2020年08月29日

曳舟「手打ち蕎麦 ながやま」



緊急事態宣言が発出されるだいぶ前の3月初旬、とても寒い日。

雨ニモ負ケズ住宅街をくねくねと突き進む。

普通だったら、こんなところにお蕎麦屋さんがあるわけがない、
と思うだろうが、数々の「住宅街の小さな名店」を知っている私は
もうそろそろか、この辺か、とワクワクする。

ふと看板が現れた。

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「天ぷら」「にしん」の文字が踊る、手作り感溢れる看板。
こんな寒い中、会う前から誘われると
ほんとににしんが食べたくなってくるじゃあないですか〜(≧∇≦)



マンションの1階と聞いてはいたが
予想したよりもずっと小さなかわいらしいマンション。
看板や鉢植えの植物が明るく迎えてくれている。

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住宅街だし中の様子は見えないしなので、
外で全てのメニューが見られるのはとてもいい。
通りがかった人もこれで大体の様子がわかる。

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ここでも「にしん」が私に訴えかけてくる。
今日はそういう日なのだな (≧∇≦)



店があるのは1階のこの奥で、

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インターフォンを鳴らして入るのです。

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迎えてくれた奥さんのあかるい優しい声に癒されながら
奥に通される。

店内はさすがに新しく、清潔感あふれる感じ。




この窓際の席もいいなあー
テーブルで火が使えてそこに鉄瓶が。
あったかそう〜

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たまたま空いていたからか、私は個室のようになっている
大変居心地の良い席に案内してもらえた。
個室から外を見たところ。

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メニューでまず目を引くのがこちら。

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蕎麦屋において例えほんの少しでもご飯を食べると
お蕎麦のために空けておいた貴重な胃のスペースをごはんに取られるようで
お蕎麦に申し訳ないような損したような気分になるので、それだけはいつも避ける私。
このセットも「そば茶ごはんつき」というところは問題なのだが
それ以外の内容が素晴らしすぎる。
天ぷらとせいろはもともと食べたかったし、そこに小鉢もついてこの値段!?
うーん、これは頼まないテはないですよね!


一品料理のメニューもとてもいいものばかり。


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ウッ・・・
これまた誘惑される〜〜〜〜
特に1行目!4行目5行目もいいな!!
どうしましょう〜〜


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うーん、本当にここはメニュー構成がいいですね〜
せいろ(十割)が前日までの予約というところがちょっと寂しかったが
(知らなかったぁぁぁぁぁ!!(T_T)(T_T)(T_T))
そばメニューは少数精鋭、
おつまみメニューはお酒を飲みたい人のハートを掴んで離さなそうなメニューから
家族連れにも喜ばれそうなヘルシーなものまで盛りだくさんだ。


「にしん煮付け」
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冷たい雨の中で熱く誘惑された記憶は体に染み付き脳から離れず
やっぱりオーダーしてしまいました。
ホロリ繊細な肉感も味付けも大変美味しい。
余談だが和の甘い味付けが一切苦手な私は甘い魚の煮物も大の苦手。
しかし「にしんの煮付け」だけは、お蕎麦屋さんで食べるうちに
好きになってしまったという・・・
蕎麦乙女心は矛盾だらけなのである。



「ふきのとうの天ぷら」
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私の手打ち蕎麦ストーカー人生において、
メニューに「ふきのとうの天ぷら」を見て頼まなかったことは一度もない。
あの苦味、食感、まさに季節の宝物ですよねえ〜!
「ながやま」の天ぷらは衣が繊細なシャクシャクした食感で、大変おいしい。
カラッと揚がっているのだが結構オイリーでボリューム感あり。



いよいよやってまいりました。
限定12食のランチセット!


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うわぁ〜豪華〜〜〜
普段セット物を頼むことはなく、「おつまみの後シメにせいろ!!」
という融通のきかない人生を邁進しているため
こういう眺めは見慣れず大変賑やかに見える。

賑やかで嬉しいのだが、私の心は今、
「どうやってこの素敵なお蕎麦と二人きりになろうか」
ということで千々に乱れている。
普通なら蕎麦を食べて天ぷら食べてご飯も食べて〜となるのかもしれないが
私はとにかくこの目の前にいる愛しい人を、
できるだけそのまま、裸のまま感じたいのだ。

というわけで申し訳ありませんが私は揚げたての天ぷらさんの魅力を犠牲にして
まずはお蕎麦と二人きりの世界に入りたいと思います!

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美しく切り揃えられ重なり合う輪郭線。
見惚れるうちに、ふわーっと優しくまろやかな常陸秋そばの香りが感じられ
一瞬で脳に陶酔のスイッチが入る。
口に含むと、これでもかとキンッキンに冷たくしめられていて、
この冷たさでこれだけ香るというのはすごい。
舌触りはかなりハッキリクッキリとしていて
噛みしめると硬めのコシ。
味わいはやさしく粉の甘みが伝わる上品な二八蕎麦だ。

そして私はお蕎麦の香りと風味を偏愛する余り
汁をつけずに完食してしまうのが常という大悪党だが
(たまにつけると必ず後悔してしまう)
今日はたまたまちょっとつけてみたのだ。
すると、ナニコレおいしい!!
私にとってこの感動は珍しい。
塩分強めでキリッとシャープな旨みがある独特の汁なのだが
この蕎麦とのバランスがいいのだろう。


さあお蕎麦さんと心ゆくまで二人きりの世界を堪能しましたので
ここでやっと天ぷらにお箸を伸ばします。

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海老1尾と、ナスやかぼちゃ、インゲンなどの野菜の天ぷら。
先ほどの「ふきのとうの天ぷら」同様、カラッと揚がっているのだが
見た目よりオイリーで食べ応えがあった。



小鉢ってなんだろ〜!と楽しみにしていたので
メニューで見ていて食べたかった「つぼみ菜のおひたし」が来て大喜び。

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これぞ、季節の喜び。
おかか入りでおいしい〜



そして私の天敵?であったはずの、ごはん!

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「そば茶ご飯」なのだが残念ながら蕎麦の風味は私には感じられず・・・
しかしこの「ゆかり」がズルイですよね〜(≧∇≦)
自分で買うことはないが外で出会うとすごく嬉しい、
ご飯がすすむ麻薬のようなおいしさ(≧∇≦)



「デザート」
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こんなにきちんとした演出でデザートがやってきたことに感激。
もてなしの心が伝わってくるサービスだ。
寒天のデザートというところもさっぱりしていいし、
サイズが思い切り小さいところも
可愛くてお腹にもちょうど良くて素晴らしい!



明るく清潔な店内にはジャズが流れ、
接客担当の奥さんの優しそうな甲斐甲斐しい声が
やわらかく耳に残る。
小さな静かなひととき。

店主もとても優しそうな笑顔の人で、
(手打ちそば教室の先生もしているそうです!)
帰り際は揃って挨拶し見送ってくれた。





次回は夜のコースも食べてみたいし、
いやそれよりも、前日に予約して十割を食べに来なくっちゃー!♡









posted by aya at 14:50 | Comment(0) | 東京の蕎麦>墨田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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