2014年06月06日

町田「粉練」


町田というところは行く度にびっくりする。

駅の周りにありとあらゆる商業施設が集まっていてものすごい便利さ!
駅周辺は渋谷か新宿か、というほど商業ビルがひしめいていて
ここで見つからないものはないんじゃないかと思うほどの規模である。

その賑やかな駅付近から歩くこと10分ほど。

静かな暗がりの中に、「粉練」。


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「こねり」という名前も外観も大変可愛らしい。


木を用いつつもクールモダンな印象の店内。

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奥には小上がりもある。

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厨房のカウンターはバルのような雰囲気。



ここはなんと行っても営業時間が凄い。
昼の営業を12時〜15時までやっているというのに
夜がなんと、18時〜24時までの営業!

店員さんもお客さんも若い人が多く
お酒も豊富な上に喫煙も可なので、
バルのような感じでしょっちゅう来ているお客さんも多そうだ。



でも、おつまみメニューやお蕎麦メニューはしっかりお蕎麦屋さん。
しかもすっごく美味しそうーー!

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ぱっと見ただけで食べたいものがありすぎて大興奮!



「こごみの天ぷら」
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山菜大好物なのでやはり頼んでしまう。




「熊本のアサリの酒蒸し」
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やや甘めの味付けの酒蒸し。
ここは蕎麦汁もやや甘めなので、それと関係もあるかな?
小ネギが効いてます!



「白海老のかきあげ」
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カリカリさっくり、小海老が香ばしくて美味しい!
しかも、スタッフの女性が2種類を塩を持ってきてくれた。
赤穂の粗塩と沖縄の雪塩。
明るい笑顔で
「雪塩の方はいっぱいついちゃうのでお皿に移してからがいいですよ」
と感じよく教えてくれる。
わー どっちも美味しい〜
塩2種類食べ比べ、楽しいなあ〜



「本鴨焼き」
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本鴨、という言葉に惹かれてオーダーしたのだが、さすが本鴨様!!
肉が繊細にやわらかく旨味がすごい。大変に美味しい。
後で訊いたら、青森のバルバリー種だった。
おいしいものはついパクパク、あっという間になくなっちゃいますねえ(^o^)



「ホタルイカのアヒージョ」
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ホタルイカもガーリックも大好物の私、やっぱりオーダーしちゃいました。
アッツアッツをパンに載せて、ガーリックの香りが最高!



「きのこソテー」
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期待以上に美味しそうなきのこ、見ただけでワクワク〜
きのこ博士に訊かないと分からないが何のきのこかな?
バターの香り芳醇で、きのこの食感がとてもよく
素晴らしい森のご馳走だ。きのこ万歳!



そしてこれがとてもユニークだった。

「ふんわりそばがき」
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こっ この姿は・・・
逆巻く波はさながら北斎版画の如くである。

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すごいー
どっぱぁーんと打ち上げるは「神奈川沖浪裏」じゃなくて「町田沖浪裏」!

超微粉らしい肌は、ごくなめらかでつるつる。
メニュー名は「ふんわり」だが、どちらかと言うともっちりネトーとした食感。
むわっと濃い逞しいそばの香りで、味わいもしっかり感じられる。



蕎麦メニューは
「赤いつけそば」
「白いつけそば」
などいろいろ面白そうなメニューがあったのだが
本日もここに着地してしまう私・・

アハッ(* ̄∇ ̄*)


「せいろ」
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お〜
和のような?ちょっと無国籍な印象のお皿に盛られてやってきた。
蕎麦粉は日によって替わるらしいが、本日は長野「信濃一号」。


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ムワァ〜〜と濃厚に香るたくましい香り。
最初、熟成かな?と思ったほどだがそうではなく、
フレッシュに香るこの蕎麦そのものの香りがこんなにも強くたくましいらしい。
「ふんわりそばがき」同様、微粉のなめらかとぅるっとした肌で端正な舌触り。
噛みしめると少しのびるような、やわらかなコシがある。


ここで私、ハッとひらめいてしまいました。
大発見をしてしまいました!

このお蕎麦は「粉練」っていう名前がぴったりの、
「よ〜くこねてあります!」というイメージの食感の蕎麦なのだ。
考えてみるとそばがきもだ。
面白い!!
勝手な感覚ではあるが、私の中では大発見。



蕎麦が来ると嗅覚が大変な事になる蕎麦犬にとっては
喫煙可の店というのはかなりヒヤヒヤなのだが
今回はどうにか蕎麦を食べる時と重ならずラッキー♪


卵かけご飯好きの私は「特製卵かけご飯」っていうのも気になる〜
どういう風に特製なんだろ(^o^)






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葛飾北斎「神奈川沖浪裏」

2013年06月19日

西八王子「蕎酔庵 いっこう」


図抜けている。

「蕎酔庵 いっこう」を思うとどうしても「図抜けている」、と思う。


とびきりおいしい蕎麦。
他のどこにもないものを生み出し続けるエネルギー。
卓越した感性、美意識・・


なーんていうと小難しそうだが
お店はのーんびりと居心地よく、小難しさとは対極にある。

そのバランスが素晴らしすぎる!



