2024年05月13日

石神井公園「きくち」

うふ。
本日は少々珍しい試みでございます。

いつもどんなに超名店に行って死ぬほど感動・悶絶・耽溺しても
とにかく書く方が追いつかなくて、書かないままになってしまうことばかりの私。
(何せさらっと 手短に書くことができない。愛は濃厚にウザ長く語ってナンボ(笑))

本日はね、 これから、 愛する愛する超名店に行くのです!♡
で、 それが楽しみすぎて、前回の写真を見ていたら
やっぱり書きたくなったので できるだけ手短に語りまーっす♡♡♡♡♡


もう、ここに立っただけで胸躍り平静ではいられません。

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暗闇に浮かぶ、あっけらかんと
いかにもなんでもなさそうなふりをした粋な姿。
ニクイ、ニクすぎる!!

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本日のメニューも、もう〜絞ってきますよね!!
イイトコばっかりついてきますよね!!

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常連さんがいい時間を過ごすカウンター席。

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奥のグループ客さんも常連らしくいかにも楽しそう。



いっこめはコレいきます♡

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入り口は濃厚だけどキリッと感あり。
その後すいーんと消える。おいしー!!


「生海苔とブルーチーズ の佃煮」
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もうこのメニューを考えた時点で、あなたは大勝利なのです(≧∇≦)
反則すぎる、美味しすぎる!!
もう完全にぶっ倒す覚悟で飲ませに来てる、そのまま押し倒される〜〜〜
でも生海苔よりブルーチーズ が優ってるのでこれはワインの方が合ってたな〜♡
生海苔の爽やかさが次の一口を誘い、
ブルーチーズだけで食べるより早いペースでペロペロ食べちゃう。そんで飲んじゃう!
完全に思うツボ客(笑)



そして早くも、ここのスペシャリテたあーーいむ!!!

「粗びきそばがき」
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ああもう・・・対峙しただけで幸せすぎてわなわなする・・・
食べたいけど、 今この幸せの時間を長引かせたくて、
あなたを見つめていたい。

本日は福井、大野在来。

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おおおおおおっっ♡

今回はですね、
ぶっ飛ばすような殴りかかってくるようなフレッシュさではなくて、
青いけれど一定のまろやかな穏やかさもある、
素晴らしいフレッシュな香りでございます!
味も強烈に濃くはなく、
しかしギュッとしたうまみ、味わいがしっかりある。
ざらざらもっちり、ギリギリエアリー ではないが軽さがまたニクイ。
全体にバランスの良いまとまりのある
上品なフレッシュさ、荒びきさに完全にノックアウトされる。
もう〜〜〜〜っ ほんとにーーーーー!!!
どうしてこんなに素晴らしいものが作れるのですかーーーー(T_T)♡



「ラム肉の酒粕味噌漬け焼き」
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羊好き、酒粕好きの私がこれを頼まないことがあろうか、否ない。
メニューを見て1番に目につき突っ込みましたコチラ。
案の定激烈に美味しいです!!
和の甘い味付けが大の苦手な私ですが、この甘さはもう全然大好き。
(愛は いつだって矛盾に満ちている)
ブリンブリンの食感、芳醇なラムの香り。
あさつきの胡麻あえも甘いんだけど大変においしい。
添えられているのは赤い唐辛子の柚子胡椒。
もうねー飲ませるのがうますぎて迷惑でございます(笑)!!



「そら豆の天ぷら」
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前回ここで食べた天ぷらは、もうそれこそどんな一流の天ぷら屋も裸足で逃げ出すような
超絶級の美味しさでしたが
http://ayakotakato.seesaa.net/article/480684458.html
今回のは、それに比べると印象はおとなしめ?
でも限界までの薄衣、カリッとじゃなくてふわっとした、
実に上品な 美しい衣の中に春の香りが閉じ込められていました♡




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こちらはもともと好きなお酒。
今回甘いと案内をいただきましたが、あれれ?
酸味が苦手な私にはちょっと酸味強めでした。







「椎茸の天ぷら」
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「右はかえしがかかっています、左は塩でどうぞ」
という、もう嬉しすぎちゃうご案内♡
うっまーーーーー!!
限界までの薄衣だけどこちらには少しサクッと感あり。
本当ーーに、衣感が限界までないんです。
なんという上品さ!


そしてまたもう一つのスペシャリテがやってきました・・・

「だし巻き卵」
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見た目は色が薄いです。
そんなに胸躍るような見た目ではないと、 正直言って思います。
それが食べると、 それこそ椅子から転げ落ちるほど
「別物」「別格」なのでございます!!

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舌に乗せた瞬間、毎度衝撃を受ける。
この質感は神!? 神なの!?
舌に乗せたのに、乗せた実感がないってどういうことなのか。
液体がそのまま舌にのったような? 
皮感がない、固形感がない。
でも飲めそうなほどジューシーなだし巻きともまた違うんだな〜
出汁の味がめっちゃ濃いのに味は濃すぎないのもいい
とにかく大気圏をブチ抜けて最高の最高の最高!!
これ以上のだし巻き卵は無い、と断言いたします!!!
大好きだあああああああ


ハアハア・・・
また そばの前に、こんなにエネルギーを使い果たしてしまった・・・
(食べるのも書くのも大変(笑))


「もりそば(二産地・一枚目)赤城」
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ああああ
もうだめだ
もうわかりました
これはもう最高でしかない


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爆発的フレッシュな芳しさ!!
温度高めだからこそフレッシュすぎてなまなましく感じるほどの香りだ。
質感がまた驚くべきもので、 一瞬茹ですぎか?と感じるほど
限界までのやわらかさやさしさがありつつ、
でもコシもギリギリある感じ。ニクイ!!
繊細な細切りでふんわり柔らかくみずみずしい。
このなまなましくさらけ出されてるような
ドキドキするほどの稀有な魅力。
あああ〜おいしいいいいいい〜〜〜〜〜〜
やっぱり最高だあああーーーーーー!!



「もりそば(二産地・二枚目)乗鞍在来」
f="https://ayakotakato.up.seesaa.net/image/IMG_0716.jpeg" target="_blank">IMG_0716.jpeg

おー、見た目は先ほどの赤城よりやや白く
こちらのほうが微粉かな?

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これまた 箸先から香りを寄せただけで
「押される」感じすらしたほどの爆発的な芳しさ!!
フレッシュさより誠実で素朴なバランスの良さにうっとりさせられる香りだ。
見た目の通り味わいも白い印象で、
クリーミーでまろやか、でありつつ濃厚なうまみ。
食感はこちらの方がしっかり目だけどそれでもやさしい。
もう〜〜〜〜〜それぞれに魅力爆発、
それぞれに頂点を極めすぎちゃって、
私はもうヘナヘナでございます・・・

大好きだああーーーーーーーー!

ひたすら、吠えていたい・・・



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ここは蕎麦汁もバカ旨い。
大変まろやかでよく合わさっているが、粋なキリッと感が憎すぎる。


蕎麦湯
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超濃厚な蕎麦湯。
これまたおいしすぎてびっくり!!
いかに素晴らしい蕎麦粉が使用されているかが伝わってきて
ものすごく腰低ーーーくおかわりをお願いしちゃいました(≧∇≦)




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これだけおいしいお店ですから、釜湯も宝物のようにおいしい♡


はあああーーー



復習しただけでもヘトヘトになる位なのに、
今日はこれからここに行くんです♡

ウキャッ♡

わーいわーいわぁーーーーい

行ってきまぁーーーーす!










posted by aya at 16:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月15日

石神井公園「きくち」


久々に新鮮なパンチを食らったような気分。
やっと行くことができたその店は、あまりにも素晴らしかった!


石神井公園駅からすぐの小さな店。

ここは、今や押しも押されもせぬ人気有名店となった巣鴨「菊谷」の店主が
かつて2005年に、蕎麦屋としての第一歩を踏み出した場所。
その後2011年、「野饗(のあえ)」というこれまたいい蕎麦屋がこの地を継いだが
去年2020年、「野饗」にいた人が「きくち」という今の店をオープンさせたのだ。

「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」2011年の記事
http://ayakotakato.seesaa.net/article/218647367.html

巣鴨「菊谷」2013年の記事
http://ayakotakato.seesaa.net/article/355528056.html



16年前、開店したばかりの「菊谷」に行ったあの時からの時の流れを思い感無量。

今は「きくち」となったこの店の前に立つと
菊谷店主が中にいるような、野饗店主が中にいるような気もしてしまう。



何度も来たことがある、まだ知らない蕎麦屋。

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まず目につくのは干物用の干し網である。
そしてメニューはなんと停められた自転車に引っ掛けられている。
面白そうな店だ! (≧∇≦)



店内は勝手知ったる懐かしい雰囲気。

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カウンターに座ると早速目の前にあるメニューに心を奪われる。


ウッ・・・なんですかコレ
恐ろしく美味しそうなものばかり!!

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端から端まで全部頼みたいくらいだが
そうも行かないのでコレは大変なことになったぞ、と覚悟を決める。



そして蕎麦のメニューは潔いまでにシンプル、まさに少数精鋭。

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お蕎麦そのものの香りと味を本能で追い求める虫のような私にとっては
「蕎麦メニューが少なくて残念」ではなく、
このメニューから店主の蕎麦への思い入れがバシバシ伝わってきてしまい
ますます期待高まるばかり!



しかも困ったことにこんなメニューまで。。。


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えええ〜〜〜もうやめてえええ
これも端から端まで全部食べたい!
どうしようほんとに困った!!



カウンターの背後にある黒板には本日の蕎麦の産地が書いてある。

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埼玉三芳♡
大好きなのでうれしい〜



「だし巻き」
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鮮やかな黄色でなく少し白っぽい薄黄色のだし巻き。
しかし私が自宅用に買う卵は
「一番高級で美味しい平飼い卵が一番白っぽい」ので
鮮やかなのが良いとは限らないんですよね♡


断面もきめ細かく美しい。

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一口食べて目が丸くなる。
超〜〜ふるんふるんでめちゃくちゃジューシー!
出汁の味が濃い!!
なんというか、やわらかな極上舌触りの肌の真ん中に、
出汁の味わいが浮かび上がるような美味しさに感動すら覚えた。
超ジューシーと書いたが、そのジューシーさが
「卵の部分とジュースの部分が分離せず生地の中に水分がとじこめられている」
感じがとにかくすごい。
おいしすぎるーー!





「あらびき蕎麦がき」
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ウッ・・・
現れただけで、その姿の魅力に固まってしまった。
いかにもフレッシュな、鮮やかな黄緑や橙色の粗挽きの粒たちは
まるで蕎麦畑をそのまままるめたようなイメージだ。
私が憧れ愛してやまない「SOBA ISBA いさと」のそばがきを
彷彿とさせるほどの「畑感」!!
「SOBA ISBA いさと」のそばがき↓↓
http://ayakotakato.seesaa.net/article/195078175.html



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ああああ・・・なんというこの魅力・・・
このままずっと見入っていたいほどの眺めだが、
待ちきれずに(どっちよ)ひと口。

おおおおおおお

フレッシュな野生の香りがトップに来て
それがすぐにお米のようなふっくらふくよかな香りに膨らむ。
もっちりふっくらした質感も最高だが
舌触りはとても個性的で初めて出会う感じ!?
こういった粗挽きのそばがきはいろんな形、大きさの粒が舌に伝わってきて
素朴な風情があるものだが、この「きくち」の「あらびき蕎麦がき」は
全く同じ大きさの細かい粒が、つぶつぶつぶつぶー!と
機械のように無数にある感じなのだ。
これはこれで大変心地よい刺激でおいしい。
面白いなあ〜
福井大野、令和元年の蕎麦。


そばがきの宇宙にうっとり溺れていると
店主が天ぷらを揚げはじめたのだが、その音に驚いた。
大きさとしては普通の音なのだが
それがまるで歌を歌っているかのような、明るい鐘が鳴るかのような
軽やかに響く美しい音なのだ。
え、あの音すごくない?と頭の隅で感じてはいたが
なにせ全身を素敵な素敵なそばがき様に抱き締められているような
恍惚状態だったので、そんなことはすっかり忘れていた。

ところに、やってきましたこちらの天ぷら!!


「春の天ぷら」
うどの芽、ふきのとう、葉たまねぎ
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あまり絶賛ばかりしているとリアリティに欠けるので
ここらでちょっと落ち着きたいところなのだが
そうはいかないほどものすごいものにまた出会ってしまったのだから仕方ない。

とにかく私が大好きなものばかりの天ぷらだったのでオーダーしたのだが
このふきのとうを食べた瞬間、頭で三尺玉大花火が上がりました!!
どっかーーーーん!!! 
なにこの食感!?♡!?
スーパー軽くてショワショワショワ〜!!油っこさゼロ!
その軽やかで香り高い美しい衣に包まれて
うどの芽もふきのとうも葉たまねぎも天国の食べ物かってくらい
おいしくて頭が爆発しそう!!


「桜海老のかき揚げ」
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「春の天ぷら」が美味しすぎたので、
これも絶対おいしいんだろうな〜・・・
と思ってはいたが、まずビジュアルの美しさにやられた!!
鮮やかな桜海老と九条ネギが絵のように美しいし、
量たっぷりも嬉しい〜

一口食べたらもう笑いが止まりません。
何をどうしたらこんなに美味しくなるんですか!?
超〜軽くて、ショワショワショワ〜とした衣の美味しさ!
桜海老の美味しさときたら!!
桜海老の香りも肉感も感じられて最高〜!!


以前この茗荷谷某店で食べた桜海老の天ぷらを思い起こさせる
激しい感激でした(>_<)♡
http://ayakotakato.seesaa.net/article/440001968.html
(↑この桜海老の天ぷらには店主の長い道のり、ストーリーが!)


お蕎麦の前に天ぷらの時点であまりにも感激してしまった私。
興奮のあまり回らぬ舌で絶賛してしまったら
「いや〜・・天ぷらよくわからないんですよ〜」
とのけぞるほど謙虚な店主。
これだけ美味しいもん作っといてわからないって、んなバカな (≧∇≦)

でもよくよく聞くと、やはりやはり、あの油とあの油とあの油、
3種もブレンドするという、研究の末の天ぷらだったのでした!

さっきの歌うような音からして只者でない天ぷらとは思っていたが、
上に挙げた茗荷谷某店にも似た「美味しさの理由」を聞いた気がして激しく納得。




最初の時点ではオーダーはここまでだったが
いろいろと、いろいろと!!美味しすぎたので
欲張ってもう一品お願いすることに。
お腹はもういい具合に満ち始めていたが
ここのお料理がもっと見たくなったのだ。



「芽キャベツと唐墨パウダー」
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ぎゃー
 
これはもう・・・出てきた時点でもう降参です。
こんなの美味しいに決まってる!!
自家製唐墨と芽キャベツ。
唐墨の旨味がとにかく最高で
芽キャベツの香りと甘さが引き立ちまくり!
センスが良すぎる!!



もうもうもう、今日はお蕎麦に辿り着くまでに興奮しすぎて
えらいカロリー消費した気分ですが(気分だけ)
このあといよいよ、待ちに待った瞬間がやってきます!!


ジャズピアノが流れる店内に
蕎麦の水切りの音がして、
私の中でスッと何かがリセットされる。


心澄ませて、あなたに出会う。



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あああああ

なんと美しい、世界中に誇りたい日本の景色。


こんな美しい食べ物が世界中のどこにあるというのだろうか?


遠目には優しげな表情に見えた蕎麦だが、
その肌を近く見入ってハッとする。

心を奪われる。


「もり」
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無数にホシが飛んでいるというよりは
もうこれは「ホシでできている」ような蕎麦である。
褐色、橙、白。
その肌に揺らめく無数のホシと影に、私は吸い込まれそうになる。

箸先から香りを寄せると、
おおおおお
むわぁ〜と香る、生々しいほどのふくよかさ!
食感はちょっと予想外で、思い切り軽くて繊細、
一本一本がハラハラと分かれる感じ。
ざらざらの粗挽き肌が心地よく、
繊細な軽いコシを噛み締めると
ふっくら分厚い香りと濃厚な味わいが口中に溢れ続ける。
おいしいいいいいいいい〜〜〜!!
あれだけ美味しいものをたくさん食べた後にこのお蕎麦。
ちょっと今夜は本当に凄すぎます!!
令和元年、埼玉・三芳の蕎麦(キタミツキ)。



最高のお蕎麦を食べてこれで〆・・・
かと思いきや、今夜はもう一発いってしまいます!!

ここの少ない蕎麦メニューの中に
「かまあげ」があるのが、私には大変目立っていました!
店主の蕎麦への思い入れが伝わってくるよう気がしたのだ。
そばがきもそうですが、あたたかいお蕎麦って
また特別の香り方をしますもんね〜〜




「かまあげ」

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おほ?
何やら大変面白い二人組がやって参りました!!
ふたりとも のっぺらぼうさんです (≧∇≦)
手前は釜揚げ蕎麦ですね。
奥は、冷めないようにと小皿で蓋をされたあたたかいつけ汁でした。
私は温度がやたら気になるタチで、
個人的にしょっちゅうこういう「蓋行為」をしてるので
この配慮を見て拍手しちゃいました〜


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もわあ〜〜とあたたかい湯気にのって香るかぐわしさ。
不思議なことにさっきの「もり」と香りが違って感じられ
こちらの方がシャープな野生がある。
そしてつけ汁に蓋をしてまで守ってきた温度だけにあっつあつ♡!
その中でまったくへたらずコシをキープしている蕎麦がすごすぎる。
あんなに繊細に感じたのに!?

ここで私はさらに、もっとこのお蕎麦の香りを感じたくなり、
蓋の役割で登場した小皿さんに
お蕎麦を盛り付けてしまいました。
お外にいらした方が香りは出やすいかと思い〜 (≧∇≦)

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かっ かわいい♡
そしてやはりこうするとますます香りましたあ〜〜!
おいしい〜〜!!

「かまあげ」のすばらしいところは
汁がほぼそのまんま蕎麦湯みたいなものなので
全部飲みたくなってしまうほどおいしい。


でも、これを飲み干してる場合ではないほど
もんんんのすごい蕎麦湯が出てきて、
それどころではなくなりました!!


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え。

こ、これは・・・

私が今まで出会った中でもこれだけ濃厚な蕎麦湯ってあったかな!?

しかも蕎麦湯なのに美しいホシが飛んでいて・・・
なんですかコレー!

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この濃厚さをお伝えしたく、片手で頑張って撮りました! (≧∇≦)

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蕎麦湯って濃厚なら美味しいってわけではもちろんなく、
このように後から蕎麦粉を足して濃厚蕎麦湯を作ってくれている場合は
当たり前ですがどんな蕎麦粉を足しているかが味を大きく左右してしまうわけです。
超濃厚だけど、味は・・・ってのももちろんあります。

しかーし!この「きくち」の蕎麦湯はすごかった!
美味しすぎた!!
脳が痺れていくのが見えるような恍惚の香り。
もぐもぐしながら飲みたくなるほどの美味しい蕎麦の味わいと
ぽってりとろとろの質感。



あああああ もう本当に今夜は
脳が溶けそう・・・ってか溶けました・・・




次回は
「九条ねぎとお揚げのつけ汁」
のお蕎麦も食べてみたいーーー!!








posted by aya at 12:20 | Comment(2) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月30日

練馬「玄蕎麦 野中」


こんな名店、誰だって大好きだ!

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みんなが大好きな名店はいつ来ても混んでいる。
店前で席が空くのを待ちながらももうすぐ会えるお蕎麦にワクワク。

楽しみすぎて目を爛々とさせてお店を見つめすぎて
あの暖簾の奥に頭から吸い込まれていきそうな気がする。(こわい)

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ようやく席が空きお店の人が奥の席に案内してくれる。
私がよく座る席。
不思議といつも同じ席になるお店ってあるものだ。
お座敷もあるのだがお座敷は上がったことがないなあ〜



黒豆茶。
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これ、香ばしくて大好き。
いつも豆まで食べ尽くします。



そしてねーー!
今日は水曜日なんですぅ〜〜♪♪♪

水・金・日は一日10食限定で「蟻巣(アリス)の田舎蕎麦」がある日!

この右側に説明があるのですが・・

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パッと読んだだけではアリスという文字ばかりが目立ってしまい
頭の中でアリスちゃんが蕎麦ダンスを踊るばかりでかなり不思議の国かと!(^^;;)
しかし私からすると、このやや不器用な説明文の行間に
製粉への情熱が燃えたぎっている感じがたまらなく魅力的・・♡
要は、こちらはたいへんにありがた〜〜い「手挽き十割蕎麦」なんです。
蟻巣(アリス)という珍しい石で出来た重〜い石臼を
手でゴロ〜〜〜ゴロ〜〜〜と回し続けるという
大変な重労働によって挽いた蕎麦粉で打たれたお蕎麦。



黒豆茶の次にやってきたのはお箸。
なんとロイヤルコペンハーゲンのFluted Signatureシリーズの長皿を
お箸皿にしてしまうというアイディア。

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ロイヤルコペンハーゲンにはちょっと思い入れがある私。
「ちょっと不思議なデンマークの本店」「オーデンセの市場で買ったアンティーク」!)
デンマークの人がこのお箸のアイディアを見たら面白がってくれそう〜♪




「蟻巣の田舎蕎麦」(手挽き十割)
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ぎゃぎゃぎゃ
手挽きの方から先に来てしまいましたぁ〜〜〜!!
どこの店でも「順番はお任せします」と言っているので全然いいのですが、
愛が深いほど、熱いほど こっ 心の準備がっっっ


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あああああ

そんなに誘惑しないでください・・・

ひんやりした空気が運ぶ、静謐な、石のようなイメージの香り。
ストイックに澄んだかぐわしさは私の脳を駆け抜け突き抜け
私は黙って感激してるつもりであったがどこかで「うわはーっ」と変な声がする。私か。

口に含むと大きな粒の凹凸をゆるやかに感じ
ことさらなボコボコではないのが実にニクいところ。
目を閉じて見つめるとその肌全てにごく細かなざらつきを帯び
それに加えて大きな粒の凹凸がある。
食感はかなりしっかりとして容易には噛み切らせないので、
その分噛み締めて楽しむ時間が長い。
静謐なかぐわしさに酔いつつ
「ゆるやかな凹凸」と「きめ細やかなざらつき」の両方を追いかけるひととき。
栃木は益子の常陸秋そば。
ああああおいしいよう〜〜〜今日もきてよかったよう〜〜〜



「せいろ」
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無骨なまでに分厚い手びねりの器に盛られてきた田舎蕎麦とは対照的に
こちらは明るい色の笊の盛られた端正な姿。
見ただけでこちらの心も明るく澄んでいくような気持ち。
本日は北海道・音威子府のキタワセ。
この肌も見れば見るほど・・・たまらなく美味しそう〜香りそう〜〜〜!

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こちらはフレッシュな青さを感じるさわやかなかぐわしさ!
するりつるりとした肌は見た目より密な重量感があり
これまたしっかりかための歯触り。
噛みしめるほどに甘みも味わいも深まり、ああ〜おいしいなあ〜〜




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人気店の店内は始終混雑しているのでお店の女性スタッフは大忙しだが
皆さんとても親切。

「玄蕎麦 野中」は天ぷらとセットの蕎麦が充実しており
「海老天おろし」「いか天おろし」「海老天とろろ」
「かき揚げ天せいろ」「小振りな海老の天せいろ」「穴子天せいろ」
「魚介天せいろ」「大きな海老の天せいろ」
とあるのでさすがに天ぷらもののオーダーがバンバン入っている。


隅の席で二種の蕎麦に耽溺しつくした私は
もう少し蕎麦酔いの余韻に浸っていたかったが
次のお客さんに席を譲るとして・・




次回は「淡い緑の荒挽き蕎麦」を食べに
火・木・土曜日に来ようーっと!(^o^)


posted by aya at 09:53 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月19日

達磨さんの蕎麦


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言わずと知れた、全国を行脚する蕎麦打ち職人。
「達磨さん」といえば高橋邦弘さんである。

蕎麦を打つ姿に人々が群がって見入り感嘆し、
シャッターを切る者、ビデオ撮影までする者が後を絶たない。

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休むことなく打っては切り、打っては切りを何時間も続けているのに
寸分足りとも狂わぬ完璧な仕事。

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近づけば思わず目を見開き、何度も瞬きしてしまう。
これほどまでに美しい蕎麦束が機械のようなスピードで「量産」されていくのだから
何回見ても「口あんぐり」である。


誰もが「機械としか思えない!」と呆れ返るほどのこの眺め。

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箸先でふっ、と上品に香る、美しい美しい常陸秋そばの香り。
それが口中で絶妙のコシとともフワーッと勢い良く広がる。
ウエーン 美味しいようー 美味しいようー(;_;)


運良く出会えた田舎にも驚かされる。

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極上のなめらかさを持ったきめ細かな肌。
噛みしめると「せいろ」よりもさらに滋味深い味わいがあるのだが
何に驚いたと言ってその食感である。
太めで、コシもしっかりとあるのに、なんというか・・
その「表面」を感じさせずにいきなり内側を味わえるとでも言おうか。

ううう ちょっとでも長くこの蕎麦と一緒にいたい・・
でも何故かどんどんなくなっちゃう・・・

あっ 

3枚も食べちゃった!



posted by aya at 13:50 | Comment(3) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月24日

石神井公園「手打そば うどん 山喜」


商店街の音も賑やかな「石神井公園」駅前にある、

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外観はまるで立ち食い店のようだが店内は広い、

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「手打そば うどん 山喜」で出会った、

ちょっといい眺め。





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posted by aya at 14:58 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月13日

石神井公園「そば切り なかやしき」


改装してここまでイメージの変わった店も少ないだろう。

築120年を超えていた庄屋造りの田舎家から
コンクリート打ち放しのスタイリッシュな店舗へ。

石神井公園の畔、「そば切り なかやしき」。

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入り口に掛けられた古伊万里の蕎麦猪口デザインの暖簾が
無機質なコンクリートに程よい和の雰囲気を添えている。

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布一枚が、門のような役目を果たしている。
暖簾というものは実に便利で面白いものだ。





コンクリートに木目が映える店内。

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平日限定「お昼のサービスランチ」は
1 ランチせいろ
2 野菜天丼セット
3 小海老天丼セット
4 天ぷらセット

どのセットにも「せいろ」か「かけ」がついている。


「ランチせいろ」

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せいろ、一口天ぷら、雑穀ごはん、つけもの。



「せいろ」
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シャキーンと清冽、潔いまでに冷たくしめられた、自家製粉の二八蕎麦。
こんなにもしめられているのに、ふわぁっとさわやかな香りに出会い感激する。
みずみずしい肌の内側から溢れる、正統派の美しい味わいも嬉しい。
かなり繊細な蕎麦なのか、今日は後半香りが弱まってきた・・かな?と、
思ったときにはもう食べ終わってしまっていた。
どうして私の蕎麦は早くなくなってしまうんだろう。




そして名前からして魅惑の響きです。
大好物が3つ重なった、
「舞茸天おろし蕎麦」!
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これが凄い眺め。
写真では意外とちんまり見えるが、大きめの丼に
ドカーンと岩のようなボリュームの天ぷらが
高さをもって重なっている。
しかもそれが潔いまでにバリンと固い。
うわー美味しい。私こういうの大好きー!
 


石神井公園側から太陽光が斜めに差し
陰影がゆっくりとうつってゆく店内。

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公園の脇にこんなお蕎麦屋さんがあるなんて
石神井公園はいいな。

すべての公園にお蕎麦屋さんがくっついていたらいいのにな! 




posted by aya at 05:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月16日

石神井公園「手打ち蕎麦 二村」


石神井公園駅から線路沿いを歩けばすぐ。


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駅からこんなに近いのに
付近はあまり賑やかとは言えない雰囲気。
そこに突然ポンとこの新しい綺麗な店が現れると意外なほどである。
向かいの線路側が大がかりな工事中のせいもあるだろう。

オープンしてまだ半年、店内は清潔感にあふれとても綺麗だ。

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そのすっきりとした店内で、
まず目をひくのが冷蔵庫にある銘酒の数々。
手書きのメニューにもそれぞれのお酒の特徴がわかりやすく書かれていて
お酒に詳しくなくても楽しく選べるようになっている。

飛騨、新潟、高知、神戸などの銘酒の中から
飛騨「蓬莱 まるしぼ生原酒」。
「アルコール度を極限まで高めた生原酒。辛口ばかりがもてはやされる昨今、
 甘い口当たりの中にふくよかなこくをお楽しみください」
って全然私向きではなさそうなお酒なのだが・・

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(ちょっと飲んだ後でスミマセヌ)

こ れ が! おいしい!びっくり!
甘いと言えばそうなのだが、
すっきり澄んだ入り口から一瞬でプワァ〜ンとふくらんで舌を満たす感じがたまらん!
お酒についての形容は、私相当個性的=ヘンらしいのであまり書きたくないのだが(^_^;)

お酒が美味しいお店はおつまみが美味しいからこまったもんです。

自家製の燻製がいろいろ選べる、と聞いただけで
長居決定である。

鯖にも相当惹かれたが迷いに迷って

「豆腐と砂肝」
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さくらの木で燻したという燻製。
豆腐は濃厚でチーズのよう。
反対に砂肝はコリコリさっぱり、香りは深くこうばしく
いいコンビだな〜

ってなわけで早くも
飛騨「糖類無添加酒米づくり研究会」
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(これもちょっと飲んだ後・・)

「ひだほまれ米使用。
 お米を一粒たりとも無駄にせず造ったお酒はリーズナブルな価格の純米造り」
これはお酒ヒヨコ組長の私にはちょっと激しいが
バシッと、お酒好きの人が好きそうなお酒。


ここは個性的なおつまみがいろいろあって本当に楽しい。

またまた迷いに迷って

「豚の角煮(自家製)」
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煮肉好きですから必ず気になるメニュー。
じっくり煮込まれた甘めの角煮。
お酒に合いますのぅ〜

「手羽元のリンゴ酢煮」
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「和風餃子(自家製)」
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この餃子が、なんたって本日一番の感激でございます。
どこが和風なのかと聞けば「ニラを使わず、タレが蕎麦屋風になっている」らしいのだが
とにかく素直に、ものすごく美味しい。
格別パリパリとかジューシーとかでもないのに、
素材の良さと作り手の真心が伝わるような、なんともじわーと、
ありがたいような気持ちになる味。
私最近、餃子が美味しくて有名なお店にも行ったりしたのだが
大して感心はしなかった。
これに比べるとなんて乱暴でジャンキーな味だったのだろうと思う。
聞けばなるほど「二村」の餃子は人気で売り切れてしまうことも多いそうなので
是非お試しを〜


見わたせば、店内は地元の「おひとりさま奥様」でいっぱいである。
これは地域に愛されている証拠である。
複数でおしゃべりランチ、とかいう奥様よりもシビアにメニューを見極め
今日のランチのおかずはどんななのかと詳しく聞いたりしている。
うーん、なかなか手強そうだが、みな「じゃあそれ!」とランチに決め
美味しそうに食べている。

どれどれ、その売り切れ必至のランチをみてみよう・・
「せいろランチ」900円
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卵焼き、小鉢、かやくご飯。

でもすみません、私の目は一点のみに釘付けです。

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おほー
みずみずしい肌、くっきりした輪郭線が
ナチュラルな木のせいろの上に気持ちよさそうに
ひろがっている。
箸先で淡く漂う甘い香り。
口に含むと見た目通りのパッキパキの食感で
しっかりした歯ごたえの中から粉の旨味があふれる。


こんなのもあります。

「ぶっかけ(豚しゃぶ+ゴマだれ)」
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美味しいものがいろいろあって、何よりも居心地がいい。
店の奥さんの接客がなんとも営業的でないやさしい雰囲気で
帰り際さり気なく挨拶した店主も感じがいい。

開店時間に入りちょっと軽く・・のつもりが
思いのほか長居してしまった。


いい店というのはこうして愛されはじめ、
愛されていくのだ。




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2011年08月15日

保谷「そばきり すゞ木」


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灼熱の練馬区南大泉。
住宅街に佇む美しきオアシスには
12時前に「本日の蕎麦は売り切れました」の看板が立つ。


この泉の水を知る人が静かに憩う空間。

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お酒は美しいガラス器で

「大信州 純米大吟醸 」
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昼のおまかせコースより

「胡瓜漬」
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「秋刀魚の酢漬け」
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この時期の秋刀魚、そして酢漬けとくれば
私好みど真ん中!



「人参のきんぴら」「ポテトサラダ」
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ころんとまあるく仕立てられたオシャレなポテトサラダ。
上にかかっているのはバルサミコかな?と思いきや
ウスターですよウスター!
こうこなくっちゃ、と感激に泣くオジサマもいるのではないだろうか。
ポテサラというものにそれほど興味がない私だが
このポテサラは何だかやたらと美味しい。
玉ねぎの風味が実に爽やかで、じゃがいもの素朴な味わいが豊かで、
あれーポテトサラダってこんなに美味しいものだったっけ?


「ささみの風干し」
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最初ほんの一瞬コワイと思ってしまったのだが
(恐竜がいた頃の動物のイメージ?)
鶏のささみである。これがおいしい!
まるで燻製のように香ばしいのだ。



「蕎麦豆腐」「キャベツの漬物」
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「夏野菜の天ぷら」
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これはメニュー表で美味しそうだったので追加注文、

「砂肝煮」
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美味しい焼き鳥の味わいのようでもあり、
ワインに合うフレンチでも食べているような気にもさせられる
ぎゅーっと濃厚な旨み!



蕎麦は季節の「トマト蕎麦」と「せいろそば」、
2種やってくるという嬉しさ。

「トマト蕎麦」
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鮮やかな絵画のような眺め!
ことり、とテーブルの上に置かれただけで
トマトの甘い香りがふわぁーっと漂う。
トマトの青い香りというよりは、
フレッシュなトマトジュースのイメージの甘い香り。

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味わいはごくすっきりとシンプル。
青紫蘇のみでアクセントをつけているのが実に心憎い。おいしすぎる。
さらさらひんやりしたトマトのジュースの中に
粗挽きのしっかりした蕎麦が泳ぐ、真夏の午後の夢。
しあわせだ・・
今日ここに来て良かった!


「せいろそば」
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粗挽きの素朴な肌と直線的なラインが美しい、
「そばきり すゞ木」らしい「せいろそば」。

手繰り上げて思わず小さく「おいしい!」。
やや枯れたイメージの独特の香ばしさがふわりと迎えてくれる。

見た目の通りのしっかり固めの歯ざわりで
噛みしめると粒の中からまた別のふっくらした香りが生まれ続ける。
口中を無数にくすぐる粗挽きの粒感がたまらない〜・・



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デザートは熊本のスイカ。
ノスタルジックな手毬の器がぴったりよく合い
「にほんの夏はいいなあ〜」と
最後まで楽しい気持ちにさせてくれる演出だ。


店を出ればまた目も眩むような灼熱地獄。
しかし往時の半分もつらくない。
オアシスで得た潤いは、どうやら駅までは保ちそうだ。


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2011年08月05日

石神井公園「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」


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石神井公園駅から徒歩3分の路地。

2005年、ここに「手打そば 菊谷」が生まれた。
店は瞬く間に近所の人や遠方の蕎麦好きに愛される人気店となり
そして今年、巣鴨に移転した。
かつて店があった場所に立ち、時の流れに思いを馳せる。

ここは今、「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」。
「手打そば 菊谷」の店舗を引継ぎ開店した店も、またいい店だ。
店先の杉玉が銘酒処としての心意気を示している。


「冷肴おまかせ五品もり」を頼むと
こんな楽しいことになる。

「そばの実おひたし」
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「ゴーヤのおひたし」
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「鳥肝しょうが煮、きんぴら、昆布煮」
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この店の主は日本酒ライター。
カウンター前の大きな本棚には日本酒に関する文献が図書館のように並び
店内黒板には他では見かけないような名酒の名前がズラリ。

暗号のような名前があると思ったら、酵母の名前で出しているお酒だったり!


お酒好きのハートをガッチリ掴むおつまみメニューの中に
野菜料理が多いのも嬉しい。


「鯖の燻製」
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「茄子の煮浸し」
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「しらすおろし」
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蕎麦は産地別で二種用意されている。

まずは

「福井産の十割」
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はかないまでに繊細な粗挽き。
箸先から漂う香の素晴らしさに、思わず食べもせぬうちから
「おいしい〜!」。
口に含めば見た目以上の繊細さで、まさに「はかない」食感。
しかしそのはかなさの中から、ふっくらとした味わいがしっかりと溢れ出して来る。



二枚めは

「栃木産の二八」
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うーん、栃木の香ばしさ!
こちらは二八だけに先程の福井十割に比べるとムチッとしたコシがある。
みずみずしくしっかりとした蕎麦。
何より私は栃木の香ばしさに弱いのですっかり酔わされる。




ところで今回この店の帰りに面白い店を見つけた。


「蕎麦に銘酒 野饗」からも石神井公園駅からもすぐ。

「茶房 珈路(こみち)」。
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商店街に面して「自家焙煎」「一杯出し珈琲専門店」と看板にあるが
店は2階なのでなかなか地味な印象である。


しかし2階に上がると、そこは!

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一階の印象からは想像できない、
驚きの広さの、実に美しい店なのだ。
なんとも嫌味のない高級感。
肩肘張ったような洗練ではなく、
ホテルオークラの旧館ロビーのような、のどかな気品。

あまりにも専門的なコーヒーメニューには圧倒されたが
相談に乗ってくれた店主は極めて感じがよく
バシッと美しい姿勢で丁寧に淹れてくれる。

そのコーヒーが、驚くほど美味しい。

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石神井公園にこんなコーヒーの名店があったとは・・


「蕎麦に銘酒 野饗」に帰りには是非。







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カウンター正面の窓。一面のコブシ!(茶房 珈路)





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2011年03月30日

石神井公園「手打そば 菊谷」


5月から巣鴨に移転ということで、
石神井公園での営業は3月いっぱいまでとなった「手打そば 菊谷」。

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こうして眺めてみればいつのまにか街の風景にすっかり馴染んでいる。


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昼時前から、店には途切れず客が訪れる。

ひとりランチのおじいさん
予約してきたお洒落なマダムズ
小学生の男の子連れのお父さん
昼から一杯のおじさま
小さな女の子と明るいおばあちゃん
赤ちゃんを連れたお母さん
品のよい老婦人

ちょっとこの店に居ただけで街の縮図を見てしまったかというような
地元の多様な人々が次々と訪れる。
皆思い思いの好きな蕎麦を注文し、美味しそうに食べている。


お蕎麦が愛されていると全然関係ないはずの私まで無性に嬉しい。

だいたい私は自分が蕎麦を食べるのはもちろん好きだが
人が食べているのを見るのも大好きなのだ。
「菊谷」の素朴で美しい蕎麦を
あああの人もたぐっている、
あんな小さな子も上手に口に入れている・・

それぞれの箸先にたぐられた、しなやかな蕎麦の曲線。
たぐる姿もいいのだが、すする音もまたたまらない。
特におっさんがたててくれるズズズッは最高だ。

なんにせよ、うっかりすると私は蕎麦を食べている人をうっとりと凝視してしまう。
それは傍から見ると、ただ人の食べ物を羨ましがっている動物のようで不気味なので要注意だ。
(でも実際、食前でも食後でも私は人の蕎麦が羨ましいのだから不気味大正解である)


隣の人の蕎麦も美味しそうだが、
わー、私の前にはこんな素敵なものがやってきましたよ!

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「菊谷」の「蕎麦掻き」。
いかにもむっちりと、香り高そうな肌。
見入れば、素朴な粗挽き感にときめかされる。

箸先にむんずと取れば、

もわぁあ〜〜〜

ふっくらとゆたかな、なんという香ばしさ!

口に含むとむっちりあたたかい肌から香りと味わいと甘みが溶け出し
ああ・・なんと滋味深き美味しさ。



玉子焼き。

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平生、玉子焼きはすすんで頼まぬ私であるが
「菊谷」の「玉子焼き」は太鼓判の美味しさ。

軽いのだがふわりとしすぎず、
あっさりとした味付けが卵そのものの味を前に押し出している。
ぱくぱくとあっという間に二切れ食べてしまった。


そして待ってました、
先程から何人の、他の方のお蕎麦を遠く羨ましく眺めていたことか。
2種の蕎麦が楽しめる「菊谷」の「利き蕎麦(ききそば)」。
1枚目は「二八」。今日は福井・丸岡と秩父のブレンドだ。

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(写真は1枚の半量)

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先程から眺めていたとおりの、見た目の美しさにまずヤラレる。
この一歩控えた、力の抜けた佇まい。
ことさらでない静かな野趣は、見つめるほどに、深い。

手繰り上げると、香りも味も見た目どおり。
ことさらではないのだ。
風味も甘みも香りも、濃ければいいというものではないことを
実感せずにはいられない美味しさ。
淡くやさしい印象の真ん中に
上質の蕎麦の味がほんわりと浮かびあがるような。

「やさしい粗さ」の肌の凹凸をなぞりつつ、
鼻腔をくすぐるほのかなかぐわしさを追いかけ、
舌に広がるやさしい味わいを追いかけ、
あああああもうなくなっちゃった・・・



2枚目は北海道産の「十割」。

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(写真は1枚の半量)

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うわぁ

これは香ばしいですよ!
いい香り〜〜
ずっと香っていたいが口が勝手にどんどん食べてしまう。
こちらは甘さと味わいが二八より更に淡く、
それによってかぐわしさがより軽やかに
ふわーっとひろがって感じられる蕎麦だ。
おっ おいしい・・・
「菊谷」さん、お蕎麦両方共、美味しすぎますよ!



そしてこの店は本当に困った店で、
お蕎麦がこれだけおいしいのに、美味しい種物をいろいろ展開しています。
ああお腹が3つ欲しい・・

この「練馬地野菜ぶっかけ」、
本当はひとり分全部食べたかったーー!!(お腹いっぱいすぎです)

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野菜はその時々の美味しい練馬野菜を使うらしいのだが、
今日はなんとキャベツ。お蕎麦屋さんでは意外と出会わぬ野菜である。
自宅の冷蔵庫にキャベツ欠かさぬキャベツ好き高遠、
そんなぶっかけ好きに決まってます。
しかもこのキャベツ、上物ですよ〜

そしてね、このぶっかけは「揚げ玉」がやたらと美味しいのだ。
「この揚げ玉、何ですか!!??」と聞いてしまったほど。揚げ玉だってば(^_^;)
菊谷の魔法のかかった、美味しい揚げ玉なのだ。




「あ〜キミは次回からもう大盛りだね」。

隣の、小学生の男の子連れのお父さんの声。
男の子はまだ2年生くらいで、小さくて細いのに、お父さんのお蕎麦をどんどん奪って食べている。
嬉しそうに奪われるお父さん。
その向こうに今入ってきたサラリーマン風の男性は
常連らしく慣れた様子でランチを注文している。
移転の張り紙を見て
「えっ もうそんなだっけ?あれー・・そうかあ・・」



移転は喜ぶべき店の進化の形だが
これだけ地元の人に愛されているのを見ると、
私までふっとさみしい気持ちになる。

石神井公園の地で愛され6年。
新しい「菊谷」は2011年5月から、豊島区巣鴨にてスタートする。


楽しい進化を、明るい気持ちで祝おう。




お店のHP




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

posted by aya at 18:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月20日

光が丘「玄蕎麦 芳春庵 小坂」


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春一番吹き荒れる中、こころ晴れやかに眺む「玄蕎麦 芳春庵 小坂」。
拙著「蕎麦こい日記」巻末の「おすすめ蕎麦店33選」にも
是非と掲載させていただいた、大好きな店である。

初めて来たのはまだ学生の頃だったろうか。
当時はいわゆる地味〜な町蕎麦屋風だった店内で
目が覚めるほどフレッシュな、かぐわしい蕎麦に出会った衝撃は今も忘れない。

数年前に改装してからは店名に「芳春庵」という綺麗な屋号が入るようになり
店内もぐっと洗練された印象に。


いつも早くお蕎麦に会いたくてもうそれこそ駅から滑り込む勢いでやってくるので
よく見ちゃいなかったが、今日明るい青空の下よく眺むれば
時折あちこちで出会えるカラフルな意匠、楽しい面影が、ここにも・・・

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開店直後の店内はまだ静かでのんびり。

メニューを見ながら「せいろ静御前」と「手挽野州蕎麦きり」をください、と頼むと
お店の女性は「ハイッ 二八と田舎ですねっ!」とハキハキと答える。

何がどうでも、とにかくここのお蕎麦に会えると思うと
嬉しくって嬉しくってヒューズがぶっ飛びそうではないか!!

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まずは「せいろ静御前」から。

なんと清らかな漣、繊細な陰影。

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たぐりあげるとふわり、意外な香りに驚く。
今日は、香りはかなり個性的な印象だが
つるつるとすべらかな舌触りと
噛み締めるとしなやかにのびるようなコシが心地よい。




こちらが「手挽野州蕎麦きり」。

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胸がいっぱいになるような、この姿。

白いホシを影絵のようにゆらゆらと浮かべた肌は萩焼の名陶のよう。
久々に会えたと思うと一層胸打つ美しさである。

口に含めば ふわり、軽い歯ざわり。
今日はいつもより全てが淡い印象なのだが、
その淡さの奥から美しい粉の香りが
しずかに、ほんのりと浮かび上がってくる。
それをどうにかつかまえたくて追いかけたくて、
恍惚と空(くう)を見たまま焦点の合わぬ私は
相変わらず店一番の挙動不審客である。



2種の蕎麦がちょこっとずつついて
いろんなおかずやご飯、お味噌汁、デザートまで楽しめる
超盛り沢山なランチセット(950円)は一日限定8食ですので、お早めに〜





posted by aya at 12:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月14日

練馬「玄蕎麦 野中」「法師人」 (白梅経由、はしご蕎麦)



「野中から白梅経由、法師人へ」

「二軒目は春風のせい梯子蕎麦」




昨日はちょっとした録音の後
スタジオからメールしたら
幸運にも愛するまゆきちと合流でき嬉しかったーーimage/2010-03-06T23:27:026


何の計画もなかったけれど、その場で練馬ツアーを企て
ウキウキいそいそ春の宵、はしご蕎麦image/2010-03-06T23:27:023




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お蕎麦も楽しかったが
とにかく春の夜風が気持ちよくて気持ちよくて。

二人お酒も飲んでいないのに
酔っぱらったようにヘラヘラニヤニヤ浮かれて歩いて
たのしかったなあーーー!!


特に途中見かけた白梅には感動。

白梅が大ー好きな私の、好みど真ん中の美人さんに偶然遭遇。
まあるい薄桃色の、はずかしそうなつぼみがちょんちょんと枝に並び、
今夜ぱっと開いたばかりの若々しい花びらたちは
誇らしげに甘い香りを漂わせていた。

私は道路端だというのに低い塀によじ登ってまで香りや姿に酔い、
まゆきちにまで「これを香らなきゃ損!」とよじ昇りを強要。
つきあってくれたまゆきち、ありがとう(^_^;)







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まゆきちも激写中@野中。



今日も昨日の血中蕎麦粉度で、
元気にがんばりましょーーー!





posted by aya at 09:28 | Comment(3) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする