのりとした感じが美味しい。



「十割そば」
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わー 楽しい
「十割そば」は三つ山盛りだ!
メニューには
「厳選した玄蕎麦を、甘皮をふんだんに挽き込んだ黒っぽい十割そば。
 豊かな香りと甘味あるそばをお楽しみください」
とある。

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あああ 

なんと奥深くたくましい、野生の香り。
口に含むと二八よりぐっと密な食感で、それを噛みしめると
う〜〜わ〜〜
噛みしめる度に、たまらぬおいしい香りと味わいが
生まれてくる。口の中いっぱいを染めまくる!
ひゃあああ おいしいよう・・・


ふと見ると、十割そばには
長野らしくお漬物がついてきている。
自家製の辛子なすがおいしい。
どっしり濃い、ポタージュ蕎麦湯にもよく合う。

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例によって蕎麦汁も蕎麦湯タイムになってはじめて味わった。
しっかり濃いめで甘みを抑えた汁。



ところでこちらのメニューにもある「おしぼりそば」ってネイミング、
私、何度見てもちょっとびっくりしてしまうんですが・・

どうしても、浅草尾張屋の「天ぷらそば」のデカ天ぷらが布おしぼりになったようなのが
脳裏にチラついちゃうんですよね〜(^^;;)

(おしぼりそば=大根おろしのしぼり汁で食べる長野北部の郷土蕎麦)




2012年7月のライブ出演のお知らせ




posted by aya at 08:56 | Comment(3) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月09日

長野・黒姫「手打ちそば工房 若月」


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ハイシーズンには車の行列ができるほどの人気店だが
本来はごくのんびりとした、住宅街の奥の蕎麦屋である。

「手打ちそば工房 若月」。
暖簾には店名よりも大きくバシッと「名代 霧下蕎麦」と書いてある。 

霧下蕎麦というのは、はっきりと分類できるものでもないのだが、
要は畑に霧が立ち込めるような環境で育った蕎麦、ということである。

蕎麦の栽培には「昼夜の温度差が激しい寒冷地」、
しかも「水はけのよい高地」が一番適しているとされている。
そういった土地には朝のうちに霧が立ち込めるため、
霧の下で育つ蕎麦、霧下蕎麦と呼ばれるようになったのだ。
長野の開田高原、戸隠高原、妙高高原、そしてここ黒姫高原などの蕎麦が
その名で名高い。

よってここの「名代 霧下蕎麦」というのは
何か特別な打ち方をしているとか、
規定にしたがったブランド蕎麦とかいうことではなく
この黒姫あたりのおいしいお蕎麦ですよという、
非常にのどかな話なのだ。


私が到着した時、入れ替わりに近所の人らしいお客さんが店を出た。
割烹着の店のおばちゃんは、尽きぬ話を店の外でも続けては見送っている。
店内には誰もいない。

広々と、静かな午後。

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まずは漬物でもてなしてくれるのがやはり長野だ。

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壁のお品書きの横には
蕎麦打ち姿のおばちゃんの写真が
額に入れて飾ってある。
おばちゃん、綺麗に写っていて
とてもいい写真だ。

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「ざるそば」

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ざるいっぱいにひろびろ豊かに盛られた、
心和む田舎風景。


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赤みを帯びた、軽そうな肌。
赤い蕎麦というのはどうも警戒しがちだが
箸先にたぐれば杞憂とわかる。
ひんやりさわやか、それでいてたくましいかぐわしさがふわぁー
ビシッとしっかりしめてあるのだが
食感はふるふると軽やか。
これはなかなかありそうでない蕎麦だ。

これが、黒姫の霧下蕎麦なのだ。
この店がここでずっとこうして愛されてきたのだから、
黒姫の霧下蕎麦とはこういうものなのだ、と思う。
やや不揃いな感じもあるが、
それは私にとっては全く欠点ではないので
(いろいろあって楽しいではないか)
ただただ堪能、ああ おいしいなあー

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厨房では、先程から揉め事でもあるのか
ちょっとした喧嘩のようなものが聞こえる。

聞くとはなしにしばらく聞いていると
それは体の何処だかが痛いおばちゃんを気遣って、
働くな、体を使うな、とたしなめる人の声だとわかる。
おばちゃんが言う事を聞かずに働くので
つい声を荒らげている。

働き者が癖になっているおばちゃんと
心配する家族。



おばちゃん、お蕎麦美味しかった。

お漬物も美味しかった。


また、来るからねー






2012年7月のライブ出演のお知らせ




posted by aya at 08:29 | Comment(4) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月31日

長野・安曇稲核「手打そば わたなべ」



「はい お待ちどう〜」

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ドカーン!
鍋ごとである。


これがかの有名な「わたなべのナベそばがき」。

しかも有名と思っているのは
圧倒的に県外の人が多いだろう。

事実、ここに近い乗鞍に住む親しい知人は
何十年も、週に何度もこの店の前を通りながら
ノーチェックだったそうだ。

無理もない。
こののどかな外観。

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道から少し高くなったところにあるので
余計目立たない。
それにしても、このシンプル極まりない木の看板。
紺地に白抜きの暖簾。
赤いポスト。
「普通でいる」ということは素晴らしいですねえ〜
狙ったら絶対にできない、たまらぬ風情。

これでは、ここが魔法使いの店だとは誰も気づかない。


お品書きはこんな具合である。

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よく見ると
「ラーメン」「野菜炒め」
なんてのもあるのだが、そばメニューは
「もり」「かけ」「やまかけ」「月見そば」「そばがき」
と実にシンプル。

私はいつも変な時間に行くので
店のおばちゃんは大抵奥の茶の間でくつろいでいる。
愛想はないが、この人が魔法使いワタナベさんなので
そんなことはどうでもいいことだ。

蕎麦とそばがきを注文をすると、
魔法使いワタナベさんは娘さんと思しき人と共に
手際よく動き出す。
すぐに蕎麦が出てくる。

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ちゅるり、ふわぁ〜 いい香り!
慎ましいイメージの、正統派の蕎麦のかぐわしさが
濃厚に楽しめる蕎麦だ。