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西八王子の住宅街、自宅改造のお店。



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門から玄関までの小さな露地スペースも、
「いっこう」らしい楽しい趣。


本日使用されているの蕎麦粉の産地も、
張り紙などではなく、こんな手作りの看板でお知らせしてくれる。

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屋根がついているのが何とも可愛らしい。

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今日は一番乗りなので「いっこう」を贅沢に独り占め。

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早速この湯呑に一目惚れ!
(「いっこう」の器はほぼ全て店主の自作なのですよ〜)

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う、う、美しいいぃ〜〜〜〜
少しピンクがかった肌の「甘美な素朴」。
うっすらつけられた十字のラインと丸みを帯びたスクエア型のバランス。
うっとり、お茶で酔っ払いそうだ!


「東北泉」
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なんとこの店でいまだに頼んだことがないメニューがあることに気がついた。

「そばみそ」
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おもいっきり焦げ目がつけてある!
西京味噌、胡桃、刻み葱、鰹節入り。

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焼かれた葱と胡桃が香ばしく、ザクザクジャキジャキとした食感が楽しい。
甘さも味もしっかり濃いめで柚の香りがきかせてある。


「喜久酔」
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この酒器も好きすぎる。もうメロメロの喜久酔で彩酔。




「そばがき」
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蕎麦湯の中でとろけるあなた。

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ほわ〜と淡く漂うかぐわしさの中
とろとろドロドロ〜とそのまま流れるような食感。
今日はいつもより粗挽き感が少なくきめ細かな舌触りで
味も香りも淡めかな?


薬味の小皿もカワイイなあ〜

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「鴨焼き」
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持ち手部分が個性的なこの器ももちろん店主作。
鴨と野菜もデザインの一部のように盛られている。

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ローストビーフのような、やわらかいハムのような「いっこう」の鴨焼き、
好きだなあ〜♪
じゅうじゅう焼かれたナス、葱、ししとうの香り。
器のデザインのせいもあって今ここでバーベキューしてるみたい。



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この湯呑も大好き!
形といい、肌といい、内側と外側の色のコンビネーションといい
もうもう「いっこう」さんはどこまで私を酔わせたら気が済むのでしょう・・・

しかも店主も奥さんもいつもニコニコ飾らない人柄が素晴らしく、
うううう 言葉になりませぬ・・


その上、本日はすごいニュースがありまして
なんといっこうさんに新メニューが。
「いっこう」のお蕎麦「粗碾き三兄弟」、
「せいろ」「粗びき」「十割」の三種類が一度に食べられる
「3種盛り蕎麦」というメニューが出来たんです!

じゃーん。

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しかもですよ、このメニュー、私も出演させていただいだ
「SOBA FORUM in麺産業店」を「いっこう」さんが観に来てくださったことが
きっかけとなって誕生したなんて・・ひゃ〜〜嬉しすぎます!

あのトークイベントでは私、結果的に結構暴走?してしまいまして・・。
「やはりお蕎麦屋さんで、彩りのきれいな盛りつけのメニューがあるといいですね!」
という全体の流れに対し
「そ、そうですね・・でもあの〜、私はもりそばの眺め、肌の美しさがやはり・・」
さらに
「ということで、やはり女性はデザート付きのセットメニューがあると嬉しいですよね!」
という全体の流れに対し
「は、はあ、そですね・・でもあの〜やっぱり2種盛りとか3種盛りとかあると
 初めての人でも食べ比べできると思うし、私は一番嬉しいです・・」
という何とも融通の利かないゲストになっちゃったんですが〜(^o^;)



だって3種盛りって嬉しいじゃないですか!

うっわーい

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す、すごい
「いっこう」の「粗碾き三兄弟」が川の字に並んでいる・・
パリとストックホルムとニューヨークにいっぺんに着陸する感じに似ていると言っても
誰にも理解されないだろうが、
どうにも嬉しすぎる。興奮しすぎる。
落ち着いて・・落ち着いて、この喜びを噛みしめよう。




「十割」長野(黒姫)・信濃一号
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ギャ〜〜〜〜〜
全然落ち着けるわけもないこの眺め!!この眺め!!
これ以上ないほど渋く、香ばしく、けむるような最高のかぐわしさ。
ムーッと香る外皮の黒い香り。
全体は黒っぽいが、見つめれば透明感を帯びた肌に無数のホシと陰影が揺らめき
口に含むと独特のふるっとした軽さとみずみずしさが迎えてくれる。
粗碾きのザラザラぼこぼこした粒子がすべすべつるりとした肌の中で心地よい。
味わいはごく澄んでいて、甘みも少なく
滋味なる香ばしい味わいがスーッとひろがっていく。
今日は入店してすぐに
「今日の黒姫はいいんですよ〜」
と店主が嬉しそうに教えてくれたが、
その黒姫をここまで美味しくしてくれちゃうとは・・
参りました。もうへにゃへにゃでございます・・・




「せいろ」福井・福井在来種
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川の字の真ん中、ひときわ涼やかな緑色の肌。
「いっこう」さんは
「この蕎麦は色はいいけど今ひとつ・・」
と教えてくれたが、いやいやいやいや、私はこの蕎麦のそこはかとない魅力に惹きつけられた。
確かに最初の香りはアレ、と淡い。
しかしその次に、なんとも上品、フレッシュで、あまり出会わぬ儚いようなかぐわしさが
ほーーーっと浮かび上がるように満ちてくる。
口中で感じるいびつで、繊細で儚い輪郭線。
見えるような見えないような薄緑色のすりガラスの向こうにある澄んだ夢。
もうどうにも私は壊れています
あたまがなんにもうごきません
ただただ素晴らしく美味しいです・・・(>_<)




「手びき」長野(飯山)・信濃一号
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もうすぐ芽吹くネコヤナギの枝のような、ボコボコゴツゴツ、極粗碾き肌。
白く澄んだ、上品な和菓子のような香りがほんのりと漂い、
ふるふる軽い食感の内側から、淡く上品な甘みがひろがる。
ややつるりぬるりとした肌は口中を滑るようにめぐり
表面のゴツゴツした刺激がなんとも心地よい。




蕎麦後の蕎麦湯。

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この大胆な器もいいなあー



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この湯呑もいいなあぁー




ああ

「いっこう」は、いいなぁー





2012年09月の「蕎酔庵 いっこう」
2011年07月の「蕎酔庵 いっこう」
2010年04月の「蕎酔庵 いっこう」



2012年09月02日

西八王子「蕎酔庵 いっこう」



何度も来ているのに、最後の路地に入る角でちょっと迷う。

この角だっけ・・?

ここだ!


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住宅街にひそむ 超・名店。

大好きな大好きな「いっこう」さんの庭では、
夏の木が元気いっぱいに日差しを浴びていた。


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まずは冷たいビールで一気冷却!

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もう〜〜〜〜〜 またぁ〜〜〜
「いっこう」さんたら、こーんな素敵な器を作っちゃって・・
としばしうっとり堪能、羨望。
このつや消しの何ともすべすべ繊細、でも素朴な肌。

この時はまだ、このあとの怒涛の新作美器尽くしな展開を予想できていなかった。
なんてったって私は
「いっこうさんの蕎麦と器のどっちのファンか」
と問われたら全く答えられないほどの「陶芸家・いっこう」さんのファン。
今日私はどれだけ写真を撮っちゃったことでしょう。

皆様、本日は「いっこうの器&おいしいものフォトギャラリー」に
どうぞお付き合いくださいませ〜



「お漬物」
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ほら〜〜〜 この器も新作。
八重牡丹の花型のお皿を2枚重ねたようなデザイン。深い青。
いいっ。素晴らしい!!
この器は白いレアチーズケーキなんて載せても
すごく素敵なのではないでしょうか。



小さなお通し。
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実は今日は猛暑のせいか、
お酒は全く飲めなさそうな私・・・
それはいいのだが、このすんばらしい片口は何ですか!

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キャ〜〜〜〜〜
めちゃくちゃ好みであります!
形も、柄も、内側の色も素晴らしすぎる!

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この片口はこの後、柄違いのものにもお目にかかれました。
柄違いの方がさらに気に入ってしまった私はもうメロメロ酩酊状態。
お酒を飲まなくても十分に酔っ払っている。

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柄そのものというより「柄の分量」がこっちの方が好きなのかも。
お蕎麦屋さんが営業の片手間に作ったもの、というレベルでは全くない。






「そば掻き」
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きちゃったきちゃった♪
大好きないっこうさんの「そば掻き」!
今日の「そば掻き」は「せいろ」と同じ、
群馬・赤城「常陸秋そば」の夏の新蕎麦。

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ほ〜〜わ〜〜〜〜 
最高のかぐわしさに染まった湯気。
ああ できることならこのままずっと深呼吸していたい。
フワ感、エアー感は少なく、粗挽きどろざら〜
どろざら〜と芳しい夢・・・




「にしんの昔煮」
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にしんもおいしそうだが、
前から知っているこの器のファンの私は
まずは全体の眺めに夢中。

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「京都の味です」とメニューにある「にしんの昔煮」。
甘すぎずさっぱりとした旨みと食感がいい。



「鴨 陶板焼き」
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やわらかいローストビーフのような鴨もおいしいのだが
野菜がまた美味しい。
焼きネギが特に大好き!




「出汁巻き玉子」
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今日はなんと烏骨鶏卵で焼いたそう。
牛乳で言えばジャージー牛乳みたいな味なのかな?と思いきや
思いのほかほろほろと淡白な食感で、卵の味わいは濃い〜



「野菜かき揚げ天ぷら」
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出ました、デザイナーいっこうさんのまんまる天ぷら!
いつもは海老も帆立も入った「かき揚げ天ぷら」なのだが
今日は「野菜かき揚げ天ぷら」の方にしてみた。
この形、本当に楽しいなあー
パリパリ崩して食べるのが楽しくておいしいなぁー



さていよいよお蕎麦の部。
いっこうの「粗挽き三兄弟」!


「せいろ」
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群馬・赤城「常陸秋そば」の夏の新蕎麦。

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うわ うわわわ 
この、吸い込まれそうに美しい粗挽きの肌の美しさもさることながら
そのかぐわしいことと言ったら。
底の方にじわーっと潜む、フレッシュな草のような香りがたまらない!
そしてその香りがそのまま味になったかのような
フレッシュな味もたまらない。
ざらざらざらざら〜とすべらか口中を撫でる感触も、これまたたまらない。
うーん、こんな蕎麦は久々に食べました・・・・
おいしすぎるー!




2枚目は群馬・赤城高原のキタワセ、夏の新蕎麦。

「手挽き」
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これまた眺めているだけで時間が過ぎて行ってしまいそうな肌。
手挽きされた、不定形な全ての蕎麦粒子を目で追いたくなってしまう。

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たぐりあげたの最初の香りはせいろより淡めかな・・?
しかーし、食べてびっくり!
もう言うのももったいないほど、貴い、美しい最高の味わいが
ホワンホワンと空気になって生まれ続ける。
食感はせいろよりモッチリとして、
だからこそそこからホワンホワン生まれる味わいがさらに嬉しい。
そしてそれを堪能するうちに、最初淡かった香りも
しっかりとした輪郭を呈してきた・・・
やや野性味のある、しかし洗練された穀物のかぐわしさ。
これは数年前の夏、衝撃的な美味しさを誇ったあの赤城のキタワセと思うと感無量だ。



「十割」
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2年間真空窒素状態で大切に熟成させた
福井・大野の蕎麦。

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ウワー・・・
もう、この肌には降参するしかない。
見るからに濃厚に香りそうな肌からは渋く低く香ばしい香りが
爽やかに空気中に飛び散るように放たれている。
「ジャリッ」と思い切り大きなジャリ粒感も潔いほど。
食感はたくましくしっかりとして、弾むようなコシもある。
おいしい十割だなああ!!



「いっこう」の時間は毎回あまりにも楽しくて
開店時間に来たのに気づけば昼下がり。
その間には何人ものお客さんが、この住宅街のお蕎麦屋さんを
ひょっこりと訪ねてきては美味しそうにお昼を食べて帰っていった。



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さあー次回こそ、
最後の路地の角、確信持って曲がれるかな?(^o^)





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(店内でいっこうTシャツ売ってます!)



2010年04月の「蕎酔庵 いっこう」
2011年07月の「蕎酔庵 いっこう」

2012年07月07日

町田市成瀬「石挽き手打ち 一葉」


住宅街の静かな蕎麦屋。

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11時半開店の蕎麦屋が多い中
11時開店というのはありがたい。


「4軒ハシゴの予定がある日」とか
「血中蕎麦粉度が下がりすぎて目覚めた朝」とかには
この30分は大きい。
その30分の間に「低血蕎麦」で倒れたら大変ではないか。


昼食時間としては早めだが
11時からやっていてくれる店には
「11時からやっていてくれてうれしいな」という人が
ちゃんと集まっているものである。
開店直後に行ったらすでに3組のお客さんがいた。


3組いて尚、店はごく静かだ。
日本人はお行儀の良い民族だなあ。


BGMも何もない店の

心地よい静寂。

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この店はメニューが豊富で
蕎麦メニューいろいろの他にうどんメニューいろいろ、
また「親子丼」「かつ丼」「天丼」などご飯ものも一通り揃っている。


しかしなんといっても、「石挽き手打ち 一葉」には
蕎麦が4種類もあり、そのどれもが大変美味しいのだ。
「せいろ」「いなか」「変わり」「十割」。
何度来たって、
ここのご飯ものには一生たどり着けなさそうな私である。



今日は「十割」を1枚と、
「せいろ」「田舎」を二色盛りで頼むことにした。


「十割蕎麦」
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あああああ なんと美しい・・・
繊細に震える輪郭線。
ことさらでなく、しかし存分なホシの散る肌。

これはおいしい。絶対に美味しい・・・!!
と期待最高潮でたぐりあげると
来たー・・
こうばしい、なんともかぐわしい香り。
見た目に反してつるりパキパキとした肌は
その輪郭線を繊細に浮かび上がらせながら口中をめぐる。
噛みしめるとすごい甘み。濃い!
あああ 「一葉」さんはおいしいなあ〜


さてお弁当がやってきました。

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というのはうっそーん
これ、「二色盛り」です。
蓋付きの器、珍しいでしょう。

パカっと開けると真ん中に
汁と薬味がぴったりセットされているんですよ〜
「一葉」の「せいろ」と「田舎」だけに
「極楽弁当」とでも名付けたい眺めだ。



「二色盛り(せいろ蕎麦・いなか蕎麦)」
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「せいろ蕎麦」
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ほわあ〜
なんとも上品な白いイメージの香りが濃厚に立ちのぼる肌。
舌触りはきめ細かく繊細でこれもパキとした印象だが
噛みしめるとしなやかなコシがある。
味わいも白く美しく、しかもそれがどんどん濃くなっていくのがたまらない。



「田舎」
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もうどうしましょう、このたまらぬ風情・・・
土佐和紙のような趣に満ちた佇まい。
自然そのままの蕎麦がそこに重なっているような姿ながら
「ザクザク」とか「野趣」とかいう言葉は似合わない。
繊細、上品、趣、自然。
ガツンとたくましい香りが飛んでくるような蕎麦ではなく
淡く上品な穀物の香りと味わいがたまらなくおいしい。
これもパキとしているが歯ざわりは不思議に柔らかく
平打ちなのでしなやかに口中をめぐる。

「一葉」の世界に酔わされるひととき。


蕎麦の種類が幾つかある店では
甘い香りとしなやかなコシの「せいろ」、
ゴン太たくましい「田舎」、
キッチリ密な噛みごたえで香り高い「十割」、
というようにそれぞれ個性の違いをはっきり出してくれるところが多い。
私のように必ず数種類食べたい者としては
それはもちろん嬉しいことだ。

しかし「一葉」は、表現したい世界がはっきり「ひとつ」。
その決然たる「一葉色」の中での
それぞれの蕎麦の微妙な色の違いが見事だ。
3種立て続けに食べて尚、
一枚の美しい絵画を眺めているような気分にさせられる。



しずかな、しずかな店内。

感じの良い店員さんの甲斐甲斐しい声が
映画のように響く。

厨房で働く店主の姿は見えないが、
客が帰る度、店の奥から
「ありがとうございまーす!」
という店主の声が聞こえる。




私はこの店が好きだ。



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もうすぐでーす!7/10ライブのお知らせ


2011年12月24日

京王堀之内「手打蕎麦 一澤 」



薄曇りの午前中、久しぶりにやってきた「手打蕎麦 一澤 」。

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写真では住宅街に佇むお蕎麦屋さん、のように見えるかもしれないが
どっこい店の前は大型トラックもガンガン通るような広い道である。
初めて来たときは大通りに掲げられたピカピカに輝く巨大な看板を見て
味気ない大箱店かと思い込んだため
実際の店内の雰囲気とのギャップに驚いたものだ。
今回来てみたらその巨大な看板はなくなり
代わりに小さな緑色の看板がちょこんと備えられている。
注意しないと気づかないほどさり気ない看板だが、
このほうがこの店のイメージに合っている。


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本日のお蕎麦は雨竜のキタワセだって!
楽しみだなあー


まずは「せいろ」と「田舎そば」の「二色そば」。

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こんな美しい「田の字盛り」でやってくるのだ。

こちらが
「せいろ」
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パリッと潔く締められた冷気が、淡い香りをまとっている。
うん、これは北海道、とわかりやすい香りだ。
そして食感の個性がまた面白い。
歯ざわりは硬くはっきりつるつるして、
1本1本が重なってはつるり滑るような感じがある。
しかし噛みしめると全く硬くはなく、絶妙のコシを楽しませてくれるのだ。
ゆっくり食べて少し冷気を落ち着かせてからの状態も楽しみたい・・
と思ったが、この食感の楽しさを追いかける内に
あっという間に食べてしまった。

こちらが
「田舎そば」
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「せいろ」と比べるとぐっと黒く、やや太め。
食感としては「せいろ」に似ているが、こちらはやや太いため
ふっくらと厚みを持ったコシを楽しめる。
味も香りも淡いが、つるりさっぱりと洗練された、都会の「田舎そば」である。



そして本日のお楽しみ、「手挽き田舎」がやってきた。

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わっ わっ わっ
これは、大変に、おいしそう!


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ウワー

なんとなんと美しい眺めなのでしょう。

土佐和紙のような侘びの風情の肌、
凛と際立つ輪郭線、
空気感をもって重なるラインの完璧さ。

この手挽きもまた、香りや味わいは弱め・・
かと思いきや、こちらは噛みしめるうちに
野趣を帯びた味わいが、淡くじーっと浮かび上がってくる。
食感がまた個性的で、粗挽きを感じさせつつ
どこまでもつるり流麗に口中をめぐる。
細く繊細な輪郭線は固いわけではないのに
はっきりした輪郭線を際立たせていて、それが非常に心地よい。


個室もあり、昼夜とも予約でコース料理もあるので
ちょっとした会合などにもよさそうですよ〜



2011年10月23日

南大沢「車家」


生産量の少ない希少な在来種である「こそば」だが
東京でも食べられるお蕎麦屋さんはいくつかある。


たとえばここ。

あまりにも名高い八王子の名店「車家」。

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樹木の向こうに百獣の王のごとく潜むは、
築140年余の大きな古民家。
福島県只見町から丸ごと移築してされてきたものである。



圧巻の佇まい。

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入ってすぐの一番広い板の間は昔は座卓席だったが
どっしりとしたテーブルがいくつも置かれるようになった。
最初見た時はこの古民家の吹き抜けの間にテーブルはそぐわないように見えたし、
テーブル、椅子共に大きい上に高さもあるので見慣れた店内に圧迫感を感じた。
しかし床座りが苦手なお客さんへの考慮と思うと
急に非常に和やかな眺めに見えてきたから不思議である。
そして実際座ってみてその大きなテーブル席に
ゆったりとした安らぎを覚えたものだ。


今回座ったのは奥の座敷。

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ここは蕎麦もいいが料理が大変美味しい。

その時々で変わる「季節のお料理」は毎回の楽しみだ。


「秋野菜と舞茸、さんまのつみれ汁」
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秋という季節がそのまま美しく閉じ込めれた、
旬のおいしいもの尽くし。
味わい深くも澄んだ出汁がしみじみと、心から美味しい。



そして「車家」はお蕎麦の種類が多いのが毎回嬉しい悲鳴である。

「おせいろ」
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今回はちょっと変化をつけて定番の「おせいろ」を
きのこ&おろしで食べる「天然きのこおろし」にしてみた。

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淡い緑が清々しい、するんとした美肌。
ひんやりした冷気、香りは淡い・・?と思いきや
それがどんどんくっきりしてくる。
干し草のような、墨のような、どこか枯れた印象でありながら、
実にさわやかなかぐわしさである。
味わいは、この上品なルックスに似合わぬほど濃厚で
豊かな弾力も素晴らしい。


「二八そば」
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口に含むとなんともゆたかな、たっぷりしたイメージの舌触り。
コシ、弾力の強さはせいろと同様だがこちらは
どこかダイナミックな、それでいて洗練された食感だ。
味や香りは淡いが、これをさっきの「きのこおろし」の汁につけると、
うわーい おいしーい!




そしてこちらが数量限定で出されていた

「妙高々原こそば」
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うわ なんでしょうあれは
朱塗りの器の演出も素晴らしいが
あなた!その肌! 
どうやらうつくしいでしょう!!

もっと近くであなたを見ねば

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この色・・・この淡緑。
触れてはならない、神聖さのようなものすら感じるほどの
極めて清澄な淡緑である。
こんなフレッシュな、清らかな美しい色をした蕎麦、
見ただけでたまらなくうれしいではないか。
かすかな透明感をうかべた肌は、
極上のさらしなのような
天女のような香りを濃厚にまとっている。
口に含むとちゅるんと大変に密度の濃い肌で
すごいつながり、のびるような弾力。
あああ 私の体までひんやりと森の中で澄んでいくような思いだ。
なんてきれいな味わい。おいしい・・・



こそばさん、妙高からここまで何に乗ってきたか知らないけど
遠いところをありがとう。


おいしくしてくれた車家さんもありがとう。





車家さん、入口辺りはちょっと向田邦子の世界だなと、
いつも思うのですよ。
電灯のせいかなあ

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2011年07月29日

西八王子「蕎酔庵 いっこう」


西八王子の住宅街。
緑濃き夏の「いっこう」。

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まず出されたお茶に眼を見張る。
茶葉ではない。
この器、素晴らしい!
新作だろうか?

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聞けばビンゴで、店主の最近の新作だった。
蕎麦打ち職人で陶芸をする人は多いが
「いっこう」の店主の作品は中でも図抜けている。
アイディアと個性あふれる作品の数々は、私も大ファン!




さりげなく出された、この小皿にもひとめぼれ・・・
私どれだけ六角形の器好きなんでしょう。

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まずは毎回必ず頼まずにはいられない、
「そば掻き」

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ふわぁーーーっ
なんとフレッシュで嬉しい芳しさ!
ざらざらの粗碾きながら驚くほどエアリーな食感。
その内側から、若々しくフレッシュな蕎麦の香りが
いくらでもあふれてくる。
もうこの時点で、また来たいと思ってしまう店なのだ。 


そしてこれまたここに来たら絶対拝まずには帰れない、
「かき揚げ天ぷら」

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お皿の真ん中にドン!と立つ、一度見たら忘れないかき揚げ。
この中から、海老・ホタテ・玉葱・人参・三つ葉の宝探しをする楽しさ。



「出汁巻き玉子」
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卵を厳選しているだけあって、卵の味がぎゅっと濃縮されたよう。
和三盆を使っているため
出汁巻きにしては甘めのトーキョー出汁巻きだ。




「鴨 陶板焼き」
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野菜たっぷりが嬉しい、
お皿に描いた絵のような楽しい盛り付けが更に嬉しい。
私は焼き葱が一番好き。


 
そして待ってました!
だいすきなだいすきな、「いっこう」の「粗碾き三兄弟」!

せいろ「蕎薫(きょうくん)」
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なんという肌の美しさ。
この後更に粗碾きの「手びき」が来るが、
この「せいろ」だって相当な粗碾きだ。
フワーッとフレッシュなかぐわしさは、
まさに「そば掻き」の感動そのまま。
ああ美しい・・おいしい・・素晴らしい・・・



手びき「白妙」
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息をのむ、しろい超あらびき。

食べず眺めているだけで
蕎麦の重なりの中に吸い込まれていきそうだ。(ホラー?)
ふっくらと白い味わい、
粗い粒を噛みしめるごとに生まれる新しい薫り・・
恍惚。




十割「墨衣(すみごろも)」
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ギャフン。
と古典的な奇声をあげたくなるほどの眺め。
黒々と野性的なのは見た目ばかりではない。
深く香ばしい、そして力強い味わい。
甘みが少ないのが逆に香ばしさを際立たせ、
洗練の雰囲気を持った黒い蕎麦だ。



食後に出会ったこの器。

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これは店主の作ではなく九州で出会ったものだそうだが
さすがはアーティストのセンスである。

いやいや、いっこうさんが「アーティスト」だと思っていたのは前回までで
今回は「アーティストで学者、研究者」と驚かされたのだが・・




人の何倍もの努力を惜しまず、
楽しみながら進化を止めない「いっこう」。



日本に生まれて、東京に住んでいてよかった。
と思えるものをこうして数えて、
日本を大切に愛していこう。



2010年4月の「蕎酔庵 いっこう」

2010年09月03日

日野「蕎花庵 ほそ川」


昨日は昼間お山で戦国情緒に浸るうち
現世に戻ってこられなくなり。

人の姿を借りた3匹のタヌキ、
陽も落ちかけてから夜陰に乗じて
里へノコノコ降りてきましたとさ♪


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日野「蕎花庵 ほそ川」。


話好きの店主夫妻に迎えられ楽しいひととき、

自家製豆腐は「食べる濃厚豆乳」のような
デザートにもなりそうなふるんふるんのなめらかさ。
お山もいいけど里もいいなあー
美味しいものがあるんだなあー

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平打ちのお蕎麦は網目も美しい立派な笊にたっぷりと。

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茶色や黒の小さなホシと共にその肌に浮かび上がるは、
私が大好きな、透けるようにゆらめく白い影。
口に含み噛みしめると、その舌触りに感じるか感じないかの
ごく微かな「ジャリ感」がまず嬉しさをかき立てる。
全体の香りは淡いのだが、噛み締めた内側から
蕎麦の滋味深き味わいが静かに溢れ出してくるのが
血中蕎麦粉度の下がりきった体にたまらなく嬉しい。染み渡る。


平打ちのためヒラヒラと口中をめぐる冷たさが心地よく、
3匹のタヌキはお箸も上手に使って
あっという間にぺろっと平らげ
「あーおいしかった!」。


食後、お店の奥さんに顔をしげしげと眺められ
「あれっ あなた、もしかして・・・」


ドロン!



2010年04月03日

西八王子「蕎酔庵 いっこう」



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もう、「いっこう」さんたら・・・・



デザイナーなんだから・・・




この、掻き揚げの形の楽しさ!


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海老の鮮やかな赤がチラチラ見えるのも美しく嬉しい。





そして、
「いっこう」さんのそばがきったら・・・

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何でしょう、この生々しい粒感。
もっちりとしないなめらかなやさしさ。

口の中で流れるようにほどけてゆく粒達を見つめながら
目を閉じれば、
私は粗碾きの川を流れてゆく桃太郎でしょうか・・・





そしてもちろん、「粗碾き三兄弟」!


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ああ、「いっこう」さんのせいろ、「蕎薫」だ・・・
無数に揺らめく陽炎のような白いホシ達に
目を細めずにいられない。

たぐり上げ口に含むと、これがまた見た目より更に優しく
「サラ・ふわ・スルッ」。
粗碾きの重量感のある見た目ながら、
さらさらするするとした軽い舌触り。
しかしその内側には「ふわっ」としたふくよかな弾力が感じられるのだ。

炊きたてのお米のような、穀物の甘い香り。
最初淡く感じたがどんどん濃厚になってきてくれるのが
たまらなくうれしい。




そしてこちらが手碾きの「白妙」。

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おお?不思議なことに
今日の手挽きは産地も碾き方も違うのに「蕎薫」に似ている。
うっとりするような「サラ・ふわ・スルッ」感も、
この甘いお米のような淡い香りも。




これは全くの私見であるが、
アーティスト気質のお蕎麦屋さんほど毎日お蕎麦は変わるし、
不思議なことに2種類あればその2種類、3種類あればその3種類ともに、
言わば「その日の作り手のムード」とでもいうべきものが
感じられることが多い。

産地や碾き方が違っても、何かその日だけ共通するものを感じることがあるのだ。



天候のせいもあろう。
こちらの体調のせいもあろう。

しかし私には、その日の作り手の「ムード」ととらえた方がより楽しいので
そう思うことにしている。
職人でありながらアーティストである打ち手のその日のムードを、
食べ手の私も楽しませてもらいたいのだ。




後で「いっこう」さんに聞いたところによると
やはり今日の粗碾きはいつもとはかなり違う仕上がりになってしまい
「いっこう」さんとしては残念だったのだそうだ。

「でも、こういう方が好きっていうお客さんもいるんで困っちゃうんですよね〜」
とニコニコ話してくれる「いっこう」さん。
確かに、「蕎薫」ファンだったらそう言うのかもしれませんね!(^o^)


そして最後の十割「墨心」。


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おおー、今日の「墨心」は黒いというより美しい赤みをおびている。
北海道、品種は牡丹だそうだが、何と香ばしい香り。
この香ばしさが時が経つにつれ圧巻の濃厚さに。
単に香りが濃いとか強いとかいうだけでなく
新鮮でありながら「熟成感」を感じる濃厚さなのだ。
美味しい〜〜!!






そして「いっこう」さんたら本当に、
どこまでも「アーティスト」なんだから・・・


御覧ください、この新作の湯桶!


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「ハウルの動く城」のように、
今にもひとりでに動いて働き出しそうな、
何か小さな工場のような・・・




ああ「いっこう」さんの時間は、本当に本当に、楽しい。







楽しい時間はあっという間に過ぎ、帰りはなんとご親切にも
奥さんに道案内していただいて、浅川沿いの緑地の桜を楽しみに。



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高尾駅まで40分の道のり。

なんですか今日は天国ですか?



嗚呼素晴らしきかな「いっこう」さん日和。



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2010年02月27日

夢の多摩蕎麦ツアー!華麗なるフィナーレ



多摩蕎麦ツアーのフィナーレはお蕎麦屋さんではなく、
武蔵村山市で最もディープな店と私が断言する、

「めし おさけ くぼがた」。


もう、名前からしていいでしょう?


ひらがなだけ、必要なことだけ。
どんなに酩酊してしても、
例え目がカスんでいても理解できる看板である。


しかも「めし」だけど「さけ」ではないのですよ。
酒にはちゃんと「お」がついて「おさけ」。


店主のお酒への慈しむような深き愛情と
家庭的で気楽な空間がそのまま表現されていて、
実に素晴らしいネイミングだ。
気楽でしあわせで、ちょっと笑っちゃうようなユルさ。



ここのスペシャリテは何と言ってもショウガとネギがいっぱいのこの「なめろう」かと。
ニコニコ笑顔のお母さんが作ってくれます。


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アンシュおすすめの「薩摩揚げ」もなるほど美味しいし
パリパリに焼いてくれる「栃尾の油揚げ」が食べられるのも嬉しい。


そして何と言ってもすごいのはお酒の品揃え。


この地から外には出ないまぼろしの地酒(美味しくてビックリ!)にも出会える、
まさに知る人ぞ知る隠れ家だ。



はあー、今日は朝から、
どれだけたくさんの面白い景色を見、
楽しい出会いがあったことだろう。


皆様、素晴らしい一日を、心からありがとうございました!
次回を楽しみにしていまーす☆







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「めし おさけ くぼがた」
立川市砂川町2-37-11
042-535-0626








2010年02月04日

京王堀之内「手うち蕎麦 古譚」

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東京都八王子市、京王堀之内駅から徒歩10分の住宅街に
去年こんな素敵なお店が出来たのだ。



「古譚(こたん)」。




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おそばはせいろ(二八)と十割の2種類。
それがどちらも本当に素晴らしい。


せいろは、パッと見は白くて上品だが、
よく見れば「お?」と気づかされる。
思った通り、ぱきぱきとした舌触り。強靱なコシを持つ、個性的な蕎麦だ。
箸先の香りは強烈ではないのだが、穀物の甘さと独特のやわらかい味わいがあり
そこはかとなく美味しいお蕎麦。
個性的でありながら上品なさりげなさがあるのがいい。




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そして田舎がまた素晴らしい。
箸先にたぐりあげた香りだけで「おいしいー!来てよかった!」と
ちいさくつぶやいたほど。
濃厚な香りがたまらない。嬉しすぎる。
黒めで、粘土系のぬめっとしたつながりがあるいわゆる田舎蕎麦。
しかし切り方はうんと細く、一本一本がしっかりとした輪郭を保っているため
この質感にして「ねちょっ」とした感じが全くない。
繊細で端正な舌触り。洗練の田舎だ。


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せいろと田舎をやってくれるお店は楽しみが2倍になるので
それだけで嬉しいのだが、わたしにとってはこの店のように
「せいろと田舎の対比が鮮やか」であってくれると、
まさに理想的、ありがたさに手を合わせたくなってくる。



「古譚」、お近くの方も、そうでない方も、
おすすめですよ〜emoj_req_00625.gif