2020年06月28日

早稲田「高しま」



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夕闇迫る神田川沿いの散歩をひとしきり楽しんだ後、
その店の前に立つ。



住宅街にぽっと浮かぶ灯りは
この街ののんびりした風情を損なわず、小さく灯っている。

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裏口のようにさりげない入り口。

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一変して店内は、ハッと心を奪われるスタイリッシュな空間。


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白い空間にダークカラーの木の家具。
奥の立派な箪笥でアンティークテイストも加えられて
おしゃれ〜〜 ステキ〜〜


入り口入ってすぐはカウンター席。

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季節で変わるメニュー、本日はこの見開きにあるものが全て。
食いしんぼうの向きならばこのメニューを見ただけで
おーーーっこれは!とワクワクしますよね?

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「生ウニと生ゆば お出しのジュレ」
「ひたし豆」
「自家製豆腐」
「太刀魚の南蛮漬け」
「たらこの粕漬け」
「生麩の磯辺焼き」

ねーーっ
お酒好きお蕎麦好きのハート鷲掴みのメンバー揃いでしょう?


お蕎麦メニューもその少数精鋭ぶりに
センスの良さをバビバビ感じます!!
「つけ玉」ってさぁ〜 絶対ズルイやつだよねえ〜〜〜
ああ心千々に乱れてどうしましょう!!
(どこに行ってもどうしても「せいろ」をつゆなしで一枚堪能したいため
 食べたい種物そばメニューがあると悶絶苦しむ)



今日はこの後があるため残念ながら飲めないのだが
お酒メニューはこんな感じ。


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うっ・・・
私の好きなものも多いし、飲んだことのないものもいくつか。
飲みたかったなあ〜



「生ウニと生ゆば お出汁のジュレ」

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なんと二人分に分けてきてくださったことに感激。
盛り付けも綺麗!




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いやいやいや・・・
いやいやいやいや・・・

ちょっとコレ美味しすぎるんですけど!!!
お蕎麦屋さんのおつまみで
こんなすごいもの出しちゃっていいんですかぁ!?

とにかく、全てが心憎い。

ジュレは出汁が濃すぎず上品。
寸止めのすっきりとしたうまみに、ヤラレタ、と降参する。
ゆばはここに入っているならこうだったらいいな、という理想のクリーミーさ。
ゆば単体で食べるときはクリーミーでないものも好きだが
この一品のなかではこのクリーミーさが麻薬。
寸止め上品出汁ジュレと濃厚クリーミーなゆばのマリアージュ。
ああもう、美味しすぎて脳まで溶けて私もここに入りたい。
ウニも2人分に分けられているというのにふんだんに入っていて
何ですかコレ〜〜〜
初っ端から美味しすぎます〜〜〜〜おいしいよう〜〜〜



「出汁巻きたまご」

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私が愛する某蕎麦屋さんの出汁巻きに
見た目そっくりな「出汁巻きたまご」。



蕎麦肌写真家ですが出汁巻断面写真家デビューの日も近い高遠彩子です。

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食べてみると、うわああああ
見た目以上にふんわりふっくらジューシーで
めちゃめちゃおいしいぃぃぃ!!

さっきの出汁ジュレもそうだったが
ここは出汁加減がとにかく素晴らしい。
絶妙、としか言いようがない。
そこにしっかりとあるのだが押し付けがましくない、
「追いかけたくなるような」すっきり美しい出汁の味わいなのだ。
私は京都の某料亭の出汁と料理の全てを偏愛しているのだが
そこは全てまぐろ出汁。
それを思い出すような、主張しすぎない出汁だ。

甘みもまた憎い。
和食の甘い味付けが苦手な私は断然甘くない出汁巻が好きなのだが
時にそれは尖りすぎることもある。
(それはそれで肴になっていいのだが)
しかしこの「高しま」の出汁巻には、全体の旨みをそっと支える程度の、
実にさりげないやわらかな甘みがある。
出汁すっきり&そのかすかな甘みがあるために、
添えられたお醤油と大根が欲しくなり、
その三者が合わさった時に最高の美味しさが口の中に生まれる。
参った!!この出汁巻だいすき!!すばらしーー!!

ハアハア・・・
お蕎麦が出てくる前にこんなにエネルギー使って
今日は私大丈夫かしらん? (^^;)



「生麩の磯辺焼き」

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焼き目の美しいお麩がお行儀よく並んで可愛らしい。
奥にある箱は、老舗蕎麦屋でよく出会うアレ♡



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焼き海苔〜〜♡
下から温められているので焼きたての風味が鮮やか。
この箱、外国人から見たらさぞ面白いでしょうね〜
中に黒い紙みたいのが入った木箱、しかもあったかいなんて!



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京都に行くと「半兵衛麩」の「むし養い(麩づくしランチ)」の
誘惑を振り切るのが大変なほどお麩好きの私。
(結局お蕎麦屋さんで忙しいのでもう長いこと行ってない〜泣)

お麩の香りが犯罪的に香ばしい!!
鼻先に香りを寄せると「お醤油つけて焼いてるの?」と思うほどの香ばしさ。
海苔もとてもいい海苔で、巻いて食べると
もっちりむっちり、おいしい〜〜〜

しかしここで、
お店の人には申し訳ない提案をしたくなってしまう私をお許しください。

これね・・・焼き麩がめちゃくちゃ美味しいんです。
海苔もすごくいい海苔なんです。
最後の一個食べる時にやっと気づいたんですが
お麩はお麩だけで、海苔は海苔だけで食べると最高すぎる♡
(お蕎麦も最後まで汁なしで食べる無法者の言うことはみなさん無視しましょう)



「天ぷら盛り合わせ」

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見るからに繊細で美しい「天ぷら盛り合わせ」。
海老、鯛の大葉巻き、いんげん、おくら、アスパラ。

この天ぷらがですね〜
薄衣の上品系かなと思って食べたのですが
薄衣でありつつパリパリがっつりした食べ応えのある天ぷらなのです。
何がすごいって中の素材の香りが爆発!
アスパラをかじった瞬間、脳内全部がアスパラの香りー!
いんげんの香りー!おくらの香りー!
中から香りが飛び出してくるかのよう。
海老なんて海老味のパウダーがまぶしてあるのかってくらい(まぶしてません!)
味が濃厚、プリプリで、素晴らしい天ぷらでした。


お蕎麦の前にこんなにも大満足してしまい
すっかりフニャフニャゆるみまくっていたところに
その時が来て空気が一変する。


あなたと、二人きりの世界。
(↑蕎麦)


「ざる」

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深さのある笊の中にふんわり、
いかにも自由そうに曲線を描く自然な姿に
心奪われときめきがとまらない。

スタイリッシュなこの店内で眺めると
その自然の風情は一層際立っている。

ああ この景色を世界中に自慢したい。


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箸先から漂う、たまらない香ばしさ。
男性的でないやわらかな香ばしさで、もうこの蕎麦がどれだけ素晴らしいか
私にはギンギン伝わっている。はっきりと胸がドキドキする。

口に含むと意外にも、ぱっきりクッキリした輪郭線に迎えられる。
舌触りは硬めなのだが、噛み締めると硬さはなく程よいコシがある。
微粉の肌は私が時々例える中国の干豆腐(大好物)のようなみっちりした密度があり、
噛みしめると新米のようなほっこりした甘みが口いっぱいに広がる。

みなさまにわかっていただきたくてさっきから私一生懸命ごにょごにょ書いてますけど
本当はもうどうでもいいんです。
この人と二人きりになりたいんです。


常陸秋そばの十割の香りと滋味をむせぶように味わい、
私の全身全細胞で吸収し、

ああ〜〜〜〜もうただただおいしい〜〜〜〜

おいしいよう〜〜〜〜〜



蕎麦潮に遠く流されて帰って来られなくなっていますが
大問題はメニューを見て真っ先に気なっていた「つけ玉」ちゃんの存在です。

お蕎麦がお蕎麦だけでこんっっっなに美味しいのに、
こんな美味しいつけ汁を作るのは犯罪だと思いませんか?


「つけ玉」
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思いっきり泡立てられた生卵が溶け込んだつけ汁。
こんなの美味しいに決まっているではないですかーーっ!

なんたって生卵は、家でイマイチな乾麺蕎麦茹でちゃった時など
お蕎麦を美味しく食べるための救世主!
(家では泡だてたりはしてません〜 (^^;) )
「たまごかけごはん」「釜玉うどん」同様、美味しいに決まってますよね。

生卵の魔法があればどんなお蕎麦でも美味しくなっちゃうので
「高しま」のこんっなに美味しいお蕎麦をつけちゃうのは
もったいない!!のですが、
ここの「つけ玉」がまた出汁が素晴らしくてアワアワエアリーで
最高に美味しいんですよね〜〜

もうこれは、最初に一枚「ざる」食べて
二枚目に「つけ玉」、それしかない・・・



「蕎麦湯」

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「ざる」についてきた普通のつけ汁は、蕎麦湯の時に楽しむ。
私にとって蕎麦湯はお酒で、蕎麦汁は最高のおつまみ。
蕎麦湯ゴクリ、蕎麦汁チロリが至福の時なのだ。

つけ汁もまた半歩控えた美しい出汁なのだが、
じんわりと下を支える旨みが素晴らしい。
この汁もいいなあああ〜〜



次回は是非、お酒を楽しみながら
今日他に気になったものを色々頼みたいな〜と思いつつ、でも
「ざる」と「つけ玉」と
「生ウニと生ゆば お出汁のジュレ」と「出汁巻たまご」は
ハズせないのでまた心千々に乱れそう(≧∇≦)




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posted by aya at 16:31 | Comment(0) | 東京の蕎麦>文京区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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