2022年11月29日

神奈川・秦野「手打ちそば 石庄庵 」


神奈川といってもかなり山のほう。
水と空気の美しい、奥の細道を進んだわかりにくい場所にありつつも
昔から名高いお蕎麦屋さんである。
私がお蕎麦を食べ始めた頃も雑誌などにもバンバン出ていて
憧れのお店でした〜


立派なお庭もあるお店なのですが
夜だと全然わからず残念。

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外観は意外とモダンなのです。

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堂々たる暖簾はなんとなく「道場」って感じの雰囲気?

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中に入るといろんなものが所狭しとある感じが年月を感じさせます。
少し前と印象が変わったような〜

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わー!店内の印象もかなり変わりました。
長くやっているお蕎麦屋さんあるあるですが、
座卓だったのがすべてテーブル席になっています。

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テーブルに切り替えたお店ではどこでも、
座卓の方が和の風情としてはやっぱり素敵だったなあー
とは思っちゃうのですが、
座るのが苦手なお客さんのための配慮ですから大賛成。
立派なテーブルセットで高級感のある座敷席になっています。



メニューもすごく増えた気がする!
楽しい〜

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そばがきは絶対いくよね〜♡
そば懐石楽しそうだなあ


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(ピンボケ失礼)

もちろんお目当ては
「十一せいろ」
「玄挽き田舎切り」
なかなか高級なお値段でございますが
「冷やしぶっかけ」とかも食べたいし、
「うなとろぶっかけ」ってめっちゃ気になるんですけど!?♡



1977年創業ということは今年で45年。
この地に惚れ込み、その時代は珍しかった自家栽培・自家製粉を始め、
この地で愛され続けてきた歴史を感じ、
今から出会うお蕎麦がますます楽しみ!

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(これまたピンボケ失礼・・・登山後でお腹空いてて手に力が入っていない?笑)



「石臼挽きそばがき」
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意外にも椀がきのような見た目でやってまいりました!
濃厚な香りを期待して香りを寄せると・・・
アララララ?お蕎麦の香りはほぼせず、
ほのかに柚子の香りがしています・・・
ところが!口に含むと何が爆発したんですかというくらい
もんのすごい強烈な蕎麦の旨味がブワーッとひろがりびっくり!!
旨味が濃すぎて塩分があるように錯覚するほどの
グルタミン系の濃厚な旨味だ。
本当にお蕎麦ってすごい穀物だなあ〜
食感はネッチリべっとりかなり重く、
お箸がえらいことになるほどの粘度でありました (^^;)




「天ぷら盛り合わせ」
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美しいー!!
お料理の本の表紙のような眺めに気分が上がります〜♡
そして、美しいものは美味しいのだ。
一口食べて私、思わず「おいしいーっ!」と叫んじゃいました (≧∇≦)
衣が美味しい、とにかく軽い、香り高く軽い衣!♡
パリパリだけど薄くてやさしいという理想の天ぷら。
おめでたい感じの美しい形に仕上げられたエビ、
イカ、白身魚、かぼちゃ、ピーマン、、しそ、しいたけ。
巧い人の手にかかると一つ一つの素材が
宝物に変身しちゃうんですよね〜



「十一せいろ」
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限界まで削ぎ落とされた日本の絶景。
艶やかに輝く蕎麦肌が美しく、いかにも香ってくれそう!

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ところが、意外にも香りはごくごく淡く・・・
香りを見つめるとなぜかこちらも微かに柚子が香り、
さらにさらによーく五感を研ぎ澄ませると
白くまろやかな上品な香りを感知できた。
しかしですよ!こちらも先程のそばがき同様、
食べるといきなり蕎麦の穀物らしい香りがブワッと広がるんです!
すんごいですけど! (≧∇≦)
メニューには「石臼挽き自家製分の甘味」と書いてあり
確かに甘味もあるが、それよりも濃厚な、たくましい旨味がものすごい。
食感もさすがにすごい。
やわらかいのにむちーっとしたコシ、密で滑らかな質感。
ここまでしっかりとしたコシがあると
普通は硬めの印象が残るがそれが全くない!
時間経つとさすがコシは減るけどそれで普通のお蕎麦くらいのコシかな?



「玄挽き田舎切り」
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こちらはやや太切り。

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やや濃いめの肌、粗挽きの素朴な輪郭線が
いい〜ですねえ〜〜〜
太さはそこまで太くないがかなりしっかりした質感で、
手繰り上げようにも噛もうにも暴れる感じのある逞しいお方!
箸先から香りを寄せると、これまた最初の香りは限界まで淡く・・・
食べていくうちに渋い、落ち着いた蕎麦の香りが
どんどん膨らんできて嬉しくなりましたー♡


蕎麦汁は結構攻めていて、
かなりキュンッと酸味強め、濃度も濃い!
お蕎麦の香りを愛しすぎてお蕎麦はお蕎麦だけで食べちゃう大悪党の私に
蕎麦汁を語る口はありませんが、もう少し薄い方がいいような・・・
でもここのお蕎麦は味が濃いからコレで合うのかも (≧∇≦)



そして今日は登山で冷えたので
私には大変珍しく、あたたかいお蕎麦も頼んでみました。
なにか「石庄庵 」らしい個性を感じるメニューを食べたかったのもあります。

「あしながきのこ蕎麦」
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メニューには「創業時と変わらぬ味そば増量」って書いてあります。
サイコーじゃないか! (≧∇≦)

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きのこの温かいお蕎麦だから、だいたい味と香りの想像つきますよね?
ところがー!これがまた「石庄庵 」ならではの華麗なる裏切り♡
まず出会う香りに本当にびっくりさせられます!
めっちゃたくましいかぐわしさ!
出汁なのか何なのかわからないが、きのこだけの蕎麦というより、
肉も魚も野菜も豪華に入った鍋を煮詰めたような、
めちゃめちゃ美味しそうなものすごい力強い香りがしてくるのだ。
蕎麦は田舎で、温蕎麦だとそれがとても甘くなって
質感も柔らかけどむっちりしていてすばらしい。
ごま油で炒めた茄子がうれしい〜、これも頼んでよかったー!



帰り際に見た美しい蕎麦打ち場。

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歴史、というものが、この中にある気がした。


今夜私がここで過ごした時間は、
書かなければ何も、どこにも残らない。
蕎麦を食べるのは数分だし食べてしまえばなくなってしまう。
それが生み出されるまでに込められた思いと労苦は
目では見えない。
ただそこには、その店の「日常」の時間が流れているだけ。


それをなんとか掬い上げたくて、形に残したくて。


こんな駄文を私は書き続けているのだ。




posted by aya at 10:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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