2016年09月28日

大阪・南森町「荒凡夫」


私が関西のお蕎麦屋さんが大好きだと言うと
エッと驚かれることがある。

確かにお蕎麦は関東というイメージがあるだろうし、
実際数で言えばダントツ関東の方が多い。
しかし西には西の風が吹いている。
特に私は西のお蕎麦屋さんの美意識、気概、それぞれの個性が大好き!

一般的な話ではあるが東京には「やらない、飾らない」という粋な心憎さがあり
関西には「バッチリキメる!」かっこよさがあると思う。
日本料理の本場だけあって味の水準がものすごく高いのは言わずもがな。

そんな関西のお蕎麦屋さんの中でもここは・・・キャ〜〜(≧∇≦)だいすき♡


近年蕎麦激戦区となりつつある大阪中心部。
「なにわ橋」駅が最寄だが「南森町」「淀屋橋」「東梅田」
どこからでも歩ける便利さで
すでに名高き「なにわ翁」から数十秒というすごい立地である。


店主が一人で営むカウンター7席の小さな店。
堂々たる看板の文字がかっこいい。

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「あらぼんぷ」という店名の響きはフランス語みたいでユニークだが
個人的にはシビレる漢字三字である。
荒・凡・夫。いいなあ〜〜〜!


店に入ると全然荒くなさそうな、
しかも確実に平凡でもなさそうな店主が一人で仕事をしている。
愛想をふるまう感じではなく真顔で誠実な受け答えはいかにも職人らしい。


こんな小さなお店でしかもその評判はすでに知れ渡っているので
常に混んでいるのだが、蕎麦運だけはやたらついている私は
今日はちょうどお客さんが途切れた時間に遭遇出来た。

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お蕎麦は基本的に三種類。

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「もりそば(二八)」
「十割(生粉打ち)」
「手挽き粗挽き十割」

全部あるのかかなりドキドキしながらやってきたのだが
全部あると聞いて感涙!!
ううう嬉しい・・・・・この幸せを当たり前と思ってはいけない。
お蕎麦の神様にちゃんと感謝しなくては!
(旅先で一種類でも売り切れていたショックはその後何年も続くので(>_<))



まず準備されるセット。


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茶の湯を思わせる完璧な景色に早くも見惚れる。
右に出されたのは岩塩。




「もりそば(二八)」
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えっ
うわああああーーーー!!!なんというものすごい緑!!

落ち着け!落ち着け私!
でもでもでも  こんな強烈に美しいお蕎麦を出されては
心が乱れ狂って・・・・もう・・・・

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美しい曲線を描きみずみずしく重なり合う青緑の肌。
トップノートの素晴らしいフレッシュさに目が覚めるーーー!!
なんというかぐわしさ・・と思ったら不思議とその香りは夢のように儚く消え、
美しい白い香りと味わいだけが浮かび上がってきた。
舌触りは思いのほかしっかり、輪郭線がはっきり感じられ、
みっちり密ですこし固めの食感。
それを噛みしめるとあまり出会ったことのない繊細な粉の感じがあり
それがすべすべした人間の肌のようでもあり(いつもながら表現が(* ̄∇ ̄*))
見た目からすると意外な個性、意外な美味しさ。
福井・丸岡在来種。


「十割(生粉打ち)」
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うわあ〜 これまたどうしたらこんな美しい緑になるのか、
美味しそうすぎる(>_<)
先程の「もりそば」よりやや粗挽き、やややわらかそうかな?


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こちらはすっきりと澄んだ野生の香りがフワーッ。
意外にも舌触りは「もりそば」以上にくっきりはっきりして少し固めの食感。
不思議な繊細な粉の感じはこちらの蕎麦にもあり、
澄んだ青い野生の香りと味わいが軽やかに広がり続ける。
うううーん こっちのほうがさらに好きかも♡



「手挽き粗挽き十割」
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き、きた・・・

もうダメだ

今までのお蕎麦も本当に美しかったけどこのお蕎麦は異常だ!おかしい!

おかしいくらい美味しそうすぎて、む、胸がっ


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ここで三尺玉大花火が打ちあがりました・・・・

なんというなんという素晴らしいかぐわしさ。

今までの蕎麦も素晴らしかったけどこれは宇宙を飛び抜けて素晴らしい。
蕎麦の香りの素晴らしさを全方向からかき集めて完璧な形で濃縮したような
このまま私ごと溶けてしまいたいような最高の香り。
見ての通りの粗挽きのため
ここの蕎麦の個性である繊細なざらざらすべすべがますます強調され、
味わいがこれまた・・・もうもう飲み込みたくないくらい美味しい。
味のバランスもすごすぎる。
青さ、フレッシュさ、滋味深さ、こうばしさ、甘さ、全て全方向から
ここにおさまっている。
口中にまあるく旨みが浮かんでいるような感覚があったが次第に
下のほうからギューとそれを支えるたくましさも感じられてきてますますメロメロ。
そしてこの「手挽き粗挽き十割」は先程の2枚より太めで口中で描くラインも直線的なのだが
不思議と硬さはなく優しい絶妙のコシがある。
なんというか、大好きすぎてメロメロすぎて
ああああああ

おおーーん

おおおーーーーーーん・・・・
(蕎麦犬の遠吠え)



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西のお蕎麦屋さんでは蕎麦汁も大好きな私だが
「荒凡夫」の汁は西にしては濃いめ。
お蕎麦を汁に最後まで一度も付けない私が汁について語る資格は何もないが
蕎麦汁は蕎麦湯の時に「チロッと舐める」のを楽しみとしている。
私にとって蕎麦湯がお酒で、蕎麦汁がおつまみ。
蕎麦湯ゴクリ、蕎麦汁チロリが至福の蕎麦湯タイムなのだ。
ここのは鰹がフレッシュに美しくスパーンと香った汁。
私の理想は「何も飛び出していない、まろやかにまるくまとまった汁」なのだが
「荒凡夫」の汁は舌に平たく強くスパーンと広がる出汁がなんともおいしい。

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そして蕎麦犬のあまりの挙動不審、奇行ぶりに店主が何かを察してしまったのか
なんとお昼は食べられないと思っていた
「そばがき」も食べられることになってしまった!
きゃああああああ 嬉しすぎて頭も胸も爆発!!
空いている時で本当にラッキー!!
お蕎麦の神様、そして店主さん、ありがとうございます(T_T) ♡


しかもここのそばがきは「手挽き」なんですよ・・・

「手挽きそばがき」
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ええええ
これまたなんという超絶なおいしそうさ・・・

お蕎麦だけでもうヘナヘナなのでもうヘナヘナヘナですよ・・・
こんなの食べる前から大好きに決まってますよ・・・

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思わず息を止めてしまうほど美しい極粗挽きの肌。
じっと見入ると挽くというよりカットされたような縦長の粒子まで見えるほどの粗さだ。

うれしくてうれしくてしっぽを振りながら口に含むと
うわ おいっしーーーーー!!!
「手挽き粗挽き十割」蕎麦と同じフレッシュで最高のバランスのかぐわしさ、
もうそれだけで腰砕け!メロメロ!
食感はふわとろエアリー系ではなくもっちりぺったりべたべたとして
極粗挽きのシャクシャクした繊維感がまた楽しい。


しっぽ振りまくって感涙にむせぶ蕎麦犬に店主はさらに海苔までくれた。
そんなに甘えていいのか蕎麦犬!

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遠き西の地でこんな御恩に預かって
江戸の蕎麦犬、かたじけなさにまた遠吠え・・イヤ黙ろう、扉が開きお客さんが入ってきた。


高級そうなスーツを着こなしたお洒落なビジネスマン4人。
おほーっ 揃ってビシッとかっこいい〜なんか勢いがある〜〜

と思ったら何やら舶来のセクシーな香水が蕎麦犬の鼻を直撃!


「蕎麦犬はちょっとしっぽをまるめたけれど
親切にしてくれた寡黙な職人に「ありがとう」とつぶやき
東のほうへ帰ったのでした」(新美南吉風)





posted by aya at 12:47 | Comment(3) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月25日

大阪・茨木市「東風」


大阪はドキドキする。

日本の他の街を旅する時は「旅人」の気分になるが
大阪を歩くと「異邦人」の気分になる。
東京にはないパワーを体で感じ、見るもの聞くものに楽しい刺激がある。
電車は複雑で難解で、慣れない者には乗り換えが難しかったりするが
その土地のその土地らしさを見つけるのが旅の喜びだ。

阪急線「茨木市」駅から徒歩数分。
あと少しで目的のお店に着く、と思ったところで道は商店街に入った。

わあ楽しい、こんなところを通りたかったのー!

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道にはみ出す八百屋さんの元気な声、お好み焼きの大看板。
いかにも大阪の日常に触れられたようで、
道行く人の姿までが大阪らしく見えてしまう。



その商店街からすぐの路地に現れる古民家。

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外壁にはかけられた時計がなんとなく昔の小学校のようなイメージで
可愛いらしい印象の古民家だ。


予想外の風情ある外観に心が躍る。

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いやーほんとに大阪のお蕎麦屋さんはすごいなあー
ビシッ!とキメてくれるところが好き♡




店に入るとそれはそれは綺麗な笑顔と綺麗な声の奥さんらしい人が迎えてくれた。
鈴のような透き通る声で「どうぞいらっしゃいませ〜〜〜」と
これ以上ないほど感じよく案内してくれる。


外観もいいが店内の雰囲気も素晴らしい。
ヨーロッパのアンティークらしい家具と窓辺のステンドグラス。
大正ロマンなムードのカフェのような空間だ。

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(写真は帰り際に撮ったもので入店時は大盛況でほぼ満員でした〜)



店の中だけ見ているとお蕎麦屋さんであることを忘れそうだが
奥には蕎麦打ち場が見える窓がある。

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蕎麦打ち場とか蕎麦打ち道具って本当にシンプルで美しいですよね〜
私にとってここは鶴の恩返しの機織部屋、
知りたくない魔法が生まれる場所なのだ♡


東京も暑いけど大阪も暑い!