そして「そばがき」なのだが、
その前にまた魔法使いワタナベさんがやってくる。
「食べて、待ってる間。今、来るから」
とドコドコお皿を置いていく。
(よく考えると今日は「蕎麦→サービスのお惣菜→そばがき」と
 順番がメチャクチャなのだががこれはいつもではない)

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大根とちくわの煮たの。

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白菜。稲こき菜と稲こき菜のかぶ。

ああステキ・・・
和む〜・・
眠くなるほど和んでしまうではないか。

しかし眠くなっている場合ではない。
今まさに、台所(と呼びたい雰囲気)からは
ガタゴトッガタゴトッと魔法をかける素朴な音がしているのだ。

魔法、キターッ

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ほわ〜〜
たちのぼる、超絶のかぐわしさ。

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蕎麦という穀物の香りのいいところを
全てあつめて結集させたようなたくましい香り。
もうもうもう、このままこの湯気と共に
溶けていってしまいたいくらい
どうにもこうにも恍惚のかぐわしさである。
ああ とけるー
脳が染まるー

そして食感がまた素晴らしすぎる。
「ふわふわとろとろ」とかいうのとは違い、
箸先に取り口に入れた瞬間は、
見ての通りのしっかりした感触。

それがほっくりと口に入れると
ほこほこ、ほわわぁ〜
なんともゆっくりとエアリーに溶けるのだ!
そしてその「エアー」がむちゃくちゃかぐわしいのだ!

もう私は安曇の空にぶっ飛んでいってしまいそうだ。

添えられてくるネギダレがまた
よくぞというほど美味しくできているのだが
そばがきが美味しすぎて案の定つけられない。

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でもやっぱりネギダレもすごくおいしいのでつけたい。
でもそばがきはそばがきだけで味わいたい。でも、でも・・
こんなにも私の心をかき乱す、なんて罪な「わたなべのナベそばがき」。

もう大分前のことだが、はじめてこの店のそばがきを食べた時
私は本当に本当に驚いた。
そしてきっとこのそばがきは、なにか特別な蕎麦粉を使っているに違いないと思った。
いや、蕎麦も美味しいのだが、それ以上にこのそばがきは
「おかしいくらい」美味しかったので、蕎麦粉が違うのだと思ったのだ。

意を決して聞いてみると、果たして返事は・・

「同じです」。

一回では頭に入ってこないほど理解できなかった私は
ええっ、と聞き返してしまったのだが

「同じです」。

恐るべし魔法使いワタナベさん。


聞くところによると
ラーメン(醤油)も相当美味しいらしいですよ〜



posted by aya at 10:59 | Comment(6) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月28日

長野・飯山「江戸前手打蕎麦 しおいり」


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春の雪降る午前中。

開店と当時に「しおいり」に行ったら
あまりにたくさん人がいて驚いた。

住宅街にポツンとある蕎麦屋だというのに何かと思ったら
今日は座敷に団体の予約が入ったらしい。
親戚なのか町内の集まりなのか、子どもたちを含めてお互いによく知った顔らしい人々が
かなりたくさん、嬉しげに座敷に入っていく。
「雪御膳」というセットを頼んであるようだ。

メニューを見ると「しおいり」の「雪御膳」は1500円。
この値段で蕎麦に天ぷら、プラス三皿ついている。
ちょっとしたした集まりにはぴったり。
なんて贅沢で、お得なセットなのだろう。



しかもですよ、「しおいり」は蕎麦だけだってこんなに美味しいのだ!

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長野の、しかも「オヤマボクチ(ヤマゴボウ)つなぎ」の蕎麦が多いエリアにあって
「江戸前蕎麦」を掲げる店。

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しっとりと重なりあう、たまらぬ美肌。
控えめに散りばめられたホシとゆらめく影の美しさにしばし見入る。
さらに箸先にたぐりあげ、目が覚める。
なんてフレッシュな香り!
新鮮な蕎麦だけが持つ華やかなかぐわしさに脳がシビレそうになる。
しかもこの味の濃さは何だ。
噛みしめてどうこうというより、舌に載せただけで
なんとも香ばしい甘い味わいがジワー!
ごくかすかな粘りのある肌は見た目ほどのざらつきはなく
節のようなでこぼこ感を感じる舌触りがとてもいい。
本日の蕎麦は北海道。
ウワー これは美味しすぎますよ・・・・



店内の窓際には人形作家高橋まゆみさんの作品が飾られている。

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小豆?を抱えたばあちゃんの背景には雪景色が描かれているのだが
この人形ケースの後ろは本当の雪景色である。

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団体客のいる座敷からは、
じいちゃんばあちゃんと孫達を含めた賑わいの声。
店の人は今日は大忙しだが、どの人も皆明るく親切で
かえってのんびりした気持ちになる。
この人形はこの店で眺めてこそ、いい。

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ふと人形ケースの上を見やるとこんな張り紙が。

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「宮内庁御指定農場より直送」の鴨肉っスか!
て言うか皇族の方々はそんな日常的に鴨食べているんデスカ!
面白いので頼んでみることにする。

「かも せいろ」のつけ汁。
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これが・・・
それほど過度の期待をせずに食べたのだが
あまりの美味しさに本当にびっくらこいた。
汁が麻薬のように美味しい。
鴨肉がまた異様に美味しい。
肉の味がこれでもかと濃く、肉肉しい食感がたまらない。
「こんなに美味しい鴨汁は初めて!!」
と叫んでしまいたいほどの美味しさ。

しかもこの超絶美味「鴨せいろ」が1000円ですよ。
店内中全員が鴨せいろを食べていて当然なのではないかと思えるほどだが
あのテーブルのお客さんはみなさん天ぷら付きの何かを食べているなあ。


鴨せいろ好きの方は是非是非是非。

もうすぐ雪も溶けてきますよ〜



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2012年02月18日

長野・松本市安曇 「グリンデル」


乗鞍高原に大切な場所がある私には「必ず通る場所」。

とは言えなかなか時間が合わずチャンスを逃してばかりなので
今日は、うれしいぞぉー!!

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青い空、白い雪、赤い屋根。
絵のように楽しい眺めだ。



ここは蕎麦屋ではない。
外観には「レストラン」とあるがただのレストランではない。
フレンチと蕎麦が食べられる「オーベルジュ」だ。

雪の林に囲まれた店内。

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ピアノもあるのでライブもできそう♪


「信州馬刺し」
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私が今まで食べた中でも
相当ゴージャスな信州馬刺し。
たっぷりのった脂が甘くて
長野の馬刺しのイメージを超えている。
おいしいー!


「粗挽きそばがき」
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まぶしい、ザックザクの粗挽き。

箸先にとらずとも
置かれているだけで、ホワンホワンの香りが
テーブル中の空気を染めている。

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ジュワー、どろぉー と実にゆるやかな舌触り。
その中からたくましく力強い在来種の味わいが
濃厚に溢れ出して来る。
ああああ これはもう、うっっとりです・・
舌触りは見た目のようなザックザクのツブツブというより
もっと繊細さを感じる粗挽き。
ジュワーとやさしい粗挽き感、
脳を埋め尽くす渋いかぐわしさ・・

もうもう、しあわせすぎる。 鳥が鳴いている。ここはどこの天国だっけ・・




「粗挽きざる蕎麦」
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店主自ら育てた自家栽培の蕎麦と、
近郊の手刈り天日干しの蕎麦。
今日はこんなふうに自家製粉され
こんな姿で、私の眼前に現れた。

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透明感に満ちた褐色の肌。
そこにゆらめく白いかげろう。
はらはらと雪のように舞い散る無数のホシは
ひとつひとつすべて違う表情をしている。

見つめているだけで時が過ぎてしまいそうな眺めだが
箸先にたぐるとまた意外な出会いが。

儚く、ごく淡く香る、野の花のような素朴な甘い香り。
口に含むと、何というみずみずしさ。
ふるんっと軽やか、ちゅるぷるのみずみずしさの中に
やさしい粗挽きのジャリ感がたまらない。
ほんのりと上品な初めて出会う香りと、じわーと広がる甘み。
いやー、これは稀有な蕎麦だ。おいしい!!


しかもここはお蕎麦だけでないのだからスゴイ。

カレーだけで5種類。
「ビーフカレー」
「揚げナスとビーフのカレー」
「安曇野放牧豚舞豚のヒレカツカレー」
「究極の辛さインド風カレー」
「インド風カレーのカツカレー」

その他「ピザ」2種、「和牛のハンバーグステーキ」「黒毛和牛サーロインステーキ」
「安曇野放牧豚舞豚のしょうが焼き定食」などの和定食各種など・・


そうそう、ここの辛味大根の美味しさにはビックリしました。
冬だから甘くて、本当に味が濃かった。

店主も「今一番お蕎麦が美味しい時期なんですよ」と言っていたし

大好きな長野の冬は、美味しいなあ〜




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.
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2011年11月21日

駒ヶ根「そば切り てる坊」



てる坊〜  てる坊はどこじゃ〜


大阪・北浜から移転した「そば切り てる坊」を目指して
中央道をひた走り。

駒ヶ根インターを降り、もう目標の住所に相当近づいているはずなのだが
どこにも看板が見えない。付近は一帯住宅街。

うーん・・何か間違えているのかなあ・・
今もう店の住所の場所ピンポイントのはずなんだけど、
こんなような普通〜の、のどかな住宅ばかり・・

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んっっ?


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えっ この家なんだ!

これだったぁ!


近づけば、おお懐かしや懐かしや、
北浜にあった赤いメニュー板が。

「やっています ホッとしてってください」。

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どこまでもどこまでも普通〜〜〜の民家の玄関に
ランランラン〜 来ちゃったよん〜♪ と近づいていく。

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店内もまた、本当に普通の住宅のまま。
手前の部屋は座卓を置いた座敷席。
奥の席は大きなテーブルをドンとひとつ置いた椅子席になっている。


座敷席から眺める、駒ヶ根の住宅街。
青空と家庭菜園とお隣の洗濯物。
大都会大阪のど真ん中、北浜とは対照的な立地である。


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店内はすでに満席で忙しいながらも
お蕎麦の種類だけは店主が出てきて丁寧に説明してくれる。

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もうすぐ「てる坊」の蕎麦に会えると思ったら・・思ったら・・・

ああ 会う前から胸がいっぱいだ。



「どうぞ・・」と控えめに、サービスらしい小鉢が運ばれてくるのが
田舎らしい家庭的なもてなし。

「そば豆腐」
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「大根とひき肉の煮物」
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お蕎麦はお目当ての「丸抜き」「玄挽き」に加えて
店主の説明で美味しそうだったので
今日は「ごま切り」にも挑戦。

「ごま切り」
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へえええ、想像と違って真っ白い肌。
胡麻が練り込まれた全体に黒い肌のごま切りではなく
さらしなの肌にすり胡麻が散っているようだ。
そして汁にもごまだれがとろりと混ぜられ、
トッピング用の煎り胡麻が添えてある。

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美しい・・

透き通るような白い肌。
鮮やかに散る胡麻の影。

手繰り上げると、いわゆる胡麻の力強い香ばしさとは違う、
実に爽やかな、軽やかな胡麻の香りがふわぁー。
見た目の通り更科蕎麦のような、密なすべすべの肌である。

どろどろ過ぎないすっきりしたごま汁に
煎り胡麻のプチプチの食感がまた美味しい。
真っ黒い「ごま切りそば」でもどろどろの「ごまだれそば」でもない、
非常に軽やかな「ごま切り」である。


さて、心の準備をしなくては・・

「てる坊」の、「玄挽き」!
感極まって3枚も写真を載せてしまう私。
だって好きすぎてこれ以上選べない。全部眺めたい。

「玄挽き」
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ああ 何という眺めなのだ・・・

その肌の色も粗さも、素朴な輪郭線が描く流麗なラインも
素晴らしすぎる。


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手繰り上げると、渋く枯れた趣の香ばしい香りがふわりと漂い
粗挽きの舌触りが心地よい。
噛みしめるとときどき感じるプチプチと楽しい刺激。
よく考えると甘みはほぼなく、
それが枯れた趣の香りと味わいをすっきりと際立たせている


そしてそして、どうしましょう。
次は「丸抜き」ですよね。
来ちゃいますよね。

ああ もう 来ました。

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こっっ


言葉になりまへん・・・・


なんちゅう肌。
なんちゅう輪郭線。
あなたは、なんて、うつくしいのですか!!!


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ふっくらとしろい粗挽き肌。
箸先からこぼれるフレッシュでふくよかな香り。

ざらざらとした粗挽きの舌触り
ほわあん ほわあんとやわらかな歯触りの中から
美しい蕎麦の味わいが溢れ出す。

美味しさと、やっと再会できた喜びが
体に染み渡る。




北浜のあの小さな店、ロケーションも忘れ難いが
駒ヶ根の新店を訪れ、店主の
「ホッとしてってください」
という思いが、より強くうれしく伝わってきた。



北浜の「てる坊」は思い出の中に。


駒ヶ根の「てる坊」は陽だまりの中にある。






<おまけ>
「てる坊」の爪楊枝入れ。
アンシュにお見せしたい・・・
バンザイして楊枝を「ハイ」ってくれるんですよぉ〜!

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2011年10月02日

長野・高遠町「高遠そば ますや」


どうも、高遠です。
横浜生まれ横浜育ちの江戸っ子ですが
高遠、仁科の血をひいていたりします。

やはり血が騒ぐのか?
学生時代から何だか無性に高遠町が好きなのです。

桜を見に来たり
お蕎麦を食べに来たり何度となく訪れておりますが
今回は新しくできたバイパス沿いの「ますや」。

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高遠の中でも広々見渡せるロケーションが素晴らしい。

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天井が高く気持ちの良い店内。
おっ 、なんだかお蕎麦屋さんらしからぬ
ものすごく美味しそうな香りがしているが・・


とりあえずはやはりどうしても食べたいものから。

「手碾き そばがき」
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なんとフレッシュな蕎麦のかぐわしさよ。
ホワーンとした香気に脳が侵されてゆく。(また人聞きの悪いことを・・)
恍惚とろふわの夢。
メニュー写真と違って汁に浸っていたのはちょっと不思議だったが、
なんでかな?


さて、「ますや」には二種類のお蕎麦がある。

「玄」
高遠産玄そばを鬼殻付きのまま碾いた黒っぽい蕎麦。

「抜き」
殻を剥いた八ヶ岳産そばを、手碾き石臼超粗碾きにした白っぽい十割そば。

こちらは黒っぽいほう。

「玄」
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透明感のあるみずみずしい肌に
はっきりと細かなホシ。
ひんやり伝わる淡い香りは、見つめるほどに美しい。
淡い香りの中に、蕎麦畑の豊穣のよろこびが見えてくる。
はぁー きれいだぁー




そしてこちらが白っぽいほう。

「抜き」
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ウワー
あなたすき。
たぶんすき とてもすき。(歌か)

だって、見るからに美味しいでしょうこれは!

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粗挽き、なんとも美しすぎる肌・・・
透明の陰影、ほの白い無数の粒たち。
チリチリとごく細かく揺れる輪郭線を見つめていると
うっかり時が過ぎてしまいそうだ。

たぐりあげると、淡くほんのりと甘い香り。
ざらざらとやさしく粗い肌。
しっかり噛みしめるとじんわりとした甘みが染み渡る。



そうそう、蕎麦に夢中になりすぎて
「高遠そば」について申し遅れました。
今回「玄」は伝統の高遠そばスタイルで食べたのだ。

高遠スタイルったって、何も私のように
恍惚陶酔酩酊状態で毎度ぶっ倒れながら食べることではない。
写真のように「大根おろし+焼き味噌+ねぎ」
のつけ汁で食べる、この地ゆかりの蕎麦のことだ。

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「ますや」はしゃもじの上の焼き味噌、おろし、ネギ等をすり鉢に入れ
自分で汁と合わせて作る本格的なスタイル。
メニューに手順も丁寧に書いてあるので
それを見ながら混ぜるのはなかなか楽しい。

高遠そばは元々この高遠の地で起こったものだが
江戸初期に高遠藩主保科正之公が高遠から会津に移ったため、
その時「高遠そば」ごと会津に移ってしまった。
実はここ高遠で「高遠そば」が町おこしとして
復活したのはつい最近のことなのだ。
(と、10年以上前に町の青年団某氏に聞いた(^^;;))
しかし美味しさが話題を呼び、今ではすっかり
この本来の地の大切な文化としてなじんでいる。

シテその高遠そばのつけ汁とは

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これはもう文句なく美味しい。

単に大根おろしと味噌というのではなく、焼き味噌だから香ばしい。
そこにネギが入りその合い方と来たらない。



しかしですね、実は特筆すべき
この店のスペシャリテがまだあったりするのだ。

「そばピザ」!

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そば甘皮で作った生地に、ねぎ味噌、きのこ、鰹節、鴨薫製。
ピザとしてはユニークすぎる和な具も大変美味しいのだが
蕎麦馬鹿高遠にはこの生地がとにかくたまらない。

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ハアー
ずっと鼻を近づけていたいような香ばしさ。
噛んだ味わいの豊かさ。
潔いバリバリ感!

そばピザなるものは今までに何度か食べたことがあるが
もともとピザという食べ物への愛情が「普通」な私は
やっぱりお蕎麦屋さんではお蕎麦がいいなぁーという感想が多かった。
しかし「ますや」さんのピザにはビックリ!

冒頭で書いた、店に入ってすぐ感じた美味しそうな香りとは
この生地の香りだったのだ。


店を出ると広い空。
ぽかぽか陽気の高遠町。


ああ やっぱり高遠町、大好きだぁー





10月の出演のお知らせ



posted by aya at 23:35 | Comment(2) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月30日

長野・木曽町「時香忘」


何年か振りなのに
こうして来てみれば前回がつい昨日のよう。

車を降りてまず一番に迎えてくれる山の空気!

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川沿いにある「時香忘」は一日中
山の空気と川の音に洗われているかのようだ。



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店のエントランスから建物まではだいぶあります



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だいぶあります


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だいぶあります




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とうちゃく〜
来る度に、一体どんな土地の形なのか把握しようと思うのだが
いつものことながら行きはソワソワ、帰りは蕎麦酔いふにゃふにゃで
結局どうなってるのか今もわかりません。
よくわからないままの方が楽しいのかもしれない。

吹き抜けの、気持ちの良い店内。

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人気の店だけに午前中から続々とお客さんが集まってくる。


まずは、

「蕎麦がき」

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ほわぁ〜と濃厚に漂う、野趣あふれる香り。
極粗挽きの肌がいかにもおいしそう!
噛みしめるとぎっちりと密な食感、モッチリとした歯ごたえ。
ひとつひとつはコロンとコンパクトながら食べ応えのある、
山の地らしい蕎麦がきだ。


そして本日は張り切って予約までしておりまして
3種類のお蕎麦を食べるんだぁー!

うれしいなー!


まずはこちらが前日までに要予約の
「野点そば」

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こ、この肌・・・!!
小枝のような輪郭線、ネコヤナギの穂のような白い陰影。
見た目も物凄いだけあってこのお蕎麦、
ただのお蕎麦ではありません。
「蕎麦の実を粉にせず実のまま打ち上げる」というびっくり蕎麦。
蕎麦ウンチクはなるべく知らないままでいようと心がけている私には
さっぱりわからないが何だかものすごいらしい。
つなぎは0.18%だけ「山菜から取り出した葉脈」を使っているそうだ。
「通常の10倍以上の時間をかけてこねあげる
 モチモチの食感をお楽しみください」
と説明にある通り、モッチモチの独特の食感。
無数の凹凸が口中を流れ、
ほんのりと野性味のある香りを見つめるひととき。



「夜明け蕎麦」
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見たことのない方は必ず驚くであろうこのルックス。
「昼夜蕎麦」という名で呼ばれたりもする、
田舎蕎麦と更級蕎麦を重ねて仕上げた二色蕎麦である。
技術的にとても難しいとされるこの蕎麦を
こちらでは湯捏ねせず小麦粉も入れず
0.12%の葉脈をつなぎとして加え、水だけで打っているそう。
田舎蕎麦のねっとりざらざらした食感と
つるりと流れるような更科の食感が同時に感じられて
何とも珍しい感覚。
田舎らしい力強い香りなどは見た目ほど感じられず
上質の更科蕎麦が持つ上品な美しい味わいが印象的だ。




「極粗挽きおやまぼくち もり蕎麦」
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せっかく来たのだから
この店のスタンダードといえる蕎麦もやっぱり食べたい。
極粗挽きの蕎麦粉に0.12%のオヤマボクチを
つなぎとして加え1時間かけこねあげている蕎麦だ。
オヤマボクチとはヤマゴボウとも呼ばれる植物で、
昔から長野の飯山辺りでは
このオヤマボクチをつなぎにした蕎麦が打たれてきた。

今日は「時香忘」の蕎麦としてはどの蕎麦もあっさりめの印象だが
この強いコシとややぬめるような表面のつるり感は
まさにこの店らしい。

噛み締めるごとに淡く浮かぶ香りを追いかけて
じっくり、じわじわ、味わい楽しむ。


素敵な仲間と楽しい蕎麦。

山の中。川の音。


ああ、しあわせなお昼だ。



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10月の出演のお知らせ
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2010年11月25日

長野・白樺湖「手打蕎麦処 朝日ヶ丘」


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しずかなちいさな観光地、白樺湖。

その畔の丘に立つ「朝日ヶ丘」は
100%自家栽培の蕎麦屋であり、宿である。


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引き戸を開けるとそこは蕎麦屋ではなく
宿としての入り口。
といっても普通の家の広々した玄関のようだ。
石油ストーブの匂いが懐かしさをかき立てる。


玄関右手の襖をあけると畳敷きの広間になっていて
そこが蕎麦屋であり、この宿のダイニングルームである。

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先客は地元の人らしき年配のグループ。
静かな部屋にぽつぽつと響く土地の言葉。
ほんの数時間前までビルだらけの東京にいた事が信じられない。


ホワイトボードには
「きのこあったかそば(しば茸)」
「我が家のじゃがバター」
「野菜の天プラ」
などの家庭的なメニューほか
「じいさんばあさんの作ったはぜかけ米5kg入」
なんてのもある。



そばを食べる前から
すっかりこの店が大好きになった私に
「はい、お待たせしました 〜」
と運ばれてきた「田舎そば」。


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この土地で育った力強い蕎麦の香り。
干し草を思わせるような、
穀物の生命力を感じる香りに目を閉じる。
口に含むと細切りの輪郭線は思いの外くっきりと繊細で、
口の中に流麗にほどけるのが心地よい。
色こそやや黒めだが、
田舎そばというよりは洗練の印象さえ受ける食感である。
ああー おいしい。 本当に来てよかった。



気がつくと、厨房から店主らしい男性がこちらをみている。
私がつゆもつけずに食べいてるのが見つかったかとギクッとしたが
(私はいつもそのことにビクビクしている)
そんなことではないらしい。


「新蕎麦だでね」。

大きな声でいい、ニコッと笑う。

そうか、おじちゃんがつい最近刈り取ったばかり蕎麦なのだ。
そう聞くとなんとありがたく嬉しいのだろう、おいしいのも当然だ。
聞けば、おじちゃんだけでなく「一家総出で」、
店から8km下った畑で、畑仕事をしているそうだ。
宿もやりながらの話であるからそれぞれの仕事の繁忙期は
さぞ忙しいことだろう。



「すみませんねぇ今日はいつもより早じまいで。
 今日はちょっと”まつりごと”があるでね。」

と今度は奥さんが話しかけてくれる。

”まつりごと”ってどんな?と聞くと、
諏訪湖の御柱祭が有名なこの地域、
さらに各集落、各地域にもそれぞれの小さなお祭りがあり、
小さな御柱を立てたりするのだそうだ。

今日やるお祭りはこのあたりでも時期的に最後のお祭りだそうで
どのくらい小さな祭事かというと、
「うちと本家と2軒だけ」。
その小さなお祭りを毎年守り、大切にしてきているのだ。

今日はそのために早仕舞いの準備をしつつ、
最後にやってきた客にも
実に親切で、にこやかで、あったかい。



心があたたまるというのは、
こういうことである。






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2010年10月27日

長野・千曲市「蕎麦処 ひぐち」


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総木作りの美しい家は、のどかな日差しに向かって
胸を張るように潔く建っていた。



家の前は、山を背にした黄金の畑。
家の後ろは住宅街だが、ここは小さな美しき田園である。

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静かな店内。

1枚目は「生粉打ち」。

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たぐりあげるとふわり、蕎麦のかぐわしい香り。
強烈ではない「美しい香り」にすっかり嬉しくなる。
口に含むと、これまた。
じわぁーーと、清らかな蕎麦の味わいが口中に広がっていくのが
目に見えるかのようだ。
極細の蕎麦は手作りの趣を感じる震えるラインを描き、
コシはあまりなくフッと途切れるのがはかない印象である。


2枚目は「二八」。

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「生粉打ち」同様極細打ちだが、こちらは見るからにつるつるとした肌。
窓からの自然光に優しい輝きをかえしている。
香りは二八らしい甘い粉の香り。
そして口に含むと「生粉打ち」とは打って変わって強靭なコシで応えてきた。



玄関の細長い窓硝子。

黄金色の午後は、まだ待っていてくれた。


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2010年10月23日

長野・東御市「そば家 叶」


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森の奥の緑の陰に見つけた小屋。


ギターロックが流れる店内は
まるで木の中にいるかのような安らぎのある空間だ。

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蕎麦は3種類。

さらしなそば
風雨雪(ふうせつ)そば
手前そば

全て信州産の地粉十割手打ち蕎麦である。

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つるつるではなく、きめ細かな陶器のような質感の肌と
しっかりハードな食感を持ったさらしなそば。



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しっかりと密な肌と、強靭なコシを持った風雨雪そば。


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そして目にも嬉しい粗挽きの白いホシを浮かべた極太ハードな手前そば。
ガッチリした輪郭を噛みしめると、「生」感の強い蕎麦粉のかぐわしさが口中を染める。
椀がきのそばがきのような素朴な風味だ。


静かな夜。
森の奥のこんなあたたかい空間で、
蕎麦を愛でられる幸せ。


あたたかいのもそりゃ当然。
先刻から私の膝の上には湯たんぽよりもあたたかくて笑っちゃうものが眠っている。



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「自分はここで眠る権利がある」とばかりに
当たり前のようによじ登ってきて、
安心しきった顔でぐうぐう眠り全然起きないキジトラくん。




私にとっても至福の一時だったが、こちらも待つ者おらねど帰る場所のある身。
揺さぶり起こしてイスの上に載せると
まだ眠いのに起こされてちょっと憮然としている。

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どっ
どうしよう本気で好きになりそう(>_<)




森の奥で過ごした時間。
帰り道もまだ膝の上が温かいような寂しさだった。




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2010年10月22日

長野市「手打ちそば処 小杉」


お昼時とは言え、店は聞きしに勝る大繁盛の大混雑。
さすがは人気で名高い「手打ちそば処 小杉 須坂インター店」の息子さんの店である。

駐車場は無論満車。
駐車場に入れようと待つうちに蕎麦が売り切れてしまい残念そうに帰るお客さんに
店の人が大わらわの中丁寧に謝っている。
厨房からは戦場のごとき忙しげな雰囲気が伝わってくる。


大変そうだなあ、と私の席のすぐ横にある打ち場を見やれば
忙しない店内とはまさに切り離された静の世界。
白い木と白い粉がまぶしい、清らかな眺めである。

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のし棒などの道具掛けまでも天然木をそのまま生かした形なのがユニークで美しい。


「小杉」の蕎麦は2種類。
ともに十割なのだが
粉の産地によって著しく値段が違う。
「北海道産十割ざるそば」が700円なのに対し
「信州産十割の霧そば」は1200円なのだ。
「県産ならではの風味と甘味 当店自慢の一品」と銘打ってあるあたり
地元への愛情と誇りが感じられるではないか。


まずは、信州産十割の霧そば。

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手繰りあげて香りを寄せ軽く驚く。
これは・・・かいだことのない不思議な香りだ。
強いて言えば笹の葉のような、薬草に近いような、
野性味あふれる香り。
舌触りは見た目よりしっかりとしていて、程よいコシが楽しめる。
地元のやんちゃ坊主と竹馬遊びでもした気分である。


北海道産十割ざるそば。

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うーん、これまた面白い!
見た目からの予想を裏切る非常に珍しい香りなのだ。
韃靼蕎麦にも似た、苦味を予想させるような野生の香り。
しかし口に含んでみれば苦味など全くなく、
味わいとしてはやさしい蕎麦である。


気がつけば蕎麦が売り切れた店内は
すっかり広々、最後の客になってしまった。

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営業時間は16時までなのだが、
本日は売切御免、14時半には「本日終了」の看板。

地元の人気者の昼は、かくも忙しいのだ。


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2010年10月21日

長野・佐久市春日「職人館」


一日の中で、私が一番好きな時間。 


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花も大地も空気も青く染まり、
山が黒々とその威を際立たせ始める黄昏時。


予約した時間に店に到着してみると
当の主が居なかった。
「それが・・さっき山に入ったきり・・」
と店の人が済まなさそうに言う。

いかにも、「職人館」の店主らしい。
愉快愉快、流石は佐久が、いや日本が誇る「職人館」である。

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ますます楽しい気持ちで店内で待っていると、
嗚呼佐久が暮れていく。
窓からの眺めはそこに名画がかかっているのかのような美しさ。
ミレーがあらわしたかったのはこんな静けさではなかったか。

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「おいー、すっかり遅くなっちまって」

入り口の方で声がしたと思ったら
店主が大きな笊かご一杯に山のお宝をどっさり抱えて帰ってきた。

父親が帰ってきて喜ぶ子らのように玄関に駆け出す私たち。
「わあぁーっ」という歓声。
この山のお宝、きのこの山!

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トキイロラッパタケ 、サクラシメジ、カラスタケ、
そして本日一番のお宝は「ウシビタイ」とも呼ばれる「クロカワタケ」!
これは東京のフレンチやイタリアンの有名シェフ達の垂涎の的という名きのこ。
松茸だのポルチーニだの、どころではないらしい。

実際この素朴極まりない店主の口から
次々と有名料理人たちとの交流話が出てくると
この静かな田舎家に似合わぬ世界の話ゆえ最初はちょっと驚くかもしれない。
しかし大地と生きる店主の信念と才気に触れれば
ブランドシェフたちが憧れるのも無理がないことに誰しも納得するであろう。
とにかくこの採り立てきのこをこの店主の料理で食べられるのだから
もう私たちの胃は最初から「別腹」ならぬ「倍腹」状態!

店主さえ帰ってくれば厨房は一気に、急発進で動き出す。

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山の恵みそのままに、オリジナルの彩り豊かなドレッシングを添えて。
紫ピンク色は「ビーツとブルーチーズのドレッシング」。
薄緑色は「バジルのドレッシング」。
黄色は「卵のドレッシング」。

これだけ色が美しいと「ドレッシング」という言葉そのものが美しく聞こえてくる。
私は蕎麦でも野菜でも「裸の方が好き」なのだが、
このドレッシングは楽しさに誘われて美味しく食べた。
特にトマトが絶品!
甘いだけでなく味わいが濃く酸味もちゃんとあり、
新鮮な程よいハリを持った皮とジューシーな果肉がたまらない。
「職人館」の野菜は全て付近でとれた有機栽培もの。
野菜好き、素材好きの私には、これ以上贅沢な食事はない。




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採り立てきのこをおろしでシンプルに。
ああきのこって素晴らしい。
はなやかな香りも派手な味わいもなく、
静かに「伝わってくるような」ような美味しさ。
乗鞍のきのこ名人とイグチ採りした時の思い出も過ぎる。
お父ちゃんどうしているかなあ、会いたいなあ。



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「キャッサバ芋で育ったポークと紅玉りんご、無農薬野菜のサラダ」

サラダに紅玉りんごというのが最初は意外だったが
紅玉が加わることでの酸味と甘さ、彩りのバランスの良さに
「真似したい!」と一同絶賛。
またこのポークの美味しいこと。
普段あまり肉を食べない私も動物のように喜んで食べた。
私見だが、店主の北沢さんは「赤と紫」という彩りを大切にする人である。
鮮やかで、ちょっとドキッとするような艶めかしさのある色合いが
自然界の、しかも食べ物にある感動。
紅玉りんごの赤と紫キャベツの紫に「北沢ヴィヴィッド」を見出した。




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「さくらしめじとトキイロラッパタケのスクランブルエッグ」。

うう・・
うううう・・・・。

あのー、普段私、スクランブルエッグというものには興味が薄いはずなんですがね。
これは、何ゆえに、こんなに美味しいのでしょう?
美味しいー、なんで?なんで?と言いながら大量に食べた私を
同席の皆様お許しください。
きのこの魔法なのか店主の魔法なのか。
間違いなく店主は言うのだ。
「俺は何もしてねえ。全ての料理人は何も出来ねえ。
 感謝するべきは、畑だ。その畑を作っている人だ。」




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スクランブルエッグにはフォカッチャが添えられてきた。
このフォカッチャも地粉という贅沢。
おいもときのこ、2種のフォカッチャと側にあるのはオリーブオイルではない。
これまた地元産の「菜種油」というのが「職人館」流。
ひええー、この辺りには菜種の畑もあるのですか!
国産、しかも地元産菜種油なんて本当に凄い。



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「クロカワタケのバターソテー」。
これについては・・私の筆で表現するには限界があるほどの美味しさである。
花びらの「北沢パープル」があしらわれていなければただただ地味な見た目の一皿だが、
とにかく一口食べた瞬間のテーブルに花火が上がったような一同の反応がすごかった。
私に至っては、あまりの美味しさにパンチをくらって珍しく押し黙り
しばらく口がきけなかったほど。
松茸がなんだ。ポルチーニがなんだトリュフがなんだ。
ぎゅうぅとこれでもかと濃厚で贅沢なきのこの風味。
ゴルゴンゾーラかパルミジャーノ・レッジアーノかというような、
コクのある乳製品が醗酵したようなしつこいほど芳醇な香りである。
これはおかしい。絶対に何かおかしい。
美味しすぎる。
確かにこのクロカワタケは相当凄いものらしく、店員の男性も
「ちょっとこれだけのは今年はじめてです。ラッキーですね」
と教えてくれたが、それにしてもおかしい。

「土や山がすでに料理してくれてあるものを、
俺は何も作れないから、皿に貼り付けているだけだ」

という世紀の名言のある店主は
「ただバターソテーしただけだ」」
と言うが、私がバターソテーしても絶対にこの味にならない自信がある。
すると食事が全て終わった後、何でもなさそうに
「ちょっと、蕎麦のはちみつを隠し味に足してみたんだ」と。

はあああ

蕎麦の。

はちみつ。


恐れ入ったとしか言いようがない。


この皿に残った汁はテーブルの「家宝」として「下げないでぇぇ」と死守し、
おまけに「先程のフォカッチャにつけて食べたい、もう一回欲しい」なんて我が儘を言い
皆で最後の一滴まで貪欲に堪能したのであった。



果たして恋人はあまりにもさり気なく、ひょいとテーブルに割って入ってきた。

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華やかな山の彩りのあとに、この渋い風情。
ああやっぱり私が好きなのはこの人だ。



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地粉十割、「職人館」の蕎麦。
黒めの肌は見るからにねっとりとたくましそうである。
空気を伝って感じられる力強い香りに誘われ口に含めば
見た目通りのしっかりとした歯ざわり。
ぬめるような感覚の肌を噛みしめるごとに
この地で生まれた蕎麦の香りが奥からあふれてくる。



すべての男性を「大将」と呼び、
畑への尊敬と信念に満ちた会話はどこまでも軽快で興味深く
そのまま全て録音したくなるような店主。
「おい!」でリズムを取る口調はやけにいなせでカッコイイ。




「土や山がすでに料理してくれてあるものを、
俺は何も作れないから、皿に貼り付けているだけだ」




日本が誇る、職人の館である。




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2010年10月20日

長野・北志賀「石臼挽き蕎麦香房 山の実」 


山がすき。
スキーがだいすきな私には、
きっと夢のような場所なのだろうと思っていた。

たどり着いてみれば聞いていた通り、
店は竜王スキーパーク入口に位置する
「北志賀ホリデーインホテル」内にあった。

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スキー場にあるホテルのメインレストランが、
自家製粉、手挽きまでする超・名店蕎麦屋。
聞いていたとはいえ、その事実を目の当たりにすると
胸がいっぱいになりすぎてほとんど「混乱」に近い状態。


行きたかったお蕎麦屋さんがスキー場のホテルにあるなんて、
そんなのアリなんだろうか、私が頭の中で作っちゃったんじゃないだろうか、
眼の前にある現実が受け止められない・・・



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絨毯敷の店内は、広々と優雅な山のホテル風と、
和風の暖簾や飾りがあちこちにある家庭的な蕎麦屋風が混在している。
爽やかなクラシック音楽が高原の空気に響き、山々は青空に輝き
厨房からは蕎麦の水切りの音。
一体私は何処にいるのか。


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店内にはこの店の目玉のひとつである「そばピッツァ」の石窯が。
開店直後というのに注文は既に殺到しているらしく
次々とピッツァが焼き上がっているようだ。




まずは運ばれてきたのは「蕎麦の実粥」。

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赤い椀の中の可愛らしい粒たち。
米よりもつるりとした表面を持つ粒たちが
口の中をツブツブさらさらと過ぎてゆくのをつかまえ、そっと噛みしめる。
蕎麦の実の素朴さを損なうことのないシンプルな味つけに
これから先への期待は高まるばかりである。




本当に楽しみにしていた「手挽きそばがき」。
高原の窓辺で出会った、その姿。


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これは・・・
見たこともないような、「生」感のある極粗挽きである。
生タマネギがざくざく入った焼く前のハンバーグのような、
すべて穀物というのが信じ難い姿。
表面がごく軽くあぶってあるのがまた憎い。

透明感のある美しい緑、
象牙のようにすべらかな白、
それらをつなぐ瑞々しい生成色・・

目をこらせば無数の蕎麦粒達がまだ生きたままそこにいるかのようだ。

箸先にぽってりと取り上げてさらに感激。
高地の野原のような爽やかな香り!
食感も通常のそばがきとはだいぶ違ったものである。
ふっくらでも、モチモチでも、ふわふわでもなく、
先程の蕎麦の実粥に似たツブサラ感のあるそばがき。
そのツブサラの間をつなげるモッチリと細かい粉。
噛みしめると内側から奥から、なんともまろやかな、
ミルクブレッドのような白いイメージの香りが生まれてくる。
実際に目に見える「緑と白と生成り色」が
口の中でもあまりにもはっきりと「見える」ことに驚く。



そして「生粉打ち蕎麦」。
私は、あなたに会いたかった。

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もう、泣いてもいいですか。

この店に着いて以来我慢していたものが溢れそうで我慢できない。

私は山にいるのだ。
空気が綺麗で、向こうのお山が同じ高さに見えて、
おまけにここはスキー場なのだ。

その上何故あなたはそんなに美しく緑色にひろがっているのですか。

ひんやりした空気の中、しっかりしめられこんなにひんやりしているのに
なぜこんなにも美しく香ってくれるのですか。

柔和な表情に見えたその蕎麦は
口に含むと意外にも1本1本がはっきりとした輪郭をもっている。
さらしなのようにするするとした極細ゆえ、
噛みしめる刹那蕎麦と蕎麦がすべるような、
微かにシャクッとするような食感が感じられる。

気づくと、甘みや味わいはほとんどない。
それが物足りなさには全くなっておらず、「よく考えると」ほとんどない。

ただただ、この上もなく爽やかなかぐわしい香りが
この窓からあの大空にまではみ出すかのように満ちている。
口内上部、頭の中までかぐわしさで満たされ、
もうこの際私が大空にはみ出してもいい。

甘みや味わいといった味覚の底辺を支えるものが淡いぶん、
香りという「軽み」の部分だけが際限なく広がって感じられるのかもしれない。
ということはこれは新蕎麦でしょうか。
本当はそういうことはそんなに、どうでもいいのでございます。
もう只々、しあわせなのでございます。
またこの笊が、意外と深さがあるので見た目より量がたっぷりあるのが
ありがたいじゃあないですか、
うれしいじゃあないですか・・・



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「生粉打ち蕎麦」でほとんど泣いている私の前に現れた、
この店の大人気メニュー「石窯焼きそばピッツァ」。

4種類の中から、一番スタンダートと思われる
「須賀川そばピッツァ」を選んだ。

「生地に自家製粉したそば粉をふんだんに使い 
厳選の信州白味噌とチーズ、ねぎ・えのき・
そばの実をのせて石窯でカリッと焼き上げます」
と説明してあるものである。

この、話題の人気メニューに対峙したというのに
先程までと打って変わって温度の低い私を許して欲しい。

好き嫌いがはっきりしているというよりは
「好きなものが好き過ぎる」私、
ピッツァというものは嫌いではないが「愛情が希薄」である。
しかしここのピッツァは大変評判が高いので
きっと素晴らしいものなのだろう。

私が興味があるのはピッツァの表面ではなくその「裏側」である。

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(ひっくりかえしてみた)

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うおぉ〜〜〜〜
何ですかこのおいしそうさは美しさは!!

穀物の穀物らしい姿に滅法弱い私。

粗挽きの無数のつぶつぶがぎゅっと板状になり、
素朴な焦げ目のついたたまらぬ姿。
いびつな輪郭線を縁取る茶色のクラスト部分の
香ばしそうなことと言ったらない。

愛しい蕎麦粒さんたちに、こんなところでこんな姿で会うことが出来てまたまた感激。
ピッツァを食べるより裏側にしびれまくるあたり、
やっぱり私はちょっとばかり人と感覚がズレているのだろう。
できれば私は、具のない状態でこの生地だけ食べてみたい。
フルーティーなオリーブオイルなどつけて食べたらさぞ美味しいだろう。



山の香り、山の恵み、山の眺め。


「山の実」に、帰りたい。



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posted by aya at 13:51 | Comment(4) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする