2021年02月18日

田園調布「兵隊屋」



田園調布には14年住んでいたので
私にとっては馴染み深い店。
しかしよく考えると立地も店名も、
なかなか個性的な蕎麦屋である。

1丁目から5丁目まである田園調布の中でも
この「兵隊家」がある3丁目こそが
高級住宅街として有名なかのエリア。

そんな豪邸街に突然一軒だけ手打ち蕎麦屋があるということがまず面白いし
蕎麦屋らしからぬ店名もユニークだ。兵隊の家!?

しかし何を隠そうこの店は、この地で創業して約100年の老舗なのだ。
実際行ってみると違和感も何もなく、泰然とそこに在る。
田園調布駅からは豪邸街を歩いて5、6分と言ったところだろうか。

青空が気持ちいい〜


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密を避けねばならない時節柄、
本日も空いた時間を狙いに狙ってやってきました午後3時半。
中休みのない手打ち蕎麦屋さんははもともと神だと思っていたが
密を避けたいこの頃は、その神ぶりがますます身に沁みる。


入り口には食品サンプルがあるんですよ〜
このほのぼのした雰囲気で出前もやっていて、中休みなし。
でもお蕎麦は手打ち!
ああ・・・大好きです・・・

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曜日と時間を狙っただけあって、やったー!店内は空いていた。
ここはテーブル同士の間隔が広いのもありがたい。
午後の日差しを浴びた緑が店の中まで染めるよう。


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外の食品サンプルからも想像できるように
ここはメニューがとても豊富である。

お蕎麦だけでなくうどん、きしめん、鍋。
そして丼ものやお弁当などのご飯ものも充実していて、
友人同士や家族の集い、そして出前でもとても便利そうだ。

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しかしすみません、私は相当ここに来ていますが
上のページはほとんど見たことがなく
私の愛と執着はこの1ページに集約されていると言っても過言ではない。
(お腹がふたつあったら天丼とか鴨南とかもすごーく食べたいんですが・・・ (^^;) )


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「手打ちせいろ」と「手打ち田舎せいろ」♡
おまけに私にとってはこれまた神な存在である
「二色せいろ」があるんです!♡♡♡
そうなると何回来ても私の運命はこの方の上に
自動的に決定されてしまうのであります (≧∇≦)


しかし実はメニューをよーく見ると
「二色せいろ」の選択肢には
「手打ちせいろ」「田舎せいろ」「せいろ」「うどん」「きしめん」
と5種類があるのです。
ただの「せいろ」というのは、温物などに使っている機械打ちのお蕎麦らしい。
今日は久々なのでそれも食べ比べてみようではないか!



その前に・・・うふ♡


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これ、なんだかわかりますか〜?



蓋を開けるとほわわわ〜んとあたたかな湯気。


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そばがきでした〜!♡
昔ながらのお湯にしずんだ木の葉型スタイル。




すみません、三つ葉を押しのけてまで愛する人の肌に見入ります (≧∇≦)

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こういうお湯に沈んだそばがきのいいところは、
表面がほどよくとろけて極上の舌触りになるところである。
(その分香りは感じづらくなりがちだが)
とろける肌に酔いつつ口に含むともっちりふっくら。
ただ残念なことに本日のこちらは
三つ葉と柚子の華やかな香りに負けてしまって
蕎麦の香りや味わいはほぼ感じられず・・・
お雑煮のお餅感覚で美味しくいただきました♡
(私の実家のお雑煮は野菜とお餅のみで三つ葉と柚子がマストなのです (≧∇≦))



そしてその時は、いつも突然に訪れる。


何度見ても心打ち震えるこの景色!!



「二色せいろ」

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嗚呼・・・
もう素晴らしすぎて嬉しすぎてただ眺めていたくて、
このまま食べなくてもいいような気すらする。(食べるけど)


手前が、「手打ちせいろ」。


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赤みを帯びたホシがかすかに浮かぶ肌。
蕎麦と蕎麦の間に軽やかな空気を含み、
それがいかにも香りそうな予感でワクワク・・・
とたぐり上げると!!
目が覚める鮮烈な香りがフワーーーーー!!
王道でフレッシュで最高の芳しさに
完全に悩殺されました!!
軽やかなコシ、食感も素晴らしく、
味わいは淡めだがこれまた美しい味わい。
しかしちょっと驚いたのだが
このお蕎麦は香りが飛ぶのがものすごく早い!
お蕎麦は
「時間と共に香りが濃くなるお蕎麦」
「時間が経っても香りは変わらないお蕎麦」
「時間が経つと香りが薄まっていくお蕎麦」
とあって、3番目のタイプは比較的少ないと思うのだが
これは3番目のタイプでありました。
ただ何もなくなってしまうのではなく、
経木のようなこうばしい香りに淡く変化したという感じ。
経木のような香り??と思われた方も多いかと思いますが
私の形容詞はいつも独特過ぎてすみません (^^;)
横浜地域で売っている崎陽軒のシウマイ弁当の経木の蓋のいい香り、
と言えば横浜市民の方には伝わるかも?
(ちなみに東京エリアで売ってるシウマイ弁当の蓋は紙製です (≧∇≦))


素晴らしい「手打ちせいろ」にへにゃへにゃに酔いつつも、
どこか気忙しい私。
だって目の前にはもう御一方、
スターのような方がいらっしゃるので・・・


「田舎せいろ」

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ううううつくしい〜〜!!
この黒さと風情、「手打ちせいろ」との鮮やかな対比が素晴らしい!!♡
黒っぽい肌に浮かぶ無数の褐色のホシ。
力強く潔い印象の輪郭線。
たぐり上げ香りを寄せると、おおおおお
こちらは思い切り渋く黒い香りが、淡くふわ〜〜と漂っている。
甘さのない渋さがストイックな印象の香り。
そして食べるとその香りそのままの味わいプラス、
何故かヨモギのような野趣が口中いっぱいにあふれ、
まるで甘くない草餅みたい!
なにコレおいっしい〜〜〜!!
食感は見た目ではしっかり系に見えたが絶妙の程よさで
「荒くない、細かいジャリ感」のある質感がまたたまらない。
ああおいしい・・・ しあわせ・・・!!



さて最後は、私が長年来ている兵隊家で、なんと初めて食べるお蕎麦です。

手打ちでないほうの、「せいろ」!

パッと見は「手打ちせいろ」とかなり似ています。
手前が「手打ちせいろ」、奥が「せいろ」。

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よく見ると「手打ちせいろ」のほうがかすかに色が濃く、
何より輪郭線とその重なり方、全体の風情がまるで違うのがわかります。



「せいろ」

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「手打ちせいろ」と比べてしまうとどうしても風情に欠けるとは言え
機械打ちとしては大変よい雰囲気を持った蕎麦である。
いかにもちゅるちゅるぷにぷにと柔らかそうな質感に見える。
たぐり上げ香りを寄せると、残念ながらほぼ何も香らなかったが
むにゅんとした、「やわらかいけどしっかりしたコシ」が印象的。
これは種物、特に温物などでも良さそうな蕎麦である。



今日は「手打ちせいろ」と「せいろ」の食べ比べができて楽しかったーーー!




田園調布では「せせらぎ公園」「多摩川台公園」「宝来公園」をハシゴして歩くのが
私の大好きな定番コース。今日ももちろん歩きました (≧∇≦)


また歩きに来るので、その時はまた兵隊屋に来ますよ〜〜♡




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posted by aya at 17:44 | Comment(0) | 東京の蕎麦>大田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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