というわけで、

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かーーーっ 
たまりゃん(≧∇≦)♡



「そばがき」
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ここもビシッ!とキメてくれる。
蓋付きの器で丁寧なおもてなし。
蓋を開けた瞬間の景色と香りが楽しみ・・・♡




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うわ うわわわ
これはすごすぎる 予想以上にすごすぎる
あなたは絶対に美味しい!!!



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( °o°)

うっぴゃあー!!!

なんということでしょう。
観光客気分でのんびりワクワクしていた私、
いきなり目がかっ開きました!!
この蕎麦がき予想を飛び越えてとんでもなく美味しい!
ちょっとツンとする野生と誠実な蕎麦のかぐわしさ。
何よりぽってりふわもちっとした「軽い重さ」がたまらない。
微粉のなめらかな肌はフワポテッとくちびるに触れてきて
超絶な美味しさ+かわいさまで感じてしまう稀有なそばがき。
これは美味しい〜〜最高!!



「ざる」
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うわー このせいろかっこいいなあ
普通よりも高さの低い、塗りのせいろ。
その中で明るい色の蕎麦が一際美しく見える。
いつもいろいろな産地のものをブレンドしているそうだが
今日は埼玉のブレンド。



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むわぁーと濃厚に漂う野生的なかぐわしさ。
これもそばがきに似てちょっと強い野生を感じる香りなのだが
それに加えて白くまろやかな、極上の和菓子にも似た美しい香りもあり
とにかく素晴らしく美味しい。
繊細な平打ち、密でしなやかな舌触り。
コシはあまりなくやわらかめなのだがやわらかすぎずやさしい食感で
ああ 綺麗な美味しいお蕎麦だなあ〜 
本当に来てよかった!!



蕎麦汁はさすが関西、出汁がしっかりで美味しい。
私はお蕎麦は汁をつけずにそのまま食べてしまう大悪党なのだが
蕎麦汁は蕎麦湯の時の宝物。
私にとって蕎麦湯がお酒で蕎麦汁はおつまみ。
蕎麦湯ゴクリ、蕎麦汁チロリが至福の時なのだ。
ここのは少し濃いめ甘めで関西にしてはパンチがある感じ。



帰り際もまた奥さんのスーパー明るい綺麗な笑顔と鈴のような声に見送られ
楽しく晴れ晴れとした気分で外に出ると、わあ!すごい夏の熱気!

いざ出陣!楽しいオオサカシティーへ(≧∇≦)/




posted by aya at 12:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月26日

大阪・宇野辺「梵保庵」


その時私は京都に居たのだ。

ところが昼間に4時間、時間が空いた。

では、いざ行かむ!!
大阪・吹田市「梵保庵」へ(≧∇≦)/ !!
4時間あればたぐって戻って来られるよね〜〜


地下鉄だのJRだの阪急だのモノレールだの
どこで何回乗り換えたかわからないほど電車に乗って
やっとたどり着いた「宇野辺」駅。

初夏の日差しが容赦なく照りつける中
歩きはじめるとあっという間に暑くなりかなりの汗。
もう店はすぐそこと思ったところで突然緑の水辺が現れた。

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うわー 涼しげできれい〜
(白い建物はパナソニックリゾート大阪という施設らしい)


「梵保庵」はこの静かな水辺のまん前という最高のロケーション。

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店の窓からの景色もさぞ素晴らしいだろう。

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ああ いよいよ「梵保庵」の蕎麦に会える!

会える・・・!


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( °o°)


ぐわわわわーーーーん (lll ̄ロ ̄)!!

定休日ーーー!!!



「火・水・木」の3日間定休日だったんですね・・・
完全に勘違いして来てしまいました・・・

どうしよう、ショックすぎて池に落ちそう・・・・(;o;)(;o;)(;o;)



しかし!

これくらいであきらめる私ではなーい!
私の蕎麦愛を甘く見てもらっては困る!


なんとこの人、執念でここに戻ってきます。



時は流れて数十時間後・・・

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うははは・・・・・

うはっはっはっはっは・・・・・

夕闇の中、帰ってきた蕎麦犬!!(怖い)


だってどぉーーーしても、
「梵保庵」のお蕎麦が食べたかったんだもん!




1階は蕎麦打ちスペースで店舗は2階になっていた。

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下は静かだったが2階に上がるとほぼ満員でビックリ。
自宅改造なのかな?と思わせるこぢんまりとした空間だが
皆さん実に楽しそうにくつろいでいる。




窓からの景色は東山魁夷の絵そのままの深い深い青緑。
水辺の魔法だろう。

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器のギャラリー&販売も兼ねているらしく
いろいろ個性的な器が並べられているのもインテリアの一部になっている。



テーブルに付くとまずはお茶とお漬物でもてなされた。

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朱塗りの器やテーブルウエアが大阪らしい華やかな、気を抜かない美意識。
根来ってかっこいいなあ〜



隣のお席の方々は何だか音楽の話をしているみたい。

んー?
あそこには楽器も飾ってありますねえ・・

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壁の張り紙を見て納得。

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「梵保庵」では月に一度、津軽三味線の生演奏&蕎麦の会が行われているらしい。
店の奥さんが津軽三味線を習っていて
その先生はこの間世界大会で優勝したらしい!


そしてねそしてね、
その向こうの張り紙には

「当店のそば
白・信州八ヶ岳 二八の更科そば
黒・越前粉を中心とした玄挽入の二八の田舎そば」

うふっふっふっふっふーー♡
楽しみだなあ〜〜〜


お目当ては決まっていてもメニューがいろいろ楽しい。

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私のような「酒量だけは小鳥」な人間でもものすごーーく飲みたくなるものばかり。
でもやっぱり一番嬉しいの赤く囲った中の文字なんですが〜
白と黒〜〜♡
ああ〜〜ウキャキャキャキャッッ(≧∇≦)♡



私の心は「白と黒の合もり」に決定しているのだから
こんな魅力的なもので誘惑するのはやめていただきたい。

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上記の誘惑にグラングランに揺れている私に
さらに「小椀そば」って! 本当にやめていただきたい!!

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これなら追加でイケる気がしてきちゃうじゃないですかぁ〜〜♡



これもいいですよねえ〜

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前日予約ならこんな鍋コースもある。

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「そばきりたんぽ」に「そばしゃぶ」〜(≧∇≦)





「夜明け前」
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「いぶりがっこ」
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燻製大好きな私はいぶりがっこも大好物 。
あー秋田が懐かしいなあ〜 また行きたいなあ〜〜


「金平ごぼう(ピリカラ)」
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キンピラって黄金の名メニューですよねえ〜!
レンコンも入っているのがさらに嬉しい。




「そばがき」
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えーーー!!
普通のそばがきのつもりで注文したら
なんとおろし汁のお風呂に浸ってきてしまいました。
メニューの「そばがき(みぞれつゆかけ)」の文字を見落としてました!やっちゃった!


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でもでもでも、このみぞれつゆすごく美味しい〜
そばがきはちょっと粉感のある舌触りで蕎麦の香りはあまりしないのだが
郷土料理のようなほっこりしたおいしさ。



「河内鴨くんせい(焙り)」
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焙ってあるだけあって燻製の香りがさらに際立っていて嬉しい。
やわらかく、色も質感もハムのような感じの燻製。


「だし巻き玉子(ふわふわ)」
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ふわふわと名乗ったからには本当にふわふわ!!
運ばれテーブルに置かれた瞬間ふるんふるんっっと揺れてときめきました(≧∇≦)


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ウワこれはおいしい!!
出汁もうまみもしっかり濃いのにすっきり上品。
食べ応えがあるのに全く脂っこくないのも素晴らしい。
ここのだし巻きものすごく好きー!



そしてついに・・・♡

「合もり(白と黒)」
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あああああ

あなたに会いたかった

灼熱の中を歩き、
数十時間の時を越え、
今、私はあなたの前にいる・・・感涙。

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「ざるそば(白)」
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おお〜〜〜
更科なので香りはそれほど期待していなかったのだが
美しい更科と小麦の入り交じった白く甘い香りが嬉しい。
一般に更科そばは香りではなく喉ごしを楽しむものと言われているが
極上の更科そばは蕎麦の香りの美しいところだけを
天女が羽衣でふわりとすくい上げたような素晴らしい香りがあるのだ。
なかなか出会えない天女の世界ではあるが・・・
「梵保庵」の「白」はその要素に小麦の甘い香りが加わって
美しくも親しみやすい感じのかぐわしさ。
澄んだ軽やかさよりまったりまろやかな白い香り。
肌はつるつるだが一本一本がはらりはらりと独立し輪郭線に角を感じる、
ちょっと寒天にも似た独特の質感。
すっきりとした甘みがありとても美味しい更科そばだ。



「ざるそば(黒)」
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打って変わって黒といったら黒い肌。
箸先から漂うストイックな黒い香ばしさに、
ふくよかな小麦の香りがまったりマイルドな印象を加えている。
みっちり密でちょっとネチッとした質感。
こんな感じの太打ちに出会うことはあるが
これは細打ちのため全体に洗練された印象であるところが素晴らしい。
肌そのものはなめらかなのに散りばめられたホシが時折ジャリッ!と楽しい刺激。
おいっしい〜〜〜!

本当に本当に、きてよかった・・・



「梵保庵」は蕎麦汁がまた異様に美味しい。
薄くすっきりした印象なのにうまみや甘みはしっかり濃いという魔法世界。
なんだかわからんがやたらに美味しいー!

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だし巻き玉子があんなに美味しかったのは焼き方ももちろんだが
この出汁のせいでもあったのだ。



「鴨香」
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うっわ〜 これまた大変に美味しくて困るんですけど〜〜
先程のおつまみで食べた「河内鴨の燻製」が入っているらしい「梵保庵」の鴨南蛮。
燻製というのが珍しく、香り高いために「鴨香」というネーミングも頷ける。
あたたかい汁の中で白そばがふっくらに感じられて優しい食べ応え。
そして何より出汁がまたまた美味しすぎる。
うーんこんなにすっきり美味しいと飲み干したくなっちゃいますね〜危険危険。



そしてやっぱり誘惑に負けていってしまいました、
「小夏」ちゃん!

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「夏香(すだちとみょうがのそば)」の小さいサイズは
「小夏」という可愛らしい名前なのだ。

ネーミングもいいが味はもっと素晴らしい。
ほんのり甘めだがすっきりの美味しい出汁。
この「小夏」の出汁は柑橘のせいかちょっと個性的な風味になっていたが
それも含めて大変に美味しい。飲み干したい!
みょうがとすだちの風味が最高で
白そばがすっきりするするととてもよく合ってとにかく滅法美味しい。

普段もりそば一筋で種物を食べる機会があまりない私は
すだちの冷かけを食べた経験は数えるほどしかないのだが
すだちってかなり酸っぱいんですね〜
それが素晴らしいのですね〜
かなり酸っぱいので蕎麦は「すだちの本体でなく香りとともに」食べると美味しい♡
すだちのひやかけってすだちの世界一おいしい食べ方ではないかと本気で思いました。



魁夷の青緑は黒一色に塗り込められた。

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同じ闇でもそこに水辺があると思うとしっとりとした黒に感じる。
水辺に眠る植物たちが見えるような気がしてくる。




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店内は少し空いてきたもののオーダーは次々入るので
お店の奥さんは始終大忙し。
しかしとても自然な,営業的でない接客で感じがいい、


帰り際こんなものをくれた。


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次回の津軽三味線と蕎麦の会のご案内。

「是非来てね!アラ宣伝しちゃった。うふふ。」
とおちゃめな奥さん。


あのお蕎麦と津軽三味線といろんなアテで3500円!?
格安だし楽しそう〜!!

お近くの方はぜひぜひ♪♪♪









posted by aya at 22:16 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月12日

大阪・郡津「乃田」


「郡津(こうづ)」駅を降りると駅前は真っ暗。

大阪から行っても京都から行っても何度も乗り換える
この小さな駅に、私が何度も行ったことがあるのは他でもない。

大好きなこのお店があるから♡


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暗闇にぽっとともるあたたかな灯り。

昼は行列が絶えない大人気店だというのに
私が来るのが夜だからか単にツイてるのかいつも静かな時間が過ごせてしまう。



店内の雰囲気がまたとてもいい。
木の風合いが素朴で、とても綺麗にととのえられた空間だ。

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隅には「庭」が再現されている。
よく手入れされているなあ
楽しいなあ

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せっかく来たのでお蕎麦の前に、何にしようかな〜♪

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「じゃこおろし」
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お蕎麦ばかり食べていると野菜をとらねば、タンパク質をとらねば、
という危機感に駆られるわけです。
じゃこおろし大好き(≧∇≦)


「鴨の冶部煮」
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甘めに煮てある鴨は
やわらかすぎるほどフワンフワンにやわらか〜


そして時は満ち、厨房ではまさに水切りの音がしている。
とっっ ときめく・・・(>_<)
はるばる東京からでも、電車を乗り継いででも食べたい
「乃田」の「もりそば」に会える・・・・!



「もりそば」
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ああああ はるばる来ました・・・

あなたに、会いたくて。

目に焼き付けたい「乃田」の景色。

本日は北海道美瑛町の蕎麦だ。


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(>_<)





たまらないーーーーーーーーー!!!(>_<)

このたまらなくフレッシュな、墨のような渋い香りの素晴らしさはなんでしょう。
繊細なのにむっちりと食べ応えある、やさしくてしっかりしたコシ。
美味しすぎて頭がイカレるのはいつものことですがここは正確に書いているつもりです、
やさしいのにしっかりしてるんです。そこにむっちりとゆたかな食べ応えがあって
食べている間じゅう超フレッシュな墨のような渋い香りが私を染めて
しかもむっちりの中から滋味深いたまらない旨みが溢れでてくるんです!
おいしいいいい〜〜〜〜〜〜〜!!!
もうどうなってもいい
だいすきすぎる乃田のもりそば!!



こんな超絶に美味しい「もりそば」を打ってしまう「乃田」だけに
ここに粗挽きとか田舎とかあったらもっと楽しいのにな・・
なーんて贅沢をつい思ってしまうのだが、ここの「もりそば」がですね〜
意外と量がたっぷりで(≧∇≦)
美味しいお蕎麦ほどあっという間に食べてしまい「エッ私のお蕎麦はどこに行ったの?」
の本気でびっくりしている私だが(それを私は蕎麦カマイタチと呼んでいる)
「乃田」のお蕎麦は結構たっぷり一緒にいてくれるんです。

あああああ おいしいよう〜〜〜(≧∇≦)


ここは汁も大変に美味しい。
鰹も甘みもしっかりめでありながら洗練を持って全体をまるくおさめるものがある。

お蕎麦が美味しすぎて一度も汁にはつけられない、
たぶん3枚くらい頼まないと一生ここでは汁にはつけられなさそうだが
蕎麦湯の時に汁に出会うしあわせ。

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そしてね・・・
悩ましいのは「乃田」はお蕎麦が美味しすぎるのに
「つけとろろそば」のふわふわとろろがまたおいしいのです!!

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尾張屋育ちの私にはうずらがまたツボ♡


ここにお蕎麦をたっぷりとつけて食べたいっ!!

でもお蕎麦が美味しすぎてもったいなくてそれはできないっ!!


あああ〜〜 悩ましい〜〜〜(>_<)


posted by aya at 07:31 | Comment(4) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月18日

大阪・天神橋筋六丁目「蕎麦 たかま」


押しも押されぬ超有名&大人気のミシュランお蕎麦屋さん。


いつ来ても混んでいるが今日はさらに人気を目の当たりにした思い。

開店時間2分後に駆けつけてみると・・・

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すでに「商い中」の札がかかった店前には
乗り付け乗り捨てたらしいツワモノ達のママチャリが。
(敗北感)

窓のない寡黙な外観からは中の様子は伺えないが
この店の人気はわかってるだけに開けるのコワイな〜


ガラガラ〜

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満員だぁーー!(* ̄∇ ̄*)



少し待ってやっと空いた席に座れました。

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和洋風の衣装が個性的な奥さんはてんてこ舞いに忙しそうだが
さすが超余裕のお客さんさばきっぷり。
初めてこの店に来た時は圧倒されちょっと萎縮してしまったのがとても親切なのだ。


店内を見回すと大変に女子率が高い。
しかもいかにも、美味しいものや素敵なものに詳しいですといった感じの
OLさんグループや奥様グループ、
ひとり昼酒女性が別々に2名やカップル一組など。
なんだかものすごい大阪のホットスポットの渦中にいるようで
江戸の蕎麦犬ドキドキ!



「そばがき」
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「盛りそば」が950円に対し「そばがき」は1200円。
でもやっぱり来るたび会いたくなってしまう大好きな人♡♡
汁やお塩が茶道のお点前のようにビシッと並んだ演出も美しい。


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ふっくらざっくりもっちりポテ〜〜〜
フレッシュで爽やかな青い香りが素晴らしく
ザラザラもっちりした舌触りがたまらない。
あたたかいだけに蕎麦より香りが強く感じるのが
そばがきのうれしいところ♡
しあわせ〜〜〜



「盛りそば(十割)」
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朱の盆に映える高台つきの美しい笊。
大阪のお蕎麦屋さんには東京のお蕎麦屋さんにはない
ビシッッ!!と鮮やかにキメた美意識を感じることが多い。
外観にしてもお蕎麦にしても「商品として完璧な姿」を感じるのだ。
「たかま」の美しき絶景!


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流麗に流れ落ちる輪郭線、素朴かつ繊細な陶器のような肌。
箸先から淡く優しい白い香りがふわ〜と漂い
口に含むとシャッキーーーン!!
目が覚めるようなシャープな印象の鮮烈な舌触り。
さほどつるつるでもないし固いわけでもないのだが
とにかく超繊細な輪郭線がクッキリハッキリ、
するりつるりサッパリ!!
噛みしめるとほんのりと穀物の味わいがある。




「田舎そば(十割)」(鴨汁で)
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えへ。今日は田舎は鴨汁にしてみました。
ここで種物頼むのはじめて〜♪
朱の器と三つ葉の緑がまたまた完璧な美しさ。


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超端正、超繊細でありながら土佐和紙のような素朴な趣に満ちた肌。
鴨汁用に固めに茹でてありますので〜という奥さんの説明通り
かなり冷たくしっかりしめられており
そのせいかこちらもシャキーーーン!!とシャープ、鮮烈さっぱりしたお蕎麦。
見た目に反して香りは淡く噛みしめた味わいもさっぱりすっきりとしている。


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ここは蕎麦汁もちょっと甘めだが鴨汁も甘みがあり、
なにより分厚くて大きな鴨肉が嬉しい♡
ごちそうだぁ〜〜〜


このがっちり個性的な湯桶だいすき。

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前の席のOLさん二人は大阪で美味しいお店の話いろいろや
いかに最近ずっと「たかま」に来たかったかを熱く語っている。

一人昼酒の女性はひとりは帰り、ひとりはまだ蕎麦に到達していない。



旅人の私はいつも大阪では大忙しでここで長居をしたことがないが
今日も短い時間にどれだけ濃厚な楽しい「今の大阪」を満喫したことだろう。


次回は前のOLさんが絶賛していた「だし巻き」食べたいな〜(^o^)



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2016年04月09日

大阪・梅田「そば打ち・松林」


要はここのお蕎麦が大・大・大好きなのです。

ご贔屓のお蕎麦屋さんなのです♡


大都市大阪のど真ん中もど真ん中。
その名も「梅田センタービル」の地下一階。
地下といっても中庭のような所に面しているので
雰囲気としては1階の感じ。

あの奥の方ですよ、見えますか〜(^o^)

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初めて来た時は「え、こんなところに?」とちょっと不安にもなった無機質な空間。

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「手打ちそば」でもなく「そば切り」でもなく
「そば打ち」というところがなかなか個性的。
巨大ビルの地下の蕎麦打ち部屋♡

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店内は明るく軽快な雰囲気で喫茶店と言っても通りそう。

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この、ビルの中の小さな喫茶店のようなお蕎麦屋さんの
どこがご贔屓かと言いますとですね・・


スバリ!!
お蕎麦がめちゃらくちゃらに美味しいんです!!
すごーーーく!!(≧∇≦)♡



「十割そば」と「ざるそば(二八)」
もっちろん、両方必ず♡

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「十割そば」
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きたー・・・
私の大好きな、大好きな「松林」の「十割そば」!

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激しいまでにザックザクの粗挽きながら
しっとりふっくらどこまでもやさしいこの風情。
そして静かにフーッと香る黒い香ばしさ、その素晴らしさときたら!!
ちょっとそんじょそこらの「かぐわしさ」というのを超越したかぐわしさなのだ。
口に含むとザラザラしつつもふっくらと超やさしい食感がニクすぎる。
噛みしめるとやさしいコシの中からこれまたやさしい滋味がじわわわわ〜とあふれ・・・

あああああ

ああああああああ

もう幸せすぎてどうにかなる・・・・
さようなら〜〜〜(どこへ)



「ざるそば(二八)」
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うふ♡
「十割そば」にあんなに耽溺していた癖に
浮気者の私はもうさっさとコチラに目がハート(♡∇♡)

うわ

わわわわわわ・・・


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もう・・ほんとに・・・この風情たまらなすぎますよね?
このふっくらやさしい肌、素朴なホシ、ふるえる輪郭線・・・
見つめている私が震えてしまいそう〜〜(>_<)♡

こちらは白くやさしい香りがふわ〜
ぐったりもっちりふっくら、重なりあって眠っているようなお蕎麦さん達。
「ざるそば」の肌もかなりのざらつきがあり
やさしい食感の中からこれまた滋味深〜〜〜い味わいがあふれ
とにかく食べている間じゅうやたらめったらず〜〜〜っと美味しい!
もう、もう、だいすき!!コワレタ!!




あまりにもお蕎麦が美味しすぎて
ここではたとえ何枚お代わりしようとも汁はつけられなさそうだが
汁は蕎麦湯の時のお楽しみ。

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「蕎麦湯がお酒で汁が肴」の私には
「蕎麦湯をゴクリ。汁ちろり」が至福の時間。
ここの汁は結構甘めで椎茸を感じるのが特徴。


ここはお酒もその月々でいろいろなのが入ってくるし
おつまみも日替わりで相当美味しそう♡
「淡路島アオリイカ」「稚内天然活ホタテ」「北海道のジンギスカン」
「銀ダラ味噌漬け」「蕎麦屋の筑前煮」「蕎麦汁に漬けた鳥の天ぷら」などなど
お蕎麦が美味しすぎるけどお蕎麦だけではもったいない!


今度は是非夜、ゆっくりしたいな〜〜〜

キャ(≧∇≦)


(禁煙は昼のみというところだけがちょと心配・・・
夜も禁煙がいいな〜〜(>_<)  )

posted by aya at 08:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月06日

大阪・福島「そば切り からに」


何度も来ている商店街だが、朝の顔しか見たことがない。


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11時開店のお蕎麦屋さんというのはあまりなく非常にありがたいので
「そば切り からに」に来るときは必ず1軒目にしちゃうんですよね〜
(何軒行く気)

開店前でまだシャッターが閉まっているお店も多い静かな通り。

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「売れても占い商店街」って
なんかすごく大阪っぽくて面白いんですけど・・(^^)




四辻の向こうに現れる「そば切り からに」は
独特のムードを持って静かに佇んでいる。

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日本の映画か昭和の漫画かに出てきそうな不思議なムード。
何か物語が始まりそうだ。

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夜はすごく楽しい酒房となるらしいのだが
私は朝の爽やかな姿しか知らない。


サーファーらしくいかにも運動神経が良さそうな店主がカタコトと働く音。

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店内の雰囲気も独特で
店がまるごと古道具のようなポップアートのような。

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うふふふ・・・
「細切り」と「荒挽き」があるのが嬉しい限り。

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方方の店でどちらかのお蕎麦が売り切れてたりして
しょっちゅう号泣している私ですが
ここはいつも朝一番だもんね〜〜エヘ(≧∇≦)




「荒挽き」
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うははは・・・

うはははははは・・・・

この眺め、いつ見ても嬉しくてたまらない!!


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「からに名物(と勝手に思っている)」ザックザックの超荒挽き!!
嬉しくなるこの荒さ、この黒さ。
でも、おおお〜〜〜?今日は見た目からして・・と思った通り、かなりムンムンの熟成感。
ナッツとか胡麻を通り越す勢いのムッハー!と濃い香り。
ここで熟成にであったのは初めてなのでちょっと新鮮。



「細切り」
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ウワー
なんと美しきこの眺め。
店主の美意識の高さに目を見張らされ、食べる前から酔わされる。


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日本が誇るこの絶景!!
陶器のように美しい肌に吸い込まれそうだ。
香りがまた独特で、竹のようなお茶のような不思議な良い香りをまとっている。
口に含むとあまりしめていない自然な温度。
超極細のはっきりとした輪郭線が口中を繊細にめぐり
はっきりとはしているが食感そのものはやさしくやわらかい。
竹のようなお茶のような良い香りと白く美しい味わいを追いかけ、
噛みしめると繊細な1本1本の重なりが優しくふっとズレる感じ。
そんな口中に起こる全てを見つめたくなる恍惚世界。

はああ〜〜〜 来て良かったなあ〜〜
おいしいなあ〜〜


ここは汁もとても美味しい。
醤油の旨さがガチッと感じられる甘みの少ない濃厚な汁。



この蕎麦湯の器のセンスも実にこの店らしくて見惚れる。

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いつも朝来てしまうけれど
一度は是非賑やかな「夜からに」を体験してみたいな〜




帰りは開いてた商店街のこのお店・・・・

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「特価 10円引き 大吉肉コロッケ」
「東京で大流行 ハムカツ」
「占い特価 半額です 豚ロースカツ」
「安くてうまいチキンカツ お買い得!」

楽しー!(≧∇≦)





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2015年03月15日

大阪・西天満「なにわ翁」


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「浪速の翁ここにあり」。

店名そのまんま過ぎて申し訳ないが、
そうつぶやかずにはおられぬ名店である。
「翁系」蕎麦屋は全国にたくさんあるが浪速にゃなにわの翁がある。


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どっしりと落ち着いた木の質感で統一された店内。
すーっと吸われていくような、
すんなりと癒されていくような感覚を覚える。



蕎麦は二種類。
「ざるそば」980円。
「生粉打ちのざる(十割)」1190円。

どう〜してもメニューを凝視してしまうほどの価格ではある。
しかしこの店を必要とする人、
またはシチュエーションがあるのだ。

いつも蕎麦だけで長居したことはない私にとっても
この店で過ごした時間はひとつの貴い思い出になる。
そんな時間が流れているのだ。



順番はおまかせで頼んだのだが
先にやってきたのは「生粉打ちのざる(十割)」。
使い込まれた塗りのせいろに盛られている。


「生粉打ちのざる(十割)」
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翁系らしい微粉のなめらかな肌、ゆるやかに描く曲線。
見た目は至極穏やかな、美しい蕎麦である。

が、油断するなかれ・・・!!

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ひとたぐりして目がかっ開く。

なんというかぐわしさ、この上もなく美しいこうばしさ!!

口に含めば感動は全身を駆ける。
きめ細かくなめらかな肌は余裕のコシを持ち、
そこからじわっとあふれる味わい、口中に生まれ続ける香ばしさ。

箸先で香りを寄せる時、噛みしめる時、飲み込む時、全ての瞬間に感動がある。
この揺るぎなき安定感。
これぞ、100点満点の十割!



そしてこれだけ完璧な、最高の十割のあとでは
大変に損な出番の「ざるそば」。
私だったらこんな人のあとに歌うのは絶対に嫌だ。
ちゃんと堂々と出てきた「ざるそば」はえらい。

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箸先に手繰り上げると、
案の定たった今十割が魅せてくれたような
全身を吹き抜けるような鮮烈な香ばしさは感じられない。
甘い粉の香りが淡くほんのり伝わってくる。


しかし口に含むとまたもや目が、覚める。

ふはり。

ふわり、をこう表記したくなるような
密でありながら重さのない、絶妙な空気感。
口中を自在にめぐるしなやかな輪郭線と、これまた余裕のコシ。

特にこの「コシ」については最近の自分の感覚を
「すんません、コシってこういうものでした!!」
と反省させられるほど、
二八として王道、最高の食感。
この「王道感」こそ、翁系の醍醐味であると私は思っている。
ここまで感動させてくれる店はそうない。


私の左のテーブルには久々に会ったらしい、
嫁いだ娘さんとそのお父上という上品な二人組。
娘さんは淡い色のスーツに白い綺麗なハイヒールを履いている。
これから二人で、父上の誕生日に贈る本(文学全集)を買いに行くのだそうな。
大阪の言葉だけに「細雪」などを思い出し、私まで優雅な気分になる。


一方隅のテーブルには、
スポーツブランドのツナギのような服に
腰や携帯にメタルアクセサリーを
じゃらじゃらつけた若者グループ。
「蕎麦の究極は、塩で食うんやで」
という話題である。



私がいた時間は30分にも満たない。


心に残る、浪速のとっておきの時間。







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2011年11月20日

大阪・北浜「そば切り てる坊」(駒ヶ根に移転)


今はもう無い店について書くことをお許し願いたい。
いや正確に言うと去年書いた文章なのだが
なぜかアップせずに寝かせてしまっていたのである。


「そば切り てる坊」は現在長野県駒ヶ根市に移転し
きれいな空気の中、元気に営業中である。
しかし私にとっては、移転前の店への思いも強い。

「動いていく蕎麦シーンは止められないけれど、それを何とか形に残したくて」。

2010年5月の、「北浜 蕎麦切り てる坊」。


*********

北浜駅29出口を降りてすぐ2軒目の、小さな看板。

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店に入り「うわあっ」と息を飲んだ。

入り口側はコンクリートで埋め尽くされたオフィス街なのに
店内正面は、大きな窓いっぱいの水辺の風景!

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霧雨に煙る土佐堀川、バラ園橋、中の島公園のバラ園。

窓は大きいが店自体は小さいので
まるで水の上で食べているような感覚。
窓の外のデッキテラスがまたいい。

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水辺の霧の中で、出会った蕎麦。

「玄びき」

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ザラザラつぶつぶ、黒い肌に無数のホシ。
粗挽き蕎麦は数あれど、ここの「玄びき」には
眺めても眺めても飽きない美しさがある。
窓からの眺め、光の美しさのせいもあるだろう。

香りや味わいは意外に淡いのだが、
「それがどうした」とこの私が言ってしまいそうなくらい美味しい!
瑞々しいザラつぶ肌がまるで口内をマッサージするかのようにめぐり、
噛みしめると、噛み切れる直前で止まる絶妙の食感。
質感だけでここまで楽しませてくれるとは・・




「十割」
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こ これは・・・・・

絶句の、美しさである。

「玄びき」と打って変わった、淡い黄緑色の超荒、超絶肌。

やわらかなそうな肌に小さな赤や茶のホシ、
そして大きな白い影がどうにもたまらない。目も心も奪われる。
美しいにも程がある。

どうしよう
あなたおいしいでしょ
たぐってみよう 
エイ

・・やはりここの店主は「質感の天才」かもしれない。
こんなにもやさしく軽く、それでいて無数のザラつぶにくるまれるような。
ザラザラつぶつぶの雲の中で眠るような。

噛みしめるとまた淡く美しいさらしなのような香り。
「玄びき」もすばらしかったが、この「十割」は・・
素晴らしすぎる。最高すぎる。
わーん おいしいよう〜〜



次回は是非ウッドテラスで!

晴れた日に、「てる坊」に行こう。





**********

移転後の「駒ヶ根 そば切り てる坊」は
明日アップしまーす。
どんなお店になったか、お楽しみに!






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2011年10月19日

大阪・谷町六丁目「そば切り 文目堂」



あやめどうが すき。


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古い建物。
そこに身をゆだねる時間。

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「細切り」
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嗚呼・・・

あなたはやはり、うつくしい。

あなたに逢いに、ここへ来たのだ。


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端正な「細切り」は、機械切りと見紛うほどのととのった面持ち。
たぐりあげると箸先からムワァーと濃厚なかぐわしさがこぼれる。
しっとりとした微粉の肌は足がはやく乾きやすいようで
余り阿呆のように恍惚としている暇はない。
しかし今日のかぐわしさはまた前回と全然違って面白い。
感覚を研ぎ澄ませて(怪しい顔つきになって)見つめると、
ポンセン?か、麦こがしか、トウモロコシのような、
とても美味しい香ばしさがある。

はあー おいしい・・・

きてよかったようー、しあわせだよーう




「粗挽き」
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だいすきな「文目堂」の「粗挽き」。
ザックザクの黒い小山は
ドキドキするほど(っていうかしてます)の眺めだ。

しかし・・およよ?
たぐりあげた香りはここの蕎麦としてはごく淡い。
表面にたっぷりたたえた水分のせいかと思い
一生懸命ゆっくり食べたら香りはどんどん濃厚に!!
甘さやふくよかさのない、どこかストイックすぎるような香りだが
この雑味なき清らかなたくましさは実にめずらしく新鮮だ。
またこの粗挽きの舌触りが素晴らしすぎる。

ザックザクー
ザラつぶー
ふくらむ味わい・・・



私の前で食後の読書をゆっくり楽しんでいた女性が帰った。

「ごちそうさま。おいしかったです。」

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私も、もうしばらくこの時間の中にいたい。



あやめどう だいすき。





2010年5月の「そば切り 文目堂」




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2011年10月18日

大阪・荒本「蕎麦 伊呂波」


西のお蕎麦屋さん、特に大阪の店で
東京にはない凄いパワーを感じることがある。気がする。

「気がする」というのは、私が何事も感覚で生きているいい加減な人間で
事項の分類とか整理して考察とかが滅法苦手なせいである。

そのいい加減な感覚によると、大阪のパワーはやはり
小麦粉圏の蕎麦屋であるということ、
天下の台所、和食のメッカであるいうこと、
などから来ているのかなという「気がする」。

私は目の前のことに夢中になるタイプなので
今どこにいるかなんて忘れていることもあるのだが
時にぐっと押し出すような西のパワーに
ハッとさせられることがある。
「蕎麦は此の地のものではないが、我此処に蕎麦を極めむ」
という気骨のようなものを感じるのだ。

「蕎麦 伊呂波」は「荒本」駅からもう見えているような立地なのだが
初めて行った時はちょっと迷った。


一見店があるようには見えない静かな道にいきなり!




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マンションの一階にはめ込まれたような、白亜の外観。

白玉砂利が目にまぶしく、市松模様の庭石の上を歩くときは
ちょっと緊張するほどだ。
ほんとにお蕎麦屋さん?



店内もまた蕎麦屋らしからぬモダンな雰囲気。

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席についてなお緊張気味の私だったが
「ざる蕎麦」「田舎蕎麦」などが並んだメニューを見て
途端にニコニコくつろいだ気分に。
お蕎麦屋さんとなるとどうしてこう
親戚の家のようにリラックスしてしまうのでしょう。
やっぱり私は蕎麦なのかもしれない。



「ざる蕎麦」
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こんもりと美しく盛られた、やや太めの九一蕎麦。
すべらかな肌はフワンと独特の食感である。
味わいは淡いのだが汁をつけて
ウーンと納得させられてしまうのがさすがは大阪。
好みもあると思うが、私は西の蕎麦汁が好きなのだ。
「伊呂波」のつゆは甘みが少ない中に
すっきりと美しい「うまみ」がしっかりとあり実に美味しい。



「田舎蕎麦」
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ふわーと香る、田舎らしい野趣に飛んだ香り。
平打ちのしなやかな歯ざわりの中に
まばらに散るザラつぶ感が楽しい。
香りは、はじめは淡かったのが食べ進むにつれ
ぐんぐん濃厚になっていく。
味わいも甘みも深くて、ああ美味しいなあー



ところでこの店のインテリアデザインは
店主自ら行ったそうである。

すごい!




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2011年10月17日

大阪・新石切「そば切り 粋人」


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近鉄けいはんな線「新石切」駅からすぐ。
店名の読みは「そばきり すいと」である。

店内は店名からイメージする「粋」の雰囲気よりも
あたたかく落ち着いた空間。
前に衝立のあるカウンター席や
テーブル席がうまく組み合わせられていて
家族連れでも一人客でもくつろげるレイアウトになっている。

私はカウンター席で

「ざるそば」
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極細切り、きめ細かな微粉の肌。
繊細な蕎麦ゆえ足が早くさっさと食べないと表面がややぷにっとしてくるが
その頃の香りがまたいい。
むわぁーっと香る、茨城は水府村の蕎麦。
味わいはほんのりと淡く、
大阪には少ないタイプの蕎麦だけに楽しい出会いである。
枯本節、枯めじか、利尻昆布を使っているという汁も美味しい〜



こちらは大阪で出会えた、鳥取・日南町の蕎麦。

「十割田舎そば」
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黒い肌、豪華なホシがいかにも「田舎そば」らしく
「ざるそば」とは対照的な姿だが
食感としてはこちらも微粉、つるりとした肌。
ところどころに混ぜられた粗い粒が
口の中でも「見える」のが楽しい。
粒を噛み締める度に生まれる香ばしい空気、
淡い野趣を含んだ味わい。
なんだか非常に素直な感じのする田舎そばである。



そう、素直。まっすぐ。
私にとってはこちらのお店、
「粋な人」というより「まっすぐな人」という印象で、
そこがかえって魅力だと思う。

店内の、こんな看板とか
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こんな案内とか
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どうにもこうにも私には、
まっすぐで一生懸命なイメージのほうが強く伝わってくるのだ。



そうそう、「粋な人」と言えば
私のソウルメイト田中秋男氏の名川柳を紹介しないわけにはいかない。
エッセイストであり毎日新聞の「万能川柳」コーナーの常連川柳作家でもある「おじさん」は
いつもセーターに穴があいている。
そのおじさんが墓石に彫るとふざけて言った一句。

「一生を野暮で通した粋な人」。


さすがおじさん、と大いに気に入った癖に、
すかさず連句してしまった私、

「粋な人自分で言った野暮な人」。


おじさん、2句並べて彫るそうです(^^;;)








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2011年10月15日

大阪・福島「蓮生」


営業していない時間は消えてしまう店がある。

看板をその都度出していて作り付けの看板がないとか
シャッターを閉めてしまうと看板ごと隠れてしまうとかで
営業時間外に行ってしまうと店ごと見つからなくなってしまう。
初めて行く店だと尚更だ。

「蓮生」は何度か営業時間外に行ってしまったようで
ずっと場所すらはっきりしなかった。
店の住所に行っても何も無いのでお化けのような店だと思っていた。


晴れて営業日に来てみると・・
お化けのような店だった。

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裸電球で照らされた店内は昼間なのに夜のよう。

「ふた言」でいうと「お化け屋敷風」、「夜店風」。



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隅の本棚には鬼太郎グッズや「お化け屋敷ゲーム」、
「はだしのゲン」などが置いてある。
小さい頃から極度の怖がりで
未だに鬼太郎すら直視できない私には
演出効果バッチリである。



こんなスリリングな?ムードの中お蕎麦をたぐるのは
初めてだ。

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器も箸も全てプラスティックというところも
夜店めいている。

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たっぷりドーンと盛られた細打ちの蕎麦。
水気をたっぷりと含みぬたーと束になってたぐれるところも
なんとなくお化けっぽいムード?
黒い肌からは微かな野趣を帯びた香りが漂い
粗挽きの粒が時折ジャリ、と舌に刺激を与えてくる。


ひとりきりで経営しているらしい若い女性店主は
商売気なく、あっけないほど素っ気ない。
しかし決して感じが悪いわけでなく
むしろ親切さまで感じるのだから不思議である。



福島の入り組んだ路地奥。

開いている時だけ現れる、お化けのような店である。



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2011年10月13日

大阪・福島「まき埜」


交通量は多いが、すぐ近くに貨物線が通っているためか
なんとなくレトロな情緒も感じる辺り。

マンションの1階に、ビシッとととのったしつらいが
遠くからでも目に飛び込んでくる。

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店内はすっきりと美しく、余計なものは一切ない。
なかに入ってしまうと、忙しない外とは別世界である。




「盛りそば」
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あかるくつややかな肌。
つるつると密な質感だけにたぐると重量感があり、
ぬたーと束になって口内をめぐるのが何とも色っぽい。
噛みしめるとほんのり淡く、しかしとてもうつくしい蕎麦の香りが
こぼれだす。



香りが繊細なだけに必死で山葵をテーブルの一番端っこに置く私。
あの〜コレあとで使いますので、蕎麦湯の時につまみますので
へんなお客ですみませんすみません…



「田舎そば」
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せいろよりも輪郭線の際立った黒っぽい肌。
まばらに散りばめられた黒いホシがピリっと目にまぶしい。
姿は対照的と言ってもいいが
こちらも「盛りそば」同様ズンとした重量感を持ち、
噛み締めたときにほわ〜と浮かび上がる香りがうれしい。

端正な空間で出会う、淡い野趣。




ここはつゆが個性的。
まるでチョコレートのような、不思議で濃厚な香りがあり
それがなんだかやたらと美味しい。
甘いわけではな決してなく、「コク」といえばいいのかなあ
美味しいのでめずらしく蕎麦湯にも入れてみたら
余計にその個性が感じられて楽しかった。
私は西の汁が好きだ。



おっ どこで見たような湯桶ですのー(^o^)

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2010年06月05日

大阪・難波「石臼手挽き蕎麦 源氏」


大阪中心部の地下鉄は、おそらく東京よりも細かく
網目のように走っている。

それだけに大阪駅ー梅田駅周辺やなんばのあたりなど、
いくつもの駅が微妙に離れつつ密集しているエリアは
便利なようでなかなかややこしい。
「なんば駅」、「大阪難波駅」、「近鉄難波駅」、
「南海難波駅」、「JR難波駅」って!

ちなみに大阪難波駅イコール近鉄難波駅らしいのだが
そこかしこにいろんな表示があるので混乱は増すばかりである。

その難波の中心も中心。
複数の難波駅に取り囲まれた島のような
飲食店が密集するエリアに、
小さいけれどピリリと個性的な蕎麦屋がある。


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なんば楽座通り、「石臼手挽き蕎麦 源氏」。
付近は飲み屋街につき、夜はおそらくかなり賑やかなのだろうが
今は昼下がり、のんびりと人通りもまばらである。



こちらには手挽きがあるのでまだあるか大変不安だったのだが、
よかった、まだあった!
二八の「玄挽きスタンダード蕎麦切りざる」
と「石臼手挽き十割蕎麦切りざる」を頼みワクワクしながら待つ。




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まずは「玄挽きスタンダード蕎麦切りざる」から。

この透明感、見るからにそうではないかと思ったが、
やはりやはり、濃厚な熟成の香り。
特大の黒いホシも混じる粗挽きだが
たっぷりと水気をまとっているのでその肌はつやつやと輝いている。


口に含むと、粗挽きのザラザラ感はみずみずしさに
コーティングされているかのようにつるつるとすべらか。
濃厚な甘みが口いっぱいに広がり
熟成のふくよかな香りが強烈に深まっていく。





そしてお待ちかねの「石臼手挽き十割蕎麦切りざる」。
初めてお目にかかってこりゃ驚いた。


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ふんわりと色白の初肌。もったり、ゆたかな姿。

何となく繊細な手挽きを想像していたのだが、
意表を突かれてうんと太打ちの手挽きであった。

白い陽炎のような星を浮かべた粗い素肌は
そのまま萩焼の肌のよう。
見ているだけでうっとりと夢見るような気持ちである。


箸でたぐり上げた香りは
いわゆるフレッシュな蕎麦の香りというのとは少し違う、
落ち着いた、上品な粉の香り。
口に含むとこれまた個性的、ブワンと太いのにどこか軽さがある。
これだけの姿ながら、モグモグ必死で噛みしめると言う大変さはない。
そして歯で噛み切ると「粉」感が強い。
生っぽいというわけではないのだが、
なぜかその断面に粉を感じるのだ。


優しい上品な香りを追いかけつつ、
個性的な食感を楽しむひととき。


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店内ではお店の人が常連さんとのんびりと、
店の昔話などをしている。
ここに移ってくる前の店は昭和4年からと話しているが
今のこの店もなかなか年季が入っているよう。
ちなみに移ってくる前はうどん店だったそうで
現店主は三代目。
「家政婦は見た!」ではなく
「居合わせた客は聞いた!」である。


入口の扉からは午後の光が斜めにさし込み、
和やかな雰囲気に眠くなってくるほど。
今日ここに来られてよかった。


西には、楽しい蕎麦の風が吹いている。







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2010年06月04日

大阪・道頓堀「手打ちそば 星」


星と書いて「あかり」と読ませるとは
なんとロマンティックなのだろう。

この手の詩情に弱い私は、訪れる前から
「星光浴」のような静かなやすらぎを覚えていた。

どっこい店は煩雑な道頓堀の繁華街ど真ん中。
環境としてはロマンティックとは対極と言っていい雰囲気であった。



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店内はこぢんまりと小さく、
作務衣姿の店主がひとりで迎えてくれた。
昼時も過ぎていたため他に客の姿はなく、
カウンターには選りすぐりらしいお酒の一升瓶が林立している。
夜は賑やかなのだろうが今はガランとして、
開店前の蕎麦居酒屋といった印象。



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しかし蕎麦に対峙して、
私の心は突如ロマンティックに自転しはじめた。

眼を見張るばかりに美しい、
黒や白、大小のホシ。

粗挽きの肌にくっきりと、
あるいはゆらめくようにふんだんに散りばめられ、
そのまばゆさに思わず目を細める。
店名の「星」は、このホシなのかとも思えるほど。
真昼の道頓堀、ひそやかな星光浴。


粗挽きの肌は野趣に富んだ趣ながら
そのあまりに美しい輪郭線が故に全体としては洗練の印象すらあり
完成度の高さが伺える。


たぐりあげれば
ほのかに甘くやさしい粉の香り。
初めは淡く感じられたが次第に香ばしさを増してくる。
粗挽きだが舌触りはなめらかで
噛みしめると心地よいコシが受け止めてくれる。

その味わいにしても姿にしても
空気をはらみながら踊るように重ねられた盛りつけ方にしても、
小慣れた「うまさ」に唸らせられる蕎麦なのだ。


こんな店がこんな便利な場所で
深夜3時までやっていてくれるなんて。
しかも営業時間は、なんと昼から深夜3時まで通し。
いつ何時「蕎麦衝動」に駆られるか分からない者にとっては
どれ程ありがたいかわからないが
まさか全てひとりきりでやっているわけでは、と
店主の労働時間が大変心配である。


心配ではあるが、電車もなくなり夜も更けに更けたころ、
この店の存在を山の上にひとつだけ輝く小さな星のように
頼るファンも多かろう。
飾り気の無い主人が飾り気なく
この美しい蕎麦を出してくれるのだろう。



そう思うと、やはり店名のとおり
ロマンティックな店に思えてくるのだ。







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2010年06月03日

大阪・布施「手打そば 庵」


面白い店があったものである。

いろんなお蕎麦屋さんに行くうちに
印象が似た店も出てくれば
行く前から「こんな店かな〜」とイメージが湧くこともある。

そんなこちらの勝手な予想を尽く痛快に裏切り
蕎麦は美味しく、
居心地はすこぶるいい。

そんな店は楽しいに決まっているではないか。


大阪は東大阪市、近鉄線「布施」駅から徒歩7分。
駅からは真北にまっすぐ、
ちょっと目立つ交差点に近いようなので
すぐにわかると思いきや・・・


うーん、ない。



ない。



え?



あれ??




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ドカーン。


すいません、「宿場町」で生まれ育った私、
「本陣跡」か何かだと思ってしまいました・・・

この、黒々と大きく立派な建物。
それでいて看板はいまひとつ目立たない、商売気のなさ。

かっこいいです。
只者じゃない雰囲気プンプンです。




さて近寄ってみれば、


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かっ 開庵中でございましたか。

まあ店名が「庵」であるから
至極妥当な表現ではあるのだが
「開いててよかった!」って言うよりは
「ぶたないでね!」とでも言いたくなるような
坐禅道場めいた迫力も。

作務衣着た坊主頭の人に竹刀で打たれるイメージが
早くも目に浮かんでしまうのに
可笑しくなりながら引き戸を開けると、




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しょえー。


これは大変。
引き戸を開けてなお、玄関前にこんな空間が。

あの〜、お蕎麦屋さん・・ですよね?
お昼いちまんえんとか、そういうのではないですよね?


恐る恐る歩み入り、二つめの扉であるこの格子戸を開け
さていよいよ店内に入った。
…つもりであったが、まだ、そこはまだ店内ではなく何やら薄暗い空間。
右奥に打ち場、左奥に「ちょっと違和感を感じるドア」のある
不思議な玄関スペースである。


今まで緊張気味だった私の頭は、
ここで一度「うにゃ?」と一度微妙にひん曲がった。
しかし本番は、その左奥のドアを開け、ついに店内に入ってからである。


開けますよ・・・

さあ皆さんでひっくり返りましょう!

じゃーん!




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予測不可能、いきなり家庭的洋風空間である。


しかもそのへんの適当な家庭的ぶりではなく
「クラシック音楽の先生の御自宅風」というか、
タッセル付きのカバーの掛かったピアノや譜面台、
シャンデリア風の照明、
光沢のある織り模様で窓辺を飾るカーテン・・
そういう雰囲気なのである。

確か本陣跡のような、
黒々とした屋敷の扉をあけて入ってきたのだが・・

私は夢を見ているのか?



店内はスペースとしては半分で区切られていて、
手前がこの洋風の応接間のような空間、
奥が座卓のある座敷席となっている。


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予想外の楽しい展開にワクワクしながら
とりあえず座敷席に座りメニューを見ると
「ざる」は700円。
よかった、いちまんえんじゃなかった。

単位が「一枚」でなく「一斥」であるところが気になったが
(一斤、でもない・・・)
一枚半だと1000円、二枚だと1300円という表示も
親切で嬉しいではないか。


さて「ざる」、どんなお蕎麦かな〜と待っていると・・


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なんと、ざるの左上に太陽のごとく輝く、
生卵付きでやってきた。

実は私、生卵で食べる蕎麦が大好きなくせに
普段はどうしても、蕎麦は蕎麦だけで食べたいので
こうやって不意に出てくると本当は大変嬉しいのだ。
(蕎麦だけで味わいたい気持ちと苦闘せねばならなくなるが)

吟味して取り寄せた玄蕎麦を自家製粉、手打ちした上で
「まずは蕎麦だけでどうぞ」とか
「塩でどうぞ」とかではなく
「美味しいから卵もつけて食べてみて!」という
おおらかなもてなし。

難しいこだわりを感じさせない素朴さが
非常に好ましく、居心地がいい。


しかしこの店は、どこまでもこちらの予想を
裏切ってくれる店なのである。
蕎麦が、予想を遥か超えてものすごく美味しいのだ。




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ずっしり、密な重量感。

ピーンと弾くような強靭なコシと
ガシガシの歯ごたえを持つ黒っぽい蕎麦。

箸先に手繰り上げると、ムワァー。
えー!どうしよう、こんなに美味しくては到底卵がつけられない。

口に含むとこれまた香ばしく
噛みしめるごとに穀物の甘みがジワァー。

あらー困った。
あらーこれでは卵がつけられない。
美味しすぎる・・・


しかしこれでは卵をつけないうちに蕎麦がなくなってしまうので
とりあえず汁をひとなめ。
こっ、これまた・・
この店でもう慣れてきてしまった「予想外」である。
こっくりとやたらに濃く、甘く、
汁というよりはタレと呼びたいような味。
そこに卵を投入しかき混ぜて、さあ蕎麦をつけて一口。

エッ


エエッ??


ヒャ〜〜!

ヒャ〜〜〜〜!


すみません、落ち着きたいのですが、
あまりにも、予想外においしくて・・・


もともと浅草は尾張屋育ちの私、
卵入りの汁にはもともと弱いが、
これは汁も相当個性的だし話はかなり違う。
しかしながら、なにしろ予想外の気に入りようである。


そしてこの店に入って以来の最後のびっくりは
蕎麦を食べ終わり、汁だけで一口なめた時。

「ちょ、チョコレートの味がする・・・」。


卵のコクが加わったせいなのか、
何度飲んでもミルクチョコ、
もしくはコーヒーチョコ。
こっくり甘く、たまり醤油のような濃さも感じるが
どうにもこうにもやっぱりチョコ。

私、甘い汁もチョコレートも苦手なのに・・・
何故こんなに美味しいのだ・・・・



ちょうど昼時ということもあり、
店内は家族連れやグループ客でいっぱい。
私にとっては注文の多い料理店並に不思議な店だったが
常連さんにはまったく自然らしく
元々この居心地の良さであるから
皆話に花を咲かせつつ楽しげに蕎麦をたぐっている。

厨房も客席も大忙しだったが
店員さん達は実にテキパキと素早く立ち働き
「いらっしゃいませぇー!」
「ありがとうございましたぁー!」
の元気な声も大変気持ちが良い。


一人客の私、蕎麦一枚なのにあまりの居心地の良さに
いつになく長居をしてしまった。

そしてお昼時のお客さんがひと通り帰った頃、
誰もいない客席で
私はつぶやいたのだ。



「このおみせ だいすき」。















.
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2010年06月01日

大阪・四ツ橋「ぼっかけや」


こんな私でもたまには「固く決意」することがある。

「ぼっかけや」に行ったら、
「ぼっかけや」に行ったら、
次こそは「ぶっかけそば」を頼むんだ!


広々とした四つ橋筋のひとすじ裏。
高速沿いのやや寂しい裏通りに
何やらたのしげな小さな店がある。


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店名の「ぼっかけや」は
そのまま「ぶっかけそば」の意味。
手打ち蕎麦の上にかつおぶしとネギ、大根をぶっかけた「ぶっかけそば」と
お酒を主役に掲げるユニークな店だ。


蕎麦は二八と十割とあるのだが
残念ながら今日は十割はもう売り切れ。
しかも二八もあと一食というではないか。
お昼は二時半までで、
まだ一時半を少し回ったところだというのに、
すごいぞ大阪蕎麦熱波。


さて本日はお蕎麦が二八のみということはわかったが、
注文はどうしよう。
やはりここは「ぶっかけそば」に魂を注ぐ店。
たまには素直に「ぶっかけそば」を頼むべきなのではないか。


そう、そうに違いない。

そうだ、そうしよう。


ぶっかけを・・・
ぶっかけそばを頼むぞ・・・・

さあ言え、自分!!
頑張れ自分!!



「ご注文はお決まりですか?」

「はっ。・・・エート・・・

     ・・もりそばください・・・」



アーやっちゃった。


というわけでまたしても
「もりそば」を頼んでしまった私。
もはやこれは持病であり、どうしてもどうしても、
お蕎麦さんとはふたりきりで会いたい気持ちが優ってしまうのだ。


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「ぼっかけや」の「もりそば」はしっとり、やや太めの蕎麦。
箸先の香りはごく淡く、穀物らしい粉の香りである。
太めではあるがふっくらとした軽さがあり、
素朴な風情の輪郭線ながらすべすべと品のよい舌触りだ。

しかし蕎麦だけで味わうにはどうしてもパンチに欠ける部分は否めない。
だんだんと物足りなさを覚え始めた時
「そうだぶっかけやさんなのだから、汁も味わってみよう」
と思いついた。

早速ひとたぐり、汁につけてみると・・・







おいしいー




なんだか汁がやたらと美味しい。
単に私好みということなのだろうが、
何度つけても「うーんおいしい」と何度でも思ってしまう出汁の美味しさ。



シマッタ・・・

今日ばっかりは、「もりそば」はやめとけばよかった。
やっぱり素直に「ぶっかけそば」にしとけばよかった。

この美味しい汁と大根おろし(大好物)と鰹節とネギで、
このあっさりふっくらした蕎麦を食べたら・・・

そんなのおいしいに決まっているではないか!!
ここではやはり、「ぶっかけそば」を頼むべきではないか!!

というわけで、冒頭の「固い決意」に至ったのである。



さて、次回私が無事「ぶっかけそば」を注文出来るのか否か・・・


はーい、私、できない方に100まんえん〜






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2010年05月31日

大阪・難波「寒ざらしそば 芦生」


南海線難波駅直結のなんばシティ内
「なんばこめじるし」、通称「なんこめ」。
てっきり大きなビルの中のお蕎麦屋さんかと思いきや、
お店はこの通り。


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新しくて綺麗な遊歩道に面した、
実に気持ちの良いロケーションである。

暖簾に染め抜かれているのは
「寒ざらしそば 芦生」の文字。
信州は上田市に流れる武石川の清流に寒中晒した蕎麦を
店名に掲げた店である。


しかしこの店の困ったところは
「寒ざらしそば」ばかりでなく「もりそば」「田舎そば」と
美味しそうな蕎麦が3種類もあり
誘惑で頭が三つにちぎれそうになるところである。
しかも「寒ざらしそば」は手間のかかる天日干しの蕎麦だけに
1枚1570円というブッ飛び価格。

とりあえず三つにヒビが入った頭を押さえつつお店の人に相談すると
おかわりそばとして存在する「半そば」という
大変ありがたいものを教えてもらえた。

さあどれを1枚にしてどれとどれを半そばにするか。
このあたりのカンはおまかせください。
田舎1枚+半寒ざらし+半もり で、どうかと!

えい!




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結果としてわたしのカンは案の定冴えまくっていたのだが、
しかしながら一番風味が強くて美味しいものが
1枚目に来てしまうという流れにはなってしまった。
(半盛りは元来おかわりそばなので)。


でもお鮨だってトロから始まって
最初に感電しそうになったりするもんねー
今日は美味しいものから食べちゃうんだもんねー

と刹那的快楽主義者の気分も楽しいではないか。






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黒っぽい太打ちの「田舎そば」。
大きなホシがチラホラと散りばめられてはいるが
ザクザクの粗挽きという肌ではなく
その輪郭線はしっとりなめらか。

これは・・・来ちゃいましたよ、美味しいですよ・・・
と手繰り上げると



ムワァー


熟成感のある濃厚な、力強い香り。
強靭なコシを持つ肌を噛みしめると
甘みと味わいがギュウゥ〜と舌の上に広がる。
時々触れてくる「チリ」という粗挽きの粒感もソフトで優しく・・

うーん、これは私の好みとしては
熟成系田舎の理想の形と言っていい素晴らしい蕎麦である。
やっぱりこれを1枚分にしてよかったぞ!
でかした私。




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「もりそば」は木目も美しい塗木の器で。
パキパキはっきり、ハガネ系とも言える輪郭線の鋭さがあるが
コシもあるのでこれは温そばにも向いているかもしれない。
香りも味わいも淡いが、たどればごく微かに
精製していない米のような生々しい穀物の香り。
香りや味わいより、
微粉のなめらかな肌感や、歯が届かぬ程のコシを楽しむ蕎麦である。






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そしてこの店の大看板、「寒ざらしそば」の登場である。
「もりそば」と同じく微粉だがこちらのほうがやや色が濃く、
そして「もりそば」と明らかに違うのはその輪郭線の優雅さ。
見るからにしっとり、力の抜けたゆるやかなラインを描いている。
たぐりあげた香りは最初はごく上品なものであったが
次第に濃くなり楽しめるように。

本日、「田舎そば」と「もりそば」は福井産、
この「寒ざらしそば」のみが長野産。
であるのに「寒ざらし」と「もりそば」の香りの方向性が
そっくりに感じられたのは不思議であったが
そのあたりがこの店の個性なのであろう。
蕎麦とは真に面白いものである。

香りの質が似ているとはいえ、
そのふくらみ方は「寒ざらしそば」の方がずっとゆたかで
味わいも濃い。
香ばしいのとは違う、干し草のような、
いかにも「太陽の陽をいっぱい浴びた天日干し」
というイメージにぴったりの風味である。

もうちょっと待てば
もっと濃厚な味わいも楽しめたと思うのだが・・
いつもながら「う〜おいしい、もう一口、また一口・・」と
食べてしまいそこまで待てず。



これだけのお蕎麦を楽しめる店ながら、
こんな蕎麦まみれランチをしているのは店内で私ひとり。
隣のお客さんはそれはそれは楽しそうなおかずがぎっしり詰まった
「芦生弁当」なんてランチセットを楽しんでいて、
首がろくろっくびになってしまいそう・・否、
あんなによく見えたということはなっていたのか。


店の外の眺めも明るく綺麗で
開け放した入口から入る光と風が快い空間。



さぁー午後はちょいと用事が。

蕎麦まみれエネルギーで、頑張るぞ〜



posted by aya at 18:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月30日

大阪・谷町九丁目「そば 月山」


谷町筋は谷町九丁目付近をポケーと歩いていると・・


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おお?
なにやら見捨ててはおけぬ看板が。

古びた木板の風情。
まるで雪の山中で出会った道しるべのようである。

奥へ入ってみると、



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気がつけば体が勝手に中へ入り、
口が勝手に「細打ちそば!」と注文していた。
これがラーメン屋だったら
メニューも難解だし(私にとっては)こうはいかない。
やり慣れていることというのは寝ていても出来そうで
怖いくらいである。

店内はまるっきり山形の居酒屋。
空間が広々としているのもますます本場っぽいではないか。

メニューには私の大好きな山形のおつまみが目白押し。
うははー たーのしーい。




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たっぷりと表面に水気をまとい
ずっしりと重たげに重なる蕎麦。
粗挽きの肌に黒く大きなホシがまばらに飛んでいるのが美しい。

たぐりあげた箸先の香りはほぼないのだが、
口に含むとこれまた楽しい。
つるつるとし舌触りの中に
見たとおりののザラ粒感がまばらに感じられ
その粒を噛みしめる時に、
一瞬ライ麦のような香ばしい空気が生まれるのだ。

昼はこの細打ちの二八のみだが
夜は限定で「十割板そば」というメニューもあるそうなので
そんなの聞いたら絶対に夜も来ないではいられないではないか。


大阪、おちおちぼんやり歩けぬ
デンジャラスシティーである。









posted by aya at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月29日

大阪・和泉府中「そば草香」


大阪はうどん圏であるから
お蕎麦はあまり日常的なものではないのでは、
と侮るなかれ。

近年大阪における蕎麦人気の沸騰ぶりには
眼を見張るものがある。
休日ともなればやや不便な場所にある店でも
お昼時には行列ができる程。
無論、偶然ということもあるだろうし
時間帯にも依るであろうが
わざわざ出かけたのに入店を断念した経験も数回ある。


「そば草香」。
大阪南部、JR阪和線「和泉府中」駅から徒歩10分。
駅から歩くとあまり散歩には向かぬ国道沿いを歩かねばならないが
第二阪和国道に面した角にあるため、
車を運転する人にはかなり便利かつ目立つ立地のようだ。



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私が入店したのは開店直後、11:31。
が、何ということであろう。
店内の広々とした板の間の座敷席は
家族連れやグループのお客さんで既に大賑わい。
週末だからとは言え、ものすごい人気ぶりではないか。
オーダーも次々と入り、厨房は早くもてんてこ舞いである。

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辛うじてカウンター席に座ることができた私は
「そば切り」を注文。
忙しさを極める中、ほどなくして
平たく揚げられたそばせんべいを運んできてくれる。
店の雰囲気はかなり違えど、
和歌山「愚庵」で修行したことが伺えるもてなしだ。

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厨房大忙しにつき、
しばし目の前に置かれたメニューに目を通してみると・・・

なるほど、これは人気の訳である。
蕎麦は愚庵仕込みなのであろうが
メニューを見れば愚庵の母体である和歌山の名店「銀平」さながらの
本格的な海鮮のメニュー揃い。


刺身、焼き物、煮物、鍋物。
昼夜ともにコース料理も充実していて
そのどれもが実に美味しそうなのだ。


「捕れたて海鮮丼と蕎麦のセット」なんて写真も出ていたが、
もう既に「そば切り」を注文してしまった私には
頭を連獅子のように振り回したいほど美味しそうであった。




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やや平打ちの蕎麦は
大阪らしい小山盛りでやってきた。
白っぽい肌に粗挽きの陽炎のようなゆらめきが浮かんでいるのが
大変美しい。
箸先にたぐると意外にも太さにばらつきがあるのだが
惚れっぽい私はそんなことは全く、気になるどころか
むしろその素朴な景色にうっとり。

ちゅるっとした食べ口の蕎麦はやや不揃いな感じが
歯ざわりとしてはかえって美味しく
かすかに泡立ちほどける感じと
ややしゃくしゃくとした食感が楽しい。

箸先で寄せた香りは淡いが
噛みしめると「ほわほわ〜ん」と
実に良い香りが口中にまあるく広がる。
味わいも香りも淡いのだが、
それぞれの質が実にフレッシュで美しく、美味しいのだ。

淡いだけに時々見失いそうになるのだが、
追いかけるように見つめるとまた
「ほわほわ〜ん」。
何ともしあわせな夢である。



こんな蕎麦が楽しめる店ながら、
海鮮割烹顔負けの本格的なメニューの充実ぶり。
人気は当然で、ひっきりなしに新しいお客さんが訪れる。
私が店を出る頃には、この通り。

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もちろん平日はここまで混まないであろう(ことを願いたい)から、
次回は曜日や時間を外してコースやセット物を
是非楽しみたいものである。


「捕れたて海鮮丼と蕎麦のセット」・・・

うーん、夢に見そう。









posted by aya at 19:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月27日

大阪・福島「十割そば工房 むもん」


楽しいお蕎麦屋さん激戦区でもある大阪・福島。
地図通りに行けばすぐに分かると思いきや
細かい路地に少し迷い、
今日は午後いきなり肌寒くなってきたこともあって
何だか心細くなってきた・・・

あ、あれかな?



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蔓でできたオブジェが入り口を大胆に飾り、
いかにもアーティスティックな佇まい。
中の様子が伺えないため少々とっつきにくい印象もあるが
掲げられたメニューには親しみやすく楽しそうな
ランチメニューが並んでいる。

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さあ入るか!と扉を開けると、




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「お二階へどうぞー!」
と上から甲斐甲斐しい明るい声。
店は二階のようである。
靴を脱いで上へ上がる。






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店内は確かにアーティスティックな趣ではあるが
想像したような緊張感のあるものではなく
和の温かみを感じる、家庭的な雰囲気。

旅人の私はなんとなくほっとして
ランチの「十一ざるそば」を頼み、しばしの休息。
ちなみにこちらでは昼は外一(そば粉十割に対しつなぎ一割)、
夜は十割と打ち分けているそう。


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やってきた「十一ざるそば」。
ランチセットであるからわかっていたことではあるが
しらすの入っただし醤油ごはんと
こんにゃくの胡麻油炒めもついてきた。
ここでワーイと喜べないのが私の変人なところ。
「蕎麦原理主義」「蕎麦粉至上主義」「過激派」
なんて命名?されたりもしてしまう私、
蕎麦は蕎麦だけでやってきて欲しい、とつい思ってしまうのだ。


とは言え蕎麦は大変素敵な眺めである。

うんと細切りでつややかな蕎麦は
大阪らしい小山盛りでたっぷりとそびえている。
ひとたぐりし香りを寄せ、「こりゃいい!」。
ウキウキ嬉しくなるような美しい香りをまとっている。


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口に含むと細く繊細なつるつるの肌から
じんわりと味わいがこぼれる。
噛みしめるほどに味が深まる、というのではなく、
舌の上に淡く味わいが広がるのだ。
う〜んこれは、夜の十割そばもますます気になるではないか。




すっかり蕎麦に夢中になっている私を
先程からごはんとこんにゃく炒めが
「ね〜いつ食べるのさ?」
とじっと見上げている。
うーんあんまり気がすすまないな、とごはんを一口・・

あんれ!何だかこれもやたらと美味しいんですけど!
しらす入りだし醤油ごはん・・
お腹いっぱいなのに何だか食べちゃうよ・・

ごはんにつられてついこんにゃくもパクパク。
ウワーなんだか実家に帰ってきたみたい〜
アートなお店だと思ってたのに全く予想外の展開〜
旅人、癒されます〜〜




心もお腹もしあわせに満たされて
この路地に迷い込んできた時の
野良猫のような気分はどこへやら。

路地の奥に浮かぶ、小さな憩いのアトリエである。



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2010年05月24日

大阪・谷町六丁目「そば切り 文目堂」


時の流れは同じはずなのに

まるで止まっているかのように

ゆっくりと流れる時間。


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大阪中心部、「谷町六丁目」駅からもすぐの異空間。

暖簾をくぐった瞬間から

この建物に抱かれるように

私の中の時間も止まる。




この空間で、初めてこの蕎麦に対峙した時のことは忘れない。


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「細切り」。
かすかに緑がかった、きめ細かいクリーミーな肌。

その美しさに目を見張り、息をひそめて箸先にたぐると・・・
あああ、こんなにも。
こんなにも気高く、それでいて力強い香りを
ふんだんにまとっていてくれるとは。

細打ちのしなやかな蕎麦は口の中で心地よくほどけ
噛みしめると意外にもしっかりとしたコシを楽しませてくれる。





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そして「粗挽き」、
この宇宙。

野趣、などという言葉は通り越して
荒々しさすら感じる肌を持ちつつも、その姿は品格と洗練を感じさせ、
ざるの中央に気高くそびえていた。

むわぁっと熟成感のある香りは
限界の濃厚さで周りの空気を染め、
たぐりあげればこちらから香りを寄せずとも
鼻腔に飛び込んでくる。


口に含むと思った通り、「細切り」以上の強靭なコシ。
歯が届かぬほどの歯ごたえと、粗い粒達のジャリ感の楽しさ。




こんなにも美しい空間で、こんな夢が見られるとは。



一つ一つが選びぬかれた器の類も、
礼儀正しくもどこか世慣れぬ雰囲気も、
何もかもが文目堂の夢の中。


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文目堂。

その名を思うだけで、心があの夢に帰ってゆくのだ。





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posted by aya at 15:24 | Comment(6) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする