2017年05月12日
大阪・北浜「笑日志」
大阪のど真ん中、北浜は
東京で言えば日本橋か霞ヶ関かという金融街らしい。
その一角に、この長屋のようなこぢんまりとした建物・・
瓦屋根にレトロな窓、羽目板の外壁に小さなのれん。
可愛らしいお店だなあ〜
張り切って開店時間ちょうどに行ったので
厨房から出ていた店主が「どうぞ〜」と招き入れてくれる。
うわあ・・・
開け放たれた大きな窓。
夕方の緑と水の眺めが店全体を青く染めている。
こぢんまりとした外観からは予想できなかっただけに
この空間の美しさには感激!
ここからも近い北浜にあった「そば切り てる坊」(現在は駒ヶ根に移転)も
外観からは想像できない素晴らしい眺めがあったのを思い出す。
あの眺めも忘れられない。
http://ayakotakato.seesaa.net/article/236043033.html
客席の面積はさほど大きくないが大きな窓からの眺めがあるのと
吹き抜けなので広々と感じられる。
しかもあちこちいろいろとデザインが可愛らしくて本当に素敵なお店!
大阪は本当に店舗の美意識が高い街だと思う。
その「バシッとやってくれる」感じがカッコいいなあーといつも思う。
その上ここはおつまみお蕎麦も「やってくれちゃう」のだから参ってしまう。
この誘惑っぷりはなんなのだ!!
いかにもビールやお酒に美味しそうなものがズラリ。
特に目を奪うのはやはり猫にマタタビ私に蕎麦粉、蕎麦が入ったもの。
「カモネギ蕎麦チヂミ」食べてみたーい!
「そばがきの蒲焼き」って何!?
そして「そばがき」が「絹挽き」「田舎」「粗挽き粒」とあるんですけど〜〜
もう全部食べたくて逆に悲しくなってくる。
えーーん 誰かもう一つお腹を貸してください〜〜(TOT)
しかもおつまみメニューだけで泣いてる場合ではございません。
このお蕎麦メニュー・・・!
ぎゃーーーーー
なんですかこの美味しそうさは!!!
どんだけ私の煩悩の恥ずかしさを私に自覚させるのですか!
だってだって、
「絹挽きせいろ」
「田舎せいろ」
「粗挽き粒せいろ」
3種類もあって、それぞれのネイミングや説明が魅力的すぎる。
(日によっては「白せいろ」という更科もあるらしい)
とにかくお蕎麦は3種類全部食べられる「三色せいろ」に決定。
その前に美味しいものをつまみつつ・・
お酒の品揃えも楽しそうなのだが今日は蒸し暑いのでビールで♪
ところが私よっぽど煩悩でぐるぐるすぎたらしく、
珍しく写真を撮り忘れてしまいました・・(* ̄∇ ̄*)
青い窓の眺めとビール、綺麗だったのに残念〜
「そばがき(粗挽き粒)」
湯気にのって漂うむわぁ〜とたくましい香り。
ザクザクモチモチの食感は食べ応えがあるが
味わいは白く上品なイメージ。
「ピーマンのおかか和え」
超シンプルなメニューだがなんだか初夏らしくて美味しそうだなと思ってとったら
これがすごく美味しい。
七味をかけるとさらにビールに合いますね〜♪
(って半分も飲めなかったくせに偉そうに(* ̄∇ ̄*) )
「鴨はつ焼き」
これまた「超シンプルに上手に焼いただけ!」という感じが素晴らしい。
お蕎麦もそうだが素材の旨味や甘みをシンプルにそのまま感じたい欲求が強い私には
この感じは超好みであり意外と出会えないもの。
余計な味付けをせず素材の旨みが最大限に引き出されていて
鴨さんに感謝したくなってくるくらい素朴なありがたい美味しさ。
おいしぃぃぃ〜〜
鴨はつがあまりに美味しかったのでこちらも。
「鴨焼き」
うわ〜ふっくらむっちり食感のすばらしい鴨肉♡
こちらは蕎麦汁を使用しているのか甘めの味付け。
そしてこの「天ぷら盛り」の造形美をご覧ください・・・
「天ぷら盛り」
窓の眺めといい、この野菜の切り方や天ぷらの盛り付け方といい、
うーーん本当にこの店は美しい景色だらけ!
きっと店主がよほど美意識の高い人なのだろう。
店主は厨房に入ったきり姿が見えないが
奥さんなのかサービスの女性のとびきりの笑顔もまた一級だった。
サービスもその店の大切な景色だ。
離れて眺めても美しいが近くで見ても完璧な美しさ。
パリッパリの薄衣の美味しいこと!!
かなり固めのパリッパリなのだが薄いのでそのパリパリ感が心地よく
衣になんともいえない旨味がある。
海老もぷりぷりでしかも大きくて大満足。
すばらしい〜〜〜
「絹挽きせいろ」
あああ 嬉しい・・・
開け放たれた窓の眺めと美しい蕎麦。
私は外の光を感じながら眺める蕎麦が本当に大好きなのだ。
心を奪われる蕎麦の景色に出会うたび
この美しさを世界中に自慢したいと心から思う。
「絹挽き」という名前からするとやや粗挽きで素朴な、しかしやさしげな肌。
ところが見た目に反して香りはむわーと海のようにたくましい。
噛みしめると舌にギューと押し込まれるような蕎麦の旨みと、
何と言っても甘みがすごい。
舌触りは見た目より密でなめらか、繊細な極細切り。
それにしてもこの甘み・・・穀物からこんな強烈な甘みが出るとは!
「田舎せいろ」
おお〜
今度はぐっと黒い肌。
眺めがいちいち美しくてうっとり見とれてしまう。
蕎麦猪口もこの店に合ってるなあ〜♡
いかにも香ってくれそうなザックザクの黒い肌だが
意外にも最初の香りは淡い・・・?
ところがそれは肌が非常にみずみずしいためだったらしく
だんだん黒く香ばしい香りが深まってきた。
噛み締めた感じも非常にみずみずしく手作りこんにゃくを思わせるような
ぷるぷるざらざらした食感。
香りはストイックな黒さでスッキリと透明な感じなのだが
これまた食べるとびっくりするほど甘く
それがどんどん深く強烈なまでになってくる。
先ほどの「絹挽きせいろ」もそうだったが
これは今日の蕎麦粉の個性なのか、店主の蕎麦打ち技によるものなのか?
とにかく凄い個性だ。
ちなみに本日の蕎麦粉はこちらでございます♡
店の一角にある製粉機コーナーの随所にも美意識を感じる。
「粗挽き粒せいろ」
日が暮れてきて外の青さはこわいくらい鮮やかになってきた。
そこに映えるこの粗挽き肌の宇宙・・・・
見入るほどに吸い込まれそうになる蕎麦粒子の宇宙。
ゆらめく白い影の上に浮かぶ様々な色の粒子は
赤みを帯びたのもあれば鮮やかな緑の粒すらある。
ドキドキとたぐり上げると一枚目と似た
たくましいむわーと海のような香りに、これは上品な白いイメージの粉の香りが続く。
ずっしりと重量感のある質感だが食べると二枚目の「田舎そば」に近いザラツブぷるぷる感もあり
みっしりとした粉の感じもある食感。
そしてこの「粗挽き粒せいろ」も強烈に甘みが強い蕎麦だ。
1枚目、2枚目、と続いてきて蓄積しているからかもしれないが
大げさでなくコーヒーが必要になってくるほどの甘みを持った蕎麦なんて初めて!
面白い個性だなあ〜〜
超濃厚なずっしり蕎麦湯。
蕎麦湯をゴクリ、蕎麦チロリが私の「蕎麦後」のお楽しみ。
ここは蕎麦汁の甘みもかなり強めで
それとバランスを取るかのように出汁には独特なシャープさがある。
開け放した窓は夕暮れ時も気持ちが良かったが夜の空気もまた素晴らしい。
気がつけば店は満員ですっかり賑やか、その雰囲気のよさにも思わず見入る。
常連さんが多いらしく皆この店が大好きのようで
聞こえてくる会話の楽しいこと。
どのテーブルにも笑顔があり、旅人である私は眺めているだけで楽しい気持ちになり
いつまでもここに座っていたくなった。
そして気になっていた「そばがきの蒲焼き」をインターネットで調べてみたら
衝撃画像をたくさん見つけてびっくりしました〜〜
どう見ても「鰻の蒲焼き」にしか見えない蒲焼き、
しかもその中でも大変美味しそうな「一流店の鰻の蒲焼き」が
お蕎麦で表現されていましたΣ( ̄Д ̄;)
もうそれこそ食品サンプル級の精密さで!!
最初に出会ったこぢんまりと可愛らしい外観からは想像できなかった大阪の楽しい夜。
大阪はほんまに楽しいところやなあ〜〜〜(≧∇≦)/
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