2013年08月13日

三鷹「手打そば 太古福」


お蕎麦屋さんが意外と多い三鷹エリア。
その中ではニューフェイスながらすでに大人気店の「手打そば 太古福」。

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三鷹駅南口からすぐ。
手書き風の看板やメニューの貼られた黒板が
手作りの感じで可愛らしい外観だ。


地下に降りる階段にもこんなかっわいいものが!

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太古福マトリョーシカ!
かわいい〜〜、お父さん打ち立てのお蕎麦持ってるよ〜 !
お母さんお茶いれてくれてて、次の子はもうズルズル食べてる!(≧∇≦)♪
あとで聞くと、このマトリョーシカも店内を飾るかわいいイラストも
すべてお店の奥さんの手によるものだそう。楽しいお店だなあ。


ちょうどお昼時のせいもあって店内はほぼ満員。
しかもお客さんがみんな楽しそうでいい雰囲気だ。

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実はこの「手打そば 太古福」は、お昼のみ営業のお蕎麦屋さんである。
夜は店主の弟さんが経営する「魚と酒 太古福」に変身するという
ユニークな営業スタイル。
カウンターにはネタケース?もあるし、
たしかに作りは蕎麦屋というより海鮮居酒屋風だ。


メニューを見るととにかくおいしそうなつけ蕎麦メニューやセットメニューが多く、
人気なのも頷ける。
またメニュー本そのものもかわいいイラストがいっぱいでほのぼのとしていて
つい見入ってしまう。

「浅蜊のとまとくりーむつけ蕎麦」
「カレーつけそば」
「豚肉のつけそば」
「ふわふわトロロのつけそば」
「そばと豚皿」
「そばと海鮮漬け(季節によってはネギトロ丼)」

しかも大盛りやおかわり蕎麦、生卵などのトッピングメニューまであって
大変魅惑的なメニューです。(生卵トッピングってどんなお料理でも魅惑の響き)
いくらどこでもかしこでも頑固に「せいろそば」一本の私でも
この誘惑には負けます。

てなわけで、魚好きの私はやっぱり
そばと海鮮のセットを(^o^)うほほー♪


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うーん、おそばと海鮮、この組み合わせは
昼酒の方にもたまらないのではないでしょうか(^o^)
(この写真の時は「海鮮漬け」でなく「海鮮(お刺身)」のメニューでした♪)


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素朴な肌に黒い大きなホシ。
なんとも優しい蕎麦の漣に心が和む。
見た目よりパキッツルッとした舌触りだが
噛みしめると優しいコシとふっくらした甘みがひろがるのがとてもいい。
すこしひねたような穀物の野性味ある香りがふわ〜と爽やか。
食べる前からめずらしく「これは北海道だ!」と思ってしまったほど
たいへんに北海道な香りだと思ったらやはり北海道摩周産のお蕎麦でした(^o^)



ちなみに豚皿のセットだとこんな感じ。

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も〜〜 どうして私が「生魚と煮た肉が大好き」って知ってるんですか?
と聞きたくなるほど嬉しいメニューばかり。
お蕎麦は完全食と言われているとは言え、
やっぱりせいろばかりではたんぱく質が不足するので
暑い夏を乗り越えるためにもこんなセットメニューがあるのは素晴らしい。


混雑で大忙しながら店主も奥さんも実に感じがよく
帰り際の明るい笑顔にはこちらもパッと明るい気持ちに。


また誘惑されに来ますね〜!




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2011年12月06日

吉祥寺「手打そば処 ほさか」


実は「中清」が臨時休業でフラレちゃいまして・・・

そんな時のつよーい味方。
駅前で、しかも通し営業の「ほさか」!

駅前ビルの階段をトントントントン〜ッと降りれば、
どうにもこうにもムード満点の濃い世界。

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いつまでも変わらないでいてくれることのありがたさ。

「そばがき」
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お湯に浸っているが
椀掻きのような懐かしい味わい。
萬藤のそばがきを思い出す。


「もつの生姜煮」
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こっくりと濃く、甘い味付け。
山梨あたりの老舗にありそうなもつ煮だ。


「太打ち(田舎)」
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しっかり噛みしめて食べる「ほさか」の太打ち。
噛みしめるほどに甘みがひろがる。

「細打ち(せいろ)」
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今日はやや熟成味を帯びた味わいだ。


そしてちょっと変わったものも食べてみたくなり
珍しく「変わりそば」を頼んでみた。
変わりそばの中でもすきなフレイバー、
「しそきり」

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えーっ
私、あんまり変わりそばをというものを知らないもので
こんな抹茶切りのようなマミドリ星人ははじめてである。
紫蘇切りって白い肌に刻んだ紫蘇の緑が爽やかに散っているのしか
見たことがなかったのだ。
つるつるの食感の中の淡く爽やかな紫蘇の香り。




入り口におすすめされていた「鴨カレー鍋」というメニュー、
ちょっと見てみたいな〜♪



2010年12月の「手打そば処 ほさか」





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2011年04月15日

吉祥寺東急・催事出店「達磨」


何ヶ月も前から楽しみにしていた
吉祥寺東急「諸国名店とうまいもの大会」への「達磨」の出店!

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お蕎麦が好きな人には必携の良書、
「茨城のそば屋さん 常陸秋そば50店」
の著者である粉川健さんにお誘いいただき
楽しい蕎麦の集いに参加してきました!

「達磨」の蕎麦をより感動的に堪能すべく、前日から蕎麦抜きを試みるも失敗。
(前日も2軒行っちゃった)

しかし「達磨の朝」を迎えた私は生まれ変わったように新鮮!
「達磨」の蕎麦を迎えるべく血中蕎麦粉度は自動的に下がりまくり、
今日はこんなにも嬉しい気持ちで「達磨」の蕎麦に会える。
嗚呼自分のしあわせが怖い!


本日のメニューはこのようになっております。

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広島まで行かなくても「達磨」の蕎麦がこの値段で食べられる。
この私の感激は筆舌に尽くせるものではない。


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福岡名菓「ひよこ」ではございません。
(偶然くちばしがついてた!)
「達磨」の蕎麦味噌は卵が入ってるそうで
何ともまろやかな深みがありおいしい〜



そして


私の眼前に。

待ち焦がれた蕎麦、「達磨」のもりそば。

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見た目、非常にさりげないです。

見た目だけでどれが「達磨」の蕎麦か当てろと言われても全くわかりません。
強いて言えばどこかふうわり、飄々とした印象の、激しい主張のない蕎麦だ。

しかし、一度たぐり、口に含めば。

言ってしまおう。
私は100枚のせいろの中からでも
この蕎麦を見つけることができると思う。
(きゃー言っちゃった)

それほどの感激が、全身を吹き抜けるのだ。

私は、たぐりあげた瞬間「美味しい!」と小さく叫んだ。
中央のみを小さく攻めてくるような、正統派の美しい香り。
香ばしいとか甘いとかフレッシュなとか、
私が色々な蕎麦の香りに感じる個性の、どの言葉も要らない。
ふわぁ〜とか、むわぁ〜とかいう言葉もどこか違う。
美しく正しいものだけが、整えられた形でキュッとコンパクトにこちらに届く感じなのだ。
例えれば、風呂敷で美しく包まれたものを大広間の真ん中でスッと差し出されたような。

香りだけですでに降参、叫んだきりただただ首を振るばかりだったが
口に含みその感激は最高潮に。


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(写真はおかわりした2枚目)

箸先で感じた香りが、大きな風のように口中を吹き抜け
すべてを染める。
そのさわやかさ、かぐわしさ。

噛みしめて更に。

蕎麦の「コシ」という言葉があるが
「コシとは、こういうものだったのか!」と目が覚めるような食感。


噛み締めた最初の印象は、限りなくやさしく軽い。
天使か赤ちゃんかと表現してよいフワほにょ感である。
しかし驚くべきは、そこから次々と生まれる「弾むようなコシ」である。
何故、かようにやさしい、はかなさすら感じる蕎麦の中から
こんなにも軽やかな、大きく弾むようなコシが生まれ得るのか。
何度口に含んで噛みしめ見つめても
新鮮に驚かずにいられないほどの、奇跡のような食感である。


しかし面白いもので、全ての条件が同じ蕎麦でも
茹で方によって印象は微かに違う光彩を帯びてくる。

1枚目は極上天使のフワほにょ弾む蕎麦だったが、
おかわりした2枚目はそれよりもぐっと重量感を増し
きっちり密な、すべらかな肌を持っていた。
かぐわしさとコシ加減は1枚目同様の素晴らしさ。
どちらがいいかと言われても全く選べないが、
どんな時もその日最初に食べた蕎麦の感動の方が大きいのは事実である。


「3枚目、食べる人〜」
「はぁーい!」

えっ 私一人ですか!?

すみません、高遠、暴走します!
今日のこのしあわせに感謝しつつ、いただきます!

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ウハッ (≧∇≦)

これまたおいしすぎる〜
そして面白い〜

これは1枚目と2枚目の中間のような印象。
深さのあるざるに、ふんわりふっくら盛られた蕎麦は
凛と密な肌に軽やかなやさしい食感を秘めている。


なんだか「愛・爆発」で長々ごちゃごちゃ申しましたが
本当はなんでもいいんです。
とにかく私はしあわせでいっぱいで、もう泣いてもいいくらいだったんですが
それは意味不明な上迷惑なのでポーカーフェイスで大人しく食べておりました。
(これのどこがポーカーフェイスなのか↓しかも四季桜で真っ赤っか)

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(粉川さん撮影)


3枚を堪能し、身も心も蕎麦オーラで洗い清められふにゃふにゃになり、
そっと見に行った高橋名人の蕎麦打ち実演。


ここからあの繊細な美しい蕎麦が織りなされ生まれていることが
不思議なほど力強い姿。

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魂漲る動きに名人の迸る生き様を見たようで
あらためて衝撃を受ける。立ちつくす。
誰にも真似のできない高いところで、
だるまさんはただただひたすらお蕎麦を打っている。

名人の姿も素晴らしければ、
名人を師と仰ぐ人々の純粋な姿も眼を見張るほど美しい。
人が人を、ひたと尊敬する姿は美しい。


ご一緒くださった皆様、素晴らしき一日を、ありがとうございました。


そして高橋名人、「達磨」スタッフの方々、
余震が続く中、長丁場おつかれさまでした!



2011年01月25日

吉祥寺「手打ちそば 中清」


蕎麦の量が多い店は、嬉しい。
しかし蕎麦の量が多い上にいろんな種類の蕎麦を打っている店は
嬉しいを通り越して、つらい。
吉祥寺「手打ちそば 中清」がいい例である。

ここには「粗挽きそば」「生粉打ちそば」「あずまそば」「さとそば」と
常時4種類以上のお蕎麦がある。
なのに、なのに、1枚の盛りが非常に気前のいい量なので
ひとり行くと1、2種類が限界なのだ。
これをつらいと言わずして何と言うか。

だから先日、打ち合わせを兼ねて3人で行ったときは面白かったなあ〜
蕎麦4種を食べ比べできた上に、
「そばがき」「たぬき豆腐」や「天ぷら」まで!
中清の天ぷら,ひょっとしたら初めて見たかもしれないことに我ながら衝撃・・
蕎麦原理主義とまで呼ばれてしまった私、
たとえよく行く大好きなお店でも、つまみや種物に関しては驚くほど疎いのだ。

「そばがき」も、中清では久々。
ひとくち口に含んで感激。
なんて香り高いモチフワエアリー!!

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蕎麦一枚めは「粗挽きそば」。
熟成ものと本日打ったものの食べ比べ。

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こちらは本日

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こちらが熟成

見た目の違いも歴然だが、味の違いはさらにかけ離れている。
熟成は、濃厚爆発、生々しいまでの力強い味わい!

対する本日のものは驚くほどその面影はなく
野性味も甘味も控えめ。
しかし、ざらつきのある肌を噛みしめると
個性的な野草のような香りがさわやかにひろがり
珍しい、不思議な魅力のある蕎麦だ。
へえぇー、こんな「中清」の「粗挽きそば」もあるんだ!




こちらは「生粉打ちそば」。
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ふっくらと品の良い、まあるい香り。
すべらかな肌を噛みしめると見事なコシが楽しめ
そこからまたやさしい甘みがあふれる。
普段は「粗挽きそば」ファンの私だが、
今日に関して言えば
「粗挽きそば」より「生粉打ちそば」のほうが好きかも!



そしてこちらも久々、あずまそば(更科そば)。
ええっこれは・・・
美味しそうすぎるんですけど・・・・

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ちょっとちょっと、
もうほんとに、やってくれますよ。
見てスゴイと思ったが食べたらやっぱりスゴイ。
何故更科までこんなに美味しいのだ!!

この上なく清らかな香り。
ふくよかな甘み。
舌に広がる白い味わい。
ああああ
今日はやっぱりこの「あずまそば」が一番好きかも・・
どんどんオオカミ少年になっていく自分。



最後に、「さとそば」。
田舎系二八そば、という位置づけのこの蕎麦。
いつも全くここまで手がまわらないのだが・・・

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おおお、美味しい・・・
もう段々落ち込んでくるほどです・・
がっつりとたくましく深い蕎麦の風味。
かみしめれば、これまた嬉しくなるほどの甘み。
そしてこんな美味しい蕎麦を、
いつも食べないで帰る羽目になっている自分。

もうもう、今度から「中清」に来たら店の前を歩いていた人に
「今から一緒にたぐりませんかぁ〜」
と無作為に声をかけたいほどだ。
しかも3人くらいは必要なのだが・・



歌い手である私には禁煙でないところがちょとツライが
この雰囲気だからこその、この店。

好きなのにつらい、なんてまるで恋だが、
毎回全種類食べられない限り私のつらさは今後も続く。


つらい、せつない、大好きな「中清」なのだ。




2010年12月29日

吉祥寺「手打そば処 ほさか」


吉祥寺は私にとって危険な街である。

ブランドのバッグより小さな雑貨が好き、
手作りも大好き、というタイプの人間には
誘惑が多すぎる街なのだ。

手芸用品など必要なものを買いに行っただけのはずなのに、
気がつくと手に紙袋をいくつも持っていたりする。
ああ恐ろしい。でもなんて楽しい。

お蕎麦屋さんも多いのでどんなにヘトヘトでも
低血糖ならぬ低血蕎麦で倒れることはまずないのだが
クリスマス前のこの日、
私は家族へのクリスマスプレゼント探しを頑張りすぎた。
あまりにもギリギリまで頑張ったためふと気づくと
本当に「ブッ倒れそうに」なっていた。

そんな時心強いのが、
何たって駅の真ん前、「手打そば処 ほさか」。
気づけば10年以上ぶりである。
これまたああ恐ろしい。光陰流水の如し。

駅前に出て店に近づくと懐かしい看板。
ギク。あの黄色の表示は、もしや・・

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ゆ、柚子切りやっております・・・


全国の柚子切りを出すお蕎麦屋さん、
及び柚子切り愛好の皆様には申し訳ない限りだが
私と柚子切りは天敵?の関係にありまして・・
否柚子切り蕎麦そのものが悪いわけではない。
柚子切り蕎麦によって柚味に染まった釜湯が私の敵なのだ。
それはかなりの確率で他の蕎麦まで全て柚味に染めてしまうため
蕎麦の香りがほとんどわからなくなってしまう。
柚味でないせいろや田舎、更科を食べたければ
開店直後に入店するしかない。


師走の今日、「ほさか」は大繁盛であろうし
柚子釜湯、濃そうだな〜〜と半ば恐る恐る、
店がある地下に降りてみると

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なつかしや「ほさか」!!
店構えも店内も、10年(以上)前と全く変わらぬ雰囲気に
一気に心がぐにゃぐにゃにゆるむ。とける。素晴らしい。

ハイ、柚子云々なんて私がイヤな奴でした。
もう今日ここに来られただけでしあわせ。
三色もり、せいろと田舎と白雪で、ください!


まずは「輪っか」がやってくる。
(正式名称は知らぬが)

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この輪っかの上に次々運ばれてくる蕎麦たち。

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せいろ

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太打ち(田舎)

あれ?
全然柚子切り病じゃない。
隣の熟年夫婦も、その奥で一人忘年会を盛大に開催中の男性も
柚子切りを注文したことからも柚子切りの人気ぶりはうかがえるが
とりあえず「せいろ」と「田舎」からは
柚子の香りはしない。
蕎麦の香りや味わいも淡いのだが、「ほさか」らしい
おおらかで素朴な蕎麦である。



そして白雪。

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おおー!
「ほさか」の白雪はさらに記憶にないほど久しぶりだが
これは相当良さそうだ。
うれしいなぁ〜♪と手繰り上げると

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ゆずさんがイッパイ。

(>_<)





・・・そうか・・・・

やはり穢れなきものだけに・・・・



あー、この柚子の香りの下に、素晴らしいさらしなの香りが
絶対に潜んでいると思うんだけどなあ!!




しかしふと見やれば、
向こうの「一人忘年会」の男性の笑っちゃうほど楽しげな姿。

二人向い合って柚子切りをすする熟年夫婦。

田舎家のような印象の店内は
10年前と少しも変わらない。

変わらないでいてくれることのありがたさが
静かに私の胸を打った。

心ならずも感激してしまった私は、
会計時に店の人に話しかけてしまった。
「少しも変わらなくて嬉しかったです。10年以上ぶりで来たんですが」。

すると大学生のようなその店員の女性は
「そうなんですかあ〜、私はまだここへ来て3日目なんですぅ〜!」
といかにも若々しく天真爛漫に答えた。


私は、なんだか80歳のじいさんにでもなったような気持ちで暖簾をくぐり、
師走の吉祥寺の街へ出た。


お腹の中の蕎麦湯が温かった。






.

2010年12月12日

三鷹市野崎「吉田屋 玄庵」


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それは、美しき漣。


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驚くほどの極細でありながら、こんなにも、
ドキドキするような粗挽きの穀物感のある肌。



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見つめているだけで、私の脳内は何かおかしなことになってくる。
恍惚、というのが一番近いが、どうしていいかわからなくなってくる。
吸い込まれたい。いや吸い込みたい。

たぐりあげると、あああああ、麻痺した脳をゆさぶるかのような
かぐわしい香りをふんだんにまとっている。

極細ゆえちょっとショワショワしたような感触もあるのだが、
歯ざわりに頼りなさは全くなく、むしろ凛とした、端整な印象。
穀物の香ばしさと地味深い味わいがたまらない。


久々に来た「吉田屋 玄庵」、なんだか以前よりすごいことになってるぞ!

しかし今頃そんなこと言ってる私はどうやら遅れているらしい。

なんたって私が入店した時、店内は「満員」。
しかも皆さん非常に楽しそうで、のんびりゆっくり、
おつまみから楽しんでいる人もいる。

決して交通の便がよいとは言えない店だが、
美味しいものを食べさせてくれる店には人が集まってしまうのだ。



「おろし浅草」という変わったネーミングの蕎麦は
おろしだけじゃあ ありません。
おろし、ネギ、鰹節、海苔、そこに天かすまで入ってしまい、
これが美味しくないわけがないという反則技の危険な美味しさ。

あー!お腹が2つあったらいいのに!!


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それにしても、隣のご夫婦が食べていた「玉子焼き」。
玉子焼きに興味が薄い私も釘付けになるほど美味しそうだったなあ〜



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2010年11月27日

武蔵境「深蕎人」


武蔵境駅からすぐという立地ながら、
静かな木肌に包まれるような空間。

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「せいろ」。

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やや太めの白い蕎麦。
香りも味わいもごく淡泊だが、
直線的なはっきりとした輪郭が
口中を大きく流れていくのが快い。


「田舎」。

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やや赤みを帯びた肌、箸先で濃く香る熟成感。
もぐもぐとかみ締める歯ざわりの中から
熟成独特の濃厚な味わいが溢れ出す。


静かな入り口の奥は、思いの外深い。




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2010年11月21日

三鷹市大沢「蕎麦 地球屋」



またこの家に帰って来た。


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私の心の中で
いろんな思い出がクルクルと回る。
のどかな野川の畔、懐かしい家。



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この家で過ごす時間は、今ここにいるのに「記憶」のような時間だ。

今ここにいて、こんなにのんびりした時間が流れているのに
いつまでもここに流れていて欲しいと勝手に切なくなっている。





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この窓辺で食べるこの味。
私が愛して止まない、地球屋の「野菜の煮物」。
ひとつひとつの素材がみずみずしく澄んでいる。
どこまでも自然でやさしい、地球屋の味。
私は、こういうものが食べたかったのだ。





いつもせいろそば専門の私。
はじめて食べた、温かいきのこのつけ汁で食べる「勇み蕎麦」。
この汁が、大変に美味しい!

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きのこの出汁が滋味深く、柚子胡椒が絶妙の加減で効いていて、
一人なのに思わず「おいしいぃー!」と声に出して言ってしまった。
これからの季節、これは太鼓判のおすすめだ。
さらに、つけ汁でなくこの汁の中に蕎麦が入った温かい「祭りそば」は
なんと底にご飯が沈んでいるというサプライズが。
かなり人気でなくなってしまうこともあるらしいが
寒い日には是非試したいメニューだ。





そして、蕎麦。


初冬の光の陰影の中、
地球屋の蕎麦は完全な美しさで私を魅了する。

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清らかな空気をさっくりと間にはらみ
涼しげに重なるその姿。

ひんやりとした空気から伝わる淡い香り。
口の中で1本1本がハラハラと流れていく感触が
実に心地よい。




私はここの器もみんな好きだ。
冬の日は傾くのが早い。


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ここは、私が帰ってくる場所だ。





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2010年11月09日

吉祥寺「中清」(リハ前、中清!)


しばらくブログ放置してしまいました(>_<)

ちょっと風邪気味でしたがもうすっかり元気です!


昨日は、明後日のイベントのリハが吉祥寺であったので
その前に血中蕎麦粉度をあげていい歌をうたうべく「中清」へ。


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「昶さん席」から眺める店内は、いつもよりも広い。
いつもお会いしていた詩人の清水昶さん。
先日のお誕生日には来店したそうだが
最近はお見かけしなくて寂しい限り。


でも店主夫妻は相変わらずお元気で、
うーん、ここにくると家に帰ってきたみたいだなあー
ほっとしちゃうなー


今日は「粗挽き蕎麦」を1枚軽くひっかけて帰ろうと思ったら
今日は熟成のものもたまたまあるとのことで、
2種盛りにしてくれてしまいウワァーイ!

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こちらは右側、比較的色の浅い「本日の粗挽き蕎麦」。

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見た目からして香りがブンブン飛んできそうだが店主曰く
「こっちは香りはしないよ。でも味がある」。
成程、香りはごく穏やか。
口に含むと、肌は嬉しくなるほどの粗挽きザラザラなのに
舌触りは非常にすべらかでつるつると食べられる。
重量感のある、密度の濃い肌を噛みしめると「ジャリッ」。
いいですねえ〜〜〜〜〜〜〜〜
そしてその「ジャリッ」を3度ばかり繰り返すと
たまならない香ばしさ、穀物の甘さが溢れ出してくる。


こちらは左側、更に黒みと赤みを増した「熟成の粗挽き蕎麦」。

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本日のものと同じようにたぐりあげて
その近づかずとも香る強烈な香ばしさに新鮮に驚く。
しかもこれはまさに「中清の熟成」の香り。
ムッとむせ返るような熟成感よりも
ピーナツやゴマのような香ばしさがストレートに感じられるのだ。
熟成をやる店は非常に増えたが、
やはり中清の熟成には「これだ」と頷かせるものがある。

お蕎麦を食べ終わる頃には
私が所属する「かいぶつ句会」同人でイラストレーター&人形作家のKuukuu さんもいらして、
(あ、KuuKuuさんの個展今日から@恵比寿です。私も行きます!涙が出そうにやさしい世界。
http://kuukuu99.exblog.jp/  )

店主夫妻とも、
お醤油を変えたので汁が変わった話、
昶さんの話など楽しく話して、


あー 楽しかったぁー


その後のリハもすごくいい感じで、
11日が本当に楽しみ!

皆様、11日表参道cay、ぜひぜひいらしてくださいね〜
(私の出演は20:30〜21:00過ぎくらいです)











2010年09月14日

三鷹「味のそば兵衛」→「きびや」

中央線沿いはお蕎麦屋さん天国!

沿線住民になりたいような、
なったら大変と思うような(これ以上耽溺してどうする)、
そんな沿線駅のひとつ、三鷹駅。

先週末は最初からハシゴのつもりで、
まずはここ!

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名前がちょっと面白い「味のそば兵衛」。
そばべえ・・・・
実は非常に親近感を覚えてしまう名前だったりするのだが、
恥ずかしいのでそのへんは割愛(^_^;)


店内は新しく清潔感のある空間ながら、家庭的な雰囲気がとてもいい。

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まんずは、ゴーヤと豆腐のサラダ。
シャキシャキ新鮮なゴーヤがたっぷり!
お蕎麦屋さんで緑黄色野菜をたっぷりというのは
実はなかなか難しいことなので非常にありがたい逸品。
豆腐もずっしり風味の濃いもので、
ゴーヤはパリパリシャキシャキ大変美味しく、これはおすすめ!

実は、今日はお目当てだった「土日限定の粗挽き」が売り切れで
それはそれはみっともないほど落ち込んだのだが
(まだ時間は早かったのに、人気なんだなあ〜)
1種類しかないなら益々ハシゴがしやすいじゃないか!と発想を転換。
「せいろ」だけを大事に、ありがたく食べることに。

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見るからにしっとりやさしい、ふんわりした蕎麦。
箸先にたぐると、甘い香りがふわぁとこちらに漂ってくる。
口に含むと思った以上のふんわり優しい感触で
ほにょほにょした歯ざわりだけに
噛みしめずとも穀物の甘みが舌の上にひろがる。

ここは駅からも近く居心地も良くとてもいいお店なのだが、
接客担当の娘さんがまた非常に感じがよい。
営業らしくない、素朴で明るい接客にこちらもついニコニコ顔に。

あーいいとこに来たなあー

と言う舌の根も乾かぬうちの2軒目。
駅の反対側、北口の「きびや」さんへ。
ウッシッシ、嬉しいなあー!

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2軒目のくせにここでも蕎麦前を楽しんじゃったりしまして。
暑かった夏の終わりをなぞるように、
「焼きなすのお浸し」。

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んー すっきり、染み渡る!
これはシンプルなようで家で作ると結構面倒な料理なので
こうしてパクパク食べられるのは贅沢で、ありがたいものだ。




そして飲まない人も頼んでいいのです。
土日限定の「酒肴3点盛り」。

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「穴子の煮こごり、タコときゅうりの酢の物、キノコといくらのおろし和え」
って・・・
もうほんとに、参りますよ。
この、季節にぴったりの、涼やかながら食欲をそそるメニュー揃い。
土日の開放感に合わせた適度な華やかさ、ボリューム、演出。
「きびや」さん、ニクイとしか言いようがありません。

向こうのテーブルの男性はこの3点盛りを前に、
「いやー、美味しいものを食べるってすごいことだなあ!」
とつい大声で感激している。

ウンウン、ほんとそうですね!

「僕もうお蕎麦なくてもいいや!」


( °o°)


それはない。
だって、この、お蕎麦だもの!!

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箸先から漂う、さわやかな檜のような、
フレッシュな蕎麦の香り。
軽い歯ざわりながら噛みしめれば程よいコシ、広がる蕎麦の深い味わいと甘み。
端正で品の良い姿ながら、
瞬時に私を虜にしてしまう圧倒的な力を備えた蕎麦である。


そして粗挽きはぐっとワイルド、黒い蕎麦だ。

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見た目からして熟成のようだが、
最初箸先での香りはほぼなく、さわやかな冷気のみが伝わってきた。
しかし程なくして、それはそれはこうばしい、力強い、
野趣に富んだ香りがふんだんに漂ってきた。
あまりのこうばしさに、目は到底まともに開けていることは出来ない。
香りだけでもうっとりなのに、
その噛み締めたジャリ感の心地よさたるや、
そしてそこから溢れ出す濃厚な味わいと甘みの嬉しさたるや・・・
まさに「こういう粗挽きが食べたかった!」という粗挽き。

「味のそば兵衛」さんで粗挽き売り切れの無念に耐えただけに、
今日は「きびや」さんにも来て、本当によかった。



あーお腹が2つあったら、あそこも、ここも寄りたいのに。

と、満腹の私をまだまだ誘惑する危険な中央線沿線なのであった。
















2010年06月27日

吉祥寺「中清」(初恋は「中清」)


まるで初恋の人に会ったかのような。



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久々の、「中清の粗挽き」。

熟成流行りの昨今、「中清」のそれがいかに特別なものだったか、
忘れかけていた私はどうかしていた。




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一見似たものは、あるかもしれない。

似ておらずとも、美味しい蕎麦はいくらでもあるだろう。



しかし私にとって、

中清の粗挽きの代わりになるものはない。

どの「ひとたぐり」も、どの「ひと噛み」も、
わたしの中の感激のツボをピタリ突いてくる。




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あらゆる方向からそのバランスを支え
完璧な「輪」を描くかのような、たまらぬ香ばしさ。

食べている間じゅう、口の中に広がり続け
味覚中枢を喜ばせ続けてくれる、熟成の旨みと甘み。

ただの「香ばしさ」ではない。
ただの「濃厚な旨み」ではない。


それぞれの要素に、
「これが欲しかった!」とこちらを夢中にさせるような魅力が
一つ一つしっかりと満ちているのだ。



「あー おいしいなあー」


目を閉じて天を向いたまま固まってしまいそうな。




扱いの難しい熟成。
いろいろな店で出会うようになるにつれ、
今日のはちょっと,というものに出会ったことも少なくはない。
最近ではやはり打ちたてを
より好むようになっていたことも告白しよう。



しかし、最初に好きになった人は違った。

私は、初恋の「熟成」の魅力にあらためて向き合い、
屹立する思いであった。




なーんて偉そうに書いているが
食後私がおかみさんに叫んだ言葉は
「もうダメだぁ、私吉祥寺に引っ越す〜〜」
であった。


話すほどに、女性らしくかわいらしいおかみさんも
枠にはまらず自由な感じが粋な店主も大好き。

久々に楽しく話もでき、
ああこんなにもしあわせな夜があるのだ。



こんなにもしあわせな夜があるのだ。



(昶さーん、今日はお会いできるかと思っていましたのに、
 寂しかったですよ〜
 もしこれお読みになっていたら、たまにはまた中清いらしてくださいね。
 お元気で、またお会いしたいです。場末の歌姫より←昶さん命名)