2022年05月18日

東十条「一東菴」


告白します。

こちらは、数ある名店の中でも
私が「書きたくない店」、最上位に上がってくるお店であります。


だって・・・

素晴らし過ぎて、

好き過ぎて、

想いばかり爆発して、

もうどうしていいかわからないんですーーー(>_<) !!




大きな看板などはないけれど
名店は連日予約でいっぱいの大人気ぶり。


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店構えそのものはストイックな純和風のイメージなのだが、
この季節は色とりどりの花々に囲まれて
なんて幸せな眺めだろう。
お花畑の奥から小人さんがコロコロ駆け出してきそうだ。



店に入る瞬間、
もう小躍りしそうにワクワクしちゃって
顔はヘラヘラ笑っております〜 (≧∇≦)

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冒頭で書きたくない店と申しましたが、
ここはもうなんと言うか、
一言で言うと天国のような場所なのです。


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あたたかな雰囲気で居心地最高の、美しい店内。
とんでもなく美味しいものや、
ぶっ倒れるほどものすごいお蕎麦がドコドコ出てきて、
お酒も美味しく、店主夫妻の人柄も素晴らし過ぎて、
私などの筆ではもう書きようがなく、
ただただヤバイとか泣けるとか死んじゃうとか
極めて貧困な感嘆詞しか出てこないのであります。



なので本日はできるだけ冷静に、事務的に、
筆を進めて参る所存・・・(無理だな( ̄▽ ̄))


まずは、ウキウキランランとお酒を選びます〜

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「ふもと井」と「四季桜」。

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「ふもと井」は入り口から厚みがあって大人の味。
大好きな「四季桜」はすっきり上品だけど
後半膨らむコクがあってやっぱり美味しいなあ〜
このお通しも大好きー♡



さてさて肝心のメニューでありますが
ぱっと見は、割とシンプルなんです。

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ところが実際はシンプルとかそういう次元の話ではございません。

壁にもめちゃくちゃ美味しそうな
旬のメニューがいろいろありまして〜

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そして百聞は一見に如かず。
宇宙をブチ抜くような、三尺玉大花火のような世界が
この後一気に続きます。


行きますよ・・・


どぉーーーーん!!

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すっ

すっ

すてきすぎてっっ 嬉しすぎちゃってっっっ

胸がいっぱいでもう私は故障しました!!



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なんという、なんという、美味しそうさ・・・
とにかくひとつひとつのお料理が放つ、
なんというか・・・あたたかなオーラとでも申しましょうか、
センスと、腕と、手間暇と、美味しいと思ってもらいたいという真心が
バヒンバヒンに伝わってきて、
お箸を手に取るのも忘れてただただ感激して見入ってしまう。


いよいよ意を決して食べ始めると感激はさらに!!

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手前の蕗味噌にはやわらかな蕎麦の実。ハートを掴まれました。

かまぼこの上の海苔にはワサビが効かせてあってニクイ。

トマトの上には梅くらげと海苔。
意外ですが全部一緒に口に入れると魅惑のマリアージュにびっくり。




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ホタルイカは上品なやわらかさが最高。
その下には菜の花も潜んで、海山の春の喜びがこの小さな一皿に〜♡

そして私が悶絶したのはその奥の、湯葉豆腐。
濃厚とろとろのお豆腐の上に湯葉が載っているのですが
なんですかこのお豆腐の美味しさは!湯葉もすごすぎる。
これこの10倍くらい食べたい・・・ (≧∇≦)




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手前は昆布としらすと海苔の佃煮。佃煮は自家製とか!?
こんなの飲んじゃうからやめてー (≧∇≦)

その奥のポテサラがまた絶品。
ポテサラという食べ物にいまいち興味が薄い私ですが
これは海苔入りってところがニクすぎでして!
胡椒が効いて大人のポテサラでして!
めちゃめちゃおいしい〜!!

右奥はもずく。細かくて上質。
そこに黒酢かな?コクのある酸味がいい。




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気になる左手前の可愛いのは、苺の白和え♡
こういう意外そうなメニューが
しっかりバッチリ美味しいところに着地しているのがさすがすぎます。

その右、単品メニューでも頼める浸し豆は私の大好物!
おいしいよう〜これもこの10倍食べたい〜




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左手の玉子焼きは本当に上品なうす味、うす甘、
そしてひんやりつめた〜い。

右の蕎麦豆腐?は濃厚な質感ながら味わいは割とすっきり。
汁が美味しい〜

そしてなんてったって最奥の鴨ロース煮であります!!
ここの鴨ロース煮はその名前で呼んでいていいのか分からないほど
別次元の美味しさ。
フォアグラですか?もしくはテリーヌ??
とにかくグランメゾンで恭しく出されるどんな鴨料理よりも
こっちが美味しいに決まってるでしょ!!
と断言したくなる、完璧を超えた美味しさ。
完成度が高すぎますって一東菴さん!!




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そして、もったいなくて最後まで取っておいた煮穴子。
大根とろっとろ♡
穴子うまーー!!
私は穴子とか鰻の臭みにめやたら敏感な面倒臭い奴なのだが
こちらはもちろん臭みなど全くなく、
ちょっと煮凝りっぽくなっていて
もうもうもう、泣ける美味しさ〜(T_T)♡



ハァハァ・・・
最初の「酒肴おすすめ」の盛り合わせがあまりにも凄すぎて
お蕎麦が出てくる前に完全に消耗してしまいそうだ・・・
(冷静に事務的に書くって言ってたの誰だっけ)


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乾坤一。
澄み渡るすっきり感ながら、ジーッと下に支えがあって
おいっしい〜
すっきりが好きだけどひたすらすっきりは寂しい私。
こういうの、だーーいすき!!



「ホタテ、たけのこ、蕗の薹の天ぷら」

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好きなものだらけの天ぷら!♡
蕗の薹の香りにヤラレました〜



そして

なんの心の準備もできていない私に

もんんのすごい爆弾が届き、ハートが破裂しました。



ナンデスカこの見たことないくらい
キョーレツなミドリのそばがきはぁぁーーーーー!!!

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いやいやいや・・・

いやいやいやいや・・・

こんなものすごい緑っぷり、この粗挽きっぷりって!!


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見入るほどに目も心も奪われる、透き通るような美しい緑。
粗挽きの蕎麦粒子たちの鮮やかな彩り、表情。
とにかく見た目だけでもびっくりで、
早刈り前の蕎麦畑に頭を突っ込んだような感動がある。
瞬きができない。

一口食べたらもう笑いが止まらない。
アッハッハハハッハ〜〜〜美味しすぎますってーー!! (≧∇≦)
香りがなま!美しいなま!
最高の蕎麦畑の中の、
めちゃくちゃフレッシュで澄んだ美しい香りだけを集めたような、
かぐわしさのカタマリ!!
しかもこのどろねぱっとした質感の中で感じる
粒々が素敵すぎる・・・
恍惚あまってもう早くも上半身が傾いてます・・・
山形は鶴岡市、越沢(こえさわ)の幻の在来種、三角そば!♡



そばがきの興奮で打ち上がったまま
宇宙から帰ってこられない私でありますが
このあと間髪入れずに蕎麦切りの部に突入いたします。


ここは蕎麦猪口も汁入れも、
個性的で本当に可愛らしい。

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蕎麦猪口の底にはこんなかわいいひつじさんが!♡

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一枚目「千葉・成田」

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見た瞬間、またまた笑い出してしまいました。
またしてもものすごい緑!!ありえない緑!!
ここではこの色がスタンダードなんですか!? (≧∇≦)


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あまりの美しさに激写が止まりません。



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本当に、肉眼で見ているのに信じられないような美しい緑なのだ。
尊くて、大切すぎて、食べるのがもったいないけど
食べる前からガンガン飛んでくる香りが凄すぎます!!
蕎麦の香りの美しいところだけをふわっと軽やかに集めた、
天女の羽衣のような香り。
そしてこれまた、ひとくち食べて笑いが止まらなくなりました。
極細の繊細さが尋常ではない。
このコシ、舌触り、
何がどうしたらここまで繊細な美しさになりますか??
味わいもふわっと軽いのに口中全てを染める美しさ。(もう日本語が崩壊)
あああああああ
おいしすぎます大好きです・・・
成田・上野さんのお蕎麦。





二枚目「長野・南相木 南相木在来」

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打って変わってこの黒さ、粗挽きっぷり。
すごぉ〜〜〜い♡♡♡


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っはーーーーーー
なんという肌。なんという輪郭線。
透明感のある褐色の肌には無数のホシが浮かび、
こういう蕎麦はもっとたくましい印象の蕎麦がほとんどだと思うが
この蕎麦のなんともデリケートで繊細な表情に目を見張る。
箸先から香りを寄せると
黒く香ばしく、それでいてとんでもなく美しい香り!!
この美しい黒い香ばしさはすごい。
食感としては見た目の通りのジャキジャキなのだが
全体の質感、舌触りはハラハラと儚いまでに繊細。
共存し得ない相反する特徴のようだが
とにかく全体の印象はどこまでもやさしく繊細なのだ。
その繊細さをそっと噛み締めると、
黒く美しい香ばしさがホワッと膨らむ。
あああ〜〜おいしい〜おいしすぎる〜〜〜〜〜〜




三枚目「島根・美郷 さひめそば」
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写真では伝わりにくいかもしれないが
これも素晴らしい緑である。
こんな美しい色のお蕎麦には滅多に出会えるものではないのに
今日ここでそんな色のお蕎麦にしかあっていないという
驚愕の現実!!


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っはぁーーーーーーー!!
香りが、ふっくら!!♡♡♡
フレッシュな青さに加え、炊き立ての極上米のようなふっくら感が
たまらないかぐわしさ。
口に含むと、繊細な細切りながら
今までで一番太めでもっちりした印象。
これ以上無理なくらい美しく切り揃えられているのに
繊細な手作り感、手捻り感のある食感が奇跡のよう。
これまた写真では伝わりづらいかもしれないが
一般的な量よりかなり少ないので、
写真の印象よりずっと細く繊細なのだ。
コレも大好き、最高・・・(T_T)♡
何事も好みがはっきりしている私だが
今日のお蕎麦はぜんぶぜんぶ好きすぎて
もう何が何だかわかりません!!



四枚目「徳島・祖谷 祖谷在来」

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わー!この器もオッシャレだなあ〜
そしてまたまた!お蕎麦がっっっ

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これは・・・絶対にすごい香りのする肌だ!!

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キターーーーーーー
深く香ばしいナッツ感!!
しかしよくあるずっしり甘いナッツ感とは一線を画す
まさにこの一東菴らしい、清澄ナッティーちゃんである。
ナッツ感と共にい草のような渋くさわやかな野生もあり
とにかく食べなくても香りだけで永遠に泥酔していられそうである。
食感はざらつきありつつ繊細で、
噛み締めるとごくやさしいコシが迎えてくれる。
味わいは意外なほどすっきりなのだが
噛み締めるほどに後からジワーと滋味深さが響いてくるのが
さすがは祖谷在来らしい。
あー!やっぱりいいなあー祖谷は!!



五枚目「長崎・五島 五島在来」

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あああーーー

これも

うつくしい・・・

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もう・・・
愛しさとせつなさとで
やっぱり激写が止まりません


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もう先ほどから私のメモ書きは故障も甚だしいので
我ながら解読不可能です( ̄▽ ̄)

「水が澄んでる!!ような
濃厚なかおり、めちゃくちゃきれい!
美しい水の香り、透き通る神の水?
繊細な舌触り、コシがせつないほどやさしい
だいすきー」


六枚目「山形・鶴岡(越沢) 三角そば」
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先ほど食べた「そばがき」(と言ってもお蕎麦が凄すぎて昨日みたいに感じる)
と同じ山形・越沢の幻の在来種、三角そば!

こちらもすっごい粗挽きで、またまた超繊細!!

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蕎麦粉の挽き方、お蕎麦の打ち方でこうも変わってくるのかというほど
先の「そばがき」とは全く違う方向のかぐわしさ。
ストイックな黒い香ばしさがすばらしいーーーーーー!!
舌触りはチリッジャリッと刺激的なのにどこまでも繊細。
これまたやさしいコシを噛み締めると
澄んだ香ばしい味わいと甘みがふわーっっと広がる。
最後の最後まで完璧すぎて、最高すぎて
もう私は帰ってこられません・・・


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お蕎麦が超絶美味しすぎて蕎麦汁につけるなんてことは
もう前世の出来事のように忘れてしまっていた私。
(てかいつもでしょ (^^;) )

言わずもがなではありますが
ここは蕎麦汁がまたバッッッッカウマで!!
常々私は、自分の大変に我儘な表現として
「舐めてみて何も思わない蕎麦汁が理想」と申しております。
甘いとか辛いとか出汁が効いているとか何も感じない、
スッと自然に舌に乗ってくるような蕎麦汁。
ここの蕎麦汁は
私にとっての「何も思わない理想」形よりちょいストイックな印象。
そこがまたニクイ!!ニクすぎる!!
あとちょっとで届かない色男みたい!(故障しすぎ(笑))



あまりにも素晴らしいお料理から、
そばがき、そして怒涛の絶品蕎麦連打で
もう私は完全にグデングデンの泥酔状態。
(注・例によって酒量だけは小鳥です)


衝撃と感動の連続、
刹那の恋のようなひとときを駆け抜け、
ほっと一息、蕎麦湯をいただこう・・・と思ったら、

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そそそ蕎麦湯まで飛び上がるほど美味しいんですけどーーー!!
もうもうもう、どれだけ素敵なんですか・・・
どれだけ私を骨抜きにするんですか・・・

何から何まで素晴らし過ぎて、

好き過ぎて、

想いばかり爆発して、

もうどうしていいかわからないんですーーー(>_<) !!





(冒頭で冷静に、事務的に書きますと申しましたが
全くもって実現できなかったことをここに深くお詫び申し上げます(笑))



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2012年1月の「一東菴」

2016年8月の「一東菴」





posted by aya at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>北区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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