2022年12月15日

神楽坂「蕎楽亭 もがみ」


今日は楽しい蕎麦飲み会!

しかも、私が企画したのではなく、
たまたまお蕎麦屋さんだったというこの奇跡・・・(ホントだってば!(笑))
しかも私の大好きなお店ということで
うひょうひょホイホイやってまりましたあ〜♡
うれしすぎー!!


変わらず凛とした構え。

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ストイックなのだがストイックすぎず、
どこか舞台装置のような華もあるこの構え、
好きだなあ〜



外には「そば好きの方へ」と、各メニューの蕎麦の量が書いてある案内が。
これは珍しい。いいですねえ〜

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師走の店内は大賑わい。
ここは店主も含めスタッフは全員女性だが、
客層としては本日はオール男性!
皆さんそれはそれは楽しそうで、一年中蕎麦屋ばかり行っている私も
師走の蕎麦屋っていいもんだねぇーと思わずにいられない。


そして実は、ここにくると何故か私はおじさんぽい気持ちになります(大笑)
もともとかぐや姫の竹が割れすぎて竹を割ったような男気な私ではありますが
この店特有の、おじさんのハートを鷲掴みにする魅力をビンビン感じると
あ〜やっぱり私もおじさんなのかも〜と思っちゃうのです(笑)



ここに来たら兎にも角にも二色(田舎十割とざる)と決まってんでい。
でも一応メニューは見たいの♡

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今日は皆様とご一緒の飲み会なので
一人暴走するわけにもいきませんが
ここのおつまみはめっちゃくっちゃ美味しいものばかりなので
涼しそう〜な顔でガン見します(笑)。

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イヤもうこれ全部食べたいですよね!?
センスが素晴らしい!



季節のおすすめが別紙にあります。

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イヤーーン ここも美味しそうなものばかり〜!



そしてここはとにかく飲んでナンボのお店なので〜( ´▽`)♡
純米好きの私は「黒牛」行こうと思いまーす!

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楽しいお話に夢中で写真撮り忘れちゃいましたが
入り口ガツン、下がずっしりした感じだけど後味はスッと切れるお酒。
おいしいですねえ〜



そして今日何に感動したって、コレです!!
以前はなかった「そば前セット」!

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きゃーーーーっ♡!!!

もうもうもう、一眼見て恋に落ちました!!
この抜群のルックス・・・
酒好きの心をくすぐる通なセンスと、家庭的なあたたかさと、
女性店主らしい可愛らしさと・・・
おじさん(私)もう泣きそう!!
これは絶対に美味しい!!素晴らしい!最高だ!!


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もう〜〜〜〜これがね〜〜
本当に最高なんですよ!!
どれを食べても中途半端なものがひとつもない。
どれを食べても「あっおいしい」と頭の中にピカッと電気がつくような
嬉しくなるおいしさがある。
まんなかの白いのは「じゃがいものすり流し」なのだが
聞かなければわからなかったほど澄んだうつくしい、
洗練された飲み物だった。
クリームコロッケや牛すじ煮込みが美味しいのは言わずもがな。
私が特に気に入ったのはオクラ!
味付けが絶妙でいくらでも食べたいくらいでした〜♡
このセットが990円って!!しあわせすぎます〜〜


「ふきのとう天ぷら」
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えっこの季節にふきのとう??
とびっくりしたが早いものはもう出ているんですね〜
大好物なので大喜び!(とにかく苦いものが好き)。
サクッとした衣に包まれた
青みの強い鮮烈な香りと苦味が美味しかったです〜



「そばがき」

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ほわわ〜と漂う滋味深い香り。
ふわとろ〜とした食感もよく美味しかったのですが
なにせ今日はみなさんで分けたので夢は儚く終わり・・・
ふたつ頼めばよかったかも?
(というわけでこの後暴走します (≧∇≦))




「二色(田舎十割とざる)」

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これこれ♡
この田の字盛りの眺めだーいすき!

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嬉しすぎて激写♡



「ざる」
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こちらは、いつも会津のお蕎麦。
今日の香りはめっちゃめっちゃ個性的!!
ここのお蕎麦はいつもほかにはない香ばしさがあるのが好きなのだが
今日のは香ばしさを通り越してちょっとかろやかな燻製ぽいような??
超極端に言えばソーセージに近いような?
たいへん面白い美味しい香りがしているのだ。
これはこの蕎麦の持つ個性であり、私は長年の間にそれこそ面白い香り・・・
じゃがいもの香り、天ぷらの香り、炭を通り越してカビっぽい香り、
強烈ビーフジャーキーの香り(絶品)、いろんな蕎麦の個性に出会っている。
でもここでこういうお蕎麦に出会うのは初めて!
面白いなあ〜
平打ちでしなやか、優しいコシのすばらしい食感。



「田舎」
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素朴な風情あふれるたまらない肌、
美しく繊細な平打ちの輪郭線にうっとり。
珍しく今日はこちらは会津ではなく、北海道中標津の在来。
香りや味わいはごく淡くほとんど感じられないのだが
素朴なざらつきと繊細でしなやかな食感で
飲んだ後でもするりっと食べられてしまう粋な田舎蕎麦。



私がもう一つ絶賛したいのはここの汁!

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実に、旨い。
その一言に尽きる。
私は常々、私にとって理想の蕎麦汁はなにも感じない汁、と言っている。
甘いとか辛いとか出汁がどうとか、突出した個性を形容できない、
ただ蕎麦をつけてみたときになんの邪魔をせず
「おいしい」という世界に連れて行ってくれる。
そういう汁はなかなかない。
ここの汁は、そういう汁だ。


さて同席の皆様は大変スマートで素敵な方ばかりでしたので
普通にお蕎麦を一枚ずつ頼んでお開きの方向に・・・
なることを予測した私はオーダーする時から
「てへっ」とか言いながら私だけ2枚頼みやがりました!(笑)

だってここの「からすみそば」って
食べたことなくて気になったんだもん・・・


「からすみそば」ってからすみをふりかけたせいろ蕎麦を
オリーブオイルと蕎麦汁で食べたりとか、
まあとにかくこんなの美味しいに決まっとる!!という
美味しすぎる禁断の種物なのですが、
「もがみ」の「からすみそば」は想像を超えてきました!


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えっ何事!??



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なーんと、マスカルポーネチーズが超濃厚に絡められて
その上にからすみがかかってきました〜
しかもこれを蕎麦汁につけて食べるスタイルなのです。

なにごともそのまま食べてみたいタイプなので
まずはそのまま一口。
美味しいけど濃厚すぎました!(笑)
で、正統に蕎麦汁につけて食べると・・・
うわおいしーーーーー!!

蕎麦汁につけることでチーズが少し薄まって
蕎麦汁のキリッとした感じが加わり
別の食べ物に生まれ変わりました〜

このチーズが溶けた蕎麦汁・・・
まさに禁断の美味しさです。

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「私も含むおじさん大喜びで女性スタッフばかりの店」なんて書くと
行ったことない人は勘違いするといけないので書いておくが
ここの店主もがみさんは女性らしい愛想を振り撒くタイプとは真逆の、
まっすぐな鋭い瞳でストイックにバカスカ働く美しい剣士のような人。

私がこの「からすみそば」を褒めたら少しだけ笑って
「体に悪いですよ?」



いいっ!!

実に、いい店だ・・・



またまたハートを鷲掴みにされて

皆様とほろ酔い気分に外に出たら

美しい冬の満月。



たのしかったーー









posted by aya at 11:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月06日

中井「green glass」


住宅街の小道の奥へ奥へと進み、
もうこんなところに絶対にお店はないだろう、と確信した先に
赤い灯がぽつんと見える。


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ヴィヴィッドな赤と緑の灯りは灯りというよりネオンと呼びたい不思議な雰囲気。
以前はあまりにもさりげなさすぎて戸惑う外観だったが
随分明るくなったのでこれならお店とわかる。
しかし相変わらず看板は全く目立たないので
外からは何屋かさっぱりわからない。
この中に、一人の人間をトランスの海に溺れさせる超絶蕎麦世界があると
誰が窺い知ることができるだろう。



玄関で靴を脱ぐスタイルの店は奥に長く意外に広い。

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全体を考えると広くて立派なお店なのだが
店の手前の部分は使われていないこともあり
どこか秘密のスペースめいた雰囲気がある。
そこが楽しく面白いのだがこの店の面白いのはそれだけではない。


まずこのメニューを見ただけでもう私は正気が保てません。
特に下の方!

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下の看板を見ただけで体温が数度あがります(≧∇≦)
まず一番上に「手挽き」がある♡
「もり」は産地別に2種、本日は「長野」と「栃木」があって
その上「かまあげ」と「塩かまあげ」って!
「土用寒セット」というのは「あつい」「冷たい」のセットということで
「もり」と「かまあげ」を2産地ずつ4枚食べられるらしい。
うーーん面白い!


上の看板を見るとますますクラクラする。
まずこの店のスペシャリテと言える「鴨ロース」。
(これは否応無く第三宇宙に拉致される異常な美味しさ)
続いてこれまた前回悶絶した「鹿肉のみそ漬け炙り」。
個性的なところでは
「おつまみ焼き蕎麦」
えっお蕎麦焼いちゃうの?
「シャークサラダ」
は?シャーク!?ジョーズ!?
「ブルーチーズの出汁巻」
うおおお何なんだ〜〜全部美味しそう(>_<)


しかもまだこれで全部ではなく
この店の大きな特徴である「おでん」メニューが
こーんなにいっぱいあるんです。

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うっ
これは・・・
食べたいものばかりで本当にどうしたらいいんでしょう・・・・
だってね、おつまみだけならいけますよ。
でもここはお蕎麦がものすごいことになっているので
今夜の私のお腹の予約はお蕎麦で相当埋まっているんです。
なのにこんなに美味しそうなものだらけでは
もうここに泊まって明日の朝ごはんもここで食べなくちゃ(* ̄∇ ̄*)


しかもここはお酒まで全部私好みの静岡酒オンリーときている。

常々書いている通り私は「酒量だけは小鳥」である。
5mlのお酒で5秒で酔っ払い15分後に醒めるという
人間離れしたサイクルを展開する小鳥星人なのだが、
お酒の味はだーいすきだし好みもかなりはっきりしているのだ。


でもここのお酒はみんな「なんで??」ってくらい私好みのものばかり・・・

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またこの書き方が素晴らしい。
私は見た瞬間女性のお化粧のファンデーションの色見本を思い出してしまったが
こんなふうに表になってるだけで実に楽しく眺めたくなるではないか。
(ちなみにファンデーション色見本↓↓ 載せるのか(* ̄∇ ̄*) )
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「臥竜梅(純米吟醸)」
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いっや〜〜〜目が醒める。
今夜「green glass」に来られた楽しさもあるとは思うが
なんっっっって美味しいのだろう。
「臥竜梅(純米吟醸)」は前回もここで飲んだが
こっくりまろやか、なのに全体に清澄なのが最高!



「自家製豆腐」
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お隣に偶然座っていらした「お友達のKTGさん」に
「今出来立てで美味しいですよ」とオススメされて注文したお豆腐。
うわ〜〜確かにこれはちょっと図抜けた美味しさであります。
もったりとあたたかく、素朴で少し粗い肌。
何と言っても驚かされるのはこんなにも水分が多くふるふるジューシーなのに
味はぎゅうううと濃厚なところ。
豆を煮るところから作る手間のかかる豆腐だが
豆の美味しさをこんなにもダイレクトに繊細に食べさせてくれる料理が
世界中に他にあるだろうか?
北海道・蘭越産の豆。



「特製おから」
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豆腐を豆から煮てつくる店には美味しいおからがある♡
おからに関しては「green glass」の店主が修行した
神田「眠庵」のおからを永遠に溺愛する私だが
http://ayakotakato.seesaa.net/article/155244567.html
この「特製おから」は特製というだけあってアレンジおから。
クミンが効いていてちょっと甘みがありでもすっきりさっぱりとした味わい。
ザクザクの食感も美味しい。



「正雪(純米吟醸)」
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うわ〜なんと鮮やかなフルーティーさ。
夕張メロンみたいという声が上がったほどの濃厚なフルーツ感で
その手のフルーティーさは私はそれほど得意ではないはずなのだが
この目が醒めるような澄み渡り方は何なのだ。
私は軽やかに高みに連れて行かれてしまい
澄み渡る夕張メロンが軽やかにまるくひろがり、最後味わいがキュンと閉じる。
おいしい♡♡♡



「シャークサラダ」
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シャークサラダって名前のインパクトがすごいですよね〜
「シーチキンみたいなもんですよ〜」と店主は言うが
イヤイヤ・・・もっとしっとり、繊細で密な肉感が大変美味しい。
サメの旨みの美味しさでドレッシングにも出汁が入っているような気がしてしまったが
ごまとオリーブオイルのシンプルな味付けだそう。
ごまの効かせ方が上手い!



そして前回も私をメロメロにした「green glass」のおでん♡
お魚好き&食べ過ぎが祟って
2年前アニサキスアレルギーという厄介なアレルギーを発症した私。
煮ても焼いても海のお魚は食べられない十字架を背負った苦難の人生につき
おでんの練り物は全滅なのだが「green glass」のおでんは
私の大好きな「煮肉」が充実しているんです♡
(焼肉ではなく煮肉というジャンルを偏愛)

「おでん」
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うははは・・・
うははははは・・・

この世界征服的ゴージャスな眺め、ゴージャスな美味しさ!!
「煮肉と大根ときのこ」なんて私には最高の組み合わせで
ステーキよりもハンバーグよりも輝くスターのようなご馳走だ。
「大根」
「きのこ」
「牛すじ」
「岩手の豚肩ロース」
一人でぺろっと食べちゃいました♪



そしてお隣にオーダーが入って耳を疑ったおでんダネ。
今なんとおっしゃいました?

「アカマンボウ」
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なんとアカマンボウとは。
これはアニサキスアレルギー的には避けるべきお魚なんですが
どうしても我慢できないと騒いだ私に店主がちょっとだけ切ってくれました(* ̄∇ ̄*)
カジキマグロに似た脂のノリと味わいで中はジューシー、美味しすぎる。泣ける。
ああ〜こういうお魚を普通に食べられる私に戻りたい・・
そして懺悔になりますがウ〜〜マンボ!と言いたい気持ちがどうしても我慢できず
最後に言いましたごめんなさい。



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プルンップルンの弾力の卵。
中の黄身は見事な半熟とろとろ〜♪


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小さくて可愛い新玉ねぎは旨み甘みが濃厚。
皮が2枚あったけどなんでも食べちゃう私はそれも食べちゃった。
おいしい♡



「金明(純米)」
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こちらは全く上に広がらずギュッと平らに味が濃く、
なのに後味はすーー!としているのが素晴らしい。
え〜〜なんでここのお酒はこんなに私が好きなのばっかりなんですか〜〜〜



そしていきなり、冒涜的な塊が殴り込んできました。

「ピンクのそばがき」
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私の愛する愛する「そばがき」が、あろうことかピンク色!!
なんとこれ「トマトのそばがき」なのです。
(たぶんそっちが正式名称だが店主が「ピンクのそばがきで〜す」と
出してくれたのが面白かったので(^^))
蕎麦という穀物の香りを嗅ぎたい一心の虫のような私にとっては
まさに冒涜的と言っていい、そばがきの風紀の乱れるピンク色。
変わり蕎麦などもそうだがやはり何かを混ぜるとどうしても蕎麦そのものの香りはしづらくなるため
「柚子切り蕎麦」などはほとんど先天的に敵視している蕎麦虫な私。
そばがきも何も味がついていないそのままを食べたいのだ。

ところが。

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これが悔しいくらいめちゃくちゃ美味しいんですけどー!
かなり反抗的な気分で食べたのに一口食べたらコロッと大感激。
トマトの味が超フレッシュ!
ほっかほかにあたたかいのにトマトの味がトマトソースっぽいのではなく
まさにフレッシュトマトなのだ。すごい〜〜
しかもほとんど喧嘩腰の私(^^;)はどうしても蕎麦の香り、味わいを探してしまったのだが
香りはトマトに負けて感じられないとはいえ
このずしっとした旨みがじわーっと舌に広がる感じ・・・
これはもうなにがなんでもおいしいです、参りました(≧∇≦)



そしていよいよ時が満ちた。
今日は相当な種類のお蕎麦食べる予定なので
もうなんというか楽しみすぎてここはジャンプ台か滑走路かというドキドキ感・・・


「もり(栃木・日光)」
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ぎゃー
なんかすっごいのが来た!
なんですかこの肌、このおいしそうさは!!

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ときめく超絶美肌、粗挽きの宇宙。
炊きたての新米にも似たフレッシュで美しい白いかぐわしさがふわー!
かなりの粗挽きゆえ舌触りはさらさらザラザラとして
その「細かい粗さ」はさながらビスクドールの肌のよう。
太めなのでややもっちりとして
そのコシの中からつよい旨味が生まれるのがたまらない。
しかし太めもっちりなのにどこか軽さがあるので
全体の印象は粋にすっきりというこのニクさ。
おおおおおいしい〜〜〜〜〜〜




「かまあげ(長野・南相木)」
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「green glass」のひとつの大きな特徴と言える「かまあげ」。
「かけそば」ではなくお湯の中のあたたかいそばに
お好みで(っていうか普通は)蕎麦汁をつけて食べるスタイル。
お行儀の悪い私はこれもそのままいっちゃいますが・・(^^;;)


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もわ〜〜〜
あたたかな湯気にのって香る、お餅のようなかぐわしさ。
その中にかすかに長野らしい野生が感じられ、心は南相木村の蕎麦畑を浮遊する。
この長野らしい野生はやはり信濃一号かな?と思ったら
なんと東十条の超名店「一東菴」が育てた在来種であった。
「一東菴」さん、もう何もかも凄すぎます・・!!♡♡♡
「もりそば」だと味わいが強くなっていくものが多いが
これは「かまあげ」なので淡くやさしくとけて甘みになっていく感じがまたいい。
それにしてもこれだけの粗挽きで超繊細な儚いまでの蕎麦なのに
お湯の中でしっかりとつながっている見事さには参る。これが十割蕎麦とは!



そしていよいよ、本日一番楽しみにしていたと言っていいものの登場である。
手刈り天日干しの蕎麦を手挽きした、スペシャルな蕎麦。

「手挽き(茨城・笠間)」
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うわ

これは・・

期待はしていたがそれ以上のものが出て来てしまい
ただ息を飲み見入るばかり。
なんと強烈な肌色、粗挽きの宇宙。


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食べる前からもうどうなってもいいと思えるのが凄すぎる。
この恐ろしいまでの肌色の美しさ、私の胸を埋め尽くす粗挽きの粒たち。
見入れば見入るほどに吸い込まれて好きすぎて私が居なくなってしまいそうだ。
(挙動と鳴き声に注意、ここは公共の場)
たぐりあげ香りを寄せてさらに感激が全身を突き抜ける。
これまた1枚目の栃木・日光にも似た美しい炊きたて新米のような白い香り、
プラスとんでもなく強烈な、フレッシュな緑の野生がたまらなすぎる!!
たまらなすぎる!!
たまらなすぎる!!(壊れた)
食感はこれももっちりとしているがそれと相反するはずの軽〜い粗挽き感が楽しい。
この萩焼の肌のような儚く軽い肌。
でありながらもっちりとしてジューシーなまでにみずみずしいという
どこにもない稀有な個性は何とも尊い「てづくり」の趣に満ちている
これはあまりにも大事な蕎麦だ。

実を言うと私は「手刈り天日干し」の蕎麦に過度に期待しないようにして来たところがある。
それはわざわざ山間の手刈り天日干しの農家蕎麦屋などに出掛けて行って
アラ・・?という感じだったり、
東京でも意外と機械刈りのものの方が美味しかったりした実体験に基づくもので
「手刈り天日干し」が好きでないと言うよりは
「コンバインなどの機械の進歩ってすごいんだなあー」というものだったのが
この蕎麦のこの尊い感じは何なのだ!!
あとから聞けばこれも「一東菴」の育てた蕎麦。
それを東京の若手蕎麦職人達が手伝ってみんなで手刈り天日干ししたものらしい。
その「てづくり感」がこんなにもはっきりと味として私に伝わって来たことに
しみじみと、ほとんど畏敬の念すら覚えた。
もうなんだか長々ごちゃごちゃ書きましたが
今日はとんっっでもなく美味しいお蕎麦食べちゃった!
水府在来種ばんざ〜〜〜〜〜い*\(^o^)/* !!



「長崎」
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おおっ
今度はやや黒め、粗挽きの粒も大きめで男性的な印象の蕎麦。


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あああああ
これまた、なんという・・・
むわーと香ばしく深い香りが私を脳を射抜き埋め尽くし、どこかに連れて行かれそうになる。
味わいもたくましく濃いのだがそれでいて全体にはスキーッと澄んでいるのがニクい。
食感は先ほどの栃木や茨城に似て
全体に空気感をもった軽い粗挽き軽いサラサラ、それでいながらムッチリという稀有な個性。
もうもうもう、どれもこれも美味しすぎてなにがなんだかわからなくなってきました!
まさにトランスとしか言いようがない・・・はにゃはにゃ・・


「徳島・祖谷」
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もうトランスぐでぐで蕎麦酩酊状態の私ではありますが
やって来たお蕎麦にはぐぐっと引き寄せられ見入ります。
特に今日は「徳島のお蕎麦が食べたい」とリクエストしてしまったため
(この間徳島のお蕎麦を全国に広めたいという徳島在住の方にお会いしたもので(^^))
ちょっと目を覚まして心を澄ませてこのお蕎麦に向き合いたい。


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これまたときめかずにはいられない、楮皮入りの土佐和紙のような素朴な粗挽き肌、
ふわーっと軽くこちらに飛んでくるような、
ちょっと藁っぽい墨っぽい渋い香ばしさが素晴らしい。
味わいは期待した通り、甘みが独特で在来種ならではジワーッとした味わいの濃さ。
それをややチクッとするほど粒が大きな粗挽きにした店主のセンス、技に参らされる。

はああああ・・・
ものすごく楽しみに期待してきたものの
それを上回る超絶美味しい蕎麦の連続にただただ目が絡むばかり。
前回も大変美味しい面白いお店と感じたけれど、ここまで強烈に素晴らしくなっちゃうとはー!

もう今夜はどれも美味しすぎて私は溶けて流れて床になってしまいそうです。
店内の皆さんさようなら・・・・



遠ざかる意識の中で、なんだか異様な円盤を作っている店主の姿が見えた。

はっ?
なんですかそれは??

「おつまみ焼き蕎麦」
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なんとお蕎麦を薄くピザ状に焼いてしまった焼き蕎麦!
蕎麦粉のガレットとかパンケーキとかならわかるが「そばきり」をこの形状にする
店主の勇気とアイディアが面白すぎる。
塩胡椒のシンプルな味つけでバキバキの食感、焦げの香ばしさが美味しい。
(焦げ味大好き♡)



「アレンジ蕎麦(オリーブオイル蕎麦)」
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あったかくもっちりざらざらとした先ほどの長野の粗挽き蕎麦を
もったいなくもオリーブオイルで和えたという「オリーブオイル蕎麦」!
海外のは香りが強すぎるそうでなんとこれは静岡のオリーブオイル。
と言っても香りが弱いわけでなく、フルーティーな香りでいっぱい!
オイルの量も超たっぷりふんだんなため
まとまってくっついてるような感じがオリーブオイルをたくさんつけたパンを思い出させる。
これはお酒のおつまみにいいですね〜


「アレンジ蕎麦(鴨のミートソース)」
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ミートソースとお蕎麦が半々に映る角度で撮影するあたりから
私の蕎麦肌への愛と執着を感じとっていただけますでしょうか(* ̄∇ ̄*)
万人に好まれそうな甘みと味わいのミートソースだが
鴨肉だけにギュッとした旨みがあるのがうれしい。

しかも店主が分けてくれた魔法の粉をかけるさらにおいしい。

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花椒(ホアジャオ)♡
しかも赤と青の花椒をブレンドしているという店主のセンスがすごい。
これで鴨ミートソースにシャープな芯が通って、めちゃくちゃ美味しくなりました〜!



ここはお蕎麦が美味しすぎて「もり」や「手挽き」は
例によって蕎麦汁をつけずに全部食べてしまったお行儀の悪い私。
いつものことではあるけれど最後に初めて蕎麦汁を味わった。
「green glass」の蕎麦汁はこっくり濃くてかなりの甘さひかえめ。
独特の細いまっすぐさをもってキュンとしているのだが
まろやかなのがとてもいい。

そしてここの店主はクイズが好きです。
さて、このお茶は何のお茶でしょう〜〜?



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ピンポーン!
高遠彩子当てました! (≧∇≦)♪
香ばしくて美味しい豆のお茶「卯の花茶」♡
これも豆腐と同じ北海道・蘭越の豆だった。



もうお腹いっぱい、胸いっぱいで大満足のはずなのに、
足るを知らない私はまだこんなものを・・・
だってこれはここのスペシャリテ♡
食べないで帰ったら損しますよ〜〜


「鴨ロース」
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左がロース、右がモモでそれぞれに味わいの違いが楽しめる。
ちょっと勇気がいる程半分くらいが脂なのだが食べてみると驚くほどさっぱりなめらか。
絶妙の味付けが鴨の旨みを最大限に引き立て
美味し過ぎるぅぅぅ〜〜!
私はどちらかと言えばより野生的でゴリゴリしたモモが好みだが
ロースの軽やかなめらかさも美味しい!!
あまりにも味付けが深く素晴らしいので
余程いい赤ワインか何かを使っているのかと思い尋ねたら
「いえ、あの、出汁と醤油で・・・」
ってあなたは魔法使いなのですか??



「鴨ロース」が美味し過ぎてついついさらに・・・(* ̄∇ ̄*)


「志太泉」
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こ〜れ〜が〜ま〜た〜〜
最後に私の理想の天国がやってきたかと思うほど
「スキーッと澄み渡りつつコクは分厚い」、
正に私好みど真ん中!



もうもうもう

もう今夜はどれも美味しすぎて
私は溶けて流れて床になってしまいそうです。


地球の皆さんさようなら・・・

合掌






2016年8月の「green glass」



















posted by aya at 12:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月22日

四谷三丁目「佳蕎庵 くぼた」


とにかくシビれる、このシチュエーション。

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新宿区荒木町の路地裏。
こんなところに蕎麦屋があったらいいな、というところに「手打ちそば」の幟がある。
やっぱりシビれるぅぅぅ〜〜〜



すんきそば??
そしておでんも本格的で楽しそう〜

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階段を上って現れる空間もまた独特。

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カウンター席はテーブル席より一段高くなっていて
その間に仕切りがあるユニークな作りになっている。
なにより目につくのは壁いっぱいのメニュー。
それも9割がお酒!
そうここは「手打ちそばと信州の地酒」という店なのだ。
ひとつひとつに詳しい説明があるのが素晴らしい。
私だってお酒強かったらこの壁眺めながら永遠に飲んでられそう(≧∇≦)


いかにも真面目そうな女性店主は厨房で大忙しでなかなか姿が見えないが
呼ばれると手を空けて客席のほうにやってくる。
お酒のエキスパートらしく
お客さんにどのお酒について尋ねられても特徴をぱっと答えている。


そんな私が数ある中からお酒はコレ!

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理由は「松本城(お城)が好きだから」。
何か?(* ̄∇ ̄*)
いいんです、あのだーい好きなストイックな黒漆塗と白壁のコントラストを思いつつ
飲みたいんです!

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おお〜長野らしいといえば長野らしいガツンとした感じ。
入り口はガツンなのだがそのあとのひろがり方がまるく香り高くやさしい。
またこの「酒の肴」の「酒の肴」っぷりときたらどうよ!
わさび漬け、蕗味噌、かまぼこ、いりこ。
お酒好きの心を鷲掴みにするこの渋くも完璧な肴!
かーっ たまりゃん!
って偉そうなこと書いて私「酒量だけは小鳥」なんですが・・
(5mlのお酒で5秒で酔って15分後に冷めるという人間離れしたサイクルを展開)


おつまみも長野らしいものが多い。
「信州珍味4種盛り」は
信州昆虫食文化、「いなご」「蜂の子」「さなぎ」「ざざむし」の甘辛煮だそうで・・
珍味系好きな私ではありますが昆虫はやっぱり怖い・・ムリ(*´д`*)


というわけで、お蕎麦屋さんの王道おつまみ。

「そば焼き味噌」
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こちらのは正統クラシックしゃもじスタイル♡
綺麗にできてるなあ〜
荒木町の路地裏で、「松本城」を傍らにこの眺め、たまらなすぎる・・・!


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しかもここのは特に、大変においしい。
メニューに
「白味噌、そば米、信州産生クルミ、ネギ、本枯れ鰹節」
と書いてあるが、ザクザク香ばしく甘みもちょうどよく焼き加減も素晴らしい。
(焦げ大好き)
これはここに来たら毎回頼みたい!



「国産牛すじ煮込み」
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煮肉愛好会会長(会員1名)としては煮込みはどこでも見捨ておけない一品。
ここのはコラーゲン部分が大きくてプリンプリン!
味の濃さ甘さもおつまみにちょうどいい具合で大変美味しい。



「きつねサラダ」
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大皿にどーんとボリュームたっぷり。
焼いたお揚げと7種の野菜の和風サラダ。
柑橘の爽やかなドレッシングでパクパク食べられしかも軽い、とてもいいおつまみ。





「せいろ」
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お〜横長の端正なせいろに二山盛り。
店の雰囲気からするとなんとなく意外なスタイルでやってまいりました。
非の打ち所なき美しさ・・!


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キンと冷えた空気が運ぶ、爽やかな野生の香り。
二八らしく小麦の甘さも感じる香りだがそれも爽やかな甘さ。
口に含むと思い切り冷たくしめられた肌はピンピンと跳ねるような硬めの食感で
噛み締めると二八らしからぬ密な歯ごたえ。
端正な細打ちの姿からすると意外な、モグモグ噛みしめて味わう感じ。
運ばれてきた時は量はそれほど多く感じなかったが
モグモグ噛みしめるのでたっぷりあるように思える。

香りは最初が一番強く感じられ、だんだん儚くなっていったが
噛み締めた内側から溢れるやさしい味わいと甘みを追いかけ・・・

荒木町の路地裏で、私は今こんな美しい蕎麦を見つめている。


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ここは客層も素晴らしい。
ひとり客が多く、それもいかにもお酒が好きそうなおじさんが次々入ってきて
皆静かに楽しげに過ごしている。
キャリアウーマンらしい女性のひとり客も
ガンガンお酒を注文しその人もまた自分だけの時間を楽しんでいる。

開店してまだ3年ほどらしいがこの店はもうすでにこんなにも愛されている。


荒木町の片隅の小さな空間。


巣のようにここに帰ってくるお客さん達の
静かな時間が流れている。








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2017年01月10日

早稲田「汐見」


風の強い日はどきどきする。

街のどこかで目に見えない大きなものが生まれているような、
自分の野生が掘り起こされるような、
不思議な感覚の中で私はどきどきする。


いや、でも今日のは完全に「恋のどきどき」ですね、お蕎麦への(≧∇≦)♡

ずーっとここに、来たかった。

大切に気持ちをあたためて、
楽しみに楽しみにやってきた「汐見」。

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いやーん コースも楽しそう♡

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お蕎麦が「せいろ」+「かけ」とは、粋ですねえ〜
そばがき椀てどんなのだろ?
和食の椀物風に出てくるのかな?
そばがきワン? U^ェ^U


でもやっぱりわがままな私は
どこでもアラカルトに惹かれてしまう。

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(この繊維強靭な和紙もすごい!)



明るく綺麗な店内には、すでにお酒とおつまみでくつろいでいるお客さんたち。
カウンター内の厨房にはパリッとした白衣姿の料理人たちがキビキビと働いていて
いかにも美味しそうなものが出てきそうな気配ムンムン。

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私が思い描いていた通りの、これぞ名店!な雰囲気に
何も食べてないうちから嬉しさ絶頂気味!!
ぶ、ブレーキをかけねば・・・


しかしブレーキどころか
これではますます加速しちゃうじゃないですか〜

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どれも美味しそうすぎる・・・♡


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いいですねえ〜
もう楽しくてたまんないですねえ〜

しかもこんなページも。

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人肌燗、ぬる燗、上燗、熱燗、飛び切り燗。
それぞれの温度も書いてあり、これは通にはたまらない案内だろう。
好きなお酒をいろんな温度で試したくなるし
外国人に説明したら面白がりそう (≧∇≦)/


まずはおもてなしのこんな一杯。
お酒ではありませんよ〜(^^)

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あざやかなピンクが美しい、「紅芯大根のあたたかいすり流し」。
新鮮な野菜の風味と上品な出汁が軽やかにまとまっていて
これからの時間に期待高まりまくる素晴らしいスタート (≧∇≦)/


「開運」
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メニューに「グラス販売」ってありましたが
こういうグラスで来るとは♡
しかも大好きな「開運」。
うーん なんかこれはいつも以上に入り口がすっきりしていて
なんだか飲めちゃいそうで危険危険危険〜
うはっはっはっは〜〜〜(≧∇≦)



というわけでわたくし、例になくウカレて心が宙に飛んでしまい
なんと美しいお通しの写真を撮り忘れるという大失態!!

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お見苦しい食べかけで申し訳ありません・・・
「擬製豆腐と鯛のお寿司とおひたし」。
アニサキスアレルギー2年目につき「鯛のお寿司」は泣く泣く我慢しましたが
一つ一つが美しくて美味しい!
美味しいお店かどうかってこの時点で分かっちゃいますよね〜♪


「季節野菜の白和え」
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白和えは大好物なので見るとついオーダーしてしまうが
豆腐と野菜の量のバランスや甘さなどお店によって実に様々。
このスナップエンドウとかぼちゃの白和えは豆腐に対して野菜多めなので
クリーミーでありながらさっぱりヘルシーな印象。
そしてくるみの食感と香ばしさが素晴らしいアクセント。
ブルーとグリーンの色合わせも素敵♡


「そばがき」
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ぎゃー

なんかすごいの来た!

こっ これは・・・


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ああああああああ

なんという、たまらない最高のかぐわしさ!!

かぐわしさの海に私自身がとろけて流れてどうにかなりそう・・・・

蕎麦の香りの清澄な美しさ。青い野生。滋味深きかぐわしさ。
全てが最高濃度で、しかも最高のバランスでこのそばがきの中にある。
それが私の全身を染め脳を染め、
本当に食べなくてもいいかなと思うほど(思うだけ(* ̄∇ ̄*) )、
香りだけで数分は恍惚としていられそうだ。
口に含むと程良くホワッもちっとした食感。
(エアリーと言う感じでもないところがまたニクい)
食べ応えもあるのに重さはないのがなんとも粋で、
私にとって「最高のスタンダード」と思える食感!ナニコレ!
それがとんでもない香しさを秘めて私に身を投げかけて来るのだから、
もうもうもう、
本当に美味しすぎて大好きすぎてどうしていいかわかりまへん・・・


食後、この蕎麦の産地を聞いて激しく納得。
数年前幻の大ヒットで私を射抜いた「群馬・赤城の蕎麦」だった。
あちこちの店で食べてどこでも恐ろしく美味しくて大感激、
忘れ得ぬあの時の蕎麦を彷彿とさせる最高の香りだ。




「鴨ハツ塩焼き」
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これがまた大変に美味しい!
新鮮な鴨ハツの香りと弾力、そして炭火焼きかと思うほどの香ばしさ。
シンプルな料理だからこそ素材の良さと鮮度、そして調理の腕がガツンと伝わる。
うーーーん こんなにも美味しいものばかりでは飲めない私でも
お酒が進んでしまうではないですかぁ〜(≧∇≦)



お次は
「柚子香らない方の出し巻き玉子」。
ってそんな名前のメニューはないんですが
「柚子香る出し巻き玉子」という季節メニューがあるので
柚子好きの方はそちらを(≧∇≦)


実は私、最近また「だし巻き玉子を上手に焼きたい熱」が再燃しておりまして
家で粛々と修行の日々なのです。目指すは京都「菱岩」のだし巻き!
それだけにここの出し巻きもワクワクしていたら・・

なんと〜〜、料理人さんがテーブルで盛り付けてくれるサービス!

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すごい、これだけ大きなの、焼く時どうやってひっくり返すんだろ?

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ホッカホカの大きなだし巻き、一体玉子何個分!?

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ものすごくお腹いっぱいになりそうだ・・・と思いきや。
これがまたありえないくらいジューシーで、
スッキリ感すらある「だし汁フルな出し巻き玉子」なのです!
(こんなにジューシー&大きいのにすどうやってひっくり返すのかますます凄すぎ)
甘さが潔いほど控えめなのも
和食の甘い味付けがとことん苦手な私には大変に嬉しい。美味しい〜〜
調理&盛り付けてくれた女性スタッフのニコニコ笑顔もご馳走でした。



「きのこの天ぷら盛り合わせ」

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豊かな山の恵みがどっさり!
しいたけ、エリンギ、なめこ、しめじ、紫蘇。
ふんわり優しい薄衣に包まれたきのこの香り。
美味しい〜〜〜 きのこだーいすき!




そして時は満ち。

私は身を正して自分に言い聞かせる。

奇声をあげません。
飛び跳ねません。
変な息や念仏のような唸り声を店内に響かせません。

ああ ついにきちゃった・・・・!!!


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え・・?

えーーー!?
なんですかそのものすごい緑色は!?
やりすぎではないですか!?

そんなものすごい色してたらものすごい香り方しちゃうのでは・・・


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(>_<) !!!!!!

う 受け止めきれない・・・!!
ありえない、最高のかぐわしさ!!!
「洗脳」という危険ワードが閃くほど私の脳が一瞬で洗われ
最高に素晴らしい蕎麦の香りが全身を突き抜け染め尽くし何も考えられなくなる。

フレッシュでさわやかな青い野生。
澄み渡る美しいまろやかさ。
素朴さの中でもひときわフレッシュで清い部分。
それらをそのまま、清いまますくい上げ天頂に持って行って上からばら撒かれたかのように
今私の世界はこの蕎麦に染まって何も見えない。何も聞こえない。

その中で辿る食感がさらに私を恍惚の雲の奥に引きずり込む。
ナンデスカこの絶妙な素晴らしい食感は!!
粗挽きの素朴な質感+繊細、洗練の細打ちの舌触り。
噛み締めたコシはどこまでもやさしく、格別の主張しないまま確かにそこにある。
ただただ、ニクい。
こんなお蕎麦がこんな香りで、もうもう何が何だか、どうにかなりそう・・・
店の隅で謎の文言をぶつぶつ唱え蕎麦への賛美は止まらない私は
やっぱり直前の心がけの甲斐なく挙動不審者となってしまいましたが店内の皆様お許しください。

だってこのお蕎麦がおいしすぎて素晴らしすぎて

おお〜ん

おおおおお〜〜〜〜〜〜ん・・・・



というわけであんなに愛したお方はあっという間に目の前からいなくなってしまい
(愛する人を食べちゃった!残虐物語)
悩みましたがやっぱり2枚目をお願いしてしました。
あまりにも美味しすぎると2枚食べるのはバチ当たりなような気すらしてしまうのですが・・

でも、えへへへへへへ

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今度はさっきよりだいぶ落ち着いて眺められる。
つくづくとすごい緑だ!

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美しい・・・・
このたまらない粗挽きの肌。震える輪郭線。
蕎麦粒子の一粒一粒が私に語りかけてくるようだ。
(アカンまた発言&挙動不審方向に・・)

蕎麦もそばがき同様群馬・赤城の蕎麦。
今宵こんなにも美味しいお蕎麦に出会わせてくれた蕎麦打ち職人さん、
そして農家さんにも思いを馳せ、心は赤城の蕎麦畑を翔る。


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これだけの蕎麦粉であるから蕎麦湯も無論美味しい。
汁もまたいい。
軽やかに洗練されつつも下を支える旨みと甘みがあり、私好みの美味しい汁だ。



美しいデザートにも驚かされた。

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なんと「みかん大福」。
季節の果物を入れた大福をシリーズでやっているらしく、
今は和歌山産の味の濃い「こみかん」を使用しているとのこと。
実は甘いものは滅法苦手のはずの私ですが・・・
これはめちゃくちゃ美味しいぃ〜〜〜〜 (≧∇≦)
もともといちご大福は例外的に好きなのでそのせいもありますが
それにしたってやはり餡のおいしさや量などが大問題。
これは白餡が滑らかで上品で少なめ、求肥も繊細で最高♡


食後若い女性スタッフがテーブルにやってきて
こんなものをくれた。

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キラキラの瞳でニッコニコしながら

「お店のオリジナルのシール作ったんですけど
 わたしコレ大好きなのでもらってください!
 ね〜、いいですよね〜これ!
 どこかに貼ってくださいね〜〜!」

って、いやいやわたしはシールよりあなたがかわいいですよ、
と言ってしまいたくなる天然かわいい店員さん。
嬉しかったので私はお願いして2枚もらった。
何より、こんな風に若いスタッフが一生懸命しかものびのびと働き、
心から愛されている店というものに感動させられた。
店主の人となりが伺えるというものだ。



暖簾を出ると風はだいぶおさまり
冬とは思えないあたたかな夜になっていた。



さっきこの暖簾に向き合っていた私と同じ。

どきどきはおさまり、今はこんなにあたたかく幸せな気持ちだ。











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2016年08月17日

中井「green glass」


西武新宿線と大江戸線が交わる「中井」駅から徒歩5分。

住宅街の小道をくねくねと奥に進み、
いくらなんでもこんなところにお店はないんじゃないかと不安になった頃
ほんのりとした明かりに出逢う。

あ、あれかな?

いや違うよね・・・やっぱりこれはお店じゃない。

と判断を下したのだが、
んー?
やっぱりこれなのかなあ???

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うーん でも看板はどこなのか・・・と探すと、


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こ、これですか!!
右下の白い小さなプレートに見えないくらい小さな字で
「green glass」と書いてある。
神田「眠庵」で修行し銀座「流石 凛」で腕を振るっていた店主がついに開店した期待の新店。

店のわかりにくさは「眠庵」に負けず劣らず。
なんだかドキドキですが入ってみましょう〜

玄関で靴を脱ぐスタイルはまるきり普通の民家のよう。
「いらっしゃいませ〜」と現れた店主は
サッカーチームのユニフォームを着ている。
聞いてはいたが面白い(^^)
考えてみればスポーツウェアはハードな厨房仕事にはぴったりなのだろう。
靴を脱いで入る店なので店主も足下は靴下だ。
なんだか本当にこの店主の家に遊びに来た気分になる。


店は奥に長く、入っていくと思いのほか広くて立派なスペースが現れる。

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日本酒に詳しい店主だけにズラリとお酒の瓶が並んだ店内。
テーブル席は掘りごたつになっているので天井が高く感じられて広々。
他にカウンター席もある。


ここまでで十分意外性尽くしのユニークな店だが
メニューも相当面白い。

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まず目を惹くのが「静岡おでん」。
静岡出身の店主だけにお蕎麦屋さんとしては珍しい本格的なおでんメニューだ。
さらに目が釘付けになるのは
私のようなお酒一年生でもそそられる日本酒メニューの品揃え。
そしてそして極めつけ、右下のおつまみメニューの美味しそうさはなんなんですか!
8つしかないけど8つ全部が美味しそうすぎるではないですか!
こんな「酒量だけは小鳥」の私ですら「飲みたいっ」と思ってしまうメニューばかりってすごい。
この日は3人で行ったのですがなんと
「おつまみ、上から下まで全部ください」
というばぶりーな頼み方をしてしまいました(≧∇≦)


というわけでまずはかんぱーい!

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気になる静岡おでんはやっぱり名物「黒はんぺん」が気になるところ。
↓この手前のです・・おいしそうでしょ〜

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でもね、お魚好きが祟ってアニサキスアレルギー発症1年半目の私は
下クチビルを噛んでガマンの子なんです(T_T)
イワシだーい好きなだけに超残念(T_T)


しかしお魚との長年の愛の生活を突然引き裂かれて以来
涙に暮れていた私を救ってくれたのは愛する「煮肉」様♡
本日も私はなりふり構わず欲望のまま暴走しました。
御覧下さい、この圧巻の景色を!!

どどーん

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うはは・・・うははははは・・・・・
世界征服でもしたかのような気になってしまうほど、贅沢すぎるこの眺め!!
「牛すじ」「もつ」「大根」
大好物ばかりで嬉しすぎ美味しすぎ(≧∇≦)
だし汁はなしで代わりにだし粉と呼ばれる魚粉と青海苔の混ざったふりかけをかけて食べるのが
「静岡おでん」スタイル。



「わさび漬け」
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なんと「喜久酔」の純米大吟醸の酒粕で作ったというわさび漬け。
生わさびのシャキッとした歯ごたえがフレッシュな印象でおいしい。



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これはなんでしょう〜?
店主の「これはなんでしょうクイズ」、開店以来当てられた人はいないらしい。
店主がとっても楽しそうでなので書かないでおきます(^^)



「おひたし」
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本日のおひたしは「モロヘイヤ」と「ほうれん草」。
おひたしの2種もりというのは珍しいし
上品な出汁が美味しい。



「チーズみそ漬」
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カマンベールとクリームチーズ(赤みそ漬け&白みそ漬)。
どれもこっくりといい味に仕上がっていておいしい。
そしてお酒が欲しすぎる味。

うーーーん
これはやっぱりこうなりますよね〜?

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うっはー
すっきり系なのに味は濃くてキュン♡
後味が透明なのがいい。



そして黒板メニューで見た時から目が釘付けになっていてこのメニュー。
ジビエ好きにはたまりません。

「鹿肉みそ漬炙り」
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鹿肉をしかも味噌漬けなんてメニューそのものが素晴らしすぎる。
思ったよりやわらかくやさしい感じの鹿肉で
噛みしめると旨みがジワ〜。
これは素晴らしいおつまみですね〜〜〜



「フルーツトマト」
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北海道のフルーツトマト。
みんなの話が可笑しくてゲラゲラ笑いながらパクッと口に入れたら
あまりの美味しさにビックリしてしまいました。
酸味、旨み、甘みのバランスが最高で食感はパリッとした
私の理想のフルーツトマト!コレ美味しい〜〜〜!
ちょいかけのオリーブオイルも相当高級品なのではないかと思われる素晴らしい香り。




「出汁巻玉子」
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敢えて厚みを出さずに平たく広く焼かれた姿が
なんだかスタイリッシュな出汁巻玉子。
甘くはうんと抑えめで出汁と玉子の旨みが際立った、理想的な美味しさ。
これを焼く店主のあまりの手早さに一同びっくりしていました(^o^)



今夜は全員やる気満々、楽しむ気満々で来たので
まだまだドンドコ参ります!

「臥龍梅」
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「もつ煮」
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なんとこれは終了予定という幻のメニュー。
煮肉愛好会会長としてはもつ煮も大好物なので実に惜しい。
ここのは生姜が効いて美味しいのになあ〜〜



そしてテーブルに置かれた瞬間
歓声が上がったこの眺め!!

「鴨モモ・ロース煮」
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キャ〜〜〜(≧∇≦)
美味しそうにもほどがあるっちゅーの!!
手前がモモで奥がロース。
柔らかいだけでなく弾力がしっかりあって、脂の旨味が濃いのに全然しつこくない。
う〜〜〜〜〜ん おいしい〜〜おいしいよう〜〜〜私こんなにお肉好きだったっけ?
できる事なら一皿独り占めしたい。(ジャイアンか)
てか毎日食べたい!



「ナカセンナリのすり流し」
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これまたユニークなメニュー。
希少品種大豆「ナカセンナリ」の旨みをいかすべく
調理も味付けも最低限にしたらしい、ストイックな味わい。



今日はややはしゃぎ過ぎてここまでで相当食べてしまったが
もちろん本題はここから。
いよいよ主役の登場であります・・・!


1枚目「富山・南砺在来種」
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正方形のお皿の真ん中にこんもりと盛られた、
これまたスタイリッシュな演出。
(と思ったら開店直後につき注文した笊がまだ届かないらしい(^^))
そして何より、このめちゃくちゃ香りそうな肌が嬉しすぎる・・・

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ぶわっっっ

ナンデスカこの濃厚なかぐわしさはー!!

冷水で締め過ぎずかなり水分を残した蕎麦は
ぬったりと生ぬるくみずみずしい個性的な印象。
端正な超極細の肌は「細かい粗さ」を全体に感じるビスクドールの肌のような質感で
噛みしめると儚いまでにやさしいコシにハッとさせられる。
何年か熟成させた蕎麦のような儚さだ。
ジワジワ〜〜と深い香ばしさ、味わい深さがたまらなく美味しい!!
甘みはあまりなくスッキリとしているだけに
繊細なのに男性的な印象の蕎麦。



ここでわたくし、突然自分の危機的に状況に気づいてしまいました。
「どうしよう、一枚目を食べた時点でお腹いっぱいかも!!」 (>人<;)

で、店主に言ってみると、なんと一枚目は
私だけ他の方より大盛りにしてくださっていたことが判明しました(* ̄∇ ̄*)
いやいや・・・とてもありがたいのですが・・・
私の蕎麦愛は宇宙のように大きいですが
私のお腹は特に大きくないのですよ・・・(* ̄∇ ̄*)

というわけで、2枚目以降は少なめで♪


2枚目「栃木・益子」
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おお〜〜
さっきの南砺よりやや白め、太めでふっくらした印象?

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見た目はこんなに優しいのにガツンと香る、
野生的なかぐわしさと香ばしさが嬉しすぎる!!
こちらも一枚目同様、冷水で締めすぎず水分も残した
ぬったり生ぬるくみずみずしい印象。
見た目の通りむっちりふっくらした食感だが
肌そのものは一枚目に似てビスクドール的細かな粗さと優しさがある。
香ばしさもすごいが噛み締めた旨みもたくましく濃厚で
一枚目よりこちらのほうが在来種のような印象を受けるほど。



3枚目「栃木・古賀志町」
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水分を残しぬったりみずみずしく重なる姿。
1枚目も2枚目もあまりに味香りとも濃厚すぎて
段々トランス状態になってきたがこちらも香りが素晴らしい。
香ばしさ、甘さ、滋味深さ、全てのバランスが完璧と言っていい
素晴らしい香りと味わいで、しかもそれが濃厚。
美味しいなあ〜〜



4枚目「千葉・成田」
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わーい、あの方が育てた、在来種だ〜〜(≧∇≦)/

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おお〜〜〜
これはさらに水分を残したような印象。
まず出会う濃厚なかぐわしさに嬉しくなるが
それがスーッと透明に澄んでいくところにさらに微笑んでしまう。
綺麗な在来種だなあー!
ぬったりみずみずしく、食感はむっちりとしている。


もう相当お腹いっぱい過ぎなのだが
「グリーングラス」のスペシャリテというべきこの食べ方を体験せずには帰れません!

「釜揚げ蕎麦」♡

「釜揚げうどん」はよく見かけるが「釜揚げ蕎麦」というのはあまり見かけない。
私は「あつもり」は大好物だが「釜揚げ蕎麦」はあまり出会ったことがないので
ワクワク〜〜


5枚目・釜揚げ蕎麦「栃木・古賀志町」
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蓋付きの器でやってきた「釜揚げ蕎麦」。
蓋を開けた時の香りが楽しみ・・・♡

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もはぁーーーっ
さすがのかぐわしさ!
かぐわしい湯気に包まれて口に含むと
むっちりふっくら、ねちっとした食感で
味わいも甘みも濃厚。
そばがきのようなお蕎麦〜♪



6枚目・釜揚げ蕎麦「千葉・千葉在来種」
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この器の色、実にいいですねえ〜
お蕎麦が夢のように美しく見える。

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わあ〜
こちらは打って変わって甘みなくスッキリと香ばしい香り。
噛みしめるとモチモチとした食感から優しい野生と甘みがじわわわ〜と伝わってくる。
汁はついてきたけど結局5枚の中で一回も使えなかった・・・(* ̄∇ ̄*)


ちょっと今日という今日は食べ過ぎてしまった私・・
スカートのウエストが苦しくて前傾姿勢になってみたりふんぞり返ってみたり。
お腹は苦しかったけどみんなで過ごした美味しい夜が楽しすぎて
ずっと笑いっぱなしでした(≧∇≦)


まだまだこれからの展開が楽しみな「グリーングラス」。
次回は食べすぎないように気を付けます〜〜♪



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2016年02月19日

新宿「粗挽きそば トキ」


よく頂くのが
「一番美味しいお蕎麦屋さんはどこですか?」
という質問。

私はお蕎麦さんのファンなので好きな人の話をするのは大変嬉しいのだが
この質問は私にとって壮大すぎて一生答えられそうにない。

私はよく自分を「女好きのような蕎麦好き」という怪しい例えで説明してしまうのだが
要は全体的に大好き過ぎて全然一つに絞れない。
そりゃあきれいで性格がよくてスタイルもいい子が一番なんだけれど、
あんな子もこんな子も可愛いしとりあえず今目の前に居る子がサイコー、
みたいな超浮気者なのだ。

なのでいつも
「あの〜〜、できるだけエリアを絞っていただけますでしょうか・・路線とか駅とか」
とお願いすることにしている。


で、多いのが「新宿」というリクエスト。

そしてお蕎麦そのものに関しては「色の濃いのが食べたい」というリクエスト。

うぬっ 難しいではないですか〜


というわけで。
いつもは手打ち蕎麦屋さん偏愛の私ですが
今日はなんと手打ちでないお店のご紹介!
でもちょっと特別なお店なのですよ〜



新宿駅から甲州街道を初台方面にちょっと歩けばすぐ。
実は私がよく行くスタジオのすぐそばにあります。

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「ザクザク噛みしめる粗挽き十割蕎麦」っていう
気迫に満ちた幟も
「まるそ」っていうトボけた看板もいいでしょう?(≧∇≦)

看板も良ければ店名もいい。
なんだかいろいろと、とてもいいのです。
貫かれた志を感じてしまいます。

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まあだいたい私は「好きな言葉は?」と問われて本気で「手打ち蕎麦」と答えてしまうほど
「蕎麦」という漢字にすらシビれているちょっとおかしい人なので
この店の看板とか幟とかは部屋に飾りたいくらいなのです(* ̄∇ ̄*)



お昼は「お得セット」が目をひくが
私にはその下の「冷やし鶏そば」がまぶしすぎる!!

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普段は「もりそば」一本で種物はほとんど食べない私だが
山形の「冷やし鶏そば」には目がない。
過去には「もりそば」よりも愛してしまった衝撃の体験も・・(秋田・野の花庵さん)♡↓
http://ayakotakato.seesaa.net/article/353259444.html



「粗挽きそば トキ」は階段を上がった中2階にある。

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1階は行列の出来るラーメン屋さん。



店内は手前に大きめのテーブル席があり
奥がカウンターになっている。

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昼時はかなり混雑するが今はまだゆったり。
開店11時というのも嬉しいところ。



この張り紙もすごくいい。

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手打ちでない店で、お蕎麦へのこんなに強い思い入れを感じることはまずない。
「でわかおり」うれしいなあー


「鶏そば」はあるしお蕎麦は「でわかおり」だしでいろいろ山形っぽいが
山形郷土料理屋というわけではない。

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本日のおすすめいいなあー!
その他も美味しそうなものがいろいろ♪


気になるお酒は今日はこんな感じ。


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きゃー!あらー!
ほんとにいろいろと嬉しいではないですか〜〜!


お蕎麦のメニュー。

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ううっ 「もりそば」も食べたいが「冷し鶏そば」も食べたい・・
って困ったふりして結局両方いくんですが・・・(* ̄∇ ̄*)



「カキの天ぷら」

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わーい、ふっくら大ぶりで嬉しいな!
ふんわりやさしい揚げ方で
あらかじめ塩をふりレモンが絞ってあるところが
ランチタイムに混雑するこの店らしいところ。
気軽にパクッといきたくなりますよね〜



そしていよいよ・・・・


「もりそば」
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おお????

おおおおおおおお??

このお蕎麦は・・・・?

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ザックザクの粗挽き肌、いかにも美味しそうな不揃いに揺れる輪郭線。
うーん、これが手打ちじゃないとは・・・
わざと不揃いに打てる機械打ち押し出し麺の蕎麦もあるが、
それとも違う何だかやけに良い風情・・・



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華やかに散る黒やオレンジのホシ。
その向こうにかげろうのように浮かぶ白い蕎麦粒子達もまたたまらなく美しい。
噛みしめると十割特有のネチッっと密な質感の中に
思い切り荒いジャリッジャリの大きな蕎麦粒子がまばらに散りばめられているのが楽しい食感。
このジャリジャリはやっぱりハンパないなあ〜
粗挽きらしく箸先から寄せた香りはごく淡かったが
嚙みしめると墨のようなストイックな香りがフーッとふくらむ。
甘みも少ない分、ストイックな香りとジャリジャリ感がストレートに感じられる。

何より驚いたのはこの蕎麦の「機械打ち感の無さ」だ。
機械打ちでも美味しい蕎麦はあるし機械打ちが悪いと言っているわけでは無論ない。
それでも私が手打ち蕎麦を偏愛するのは手打ち蕎麦屋さんというものが大好きなこともあるが
やはりどうしても「食べればわかる」からだ。

しかしこの蕎麦には・・・
普段機械打ちの蕎麦には決して感じることのない
蕎麦への熱い思い、貫かれた志を感じてしまった。
うーん、蕎麦へのこんな愛もあったのか (≧∇≦)



「冷やし鶏そば」

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うっふん。
まず香る三つ葉の香りに嬉しくなる。
私鶏そばの何が好きってさっぱりしてるのと
お肉が固めで旨みがしっかりしてるところが好きなんですが
ここの鶏肉も歯ごたえしっかりですごく美味しい。
鶏肉だけじゃなくそぼろ肉も入っております♪
味付けはやや甘め。




近所のビジネスマンやOLさんに大人気のこのお店、
気づけば店内ば満席。

わっ 早く出なくっちゃ〜



都会の真ん中で
手打ちじゃなくてもいいから
黒くてザックザク粗挽きの美味しい十割蕎麦を
気軽にみんなに食べて欲しい。


そんな本気の志をこんなメニューの表紙一つにも感じてしまうお店。


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夜は絶対、あのボードに書いてあった日本酒の
アレとアレとアレで・・・

ゆっくりしましょ♪



posted by aya at 17:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月11日

新宿三丁目「楽庵」


とにかく何が素晴らしいと言って
「この場所に手打ち蕎麦屋があること」が素晴らしい。

なにしろ新宿二丁目である。
手打ちじゃなかったとしてもチェーン店の蕎麦居酒屋だったとしても
蕎麦屋があるだけでありがたいような場所に、手打ちの蕎麦屋。

しかもこの外観。
雨の中のその風情は、私にはミッシェル・ドラクロワの絵か
浅草助六のミニチュア蕎麦屋かのように可愛らしく映る。

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不夜城新宿二丁目において、こんな構えの手打ち蕎麦屋が
平日ラストオーダー27:30までやってくれている。
私にはもうそれだけで泣けるほどありがたく
この日本の蕎麦文化を世界に自慢したくなる、なんてところまで一人で発展してしまうほど
感激の事実なのだ。



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私がこの店にくるときは大抵
最高に楽しい音楽に溺れてスーパーハイになっている時なので
あまり良く考えずに受け止めているが
よく考えるとメニューもなかなか面白い店である。

今日もまた楽しく歌いまくったのでお腹すいた〜〜(^o^)


「焼き納豆」
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納豆をギューと押しかためて油揚げで巻き焼いたという珍しいメニュー。

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断面の大粒納豆のぎっしり具合がすごい。
味はしっかり濃いめで栄養もたっぷり、いいおつまみ!




「そば切り」
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「そば切り」といったら普通は「お蕎麦」のことのように思うが
「楽庵」においては蕎麦刺しのことを「そば切り」というのだ。
蕎麦の刺身、とか偉そうに名乗ってもいいのに、お店のお兄さんは感じよくハキハキと
「蕎麦打ちの時に出るはじっこの余りです!だから形がマチマチなんです!」
と何度でも答えてくれる。
いい人だなあ〜(^o^)

ここの「そば切り」、氷水に浸っていてキンとしめられているからか
身がきゅっとしまったように表面も食感もちょっとつるつるしてしっかりめ。
しかも蕎麦の香りはかぐわしくとても美味しい。
固めの食感を楽しみつつ噛みしめていくと粉の味わいもとても美味しい。
先に白状してしまうと私は「楽庵」では
普通の「せいろ」より「そば切り」が好物なのです♪♪




「揚げだし豆腐」
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右方から猫のようにソバカマイタチのように飛びかかってきた
何者かの「影」が映っていますが・・・
この手の俊敏さは宇宙クラス、日本が誇るゴッドハンド?
ゴッドピアニスト?なのだ!(^o^)
私が写真撮るのも相当素早いのだがさすがに負けました!
そりゃピアノの最高音キーとか最低音キーよりはだいぶ近いし対象物は大きいし
眠ってたってコンマ1秒で捕えられるでしょう!!(^O^)



「せいろ」
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私はこの店で蕎麦といえばこの「せいろ」しか食べたことがないのだが
それは多分ごく少数派だろう。
この店は五段、七段、十段と選べる、小さい赤い器に小分けに盛られた
「割子そば」が名物なので当然それを頼む人が多いのだ。
「割子そば」にはにぎやかな薬味がついてくるので私はせいろで。(^o^)

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にぎやかに一面に褐色のホシがちりばめられた二八蕎麦。
この色この艶は、と思ったらそのとおり、かなり熟成感のある
むわわぁぁ〜っと濃厚な香りである。
数年前から「楽庵」では熟成風に出会うことの方が圧倒的に多くなった。
食感は軽くふっくらとしていて、
香りといい食感といいさっきの「そば切り」とはまるで別物としか思えない。
この蕎麦を打った時の切れ端がさっきの「そば切り」という話なのだが
こんなにも違った印象を受けるなんて面白いなあー



その昔、新宿二丁目には深夜遅くまでやっている「きんかん亭」という蕎麦屋があった。

そこも割子そばを出す店だった。


同じ二丁目で、深夜まで開いていて、割子そばなのだから
すぐに気づいて当たり前なのだが(なにぶんいつも「せいろ」しか食べてないもので(^^;;))
この「楽庵」が「きんかん亭」の流れをくむ店と私が知ったのはつい数年前のことだった。

なくなってしまったと思っていたものの欠片がすぐ側にあったようで嬉しかった。



そして、今夜は「天狗舞」を飲みすぎたのでした!! (≧∇≦)
(計5口くらいだけどハイだったのでマワリが早かった〜〜(^^;;))





2011年7月の「楽庵」
2011年3月の「楽庵」
2010年05月の「楽庵」
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2014年04月12日

牛込神楽坂「蕎麦 しおさい」


神楽坂がますます蕎麦過ぎる。

先日「神楽坂が蕎麦過ぎる」と書いたが
どれほど蕎麦過ぎるかイメージできない方のために
ここに並べて書いてみることを思い立った。
「じゃあ神楽坂にお蕎麦を食べに行ってみよう!」という方のために
私の勝手なガイドのようなものも珍しくつけてみた。
私がこのブログを始めてから3年の間に書いた店だけでも
こんなにあるのだ。

「蕎楽亭」
(言わずと知れた有名店。活気ある素晴らしい雰囲気と美しい天ぷら、ひやむぎも美味しい)

「東白庵 かりべ」
(路地の奥にひそむ静かな時間。絶品蕎麦もそばがきも全てが贅沢に美味し過ぎる)

「蕎楽亭 もがみ」
(20代の女性店主が打つ香り高く美味しい個性的な蕎麦。酒肴も気が利いていて美味)

「玄菱」
(「狙っていない究極の渋さ」にのけぞる神楽坂の侍。太打ちの太さは東京屈指)

「そば切り 酒膳 中村屋」
(お酒に合うガッツリ美味しい肴と楽しい三色蕎麦。宴にもぴったり)

「soba dining 和み」
(食用シルクや赤米を混ぜたユニークなお蕎麦や十割蕎麦。肴類も楽しいモダンな店)

「神楽坂 山せみ」
(神楽坂大通りに面した美しい店。蕎麦二種あり、肴も充実で外国人やカップルにも大人気)

「たかさご」
(これぞ大人の余裕、プロの余裕。蕎麦も肴も全てがお手本のように美しくて美味しすぎる)

「芳とも庵」
(製粉工場並みの設備と店主の情熱。香り高い個性豊かな三種の蕎麦が絶品)

「志ま平」
(一見取っつきにくいが個性派、実力派店主の粋な店。料理もすごい)

「Soba Dining 山本」
(路地に輝くピッカピカ綺麗な店。家庭的なほっこり味とサービスに和む)


もちろん私がまだこのブログに書いていない店もあるし、
機械打ちの町蕎麦屋さんもかなり多い神楽坂。
全部合わせたらこの街の蕎麦屋密度は
すごいことになっているに違いない。

ちなみに上に並べた順番に全く意味はないのだが
最後の4店は意図的に並べた。
「たかさご」「芳とも庵」「志ま平」「Soba Dining 山本」。
この4店は「牛込中央通り」のある一角、
「すぐそこに見えるくらい目と鼻の先」に
ギュッとくっついてひしめいているのだ。

もう、もう、このエリアを歩く時の私の身にもなっていただきたい。
まさかこれだけくっついている4店のハシゴなんてとても無理だから
どこかに行ったら残りの数店は前を素通りせねばならない。
この身を切るような辛さ。

その「牛込中央通りエリア」に
またピカピカの新店が生まれちゃったのである。
・・この私のものすごく嬉しいような、どうにもこうにも落ち着かないような気持ちを
どなたか共有してくれませんか?(^^;;)



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道が二股になった三角エリアにぽつんと輝く「蕎麦 しおさい」。
店自体はシンプルで落ち着いた外観だが
「常陸秋そば」の幟が2本、賑やかにはためいている。



入り口には製粉機が。
格子戸の向こう、遊女の横顔のようだ。

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「しおさいの晩酌セット」という看板が出ている。

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生ビール、日本酒、焼酎のうちお好きなお飲物1杯と
焼き味噌、日替わり小鉢、天ぷら(魚介1品、野菜2品)、ミニもりそば
1500円

この看板、実際見るとライティングの関係でなかなか読みづらい。
しかしそんなところに素朴な人柄のようなもの勝手に感じ
(専門の会社に頼んだようなバッチリ完璧過ぎる看板よりずっといい)
微笑ましいような気持ちで店に入る。


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(おっ竹鶴がありますよ〜紋屋三田様〜(^o^))

今日はすでに21時近いが、ここは22時まで(L.O.21時)という
お蕎麦屋さんにしては遅い営業時間がありがたい。
最近は店主一人で切り盛りしているだけあって厨房は大忙しだ。



メニュー本を開くと

「奥久慈軍鶏たたき」
「粗挽きそばがき」
「玉子焼き(栃木県鹿沼産真珠卵)」

など美味しそうなおつまみや蕎麦メニューがズラリ。

それ以外にお酒のメニューが別紙で2枚と、
手書きのおすすめメニューもこんなにあるではないですか〜

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これだけのメニューをひとりでやっているなんてすごすぎる!(>_<)
せっかくならこの手書きメニューの中から頼みたくなってきた。


「菜の花のお浸し」
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「ふきのとうの天ぷら」
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4月も半ばとなったがこの「春のごちそう」は二品とも大好物!
浅いゆで具合がパッキリ新鮮でおいしい菜の花と
香り高いふきのとう。
私は「自然の香り」というものに本当に弱い。


でね、食べたいお蕎麦はもう決まっているのです。

「奥久慈つけ軍鶏せいろ」
「みつせ地鶏南蛮そば」
「炙り鴨南そば」
「九条葱そば」
「けんちんそば」

などの美味しそうな蕎麦メニューの中で
まるで電飾がついているかのようにギンギラ輝き私の目に突き刺さってくる、
「二色もり(もりそば・粗挽き田舎そば)」!


まずは一枚目、
「もりそば」
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端正な極細の平打ち。
輪郭線がくっきりとても綺麗なので固めのお蕎麦なのかな?と思いきや
予想に反してなめらかくにゅんとやさしい食感。
しかし柔らかすぎる蕎麦ではなく、
絶妙のコシがしっかり受け止める感じがとてもいい。

香りはごく淡い・・いや、淡いのかどうかもよくわからなく・・
実はここで事件発生、蕎麦犬的絶体絶命の危機に陥りはじめたのである。

あのー、以前にも何度か「某利き蕎麦会」「某恵比寿の蕎麦店」において
この同じ危機に陥ったことを書いているのですが
私、「お蕎麦が出てくると嗅覚が突然それまでの100倍になる」
というおかしな特技というか病気を持っておりまして・・
要はお蕎麦の香りを嗅ぎたいあまりに店内中の香りが
それまでの100倍の濃度で鼻の中に入ってきてしまうという、
本人にとっては時にかなり困難な蕎麦犬現象なのです。

まさに今「もりそば」に対峙したこの時、
それまで全く気付かなかったやたら強烈に美味しそうな磯の香りが
プ〜〜〜ンと厨房から漂ってきて私の鼻腔を染め脳を染め、
それでも何とか蕎麦の香りを見出したい蕎麦犬は
その磯の香りの隙間をかき分けかき分け、
あ〜、なんか微かに香るような・・
ほのかにやさしい蕎麦の香りがそこにあるような・・・?
とはいえ世界はどうにもこうにも磯過ぎる。
っていうかこの磯の正体は何なのだ??




「粗挽き田舎そば(限定)」

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おお〜「粗挽き田舎そば」はがっつり太打ち。
ちなみに「もりそば」は二八で「粗挽き田舎そば」は外一だそう。

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むっちりとした太打ちの輪郭線。
やや赤みを帯びた明るい肌に浮かぶ粗挽きの白い陰影。
こちらも磯と戦いつつの愛ではあるが
ほんのりとした蕎麦の香りも感じられ
何より噛み締めた時にふっくらふくらむ香りがいい。
これだけの太打ちだがやさしい弾力の蕎麦なので
モゴモゴすることなく粉の味わいを楽しめる。


その時である。
私の後ろのテーブルのお二人に
店主が焼きたてほっかほかの実に美味しそうなものが
運ばれてきた。

「にしん塩焼」!!!

ああああ・・・

アナタだったのですね・・
いいんですいいんです、決してにしん塩焼さんが悪いのではありません、
蕎麦犬がおかしいんです、犬なのにこんなところに入ってくるからいけないんです。
こちらだけでなく全ての干物系をやっているお蕎麦屋さん、
カレー系やっているお蕎麦屋さん、
ゆず切りなど香り高い変わり蕎麦をやっているお蕎麦屋さんなどで
どこでもワンワンのたうち回っているので勝手にのたうち回らせとけばいいんです。

何よりこの店の名前は「しおさい」。
磯の香りがしてあったりまえではないですか〜(^o^)


お蕎麦屋さんで海を連想させる店名は珍しいので帰り際に店主に聞くと
海やサーフィンが好きな店主が思いを込めてつけた名前らしい。
メニュー本の最初にある挨拶文によると
漢字では「潮彩」と書くらしい。


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時に不安定な、蕎麦という素朴で純粋な食材を潮に例えてとらえるとは
私には斬新なロマンティシズム!凄い!
店内に満ちる磯の香りもますます心地よく感じられてくるではないか。




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超濃厚粗挽きポタージュな蕎麦湯も美味しかったですよ〜



(2014年4月から定休日が月曜+月2回の日曜日に変わったそうです♪)
posted by aya at 23:36 | Comment(3) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月10日

牛込神楽坂「Soba Dining 山本」


神楽坂が蕎麦過ぎる。

もともと名店が多いエリアであったが
近年なぜかお蕎麦屋さんが増える一方。
私にとって大変喜ばしいことであるのは確かなのだが
一方で「どこを歩いてもどうにもこうにもキョロキョロソワソワ」
という落ち着かなさもある。
ついどうしてもハシゴしたくなっちゃうもので・・・

でも今日は訳あってハシゴはしないんだー!
早く帰ってやらねばならぬ「しくだい」があるので
牛込中央通りから路地にひょいと入った「山本」さんちへ。

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路地に輝く綺麗な店舗は
パッと見はレストランか、お花が沢山あるのでお花関係のお店にも見えるかも?
「そば」という文字は探さないと見つけられない外観である。

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店内は輝かしいまでに明るく綺麗。

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こんなにピカーッとした店舗でありながら
店全体の印象としては非常に家庭的であるところがこの店のいいところ。
つい「山本さんち」と呼びたくなってしまうのだ。

家庭的と言っても
お店の人のサービスや出されるメニューは皆きちっとしている。
しかし「家庭の温かみ」というものを感じるような、
お店の人の営業的でないのんびりした話しぶりや
ほっこりした美味しさなのだ。


「本日の煮物」
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それぞれを別々に煮た、手間のかけられた煮物。
ギューッと煮しめてあるもの、さらりとしたもの、
ごま油がきいたものなどが綺麗に並べられて
ひとつひとつを味わうのがとても楽しい。
具材を一度に煮た煮物にはない楽しみだ。
しかもですよ、
「今日は一品少ないので100円引きでいいです〜」
こんな手間のかかった美味しい煮物が400円ですか!
う〜んますます美味しく感じちゃいますよ・・


「牛肉のごぼう巻き」
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これまた手間を感じる綺麗なメニュー。
甘辛くしっかり煮られた大きめのごぼう巻き、素直に美味しい!



お蕎麦は「大海老天せいろそば」や「小海老天せいろそば」
「つけとろそば」などと少し(たぶん1秒以内(^^;;))迷ったがやはりここに着地。


「せいろそば」
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ビシッと隙のない、端正な眺め。
東京では比較的珍しい小山盛りだ。

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いびつに揺れる輪郭線、
光を不規則に反射する蕎麦肌の美しさ。
香りや味わいはごくごく淡いのだが、手びねりの陶器のような
手作り感あふれる蕎麦肌の舌触りと噛み締めた歯ざわりがとてもいい。
これは、一秒(以内)迷った「大海老天せいろそば」や「小海老天せいろそば」
「つけとろそば」あたりにすべきだったかなあ〜
この食感の素晴らしさ、肌のざらつきは
絶対種もの等ですごく美味しいに違いない。



って思いつつ、毎回「せいろそば」になっちゃうんですよね〜
アハ(*^ω^*)  


さー早く帰ってしくだいしなくっちゃー!




posted by aya at 01:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月14日

神楽坂「芳とも庵」(紫色が、美味しい証!)


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今夜は、神楽坂に
「アレ」を食べに来たんです〜(^O^)


客席からガラス越しに見えるスペースに
「自家製粉」どころか製粉工場並みの機械を揃える「芳とも庵」。
石抜き機、磨き機、選別機、脱皮機、玄蕎麦貯蔵用冷蔵庫・・・
壮観としか言いようの無いこの眺め。
まさに「ないものは畑だけ」!

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美味しい蕎麦のためなら努力を惜しまない、情熱たぎる店主だけあって
ここの「江戸そば」「田舎そば」「津軽そば」は
どれも本当に香り高くて美味しい。
三種類とも絶対にハズせない個性の素晴らしいお蕎麦なので
私はここに来て「三種盛」を頼まなかったことは一度もない。



しかしですよ、事もあろうに、なんと本日の目的はお蕎麦ではないのである!
(イヤ、実はここだけの話、私の最終目的&墜落場所は
 いつ如何なる時もお蕎麦でしかありえないのだが・・
 それじゃあまりに協調性がないじゃないですか〜(^^;;))



本日はこのためにやってきたのです。
じゃーーーーん

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「芳とも庵」名物、野鴨鍋!
楽しみだなあ〜〜



まずは前菜のセット
「菜の花のお浸し」「ビール漬け」「きんぴらごぼう」
「ワカサギの南蛮漬け」「長芋のたたき」

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うしろの「北見たまねぎ」は客席でなく隣の製粉スペースにあったもの(^^)


そして早くも主役の出番となりました・・!

どーーん

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えーっ これはまたスゴイ色ではないですか!!
見慣れた鴨肉の色よりかなり紫、しかも相当濃い色である。
店主によると鴨肉はこういう紫色のものが美味しいそう。
へえ〜 初めて聞きました(・∀・)☆スゴイ
新潟の猟師さんから直接送られてきたばかりの極上野鴨肉!



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鴨肉はもちろんすごいが野菜の盛り付けも本当に美しい。
すべて湯通ししてあり、極太ネギには焼き色がつけてあるのがいかにも美味しそう!





いよいよ、火入れの儀。

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 「鳳凰美田 辛口純米」
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鴨鍋煮えました〜

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これは・・・!
美味しいだろうなとは思っていたが、いやービックリするほどの美味しさである。
柔らかい鴨肉からあふれる肉の旨みがただ事ではない。
ちょっと美味しい鴨鍋はいくらもあろうが、さすがは野鴨(青くび)。
人工飼育の物とは色も違うが味も全然違う。
鴨から出る味が美味しいために野菜も何も鍋の中の全てが美味しく
食べ終わるまでに何回美味しいって言っちゃったかなあ〜〜(^^)


店主によると野鴨は本当は12月のうちが一番美味しいとのこと。
この日は2月だったのだが、とてもいい鴨が入っていたので
相当ラッキーだったらしい。


ここで店主の言葉。

「この後、本当は蕎麦1種類のつもりだったんですけど
高遠さんがそれじゃあ・・と思って2種類出しますね〜」

なっ 泣けるほど嬉しいではないですか!
でも「・・」の部分は「暴れる」とかが入るのかな?(^^)


「江戸そば」
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きゃーん!!
大好きな「芳とも庵」の「江戸そば」!
本日は長野・松本の蕎麦だそうでウハハハハハ・・・
もう嬉しくって笑いが止まらぬ。

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おお〜
今日の「江戸そば」は、香り穏やかマイルドながら
ちょっと変わった野性味がある。
端正な極細で、口中でもくっきりした輪郭線が際立つが硬さはなくしなやか。
これだけの極細の中にこんないいコシを感じるのは稀有な感覚だ。
なめらかな微粉の舌触りは、ちょっとここの「津軽そば」にも似たような
もっと言うと中国の「干し豆腐」にも似たような密ではっきりしたきめ細かさ。
う〜ん 個性も面白いし、すごくおいしい!



もう一枚は「田舎そば」かな?それとも「津軽そば」かな?
と思っていたら、
なんと今日は実験的に粗挽きを打ってみたそう。

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えーっ 同じ松本の蕎麦なのに
こちらはものすごい緑色です!
きれい〜〜〜

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美しい粗挽きながら輪郭線はくっきりしているのが「芳とも庵」らしい。
たぐりあげると、うわ〜〜本当に面白い。
同じ松本の蕎麦なのに、先程の個性的な「江戸そば」とは全く違う香り。
こちらはフレッシュでさわやか、
噛み締めた時に広がるほんのり白いイメージの上品な野性味が素晴らしい。
口の含むと口中で一本一本が暴れる感じすらある固めの食感で
粗挽きのゴツゴツした舌触りを楽しみつつしっかり噛んで食べる蕎麦。




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店はついさっきまで家族連れやら宴会やらで満員の大賑わいだったが
私が蕎麦に耽溺している間にすっかり落ち着いたようだ。

ここは昼の営業は開店と同時に近隣の会社員でいっぱいになるという人気ぶりだが
夜は家族連れも多い。
「うちは小さい子どもいっぱいでもベビーカーでも全然オッケーなんで!」
さすがは自身も子煩悩なパパの店主だけあって
子連れ家族にも親切な店なのだ。
店の雰囲気や席のスペースから、子連れでは行きづらいだろうなと思える店も多い中
「ベビーカーでも行かれる美味しいお蕎麦屋さん」というのは貴重な存在だろう。



私の座っている席のすぐ横では
先程から石臼がゆっくり、ゆっくり回っている。
しかも出てくる粉がほんの少ししかない。
ものすごい微粉を挽いているということなのかな?

「芳とも庵」のなめらかで香り高い蕎麦を思うと
石臼を見ただけで「芳とも庵」らしく思えてくる。


そして、野鴨が主役のはずが
後半やっぱりお蕎麦お蕎麦になってしまった文章に今気づきましたとさ!(* ̄∇ ̄*)





posted by aya at 09:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月12日

神楽坂「玄菱」


久々に訪れる、東京屈指の「渋い手打ち蕎麦屋」。

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狙っているのかいないのか、
その外観の渋さ爆発っぷりはのけぞるほど。

松葉色の暖簾を潜る時は思わず
「江戸で浪人数年目の武士」のようなうらぶれた気持ちになってしまうノリが命の私であるが、
店内には入ればその渋さが本物であることがわかる。


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どこまでも飾らぬ店内。
壁に貼られたメニューの、大胆かつ素朴な文字。

演歌歌手のチラシも貼ってある。

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「せいろ」
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箸先からほわぁ〜と漂う、たくましくふくよかな香り。
みずみずしく、口の中でやや暴れるようなやんちゃなコシ。
これだけみずみずしいと味わいが薄く感じられそうなものだが、
その暴れるみずみずしさの中で
じわぁ〜じわぁ〜と感じる素朴な蕎麦の味わいがしみじみと美味しい。


「田舎」
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懐かしい、玄菱の田舎。
これだけの太さは都内でもトップクラスだろう。

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さきほどのせいろと同じ、ふくよかで素朴な蕎麦の香りに加え、
ぐっとたくましく力強い大地のような香りが押し出されるように感じられる。
あまりの太さに箸でたぐるのも「1本つまんでは引っ張り上げる」という「作業」であり
その食感はギッチリネッチリ、モゴモゴもぐんもぐん。

東京に住んでいるとよく「太い蕎麦はあまり好きではない」という声を聞くのだが
私にとっても毎日太打ちだけという生活はつらいだろう(アゴが)。
しかしそういった太打ち苦手の方には是非一度
「スルスルッと食べる蕎麦のイメージ」を捨てていただいて、
「蕎麦がき」とか「お酒のおつまみ」とか
「雪深い山形でおばあちゃんが打ってくれるおやつ」のイメージで食べていただきたい。
するとアラ〜これはなんと美味しい、面白い、味わい深いものではないですか!
これでもかというギッチリネッチリした食感の中から生まれる
蕎麦の旨みの濃さ、美味しさと言ったらない。
またそれを一本一本汁につけて食べるとまさにお酒のおつまみ、まさにおやつの感覚なのだ。

また「玄菱」の汁は久々に舌にチロッと乗せてみるとビックリするほど個性的なのだが、
この太打ちにつけるとその個性を感じないほど
すんなりおいしいのが不思議だ!魔法だ!


ちなみに遠い昔の記憶であるが
ここの田舎はもともとここまでは太くなかったのだが
店主が常連の要望に答えるうちにどんどん太くなってしまったらしい。
素っ気ないようで、意外とサービス精神旺盛な店主なのかもしれない。


私はいつも一人なので「せいろ」「いなか」「しらゆき」の三色を食べるのが定番だが
2名からなら鍋のコースもある。

ここで熱燗は、タマラナイだろうなあ〜〜!



posted by aya at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月04日

新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」(初蕎麦)


三が日も過ぎようとする夜、ふと気づけば・・
もう3日もお蕎麦を食べていない!!

大変だ、倒れる前に血中蕎麦粉度をあげておかなくては・・・

というわけでなんだか毎年のように初蕎麦はここに来ちゃうんですよねえ〜
新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」♪
(今日は横浜にいたのにねえ)

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わぁーい、今日もいつもの新得のお蕎麦。
久々のお蕎麦がうれしくって店の前からもう血中蕎麦粉度アガりそう(≧∇≦)/



デパ上だから三が日でも必ずやっているという安心感もあるが、
ここはやっぱり夜景がいい。
なんとなく新年の晴がましい気持ちに合うのだ。

宮城「浦霞」
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「板わさ」
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まだまだお正月気分ゆえ、四角の大きな器での演出が嬉しい。



「春菊のお浸し」
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春菊は大好物なので家でもしょっちゅう食べているのに
メニューにあるとつい頼んでしまう。



「穴子の天ぷら」
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衣はカリッ、中はホワッ
下に、穴子スター様を健気に支える春菊さん発見!やったー



「そば豆腐サラダ」
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かなりねっとり濃いめのふるふる〜とした蕎麦豆腐だけに
野菜と組み合わせるのはなかなかユニーク。
普通の豆腐よりねっとりしているし、野菜と蕎麦豆腐が独立して盛られているので
一般的な「豆腐サラダ」とはかなり印象が違う。
じっくり味わうと蕎麦粉の味わいも感じられ、
ドレッシングは自分で調節してかけながら野菜も食べられ、
私には大変嬉しいメニュー。


「鴨焼き」
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塩分は控えめなので、柚子胡椒で楽しむ。



〆はもちろん「二八」と「生粉打ち」の食べ比べセット♪♪

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二種類ある蕎麦の両方をちょっとずつ楽しめるこのメニュー、
小松庵の他の店舗では見かけないし、
新宿タカシマヤ店でもあったりなかったり?という
私にとっては大変ありがたーーい存在なのだ。
(小松庵は一枚の量多め&高価格だけに!)



「二八せいろ」
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ふわぁーっと香る、新得の蕎麦のたくましい香り。
舌触りは見た目よりパキッとしているがかみしめたコシはふっくらやさしく、
甘い二八の味わいがおいしい。

「生粉打ちせいろ」
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二八よりやや赤みのある肌。
こちらはさらにパキっとした舌触りで固めの食感。
噛みしめると慎ましい蕎麦の香りがふーっと鼻腔を抜ける。



はぁー 三日ぶりに血中蕎麦粉度が満ち満ちて、実に豊かな気分。


しみじみとありがたい気分で新春の夜道を歩く。

キンと冷たい空気の中、イルミネーションが綺麗だった。







2013年2月の新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」(ご報告)
2012年1月の新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」
2011年1月の新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」

2013年08月05日

神楽坂「芳とも庵」


近年お蕎麦屋さんが増えに増えた神楽坂。

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中でもこの「芳とも庵」は店主の蕎麦打ちへの情熱がアツすぎる。
「江戸そば」「田舎そば」「津軽そば」
三種揃った蕎麦、それぞれの個性が素晴らしすぎる。


今日は前々から約束して、楽しい仲間と3人、
真夏の真昼の蕎麦飲み会を開催!


12:00の開店直後に訪れてみると
なんと最後のひとテーブルだけが空いている状態でギリギリセーフ。
私は夜の比較的緩やかな時間に来ることが多いので
お昼時の盛況ぶりに驚かされる。



相変わらず圧倒される「蕎麦打ち・製粉スペース」の広さ。

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客席からガラス越しに見える部屋には
蕎麦打ち場や自家製粉用の石臼のみならず、
石抜き機、磨き機、選別機、脱皮機、玄蕎麦貯蔵用冷蔵庫など
美味しい蕎麦切りを作るためのあらゆるものがここに揃っている。
もはや「ないものは畑だけ」!
製粉屋さんから蕎麦粉を仕入れればこんなスペースも上記の機械類も全く要らないことを思うと
やはりこれは「店主の情熱スペース」以外の何者でもない。


とりあえず、エビスでかんぱーい!

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(最近暑さゆえかますます飲めない私、ビールは撮影用に拝借(^^;;))



「そば刺し」
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そば刺しとは、蕎麦を麺状に切らずに刺身のように切ったメニュー・・なのだが、
それより何より、このものすごい緑色はなんでしょう!?
私のカメラがおかしいのではなく驚くほどの濃い緑色なのだ。

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じわ〜と香る深い香り。
パキッと冷やされてはおらず
室温と同じくらいの温度なので余計に穀物のたくましさを感じる。
ひとかけらは小さく見えるが食べ応えがあり、でも硬くもないとてもいい食感。
聞けば山芋を使う伝統的な作り方だそう。さすが伝統の技!



「蕎麦屋の出し巻き」
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きゅっ、ころんとコンパクトに巻かれた感じが可愛らしい。

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この出汁巻き、見た目以上に大変強力なお酒のつまみである。
甘さはほとんどなく、出汁と醤油がガツンと辛い。
ひとかけらで延々と飲んでいられそうななんとも江戸な出汁巻き卵。
お酒大好きのお仲間達はまさにその通り、
先程から「卵チビチビお酒チビチビ」で大変幸せそうです(^o^)



お酒は先程から「楽」をすでに猛烈リピートしております。

「楽(滋賀)純米吟醸」
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「粗挽きそばがき」
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うわぁーこれまた美しい淡緑!
「そば刺し」よりも淡い緑なので余計にフレッシュで美しく見える。

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さわやかな薄緑の中に眠る無数の蕎麦粒子たち。
特に新緑の葉のように明るいグリーンの粒にははっとさせられる。
もはや穀物というより野菜のような印象すら受けるが
不思議なことに香りにもちょっと野菜のような?ジャガイモのような?要素がある。
そばがきの香りを出すのは加水率が決め手と言う店主だけあって、
ふわとろエアリーではなく「どろどろザラつぶモチネト〜」としたそばがきだ。


「天ぷら盛合わせ」
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海老2尾、なす、しいたけ、みょうが、かぼちゃ、さつまいも、ピーマン。
大好きな仲間たちとだと取りっこ、分けっこも楽しい。
えー海老食べていいの〜うれしいありがとぉー!(^o^)
ガッチリかなり固めの衣だが、その中から現われた海老さん美味しすぎました。
ものすごいプリップリ!!




お蕎麦は、この店でこれ以外食べたことありません。
「江戸そば」「田舎そば」「津軽そば」の「三種盛」!

生山葵をすりつつワクワク待ちます。

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お蕎麦は、美味しさを第一に考えて一枚ずつ持ってきてくれるスタイル。

「江戸そば」
説明には「店内で皮むきした丸抜きそばを自家製粉。メッシュ30番で篩った粉を80%、20%で篩った粉を20%混ぜて打ったそば。3種類のそばの中では最も白い。」とある。
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これまた驚きの、鮮やかな緑色!

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氷水でしめない、なま温い空気が運ぶ濃い香り。
穀物の静かなたくましさが、じ〜〜わ〜〜〜と漂っている。
すべすべと密な舌触りの肌だが噛みしめると独特の軽いふっくら感があり、
甘みはなく、味わいもじとーっと濃いムハムハ味!おいしい〜
絶妙のやさしいコシも素晴らしく、
なによりこの「重いのに軽い」ような独特の質感に酔わされる。


「田舎そば」
説明には皮のついたままのそば「玄そば」を50%、丸抜きそばを50%混ぜ、自家製粉した粉をメッシュ40番で篩った 粉を使用。三種類の中では一番黒く、香りも一番高い。太打ち。」とある。
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黒め、太めの田舎らしい蕎麦。
それが敢えてモダンな器に盛られているのが新鮮でいい。

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こちらも氷水でしめない、じんわりじとーとした穀物のかぐわしさ。
濃厚なムハムハ味も「江戸そば」に似ているがこちらはかなり質感が固めで
噛みしめるごとに甘さが溢れ出してくる。
これだけ味も香りも濃厚なら、冷たくしめても香るだろうなあ〜
夏場はどうしても冷たさを求めてしまう私・・というより今日が暑すぎ?(^^;;)



お蕎麦3種めは、なんといっても「芳とも庵」の大きな特徴である「津軽そば」。
大豆をすりつぶした汁を使って作る津軽の郷土そばだ。

「津軽そば」
説明には「江戸そばの粉を使用し呉汁(大豆をすりつぶした汁)で打ったそばで
青森の郷土そばであるが製法が複雑なため消滅、今では幻のそばといわれている。
独特の食感と甘みがあり、のど越しも一番よい。」とある。
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黒いシンプルで粋な器が、「津軽そば」の存在感を際立たせる。
手作りの工芸品のような素朴な姿だ。

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この津軽がおいしい!!
夢見るように繊細でなめらかな舌触りと、
そこからあふれる素朴な風味が最高!
呉汁(大豆の汁)を使うこの郷土そばはよほど難しいのか
あまり嬉しくない風味に仕上がっているものに出会った経験も何度かある。
こんなに美味しいのは「芳とも庵」でしか食べたことがない。
蕎麦の香りの中に呉汁の風味がかすかに加わって
繊細な質感に酔わされつつ、はああ・・・しあわせ・・・


蕎麦湯と、デザートの蕎麦茶プリン。

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この「蕎麦茶プリン」がまた皆様に超・大好評!!
おいしいおいしいとあっという間に完食。
蕎麦茶の香ばしさって何でも犯罪的おいしくしちゃいますよね〜〜
私も今年から自宅で蕎麦茶解禁(注・食べています)にしてしまったので
もう何でもかんでも蕎麦茶色に染まっております。


冬期限定の「野鴨そば」もまだ食べたことがないし
またみんなで来ましょうね〜





2010年11月の「芳とも庵」



posted by aya at 17:07 | Comment(1) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月02日

神楽坂「蕎楽亭 もがみ」


ミラノから一時帰国中の大学の同級生もとこと急遽会うことになり
前日ダメモトで声をかけてみたらなんと全部で4名集まれることに。

みんな忙しいのに都合をつけてくれて嬉しい〜!

懐かしい顔ばかり、にわかに決まったプチ同窓会。

美味しいもの通の女子達と行きたいのは、
やっぱり「蕎楽亭もがみ」でしょう!


ウカレはしゃぎ過ぎて外観写真など全く撮る余裕なく
店内に突入〜〜〜 (≧∇≦)/ ♪


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「花泉ロ万」
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蕎麦が美味しい、つまみがおいしい、お酒も充実、
言うことなしの「蕎楽亭もがみ」。
店主もスタッフも全員若い女性ですので、
本日こちらのお店はお蕎麦屋さんとしてはありえない女子率となっております(^o^)



「生ゆば刺身」
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「肉豆腐」
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どれも見るからに美味しそうでしょう?
どれも見たまんまおいしいんです!
どの一皿も「うん、これはおいしい」と思わせてくれるって
すごいことだ。

例えば天ぷらは、揚げたてから順番に席まで持ってきてくれるスタイル。

「穴子の天プラ」
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とにかく皆久しぶりなものだから話すことが多すぎて
はっきり言ってお料理がやってきても気づかないくらいの勢いでしゃべり倒しているんですが
いざ食べてみると
「あ、おいしい」
「えーこのお店みんなおいしくない!?」
と、4名全員シンガーならではの鮮やかな反応で
仕舞いには「彩子ありがとう!」と私が感謝される始末。
いやいやいや、私は自分が好きなところにみんなを引っ張ってきちゃっただけですよ〜〜


「だし巻玉子」
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ここの「だし巻玉子」がまた美味しいのです。
ふんわりふっくらジューシーながら、卵の味わいが濃く、
出汁加減も素晴らしい。

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ぐふふ




私以外は全員イケる口の皆様、
「今日は飲まない」とか「控え目に」と言いつつ
先程からちょっとずつ何度もお酒を追加で頼んでいまして(^o^)
お蕎麦の前にもうちょっと飲みたい、ということでお料理もバシバシ追加♪


私はつい話に夢中になり「そばがき」も食べたのに写真ないし、
なんとついにカメラが壊れる始末・・・・・マヂデスカ (゜▽゜;)


ってなわけでここより もとこのiPhone画像〜

「椎茸えび詰め天ぷら」
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そして4人揃って、「蕎麦とうどんの合盛り」を。

「めおともり」♪♪
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ウワァ〜〜

今日もやってくれます「もがみ」さん!!
お蕎麦もうどんもめちゃくちゃ美味しい。

しっとり横たわる、ざらざら肌のお蕎麦の特別な香ばしさ。
トウモロコシにも似た香ばしさながら、熟成感は全くなく、フレッシュで軽やかで、
そのかぐわしさが口の中で味わいとなり舌に溶ける。

そしてまたうどんがすんばらしい。
たぐりあげた箸先での、小麦のいい〜香り。
とぅるんとぅるんの舌触りとコシ、濃厚な味わい。


私以外の皆様も
「こんな美味しいお蕎麦もうどんもはじめて!」
とびっくり感激してくれたようで
ウワーンよかったよう〜〜
°°・(*>_<*)・°°




こんな美味しい夜を、大切な仲間と過ごせて幸せすぎた。

(本当はもうひと月以上も前の話なのですが、
思いが強すぎるほどなかなか書けないアホな私)

私の友達はみんな素敵すぎる。


みんなありがとう。

「もがみ」さんもありがとう。

またみんなでお蕎麦食べに行こうね〜
(えっまた蕎麦?(^o^;))


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posted by aya at 12:40 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月31日

神楽坂「東白庵 かりべ」


雨の音しか聞こえない。


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路地の奥に灯る明かりは
素朴な山小屋のような、異次元の迷路の入り口のような。

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店にはいると雰囲気は一変、
女性スタッフ達が明るく「いらっしゃいませ!」と迎えてくれる。


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おなじみ、ゴブラン織地張の猫脚チェア。


この個室風二人席、私は勝手に「デート席」と呼んでおります(^^)

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「八海山泉ビール ヴァイツェン」
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泡がクリーミー!
ヴァイツェンという名前だが味わいは素直で爽やか。
不思議レトロなラベルデザインがこの店によく合っている。



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お通しとして出された、海老の頭の揚げたもの。
大好物につき嬉し過ぎです。
美味し過ぎて最後まで取っておきたくなるくらい大事!!(^^;)


「前菜盛り合わせ」
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蛸の薫製、ミョウガの甘酢漬け、玉子焼き、そら豆、ふきのとう味噌。



「ぜんまい」
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「新潟県塩沢の緑干し」とメニューに書いてあった通り
とても綺麗な緑色。
通常は干すことで茶色くなってしまうのだが
摘みたてを瞬間乾燥させるとこのような美しい緑が保たれるらしい。
色だけでなく食感も普通のぜんまいと違ってシャキシャキ新鮮な感じ。
味付けも上品で、これはおいしい!


「豆腐」
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メニュー名もシンプルなら姿もシンプル、その味わいもシンプル。
だけどめちゃくちゃ美味しい!!なんでしょうこのお豆腐は!!
「福島県川俣町天然ニガリ豆腐」とメニューにはありましたが
見ての通り今流行りのなめらか系でも、甘みぎっしり系でもありません。
ぎっしりほろりと素朴な食感、大豆の上品な味わい。
「そう、お豆腐ってこういうものでしたよね!」
と膝を正したくなるような美味しさなのだ。
ドシンと大きめですけど、う〜んもっと食べられちゃうなあ〜〜(^^;;)


「鯖の薫製(〆鯖の冷薫)」
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味も美味しいが眺めがまた素晴らしい。
添えられた「鯖の卵の煮凝り」の断面もきれいだったなあ。


「そばがき」
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「竹やぶ」阿部さんの作品らしい、無邪気で可憐な器の中に
「そばがき」がぽってり夢見るように浮かんでいる。

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ああああああああ 


すみません

もう 

ことばが

でまへん


なんというかぐわしさ・・・
とろっとして  ふわーーーんとエアリーで、
かぐわしさの中で目が見えなくって

はあああ〜〜〜〜

無邪気で可憐な器の中で夢見ているのは私なのか・・・?
わたしはそばがきなのか・・?(違う)


とにかく最高のそばがきすぎる!!(日本語が・・)


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この湯呑もいい。
口がすぼまっているが飲みにくくはなく、
肌は渋いのにヨーグルトの瓶のようなかわいらしさ。




「せいろ」
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今日は「田舎そば」が目の前で売り切れ断腸の思いでありましたが
それだけに、「せいろ」への思いは強いです。
うん、美味しそう!!

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ひゃあーーーー

これまた


飛び越えちゃってます!!
素晴らしすぎて雲の上のようです!!

正統派の、ピシッと端正なかぐわしさ。
食感はふんわりやさしい入り口に始まって、ふっくらした歯ざわり、
それが殊更でない、しかし確かに弾んでくれるようなコシに受け止められるまでが
鮮やかに目にみえるよう。

なんというしあわせ・・

なんという世界・・・


「そばがき」に続いて、これもまた夢に浮かぶ夢・・・





この夢のまま 雨の中を歩きたい。






2011年12月の「東白庵 かりべ」


posted by aya at 13:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月19日

神楽坂「そば切り 酒膳 中村屋」


観光地として飲食街として、
最近ますます賑わいを増している神楽坂。

通りを歩けば新しい店もいろいろ出来ていてついキョロキョロ。
こんな時は大通りに面したぱっと目立つ店もいいが、
「路地を覗いた奥にぽっと灯る小さな明かり」、
なんていうのに惹かれるものだ。

まさにそんな路地の奥。

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小さく読み取れる看板には
「そば切り 酒膳 中村屋」。

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しばらく来ない間に
明るくやわらかい雰囲気になったような気がする店内。

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「黒龍」
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「お通し」
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どん!
ひとり分のお通しとは思えない量の「おでん」である。
このお通しもそうなのだが、この店にはいつも
「せっかくウチに来てもらったからには、
 うんと美味しいものをしっかり食べて行ってもらいますよ!」
という心意気のようなものを感じさせられる。
カウンター奥の厨房で
パワフルにガンガン料理を作りまくる店主夫妻を見ていると尚更なのだ。



「旬菜一品」という美味しそうな旬のメニューの中から
「山盛りキノコ焼」というのを選んでみたらこうなった。

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(今日は写真の色がいまひとつですみません・・)

どかーーん!
山盛りとは聞いたがそれ以上の迫力である。
この鍋の上でじゅうじゅうキノコを焼いていくわけだが
これが楽しい上に非常に美味しい。
ガーリックが効いていたのか、
ちょっとイタリアンのような洋のテイストもありつつ脂っこさがないので、
大量のキノコをあっという間に平らげてしまった。


「菜の花おひたし」
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大好物なので自分も八百屋さんに行く度に買っては茹でているのに
外でもつい頼んでしまう。
春は何度噛みしめてもうれしいものだ。


「ブリ刺」
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これまた大好物。
メニューに「脂のってます」とあったとおり
本当にいい〜脂がのっております!




お蕎麦は、ここではいつも
「せいろと田舎の二色そば」。

しかし、今日は珍しく壁の張り紙が目についてしまった。

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「今月の変りそば 昆布切り」

おいしそうだな・・!

ヨシ、今日は欲張って
「せいろと田舎と変り蕎麦の三色そば」
にしてみよう。


「三色そば」
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すごい、圧巻の「六つ山盛り」!
「二色そば」の「四つ山盛り(私は田の字盛りと呼んでいる)」は他でも見かけるが
「六つ山盛り」はなかなかない。
昆布切りの緑が際立って鮮やかだ。


「せいろ」
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細めの平打ち。
やわらかめで、独特のふにゃぷる感がある。
「ふにゃ」だけでなく「ぷる」があるところが津軽そばっぽい印象も。
二八なのかな? 粉の甘い香りと味わいが何ともやさしい蕎麦だ。


「田舎」
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がっつり、これでもかと黒く粗い肌。
干し草のような香ばしさ、甘皮のたくましく濃厚な香りと味わいが
食べている間じゅう全身を染めるかのようだ。
ちょっと粘性のある触感だがフカフカと密度が粗いので
食感は軽く、スルスルと食べられる。
「せいろ」との対比が鮮やかで楽しいなあー。
こういう個性豊かな「二色もり」「三色もり」大好き!


「変わり(昆布切り)」
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写真の色がうまく出ていないが実際はもっと綺麗な緑だったんですよ!
昆布締めのようないい香りがプンと香り、
高級料亭の突出しか何かのよう。
香りはそのまんま昆布締めだがもちろん塩分はなく、
品の良い粉の味わいが溶けるように消えていく。
海藻のせいなのか、せいろや田舎よりしっかりした舌触りと輪郭線が印象的だった。


これだけ個性鮮やかな三種となると、それを味わい比べるだけで
楽しいやら忙しいやら。
つゆをつける暇は(私には)全然ないはずなのだが
私ここのつゆも結構好きで・・

悩ましいなあー






.
posted by aya at 19:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月25日

神楽坂「蕎楽亭もがみ」


東西線「神楽坂」駅より徒歩3、4分。

小さな路地に輝く、ピカピカ真新しいお店。

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路地が暗いだけに明るい店内の活気ある様子が外からも良く見える。
楽しげな宴の様子、忙しく立ち働く店の人々。
まるでドールハウスか舞台のセットでも眺めているような気分になる。

楽しそうだなあー



清潔感溢れる店内。
テーブル席にはサラリーマンらしき8人グループ、
カウンターにはカップルやおじさま方がくつろいでいて
実にいい雰囲気だ。

「蕎楽亭もがみ」の店主は女性。
スタッフも皆女性で全員が若く、全員が小花柄の割烹着を着用している。
若い女性が、小花柄の割烹着ですよ小花柄の割烹着!どうなんですか一体!
どうしても「萌え」という言葉が浮かんでしまう私も私だが、
どのスタッフにもチャラチャラした感じは一切ない。
小花柄と言ってもベージュや黒の目立たないナチュラルなもので
それを作業服のようにグワシッと紐でひっちばって
ガンガン働く姿がなんとも言えず清々しい。

しかしこの店の人気はそんな理由からではない(だろう)。
手打ちの蕎麦もうどんも最高に美味しいうえに
おつまみやお酒のラインナップがそれは楽しいのだ。気が利いているのだ。


例えばね、ランチはこんなことしてるんですよ。

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手打ち蕎麦とビーフシチュー!
なんと魅惑的な組み合わせ。
そんなのつい頼みたくなるではないですか〜!



もちろん真骨頂は夜である。

「蕎楽亭もがみ」のおつまみ。

生牡蠣(赤穂)、ポテトサラダ、椎茸えび詰め天ぷら、牛すじ煮込み、
穴子の天プラ、煮ゆば玉子とじ、肉豆腐、会津産馬刺し、
白子天プラ、白魚の天ぷら、だし巻き卵、ビーフシチュー、鴨焼き、
手挽き荒粉そばがき、こづゆ(会津地方の祝い汁)

ひとりで行って、はたまた宴会で行って、
「おっこれは食べたい」とつい目に止まるメニューが
ガッチリ勢ぞろいしている感じ。
会津メニューが多いのは修行先である「蕎楽亭」の大将が
会津出身のためである。


お酒は地酒各種、
白鷹、花泉ロ万、鳴門鯛(山廃)、央(ドブロク)、央(純米大吟醸)、
一生青春(特別純米)、飛露喜(特別純米)、獺祭(純米大吟醸)、
その他、ビール、焼酎、ウイスキー、ワイン。

そば、うどんメニューは
ざる、ざるうどん、めおともり(そば、うどん合盛り)、おろしそば、
肉ざる、冷しゆば、つけカレー、
かけそば、かけうどん、肉そば、玉子とじ、HOTおろし、HOTゆば、
そして、牛すじカレー!(^o^)


ついついメニューを熟読、目移りしてしまった私。
ビーフシチューに大変惹かれたがなにせ一人なので、
ハーフでも頼めるという「牛すじ煮込み」に。

「牛すじ煮込み」
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断然「肉より魚」派の私だが
煮肉には弱くってねえ〜♪
ネギたっぷりが嬉しい、トロトロが嬉しい。



「こづゆ(会津地方の祝い汁)」
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メニューに「野菜たくさん ホタテダシ」とある通り、
たっぷり野菜とほんわかホタテダシ。
味付けが濃くないので素材ひとつひとつの個性が楽しめるところが素晴らしい。
きくらげや白滝のぷるぷる感の中に、
にんじんのあまみ。さといもの滋味深さ。みつばの香り。
そして銀杏が口の中ではじけた時の宝物のような嬉しさ。

居酒屋的メニューが沢山あっても野菜メニューは少ないことが多い中
こうして蕎麦前に野菜をたっぷり食べられるのはありがたい。


そしてなんと私、
今日は「ざる」を頼みません!

うどんやひやむぎの美味しさで有名な「蕎楽亭」から暖簾分けしたこの店であるから
今日は「めおともり(そば、うどん合盛り)」、
いきますよ〜♪


まず運ばれてきたうどん、そば用の「デュオ猪口」の美しさに
目を奪われる。

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会津の工房で作られているという、ガラスに漆塗の蕎麦猪口。
個性的な質感、発色とガラスならではの涼しげな清潔感が印象的で、
うどんの澄んだ汁がとても綺麗に見える。
「赤×黒がそば」で「白×茶がうどん」というのも
それぞれのイメージによく合っていてとてもいい。



「めおともり(ざるそば、ざるうどん合盛り)」
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「ざるそば」
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じっとりしっとり横たわる、透明感のある粗挽き肌。
見た目からはそんなに香ってくれそうな蕎麦には見えなかったのだが・・
箸先にたぐり上げて目がかっぴらく。
ほわーっ なんと香ばしい、トウモロコシのようなかぐわしさ!
口に含むとずっしりみずみずしい肌から
穀物のふっくら香ばしい味わいがかろやかに溢れ続ける。
みっちり濃厚!!という感じではなく、みずみずしさの中から
かろやかに絶え間なく溢れでてくる感じがたまらない。
うあ〜しあわせ、なんておいしいお蕎麦だろう・・・
会津産の蕎麦、品種は「会津のかおり」と聞いて更にびっくり。
こんなに味と香りの濃い「会津のかおり」は初めてかも。
やっぱり合盛りにしないでそばだけいっぱい食べたかったかなあ、
失敗したかなあー


「ざるうどん」
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ギャフン。
食べもせぬうちから尻尾を巻きました。
「やっぱり合盛にして良かったー」と思わずいられない、おいしいおいしい小麦の香り。
ちゅるりと口に含むと、すんなりシコシコ絶妙の食感で
甘いだけでない小麦のかぐわしさと旨みが濃厚に舌に広がり続ける。
この色の濃さ、見るからに美味しそうだとは思ったがここまでとは・・
蕎麦もあんなにおいしいのに、うどんもおいしすぎるんですけどー!

私は思わず上半身がじたばたしてしまい
厨房はものすごく忙しそうなのだが
どうしても伝えずにいられなかった。
「両方共おいしすぎます・・・!」


礼儀正しく潔く、それでいてどこまでも自然な店主。
そのまっすぐな瞳は「蕎楽亭」時代から私の印象に強く残っていたが
今日はさらにその「自然さ」に心を打たれた。
紐を力任せにひっちばったように着た小花柄の割烹着が
本当に良く似合っていた。



暖簾を出ると、1月のかたくつめたい夜。


しかし私は春風にでも吹かれているかのように大変にいい気分だった。
こういうのを「いい気分」というのだと思った。

神楽坂を飯田橋を、どこまでも歩きたい気分で

ふわふわ〜

フラフラ〜


この道をゆけば、「蕎楽亭もがみ」の店主が修行した「蕎楽亭」。
あの角を曲がればその昔「蕎楽亭」の店主が最初に店を開いた場所。



時の流れと「蕎楽亭もがみ」に、酔ったのだ。



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posted by aya at 12:50 | Comment(1) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月12日

牛込神楽坂「たかさご」


牛込神楽坂通りの小さな灯り。

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拙著「蕎麦こい日記」において
「目立たないにも程がある。何度行っても気づかずに通り過ぎてしまう。」
と書いたが、最近ではそんなことはなくなった。

立て看板には写真入りのメニューが掲げてあるし
お店らしいオーラがあるのですぐそれとわかる。
以前はやはり控えめすぎたのだ。
(私がぼんやりしすぎということもあるが)


以前店主が「いい蕎麦を見つけました」と喜んでいた青森産、
今日は新蕎麦が入っていますよ〜♪

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寒風の中歩いてきたから、さあ何を食べようとメニューを見て
やっぱり一番会いたい人の名前を呼んでしまう。

「せいろうください」(^o^)

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ふわぁーっとふんだんに香る、目の覚めるようなかぐわしさ。
口に含んだその肌のきめこまかさ、それを噛みしめてあふれる味わい。

うううう おいしい・・・・
「たかさご」の蕎麦はなんておいしいんだろう!

どこをとっても王道で、完璧で、ニクイとしかいいようがない。

最初から最後まで心から楽しんで食べ
蕎麦湯でゆっくり暖まる。


暖簾を出ると、さっきよりさらにつめたく黒い夜。


「腹の中蕎麦湯たんぽのあたたかさ」



posted by aya at 17:49 | Comment(3) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月12日

新宿「手打そば 大庵」


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新宿駅前という便利さ、
夜も遅くまでやってくれているという頼もしさ。

お正月にお休みで泣いた日もあったりしたが
何度も急な「低血中蕎麦」の危機から救ってくれた
ありがたい存在である。



お店は2階。

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この階段の真鍮?のビス留め大好き。





「アウグスビール・オリジナル」
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ドイツ大麦麦芽100%で造られた、無ろ過樽出しの日本のビール。



お通し
「茄子の煮浸し」。
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この店にはランチタイムにすごいサービスがある。
コース仕立てになった「お昼の大庵膳」や「小丼 & 蕎麦セット」などの他に、
「オプション そばをご注文のお客様限定メニュー」というのがあり
各200円で以下のものが頼めるのだ!

・せいろ
・田舎せいろ
・季節の変わり蕎麦
・そばの大盛り
・そばがきハーフ
・蕎麦で作った「お稲荷さん」1ヶ

お稲荷さんはまだわかるとして、
「せいろ」のおかわりが200円とか、「そばがき」がハーフで頼めるとかは
素晴らしすぎる、私には嬉しすぎるではないか!


で、さっそく

「そばがきハーフ」
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200円でこの演出。
日本は美しい国だ。



「せいろ」
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透明感のある肌に浮かぶ、粗挽きの陰影。
最初は殆ど香らずひんやりとし清澄な冷気のみが漂ってきたが、
それが底の方からだんだん香りが膨らんできて穀物らしい香りになってきた。
どこか生々しい水のような味わいもあるが
穀物の旨みを追いかけながら、繊細な舌触りを見つめる。




「田舎」
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おっなんだかワルそうな、暴れ野郎なルックス。
甘皮の香りがむわぁとしておいしい。
こちらのほうが食感もしっかりして程よいコシが楽しめる。




「大庵」にはその月ごとに
「今月のおそば 季節の変わり蕎麦」というのがある。
いつもは変わり蕎麦にあまり興味のない私だが
ちょっといってみましたよ〜

「バジル切り」
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右の蕎麦猪口の透明の汁はなんと「トマトのつけ汁」。
そしてせいろと同じ普通のつけ汁も左に用意されている。
イタリア料理で見かける、
バジルを練りこんだ鮮やかなグリーンのパスタのようなものを想像したが
意外と見た目のバジル感は控えめ。
香るのかな〜?

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ひゃーー!
これはですね〜、結論から言って大変に美味しいです!
バジルの香りが思った以上にふんだんで
それがこの蕎麦の素朴な食感と絶妙に合っている。
程よいざらつきのある肌、平打ちのためか繊細でしなやかな舌触り。
つるりと密なパスタには出せない、
なんとも儚いようなしかし凛としたような、和なイタリアン。
普段お蕎麦には何もつけない私だが、
このバジル切りは断然塩で食べるのが気に入ってしまった。
ちなみに9月は「しそ切り」。



大庵(だいあん)という店名にふさわしい
86席もある大きな店はランチタイムも大盛況。

しかし竹のスクリーンなどでうまく空間を仕切り
カウンターなども広々としているので
人の多さもあまり気にならずゆっくりくつろぐことができる。


レジの奥にある絵が「エルマーとりゅう」みたいで
すごくかわいいんだよなあぁー



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2012年09月10日

牛込神楽坂「神楽坂 山せみ」



ひっそりと目立たぬ蕎麦屋の趣もいいが
街を美しく飾ってくれるような店も好きだ。


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神楽坂商店街に面するこの佇まい。
出来た頃はあまりにパリッとしていかにも観光地的な印象も受けたが
今やしっとりと街に溶け込んで来ている様子である。
そう、こういう店がこういう通りにあるのはとても良いことだと思うのだ。
蕎麦屋にしては夜遅くまでやっているので、通りにこぼれる灯りもいい眺め。


間口も小さくはないが店内は奥にずずいと長く、かなり大きな店である。
テーブル席の奥にカウンター席、その奥にまたテーブル席。
近年お蕎麦屋さんが増えに増えた神楽坂であるが
おつまみ豊富お酒も充実、気軽に入りやすい雰囲気の『山せみ」は今夜も大盛況。

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竈や釣釜などの演出は、この界隈に多い外国人達にも喜ばれそうだ。




「水茄子」
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本来は「水茄子と塩トマトの盛り合わせ」というメニューなのだが
今夜は塩トマトが売切れで残念。



「松輪〆サバ」
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この松輪サバはいい!
脂がしっかり乗ってしかもその脂がきれい。さわやか。
〆具合も丁度良くおいしい〜




そしてここにきたらやっぱり「ニショク」♪

「せいろそば」「田舎そば」の「二色そば」。

「せいろそば」
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えーっこれはなんだか・・?

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目を凝らしてみても機械切りかと見紛う姿。
見事なまでに美しく均一に切りそろえられた蕎麦である。
口に含むとほわっと軽い食感。
しかしなんだかあまりにも均一で優等生過ぎてしまうのか
味としても手作り感が少ない?印象も。
香りもしっかりしているのだがそれもなんとなく素朴さに欠けるような・・。
今までとはだいぶ印象が違う。

この店は他にも系列店があるし、
こういう大きな、しかも営業時間も長い店では
小さな個人店よりも何事もいつも同じ状態にはなりにくい。
蕎麦打ちする人だっていつも同じとは限らず
ここはその日の打ち手の名前を「本日の打ち手」とはり出してあるくらいだ。
蕎麦打ちはその日の天候にも大きく左右されてしまうほど繊細な作業だし、
同じ産地、同じ畑の蕎麦でも毎年出来は全く違う。
ハンバーグやラーメンと違って毎回同じ味にはならないところが
手打ち蕎麦のいいところだと私は思っている。
現に私は以前この店で、目がかっぴらくような超絶品せいろを食べたこともあるのだ。




「田舎そば」
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こちらはぐっと黒々と、平打ちの「田舎」。

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たぐり上げた箸先からただようたくましい香り。
強いて言えばヨモギを思わせるような、青いたくましさだ。
この「田舎も」また「せいろ」同様、表面があまりにも均一な印象なのが不思議だが
こちらは下を支える野性味がぐわーと強い香りがうれしい。
しかもかみしめた味わいは甘さも味わいも強くなく、
さっぱりとしているのが意外性があっていい。



暖簾を出ると
少し涼しくなった神楽坂の夜。


毘沙門天の闇に、秋の気配が漂っていた。






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2012年08月16日

牛込神楽坂「志ま平」


なまあたたかい夕風に吹かれて、
神楽坂。

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一人ではなんとなく入りづらい雰囲気を感じるかもしれないが
その予感は当たっている。

昼間は「せいろ一枚!」も似合う蕎麦屋だが、
夜は蕎麦屋というよりコース主体の料理屋だ。


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が、今夜はこのあと予定があるので蕎麦だけで失礼〜


「そばがき」
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黒塗りの椀にふっくらと、洗練の「そばがき」。
滋味深き香りをほわぁ〜とまとい、口に入れた瞬間の印象はもっちり。
しかしそのうちに、もっちりの中に隙間なく仕込まれた空気感も感じられてくる。
エアリーでありながらふわっふわのほんわり〜というのではなく、
しっかりもっちり食べ応えもあるそばがきだ。


そしてやっぱり毎回これを頼んでしまいます。

「二色せいろ」
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パッと見は、なんとなく素っ気ないような眺め。
しかしそこには確かに小慣れた洗練、風情があるのだ。


「おせいろ」
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するり、密な肌。
みっちりと打ち込まれかなりしっかりした食感だが
平打ちなのでひらひらとして食べやすい。
香りはほとんどないが
淡く漂うような穀物の慎ましき味わいがうれしい。



「深山」
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見るからに香りそうだとは思ったが・・
だだちゃ豆か天狗豆かという、濃厚な香ばしさにびっくり!
いやー、これだけの、この手の香りは久しぶりに出会った。
しかも熟成感は一切なく、意外に甘さもなく、
最高の香ばしさだけを美しく楽しませてくれる。
食感は少し粘土のようなみっちり感があり、かなりの歯応え。
お蕎麦ってすごいなあ、引き出せばこんな香りまで出てくるんだなあー



食後の蕎麦湯。
私にとっては蕎麦湯はお酒で、蕎麦汁がおつまみのようなものなので、
蕎麦湯をゴクリ、蕎麦汁チビリ。
それぞれ別々に楽しむのが私の大切な「蕎麦後」なのだが、
今日は都合でこういうことになった。

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蕎麦湯で割った蕎麦汁。
いわゆる普通の眺めなのだろうが、私には大変珍しい(^^;;)

いやー、こういう飲み方もおいしいなあー
(だからそうするものなんだってば)

最後は葱まで投入して、逆に新鮮な気分になってしまいました。




2010年10月の「志ま平」



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2012年05月18日

新宿三丁目「彩蕎庵 吉遊」


これだけ便利な場所にあるのに
説明すると必ず「え、そんな所にあったっけ?」と
言われる店である。

説明は簡単だ。
「新宿通りに面して、旧三越とマルイの間にある小さな階段を降りた地下食堂街」
である。
「彩蕎庵 吉遊」は階段を降りてすぐ左手だ。

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この場所は昔はあんな店で、
そのあとあんな店になったりこんな店になったりしたのだが
常に蕎麦屋であり続けてきてくれた場所。

店内の印象は昔から殆ど変わらないので
同じ席に座りながら、あの店だった頃の思い出、
この店になってからの思い出といろいろよみがえる。
懐かしい友達と来た思い出、
涙が出るほど美味しい蕎麦をひとりで感激しながら食べた思い出。

買い物ついでに便利なので
なんだかんだで結構来ているのだが
今日は久しぶりだ。

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本日の蕎麦は「山形県舟形町 最上早生」だって!


久々に来てみると、おー
なんだかやたらとメニューに気合が入っている。
何枚ものラミネート加工したシートに大きな派手な宣伝文句と写真入りのメニュー。
その勢いに押されて
「渾身のそばがき」
「お得!ランチ 季節の野菜天そば」
というのをとってみる。


「渾身のそばがき」
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うわー これはいい 
あなた香るでしょう!おいしいでしょう!

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きたー・・
フレッシュな、なんともすんばらしい芳しさ!
青々としたフレッシュさ、甘さ、香ばしさ、たくましさ、まろやかさ。
どれもが突出せずに、蕎麦という穀物の香りの素晴らしさが
バランスよく濃縮された感じにうっとり。
口に含むとモチッとして、フワ〜とエアリーに溶けていくのがたまらない。
時間立つとフワがなくなりモチッと短くなるんだなあ。




「季節の野菜天そば」
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あんまり見かけない、かなり無理矢理なレイアウトであります。
もうちょっとお盆が大きい方がいいかも・・?(^^;;)

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箸先ですっきりと香るかぐわしさ。
さきほどのそばがきと同じ蕎麦粉なのだと思うが、
こちらの方がややストイックなイメージのかぐわしさに感じるから面白い。
口に含んで・・・アレ?何かが・・

と思い眺めてみると、なるほど〜
もしやこれは機械切りかな?
しばらく来ないうちに手ごね機械切りになったのかもしれない。

食感の味気なさは否めないが、初めからこういうものだと思って食べれば
香りよく味わい深く、大変美味しい蕎麦である。



またひとつ、「この場所の時代」が移ったような気がした。
posted by aya at 06:51 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月15日

牛込神楽坂「soba dining 和み」


もともと賑やかな場所ではあるが
近年観光地化しますます人の増えた神楽坂。

人と一緒にお蕎麦屋さんもぼんぼん増えたのは嬉しい限り。
蕎麦選択肢が多すぎて

「私が神楽坂で蕎麦以外のものを食べる日が
 いつか来るのだろうか 否来ないであろう」

と予言者のように思ってしまうほどである。

裏道のお蕎麦屋さんは、
「どの路地から入るんだっけ?」
とわからなくなってしまったりもするが、

神楽坂のセブンイレブンの裏あたり、と覚えればわかりやすい。
「芸者新路(げいしゃしんみち)」という粋な名前の路地。
2階を見あげれば、
「soba dining 和み」。


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ここで面白いのはなんといっても
「十割」「シルク」「赤米」「二八」
と4種類も蕎麦があるところ。


さあ2階に上がってみよう!

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静かだな・・



扉を開けて、

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あら素敵。


それにしても静かだな・・

やっているのかな?

ごめんくださ〜い・・・

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「ハーイ!」
と元気よく愛想のいい店員さんに迎えられ
席に案内してもらえた。

すっきりとしたミニマムデザインのインテリアを
やわらかな照明が照らす。
すぐそばにカウンターがあるのだが
お店の人も実に感じがよく、居心地の良い空間だ。

お蕎麦は「シルク」と「赤米」が食べ比べできる
セットがあるのが嬉しいところ。

「2色そば」
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おー赤米、ほんとに赤い。
メニューには
「福島県会津産のそば粉に京都産の食用シルク(絹)を混ぜ合わせ打った蕎麦」
「福島県会津産のそば粉に石川産の赤米を混ぜ合わせ打った蕎麦」
とある。
ワクワクするなあ〜♪

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手前がシルク。
たぐり上げて驚く。
この、フワンフワンの軽さ!
すべらかな空気感のある食感もまさに初体験だ。
シルクを混ぜるとこんなふうになるんですねえ、面白いなあ。
ふわりと香る二八の濃い香りの中、
フワンフワンのシルクのゆめ。

右側は赤米。
これが意外と一番気に入ってしまった。
するすると軽やかな蕎麦ながら、しっかりとした歯ごたえ。
何よりも、玄米のような独特の香りと味わい深さがたまらなくおいしい。
当たり前かもしれないがこんなお蕎麦は初めて食べた。
いやー、これは初体験にしてひとめぼれですよ。
そういえば私、昔良く玄米を炊いていた頃
赤米を混ぜるのが好きだったのを思い出した。


 「十割」
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先程の2種類がかろやかな食感だっただけに
蕎麦粉100%の十割はさぞみっちりギッチリ感じられるかな?
と思いきや、これまた軽やかな食感である。
女性店主が打つ、優しく軽やかな食感の蕎麦。
今日の十割はかなり熟成感が強い風味。
次回は二八も是非食べてみたいところだ。



ちなみに「ランチセット」というのもございまして、
好きなお蕎麦に+100円で
「選べるおにぎり2個+選べる日替わり一品料理」
がついてくるという楽しいもの。

+300円だとハーブティーとケーキもつく。

これが+100円コース。
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おかわり蕎麦が「おいかけ」ってメニューに書いてあったのが
面白かったな〜

聞いただけで3枚くらい追いかけたくなる響き!(^o^)




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2012年01月02日

新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」


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狙っていたわけではないが去年に引き続き
今年も初蕎麦は新宿タカシマヤ13階にやってきた。
う、嬉しい・・・お蕎麦食べるの久々な気分。


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北海道西十勝・新得産の新蕎麦。
去年の今日もおいしくて大感激した蕎麦だけにますます嬉しい。




実は今日はひとりのはずだったのだが
直前にタイミングよく素敵なお誘いを受け、こんな展開に。

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新宿の夜景に獺祭がキラキラ☆

美味しい獺祭がますます美味しいねえ〜



メニューを見るとまず
「今月の味くらべ」というのに目が釘付けになる。
「二八蕎麦」と「生粉打ち蕎麦」がセットで1000円。
ここが「生粉打ち蕎麦が1枚1160円」という高級店であることを考えると
何があったんですかというお得なセットである。
これに野菜天がつくと1800円。

しかし今日はもっとお得なセットを発見。
今夜はお正月特別メニューなのか
いつもはランチでしかやってないというセットが夜もあったのだ。

「二八蕎麦」と「生粉打ち蕎麦」に
「揚げ出し餅」「野菜天ぷら」「4種小鉢」「サーモンの手鞠寿司」
がついてなぜかこれも1800円!

えーっそんなの絶対これにしますよ!
せっかく獺祭も美味しいしね、このセットくださーい!

ジャン!

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お蕎麦の入っている笊は小さいがギッチリぎっしり
結構量もしっかりある。



「二八蕎麦」
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なんてフレッシュで美しい香り・・・!
たぐりあげた瞬間、目の覚めるようなかぐわしさが全身を吹き抜け思わず
「おいしいーー!」と小さく叫んだ。
期待はしていたがそれ以上のすんばらしい香りだ。
もっちりとした二八の歯ざわりからあふれる香りも味わいも、
新年早々嬉しすぎる。美味しすぎる。



「生粉打ち」
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たぐりあげた瞬間の香りは二八よりも淡い・・と思いきや
あとからジワ〜〜とふくらんでくるこうばしさと味わいが
これまたものすごーーく美味しい。たまらない。
密な肌を噛みしめると味わいは更に深まっていき、
これを食べた後に二八を食べると、あれほど感激した二八が
やや淡白に感じられたほど。
今日は「トップノートに感激の二八、香り味わいゆっくり深まる十割」という印象だ。


お蕎麦だけにがっつきすぎて
ワタクシここで初めて、おいしそうな他のおかずに目が行きました。
(本当に初めて「見た」)

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蕎麦のみ完食。
全くこれでは蕎麦原理主義とか言われても仕方ありません。
非難、慎んで受け止めます。

でもね、お蕎麦は早く食べた方がいいし、
心落ち着けてのんびり、おかずと獺祭を楽しむってのもいいですよね!(言い訳)



小松庵さん、今日は大盛況だけに
蕎麦湯もナチュラルに濃くておいしい。

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今日はまだ2日ということで
9時までの営業というのがちょっと残念。
楽しくてついくつろいでしまい、
最後のお客さんになってすみません~




というわけでスタバで「獺祭冷まし」。
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新年初睨み!




.
posted by aya at 23:19 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月20日

神楽坂「東白庵 かりべ」



六本木時代のイメージがあるだけに
さぞかしゴージャスで個性的な構えだろうと思っていた。

しかし、意外にも。

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通りから路地の奥を覗いてもすぐにはそれとわからない佇まい。
看板は小さく目立たず、簡素と言ってもいい外観だ。


参考までに、これが六本木時代のエントランス。

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そうか、あの頃はその大胆なイメージに圧倒されていたが
こうして見るとさして「ゴージャス」な演出がされていたわけでもなく
とても無邪気なエントランスだったんだな。
あれは「六本木ヒルズ」という箱がゴージャスだったのだ。

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生まれ変わって、店主の名が店名に冠された「東白庵 かりべ」は
路地突き当たりのマンション一階。
手作り山小屋風のエントランスは、さすがユニークな趣向である。

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外のメニューを見るまでもなく、もう今日の心は決まっている。
「せいろそば」「田舎せいろ」を食べるんだ!

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店内に入ると、六本木時代からおなじみの
ゴブラン織地張の猫脚チェアが迎えてくれる。
家具は同じだが店内のイメージはここもなんとなく山小屋風だ。

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(ちなみにこれが六本木時代の店内。)
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今日はお蕎麦しか頼まなかったのだが
「サービスです」と「ふろふき大根」が最初に出てきた。
庵でもてなされる畑の恵み。
嬉しいなあ。

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「せいろそば」
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きたきた来ました「竹やぶ」の、
この不思議な取っ手付きの木のせいろ。
石臼を模したようなデザインなのだが、初めて見たときは
この取っ手が右からたぐりあげるにいかにも邪魔そうで
「右手デ食ウベカラズ」と言われている気がして驚いた。
しかし右手で食べても食べにくくはないので安心したものだ。


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うっわぁー おいしそううううう(>_<)

たぐりあげるとふわぁ〜と濃厚なかぐわしさ。
熟成ではないが熟成ばりのたくましい厚みのあるかぐわしさだ。
ふっくらぷるりとした肌。
そこから生まれる豊かな弾力、コシがたまらない。



「田舎そば」
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待ってました、この木の横長せいろ、黒々とした肌。

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こんなにも粗く黒いのにこんなにも柔和な姿。
女性的なイメージすら受けるやさしい肌だ。
たぐりあげると、ああ懐かしや、これぞ竹やぶ。
荒野の庵が眼に浮かぶような、渋い香ばしさだ。
口に含んだ瞬間はふわり儚ない印象なのだが
どっこい豊かな腰がある。
そこに身をまかせるしあわせ。


店内中にあふれる「竹やぶ」阿部さんのアートのなかでも
一際目をひく言葉。

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「そばの味をひもとくと
おばあちゃんの味だったりおふくろの味だったりする
商いのそばをどんなにうまく作っても負けてしまう
当たり前のことが 少しづつ 少しづつ
わかってきました。
竹やぶ あべたかお」


阿部さんの思いがけない言葉に
小さい頃、父の書棚の高いところにいつも見ていた一冊の本を思い出す。
「九十にして惑う」という哲学書のタイトルに
私はほえ〜っと感心していたのだが、その気持ちを思い出したのだ。



店を出ると薄曇りの神楽坂。

振り返ればマンション一階に
はめ込まれたような不思議な山小屋が静かに佇んでいる。
まるで中には誰もいないかのように。


今過ごした時間はなんだったのだろう・・?



神楽坂に出現した、山の不思議な庵である。




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2011年10月27日

神楽坂「蕎楽亭」


昨日は素敵なお誘いをいただき
「ジョージ・ハリスン/ リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」
の試写会へ。

3時間30分。
終演後は、あまりの陶酔と衝撃で口もきけなくなってしまった。
どこを歩いているかもわからないくらいだった。

そんなへにゃへにゃのふにゃふにゃのまま、
「蕎楽亭」でかんぱーい!

楽しかったなあー



「季節の天ぷら」(相変わらず衣が危険な程美味しい。キスダイスキ!!)
「穴子白焼き」(焼き具合最高!)
「丹波黒豆の枝豆」(大きくて豆感しっかり)
「白子ポン酢」(お酒が飲みたくなる!!)

そう、この私ですら「ここでちょっとお酒を舐めたい」
と何度も思うほど美味しいものばかりでしたが
ただでさえ映画酔いでふにゃってたので、昨日はやめときました。
(それを証拠に2口奪わせていただいたビールだけで
若干店内メリーゴーランド化〜(^^;;))



「二色そば」
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何度見ても心ときめく田の字もり♪


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映画とビールと楽しさで相当ふにゃっておりましたが
シャキーンと目が覚めた!

ふっくらとした穀物の香りがたまらなくおいしい「ざるそば」。
ちゅるんとした食感、さっぱりとした香ばしさが新鮮な「十割そば」。

うわー
今日の「蕎楽亭」のお蕎麦は、いつも以上に素晴らしい
ふにゃふにゃの私と溶けあうように


エンドロール最後の最後に
暫く聞こえていた音が耳から離れない。

音はたぶん昼間のものだったと思うが、
夜明け直後のフライアー・パーク
露に濡れた野生種のようなバラ
その上をただよう魂のような
霧のようなものが見える。






posted by aya at 08:19 | Comment(4) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月22日

牛込神楽坂「たかさご」


夏の衝撃。

私はここしばらく、蕎麦の素晴らしさというものを
忘れていたような気すらした。
これだけ毎日蕎麦ばかり食べて、
うおーうおーと美味しがっている私が何をと思われるかも知れないが、
全てがリセットされてしまうほどの鮮烈な魅力が、その蕎麦にあった。
私は最近ずっと、こういう蕎麦が食べたかったのだ。


1年ぶり程にもなるだろうか。
久々、神楽坂「たかさご」の「せいろう」。

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粗挽き流行りの昨今にあって
この均一感のあるクリーミーな肌。
一目見て「むッ これは!!」と思ったが・・・

その肌からふんだんにこぼれる、香りの素晴らしさよ!


「かぐわしい」「いい香り」という言葉では全く不足である。
これほど素晴らしいかぐわしさはどれくらいぶりだろう。
こんなにもフレッシュで、鮮烈で、
青い蕎麦畑の上澄みのような香りのする蕎麦。
「そうだこういうものがあったのだ」と
私はただただ驚いてしまった。


あまりにも美味しくて夢のように駆け抜けてしまい
「すみません、同じのお代わりくださ〜い・・」
ということに。
すると、今日はめずらしく空いているせいか
「辛汁」も試させてもらえることになった。

普通「せいろう」についてくる汁とは違う、
お砂糖を全く入れない汁らしいのだが、
今の1枚目も汁無しで最後まで平らげてしまった極悪人としては
せっかく「辛汁」をいただいても喜べるかどうか・・スミマセン・・・・
という思いで2枚目が茹で上がるのを待つ。

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1枚目よりなだらかな稜線を描き
豊かにひろがってやってきた2枚目。


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カァァァー




美味しすぎてカラスになってしまいそうである。

この香り。
滑らかな肌。
夏の夜に心地よい、潔くはっきりとしたコシと、
それを噛みしめて更にふくらむ香りと甘み。

こんなに美味しいなんておかしい。
今すぐバタバタ飛んで行ってしまいたい。
もしくは店の前の道路に出て行って「美味しい蕎麦ありますよ!」と宣伝したい。


2枚目もこのまま平らげてしまいたかったが
せっかくいただいたので「辛汁」を試さねばと
私の大事なお蕎麦を、恐る恐る辛汁に浸してみる。
当然だが見た目はふつう。

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これがっっ 

大変に個性的で、大変に美味しい。
ちょっと変わった強さの奥に、深い旨みがあり
なんとも言えず美味しい。

聞けば何も個性的なものは入っておらず
丁寧に丁寧にしっかりとった一番出汁と醤油とみりんだけだそう。

試しに普通のせいろうの汁にもつけてみたが
うーん私にはやはりこの「辛汁」が魅力的だ。

しかもここは、天ぷらなど料理も大変においしいので
蕎麦だけで帰る馬鹿者は私くらいである。
ああいつかここのコース食べに来たいな〜〜!!



拙著「蕎麦こい日記」において
「目立たないにもほどがある」
「一度前を通り過ぎて戻ってきてまた通り過ぎてしまうこともある」
と書いたほど控えめな外観。

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牛込中央通りに面して看板らしい看板もなく
目印は白い暖簾だけ。
その暖簾に書いてある文字が・・・

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一字も読めまへん。(私には)
「うにゃにゃにゃ」?(^_^;)

これでは通り過ぎてしまう人が私以外にもいそうで心配になってしまうが・・・



名店は、ただ静かに白い暖簾を掲げている。






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2011年07月24日

神楽坂「蕎楽亭」


平成10年、新宿区は払方町に
個性的な蕎麦屋が誕生した。
「蕎楽亭」。

どこかやんちゃ小僧で、どこか頑固爺なニューフェイス。
今思い出すと「ハウルの動く城」のように
ガチャガチャと音を立てて店ごと歩き出しそうな
楽しい美味しい店であった。

その店が今では、と思うと13年の時の流れを思わずにいられない。
神楽坂に移転してから早6年。
当代押しも押されぬ超人気、超有名店である。
(私のハウルな印象はどこか当たっていたのかもしれない。
 深夜神楽坂へと何百メートルか店が歩いたのかも)


名店というのは、店に入った瞬間に何かわかるものだ。

厨房に美しい秩序とスピード感がある、
働く人が皆実にいい目をしている、
店全体に小気味の良い活気がある。

とにかく店に一歩入った瞬間「わあ、これはいいところに来たな」
と嬉しくなる店なのだ。



カウンターに並ぶ新鮮な野菜の彩り。

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次々と美しい衣をまとい、揚げたそばからそれぞれの席へ運ばれて行く。

それを眺めつつ楽しむ、
おいしいお酒、おいしいおつまみ。




宮泉 写楽(福島)純米大吟醸。

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私には結構がっつりな、福島らしい印象のお酒である。

「最近お酒がよく出てくるけど大丈夫なの?」
と大変に御恩ある方から心配の問い合わせを頂きましたが
私は味見程度舐めているだけですから大丈夫ですよ、母上(^_^;)。



「きざみ茗荷」
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「馬刺し」
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故郷愛溢れる店主がゆえ、この店は蕎麦粉、冷麦の小麦粉も、
そしてこの馬刺しも会津産。




「にしんの山椒煮」
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「鱧子の煮こごり」
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そして何が美味しいと入って
ここの天ぷらの美味しさはケタ違いである。

「海老」
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「ギンポ」
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この美味しさには参った!
バリッッ!!と香ばしい衣、ふっくら肉厚の上物のギンポ。
こんなに美味しいギンポの天ぷらに次にいつ出会えるかしらん。



「ヤングコーン、南瓜、そら豆」
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「メゴチ」
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「まいたけ」
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「稚鮎」
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「鱧」
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それぞれの素材に合わせた
ピタリ、最高の揚げ具合。

香ばしいギンポのバリッと感、
メゴチの極上ふんわり感、
稚鮎の芸術的な繊細ハード感、
スイートコーンのパリサク感。

私は天ぷらは大抵穴子とまいたけが一番好きなのだが
ここではどれもが主役級に美味しい。



そしてこの店の困ったところは、
おつまみがこれだけ美味しいのに
蕎麦が「並そば」「十割そば」と2種類あり、
蕎麦以外に打っている冷麦とうどんも素晴らしいので
もうとにかく全部食べたくなってしまうところである。


効率良く全部食べたい者は2種盛り技を駆使するのだ。

まずは「並そば&うどん」の合盛り「めおともり」。

「うどん」
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ここのうどんは真っ白すぎない肌がいかにも地粉、
見るからに美味しそうだが本当に美味しい。


「並そば」
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穀物感たっぷりのこの姿。
噛みしめるとふわあっと香りがひろがるのがたまらない。




こちらは「ひやむぎ&そば」の「むぎめおと」。
並そばを100円プラスで十割そばに替えてもらう。

「ひやむぎ」
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ちゅるちゅる〜
そして小麦の味がしっかり濃い!


「十割そば」
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さっぱりつるつるみずみずしい十割。
見た目は黒いが会津らしい爽やかな蕎麦だ。



今日は「並そば」が一番気に入ったが
前回はなんとこの私が「ひやむぎがいちばんかも・・」と感じてしまったほど
ここは小麦粉ものが美味しい。


自分がおいしい、自分が楽しいばかりではない。

周りのテーブルのお客さんも皆楽しそうなこと、
働く人の姿が美しいこと、
美味しそうなものが厨房でどんどん生まれて
出来立てが次から次へと運び出されていくこと。



名店というのは、店に入った瞬間に何かわかるものだ。




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2011年07月22日

新宿三丁目「手打ちそば処 楽庵」


夢のように嬉しくて楽しいと
もはや味などどうでもいいと思ってしまいそうになるが
やっぱり美味しいことはありがたい。

夢が一層楽しくなるから。


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一緒に天を駆けまわった記憶が残るくらい楽しいライブのあと
アンシュと素敵なO女史とのひととき。

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しとっとやさしい食感と、ふっくら甘い香り。

更けゆく二丁目の手打ち蕎麦屋はこの街のオアシスであり、
私にとっては夢の続きの3rdステージである。


最後アンシュの割子そばの鶉の卵と海苔を奪い 
浅草「尾張屋」風にして美味しかったなあ!








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2011年03月26日

新宿三丁目「手打ちそば処 楽庵 」


昨日のピットイン!

「梅津和時プチ大仕事」
梅津和時(sax, cl)、山下洋輔(p)、熊谷和徳(tap)


ほんとうにほんとうに楽しい
無限の、自由な、わくわく飛んで行ってしまいそうな世界!
そこには、かなしいことも こわいことも 何もなかった。


相変わらずエネルギーに満ちた山下庵アンシュ。
神出鬼没八面六臂のやんちゃぶりには
もう嬉しくてたまらなくなってついにワハハハと笑い出してしまうほど。


そして深夜の2丁目にて、こんな嬉しいハプニングも。

幸運にも「チョイと」行かれてしまった、定番「楽庵」♪

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白っぽい平打ちにおおきな黒いホシがひらひら。
「楽庵」の蕎麦はなかなか個性的な姿なのだ。

最近の「楽庵」ではよく出会うかなりの熟成感。
白い肌に似あわぬムワァ〜と濃い香りが密にただよう。
しっとりやさしい歯ざわりの蕎麦だ。

相変わらず力の抜けた、居心地のよい店には
騒ぐでもなくのんびり楽しげに憩う人々が集まる。
深夜の2丁目、小さな平和。


当たり前でいることがとてもむずかしく
当たり前のことがとても嬉しくありがたく
涙が出そうになるときだから。


訪れる人を深夜まで迎えてくれるこの店も、

大好きな方々とお蕎麦が食べられることも、

節電照明の街角の景色も、

楽しいライブも、


映画のように、胸の中でまわり続ける。





*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

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2011年01月04日

新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」(初蕎麦)


年末年始に蕎麦がたぐれないのは毎年のことだ。

一番の理由は私の実家に年越し蕎麦という習慣がないこと。
これは家族で蕎麦好きなのが私だけなので仕方がない。
明けてお正月はお蕎麦屋さんに限らず飲食店はほとんど休みである。
年越しそばで年末が殺人的に忙しいお蕎麦屋さんは尚更だ。

とは言え3日も蕎麦がたぐれないとなると
これは私にとっては死活問題である。
忙しくてお蕎麦屋さんに行かれず3日経ってしまうことは稀にあるが
行かれるのにやっていない、お蕎麦が食べられないというのは辛いものだ。

そんな時に心強いのがデパート上や繁華街のお蕎麦屋さんだ。

これ以上下がれないほど血中蕎麦粉度の下がりきった体で
新宿で買い物を済ませた昨日の夜。
(欲しかったブーツが買えたぁー♪)

初売やセールでごった返す人ごみの中、
前の人を追い抜き追い抜き、カッカッカッと大股で歩き
目指すは「彩蕎庵 吉遊」。
大股早足なのは元気だからではなく
もう早く早く早く、お蕎麦に会いたかったから。
ブーツ売り場ではヘトヘトだったくせにお蕎麦となるともうこれだ。

ああ〜うれしいなぁー、もうすぐ会える。
お蕎麦〜 お蕎麦〜♪


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よしよし、電気もついてる。

なんだかんだで便利なもんでよく来ちゃうのよねココ〜 ランランラン〜

と階段を降りると




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( °o°)




松本城の如き黒々と堅牢なシャッター。

そんなぁ〜〜〜
だったら地上の電気をつけないでおくれ〜
(よくあることですが。きっとビルでまとめて点灯するんでしょうね)


でもそんなことであきらめるわけにはいかない。
がっかりしている間に「低血蕎麦」で倒れるといけない。
(蕎麦の実持ち歩こうか・・)
ハイ次、次!

「手打そば 大庵」なら駅前だしやっているだろう。
ほら、遠くからでも看板の電気がついてるのが見えるし!





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(;o;)(;o;)(;o;)





看板の電気(ビル上方)はついてるのに・・・



というわけで、流れ流れてたどりついた
新宿タカシマヤ「総本家 小松庵」。

そうに書くと
「どこも閉まっていたので仕方なく」というように聞こえるかもしれないが
(いや実際あの時はそうだったのだが)
しかし私は、全てが決められていたことだと思った。
あのドタバタは、あの蕎麦に会うための序章であった。


そう思えるほど、あまりにもすばらしかったのだ、小松庵!



値段がやや高い小松庵であるが
ただいま「新蕎麦まつり」としてこんな楽しいセットがありましてね。

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(汁より蕎麦が手前になっているのは私が並べ替えたものです)


これだったら蕎麦は1枚の半量ずつ3種楽しめるし
豪華な汁もつくし小松庵にしてはお得感あるセットだ。
ただ個人的には汁は辛汁だけでいいので
シンプルな3種蕎麦のセットを作って欲しい。

だって蕎麦が、素晴らしすぎる!
汁まで食べ比べる暇などあるわけがないのだ。




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二八


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生粉打ち


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粗挽き




まずひとたぐり、私は二八から食べた。

・・・・・もう、もう、もう、
今思い出しても眉間にシワが寄りそうなほどの衝撃、感激。

この上なくかぐわしい蕎麦の香りが全身を駆け抜け、
それはもはや「ショック」と言ってもよかった。

本当に我ながらおかしいんじゃないかと思うが、私には、
かぐわしい大風が私をブワーッッと体ごとさらっていって
奥に見える13階の窓からの夜景を遊泳するようなイメージまで見えた。
私はどれだけ蕎麦が好きなのだろう。


二八の、すべてを兼ね備えた深く濃い香り。
甘くて、香ばしくて、力強くて。

生粉打ちの、この上なくきめ細かい肌。
二八に負けず劣らずの香ばしいかぐわしさ。

粗挽きの、意外にも品の良い清らかで澄んだ香り。
その奥に潜む、何やら掴み難いほど淡い、非常に個性的な香り。
しっかりしているようでどこかはかない粗挽きの食感もまたいい。



大袈裟といわれようが笑われようが
広い店内の片隅で、私は目がジワッとくるほど感動してしまった。


都会のデパート、お正月の喧騒。
その中で今日私が出会えた北海道西十勝・新得産の新蕎麦。


この蕎麦を育てた農家の人。
この店でこれを碾いた人、打った人。
この蕎麦を作ってくれたすべての人達のところに走っていって
「あけまして、おめでとうございます」
と言いたい気持ちだった。








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2010年12月27日

信濃町「手打そば さわや」

信濃町駅前の手打ち蕎麦屋。

古いビルの階段は容赦なく急で
うっかりヒールの高い靴なんて履いていってしまうと
落っこちそうで怖い。
しかし常連は慣れた風でひょいひょいと降りていく。



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ドキ。
私の心を一瞬にして波立たせる「手打そば」の文字。
薄暗い通路に立ちつくし、しばし眺む。
ああああ、美しい。
「手打そば」「手打ち蕎麦」「手打蕎麦」「手打ちそば」
どの表記もそれぞれに、少しずつ違った光彩で私の心を染める。

「送り仮名なしの ”手打” に平仮名 ”そば” ・・・ああこれもやっぱり素晴らしい・・・」
店に入りもせず恍惚とする私は、端から見たら不気味かもしれない。




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つるつるとすべらかな肌。
小麦粉と蕎麦粉の混じった甘い香りが
のんびりした気持ちにさせてくれる。
今日は偶然か、やや熟成感も感じられる濃い味わいだ。


地下の店ゆえ目立たぬはずだが
店はたいへん賑わっている。
次々入るオーダー、はなやかに蕎麦すする音、テーブル客のおしゃべり。
厨房で働く人のキビキビとした美しい動きを眺める人は誰もいない。

喧騒の中のやすらぎ。


古いビルの地下に、こんな時間が流れている。

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2010年11月29日

神楽坂「芳とも庵」



情熱の人。


神楽坂に熱い場所がある。


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津軽そばを出す店ではあるが
店先にしつらえられた竹垣や店内を飾る赤い和傘など
どこか京風で小綺麗なイメージのインテリア。

しかし客席に対しての「蕎麦打ち、製粉スペース」の広さをご照覧あれ。
製粉の機械も石臼があるだけではなく、
選別機、脱皮機、玄蕎麦貯蔵用冷蔵庫と
店主に会わずともその本気度が伝わってくる。
もうないものは畑だけと言ってしまいたい。

ここでは津軽名物の呉汁を混ぜた「津軽そば」のほか、
「江戸」「田舎」と三種類の蕎麦に出会える。



まずは、「江戸」。

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見た目はすんなりとおとなしいが、むわあ〜〜
素晴らしく濃厚な香り!
植物の根を連想するような、生々しい土の力を感じる力強い香りである。
この手の香りの中には、ちょっと好きになれない要素も含まれがちなのだが
この「江戸」は、違う。
北海道、摩周の大地に抱かれるようなうっとりするようなかぐわしさだ。

舌触りは繊細でやさしく、
しかし噛みしめると凛としたコシがあり・・
うわーん おいしいよう・・・おいしすぎる・・もっと食べたい・・・


「田舎」。

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こちらも同じく北海道摩周産。
先程の「江戸」から「根」の印象だけを取り去ったような
むわぁーとした力強い香りである。
しかし噛みしめてびっくり。
これは・・・私が今までに体験した中でもトップクラス(いやトップかも)
の蓬の味わいである。

蓬の風味を持つ蕎麦には稀に出会うことがあり、
その野性的な魅力はたまらないのだが、
これほどのものは・・・・なんて美味しいのだろう!
ああああああ
いつまでも噛み締めていたい。
できるだけ長くこの人と一緒にいたい。
噛みしめると粗挽きの粒がニクイ程ごく微かにチリッといいます。
そのたびに嬉しさが登りつめ先程から
顔がうすら笑いになっております。
他のお客さんから見えない位置で良かった・・


最後は、この店の名物である「津軽」。

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打って変わってクリーミーな印象の肌。
大豆の呉汁でこねる津軽地方の郷土蕎麦は
神楽坂のこの地で、なめらかに上品な表情をたたえていた。

箸先にたぐると、ふわあっ、と香りもまたクリーミーでまろやか。
やはり豆乳のせいだろうか。
口に含むとつるりとなめらか、コシがやさしく伸びる感じで
繊細な歯ざわりの中から大豆の風味が品良く感じられる。
お、おいしい・・・こんなにおいしい津軽そば初めてかも(>_<)

大豆の汁で作る津軽そばはやはり難しいらしく
今まで「ちょっとこれは・・」と
頭がハテナマークで占領されてしまったような体験も少なくないだけに
「芳とも庵」の美味しさの感激は大きい。


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3種の蕎麦の恍惚でもみくちゃになったような気分の私に
じんわりと優しいとどめを刺すかのような蕎麦湯。
え〜〜〜
どうして蕎麦湯もこんなに美味しいんですか〜
濃厚でありながら繊細な印象の微粉の均一感。
呉汁のせいなのか?何とも言えないまろやかなうまみがある。

 

若き情熱の職人が営むこの店も
この11月で3周年を迎える。

12/3まで3周年記念の特別メニュー(予約)のイベントを
やっているので、是非是非!

江戸せいろが産地別(ともに新蕎麦)で食べ比べできますよ~









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2010年10月14日

神楽坂「志ま平」


何時誰が行っても同じような時間が流れ、
マニュアル通りの同じ笑顔で
同じようにサービスしてもらえる。

そういった意味で現代人にとって
ファミリーレストランは
心安らげる場所なのかもしれない。

「個」として注目されない気楽さ。
心が触れ合わないからこそ、
心の中に立ち入られない安心感。

街道沿いは日本全国そんな店だらけとなってしまった昨今、
昔ながらの職人気質の頑固親父が
店の隅々まで目を光らせているような店は
存在そのものが貴重になってしまった。

随分昔の話だが、浅草の手拭いの老舗で、店に入っただけで
「そんなところに立ち止まるな」
と怒鳴られたことがある。
意地悪は嫌いだが頑固は可笑しい。


道を歩けば蕎麦屋だらけ、しかも名店だらけで悩ましい町、神楽坂。
その中でも一際の情緒を放つ佇まいの蕎麦屋が、「志ま平」だ。

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何だか入りにくい雰囲気だな、と感じた方、いい感覚をお持ちです。

引き戸を開けるとそこは江戸。
周りに流されない志を持った職人が、店を守っている。

いつもはこっそり蕎麦の写真を撮る私も、
ここでは流石にカメラを取り出す気もおきない。



ここには色々思い出があるが、
今日は「おせいろ」と「深山」が合わせて盛られた「二色せいろ」を。

二種の蕎麦を別々に茹でて盛る、その手際の良さに眼を見張る。

「おせいろ」は、韃靼に近いような、やや暗い黄緑色がかった極細。
一本一本の輪郭が明確に際立ち、繊細ながらシャキッとした姿である。

箸先にたぐるとフワっと、爽やかな蕎麦の香り。
微かに瓜系の野菜に似た香りを含んでいる。

一本一本がしっかりとしたコシを持っているため、
極細の束を噛みしめると
シャクシャクとした食感が楽しめる。
繊細でありながら凛とした印象の蕎麦だ。


「深山」は「おせいろ」との対比も鮮やかな、手びねりの陶器のような趣。
いびつに揺れる輪郭線を持つ肌には、赤や焦げ茶のホシが微かに浮かぶ。
香りは意外にも熟成。
太めだがコシは強くないのでモゴモゴ噛むことなくハラリと噛み切れ、
そこから熟成らしい濃い味わいと甘みが溢れてくる。


店主は頑固な一面もあるが
案外話好きでもあり笑顔は人懐こい。

今年は新蕎麦の出来がよく久々に嬉しいそうだ。


店を出ると先刻までの雨はほとんど上がり、
雨後の空気がひんやりと黒く澄んでいた。





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2010年05月03日

新宿「手打そば 楽庵」(アンシュと2丁目深夜蕎麦)



昨日は、GW山下洋輔3days@新宿PITINNのsecond night.


若いメンバーとの演奏でのアンシュの飛び回り方はまたひと味違って
楽しかったー!


いろーんな景色が見えてしまい、
それを俯瞰するように楽しんでいるうちに
体は動いちゃうわ声も出そうになるわ・・(出ていたと正直に書くべきでしょうか)
大人なムードの観衆の中、一人電車内で暴れたい幼児のようでした。


ライブの後は、アンシュとWTN先生とおなじみ楽庵へ。

うほほほ〜
何たって昨日お蕎麦食べていないし、
何もかもがもう嬉しくて嬉しくて、
ライブの興奮を全身にまとって浮かれて入店。


楽庵、メニューに「そば切り」とありまして、
普通だと「せいろ」か「もり」が出てきそうでありますが
おつまみのコーナーに書いてあるのが不思議不思議。





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なるほど、蕎麦刺とか蕎麦法度とか呼ばれるような
平たい形に仕上げられたお蕎麦でありました。
お皿に並べたり、一人ずつお椀に盛られたりというのはあるが
ここのは氷の中に沈めるように並べられ、目に涼しく美しい。
キンキンに冷えているため蕎麦の風味はあまり感じられないが
お酒のおつまみの合間に、すっきりさわやかでとても良さそうだ。
左は炒った蕎麦の実がザクザク入った蕎麦味噌。
蕎麦味噌にしては甘さ控えめなのが嬉しい。







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「雪の松島」も私好みど真ん中でとても美味しかった。
とか偉そうに言っていますが実際は
またしてもスタートのビール3口がためにあたまぐるぐるで
ちびっとしか飲めず残念・・・悔しい。




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私のリクエストでアロエ刺なんて面白いものも。
これで今日あたりアンシュはプリプリ美肌で
third night をキメたことでしょう!

そして





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今日の楽庵はいつもより品の良い、
和生菓子のようなやさしい香り。
表面のプニ感を楽しみつつ、
涼やかなおつまみとともに楽しい深夜の2丁目蕎麦。





今日は今日でまたやっちまったのだが・・・



また明日〜






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2010年02月17日

新宿御苑前「御苑前 せお」


お昼時、扉をガラッと開けて驚いた。
店内満員、しかも凄い女子率の高さである。

15食限定ランチ目当てのOLで店内はいっぱい。
入ってくる人は皆ランチがまだあるかまず尋ねている。

ランチは日替わりでブリの照り焼きショウガ風味、
牛肉と葱の山椒味噌炒め、目鯛と大根の煮つけ、
まぐろユッケ丼など、実にバラエティーに富んでいる。
これなら毎日来たって飽きないのだろう。


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ほぼ全員がランチかコースを注文する中、
「せいろ1枚ください」。
この人全然融通ききません。


そりゃそうだ。



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この蕎麦、である。

非の打ち所なき正統の美しさ。
箸先にたぐり上げたしなやかな数本から、かぐわしい香りがふわっと香り、
口に含むと蕎麦という穀物の深い味わいが舌の上にゆっくりと広がる。
そして歯触り、舌触りはあくまで端正。

完璧と言っていい素晴らしい蕎麦なのだ。


この地にあった大木戸矢部の料理長が独立して開いたこの店。
蕎麦より料理、というイメージが強いが、いやいやいや・・・
私料理もいただきましたが、
こちらは料理より蕎麦、かと存じますですよ。

「静謐な完全」。
少なくとも、現時点では現在花園町にある「大木戸矢部」の蕎麦を
軽く超えてしまっているだろう。

とは言え「花園町 大木戸矢部」はこれまた完璧としかいいようのない、
驚くばかりのうどんをひょいっと出してきたりするので、
全く目が離せないのだが。


そしてここでのお楽しみは蕎麦湯。


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これも料理の一品と思わされるほどの濃厚さ。
この「蕎麦湯お代わりお願いプロ」の私ですら申し訳なくてお代わりはお願いできまへん。
これだけ濃厚なポタージュも珍しい。
贅沢を言えばもう少し蕎麦粉の香り味わいが感じられるとありがたいのだが、
「蕎麦湯飲み」の私にはやはり嬉しい濃厚さだ。



この蕎麦湯は「花園町 大木戸矢部」でもほぼ同じスタイル。

2店は徒歩圏内なのでハシゴもできまっせ〜








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2009年12月29日

落合「Soba CAFE 輝」(大変!コーヒー味の!?)

事件です。

昨日訪れたお蕎麦屋さん・・・
新宿区上落合の Soba CAFE 輝(ひかり)。



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「ここでしか味わえない越前手打ちおろし蕎麦」
ふんふん、入ってみよう!

え、ちょっと待って
「アンドロメダエチオピアコーヒー」!?
なんじゃそりゃ??

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半ば恐る恐る店内に入ると、
明るい客席とにこにこハキハキ感じのいい店主のおじちゃんおばちゃん60P600181_DCE.gif

お蕎麦のメニューは
「もりそば」と「おろしそば」。
その他ランチのセットメニューがいろいろ。

早速「もりそば」を注文し
「お待ちどぉさま〜♪」
とおばちゃんが持ってきてくれたお蕎麦は

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しなやかな平打ちで、色はかなり黒め。
期待以上に美味しそう!
いただきま〜す。
・・・その時、衝撃の事件が!!!





このお蕎麦、コーヒーの味がする・・。





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箸先にたぐり嗅いでみる香りもコーヒーならば、
噛みしめてにじみ出す味もコーヒー。
こ、この黒めの色味は、もしやコーヒーの色?!とすら思えてくるほど・・


ちなみに、越前式におろしと和えて食べると全くコーヒーは感じず、
普通に美味しいおろし蕎麦になります。
コーヒー味なんて、まずそうに思えるかも知れないが、
お蕎麦だけで食べても不思議と美味しい。
少しざらつきのある舌触りもコシもよく、
コーヒーとお蕎麦がまさに混じったような香ばしさが非常に新鮮です(^^;)
つゆがかなり甘いが、すみません、例によってお蕎麦だけで食べちゃったので
わたしには全く問題なし。


そしてこれが噂の?
「アンドロメダエチオピアコーヒー」。

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残念ながらコーヒーは蕎麦味ではないです。
(実は密かに期待したが・・・(^^;))

食事をした人は200円引き、200円で飲めますEMOJI_130.gif
どのへんがアンドロメダなのかは謎だが
花のようなやわらかい香りの、飲みやすい美味しいコーヒー。
作務衣姿のおじちゃんが真剣に、丁寧にペーパードリップしているのを
目撃したので美味しさもひとしお。

Soba CAFE 輝(ひかり)、ちょっと不思議で
よいお店ですよ〜


新宿区上落合2-12-2
03-3360-2815
10:00〜22:00
年中無休(不定休?)





そして夜は
尊敬する、大好きな民謡歌手&太鼓奏者の木津茂理さんのCD
「JAPANESE VOICE」の打ち上げパーティーへ。

会場は、嬉しいことにお蕎麦屋さん♪
代々木上原の山せみでした。
山せみは、つい一昨日、愛する友まゆみちゃんと一緒に
神楽坂に行ったばかり。
わーい、食べ比べだー♪


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ちょいと固めで、口の中でピンピン弾けるようなお蕎麦でしたが、
おいしいお蕎麦でした。
しばらく置くと香りが増して、さらにわたし好みに・・60P600098_DCE.gif
そしてここは、つゆがすっきりして大変いい。




それぞれに才気あふれる、素晴らしい方ばかりのちいさなパーティー、
とてもとても楽しかったです。
木津さんにはいつもながらおおきなおおきなパワーをいただきました。
皆様、ありがとうございました。



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お店を出たらすっかり寒くて、こちんとした冬の夜。

あと3日で、今年が暮れるのだ。







posted by aya at 17:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>新宿区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする