2022年05月20日

芝公園「昌平」


周りに店なども少ない静かな通りに、
赤い暖簾が揺れている。

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こちらの角度から見ると
外壁に描かれた「手打ちそば」の字体が
ちょっとサイケデリックな感じもあり、不思議な外観?
(下北の古着屋とかにありそう?(^^;;))

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しかし暖簾をくぐれば
そこは古き良き大人の蕎麦屋のムード。

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こんな感じの雰囲気を出そうとしている
イマドキっぽい店ならいくらでもあるが、
イマドキ要素が全くなく、
素のままでこの雰囲気の蕎麦屋ってなかなかないものだ。

うーーん カッケー!
好きだ!!
この空間、素晴らしい〜



メニューはこの通り、種類豊富。

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しかも一品一品のセレクションが
何というか実にスタンダードな渋さで
もうこの辺りからシビレさせられる。



お酒もいいのがズラリ。

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こりゃー夜来て飲まなきゃダメだー!
めちゃくちゃ楽しそう!! (≧∇≦)



お蕎麦のメニュー。

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種ものメニューもいろいろありますが
例によって右上あたりのみをガン見てしててすみません(^^;)

「せいろ」と「十割」2種類のお蕎麦があるので
もちろん両方行きます!!
あ、待てよ?
「せいろ」の隣に「二盛り」という聞き慣れないのがあるではないか。
これはもしや「二種盛り」かなー?♡
と思って聞いたら残念、これは「せいろ」が倍量くるもので、
「二種盛り」に当たるものはないらしい。ちーん。



それでは「せいろ」と「十割」
一枚ずつお願いしまーす!


「十割そば」
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おー!
ありそうであまり見ない、
白木の正方形のせいろにみっしりと盛られた姿。
美しい・・・


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見入ればさらに。
繊細な細切りの輪郭線の美しさにまず心を奪われる。
これだけ細切りなのにその肌はいかにも素朴で、
みずみずしく不規則に光を反射し
たまらなく美味しそうだ。

箸先から香りを寄せると、最初に迎えてくれたのは
ふわーっとフレッシュな野生。
うわあ〜素晴らしい!
そして食感がまた最高で、極細の輪郭線が
口中でぱらりとほどけゆく様がたまらない。
コシは控えめだがたしかにそこにあり、
食べながら味、香りが膨らむタイプでもないのだが
なんだかやたらと美味しい。
お値段は高級だがそれだけの価値を感じる素晴らしい蕎麦。
福井産の十割。



「せいろ」

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こちらは笊もり。
これも綺麗な笊ですねえ〜


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先ほどの「十割そば」で感動した、
肌の繊細かつ素朴な質感はこちらにはさほどないが、
こちらも細切りでみずみずしく美しい。

しかし残念ながらこちらはほとんど香りなく、
味わいも感じるか感じないか程度で、
全体がとにかくすっきりしている。
しかし食感は素晴らしく
口中でぱらりとほどけた先程の十割同様、大変繊細。
こちらの方が若干優しいイメージの食感だが
一本一本が粋に離れる感じと、
意識させない程度のコシが心憎い。



きっとそうだろうなと思ったが、
ここはまた蕎麦汁がいい。

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こっくりと濃いのだがすっきりと粋なイメージ。
全てが主張し過ぎず見事に合わさっている
私好みの甘み控えめでありつつ、
とんがり過ぎたところが全くない、成熟、達観した感じ。
ないよなあーこういう汁 意外と!


難を申し上げれば、これだけのよいお店でありながら
お箸が私が苦手なタイプの割り箸であったこと・・・・(T_T)

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オシャレ系のお蕎麦屋さんではよく出会うすす竹の割り箸。
そのままでも十分破壊力があるのだが
これが濡れるともうクサイクサイ爆弾でしかなく、
お蕎麦の香りなんて何にもわからなくなっちゃうんです・・・(T_T)

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こういう事態に備えて私はいつもマイ箸を持ち歩いているんですが
今日に限って忘れてしまい。(T_T)
しかし、そんな時のために当社が開発した大技、
「お箸でお蕎麦を口に入れる瞬間は鼻からの呼吸を遮断し
お箸を遠ざけてから呼吸を戻す」
というのを展開して切り抜けました!


店には一人客やグループ客が出たり入ったりしていたが
それでもこの店に流れる時間は始終静か。

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ここからはオマケの話。

この店のあまりの居心地の良さにぼんやりと寛いでいると
私の一つ空けて隣のカウンター席に
常連らしいサラリーマンのオジサマが座りました。
大変ビッグな体格の方で、やっとカウンター席に収まった感じ。
大変にビッグな方でありながら
スーツは清潔感のあるパリッとした着こなしで
社会的な活躍を感じさせる方でもありました。


私はよく
「この綺麗な人は何を食べてこんなに綺麗なんだろう?」とか
「このビッグな方は何を食べてこんなにビッグなんだろう?」と
余計な興味を持ってしまう方なので
今日も気になって見るともなしに見ていたのだ。
よくあるボリュームランチみたいなものは
こんな渋いお蕎麦屋さんにはないような?・・・と(^^;)

ところがこれがあったんですねえ〜
オジサマが頼んだメニューは、壁にあった期間限定メニュー。
もちろん下の段のヤツ、もちろんライス付きです!

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「角煮入りカレーうどん ライス付き」!
美味しそうですね〜 (≧∇≦)


しかもですよ、この角煮入りカレーうどんのオーダーに続けて
さらにオジサマは

「今日おかずなに?」

と訊くではありませんか。
えっおかず?そんなのあった!?と思っていると
すかさずお店の奥さんが

「今日おかずなにー!」

と厨房に聞き、

厨房の店主 「メンチカツ!」
オジサマ  「じゃあそれで!」

とテンポよくセットに決定。

え、なんですかなんですか今のは〜!と
あらためてメニューを見てみると

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これか!
左上に
「お昼の時間帯のみ」
というセットメニューがあり、
330円でごはんとおかずとおしんこがつけられちゃうのですって!

というわけでそのオジサマはめでたく
「角煮入りカレーうどんとメンチカツとごはん」
というすんごいボリュームランチを食べられたのでした (≧∇≦)


私から見ればこれだけお蕎麦が美味しい店で
その選択はあまりにも私とかけ離れた世界であり、
ほえーーっ!!と感心してしまうくらいのインパクトがありましたが・・・


そのオジサマからしたら昼時に
一人で目の前に大きなお盆を二つ並べて
「せいろ」と「十割そば」を汁もつけずにズルズル完食しちゃう
私の方がよっぽど変なヤツ!!宇宙人!!


ハァイその通りです〜すみませんでした (≧∇≦)



posted by aya at 10:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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