2016年12月15日

京都・新田辺「山ぶき」


こんなお店があるんだ!
と久々に衝撃を受けたお蕎麦屋さん。

他の人がしないやり方でひたすらに研究・努力する職人魂。
不器用な印象すら受けるほどまっすぐな真面目さ。
一度行っただけでこんなことをいうのは生意気だが
その稀有な存在感に目を見張った。


京都から近鉄で、急行なら24分の「新田辺」駅。
駅前は商店街だがシャッターが閉まった店が多く何だかシーンとしている。


「山ぶき」はその駅前広場(というのかわからないが)のすぐ裏手にある。
駅から2分とかからない。

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「地元野菜と十割そば」「石臼蕎麦」
の文字が目立つ大きな看板。
私から見るとすでのこのあたりからしてこの店らしさがたまらない。

宣伝ベタに思えるこの店にしては精一杯目立たせた大きな宣伝だとは思うのだが
まず「蕎麦」より先に「地元野菜」を語ってしまうところが素敵すぎる。
地元野菜、すばらしいですよね!!そういうの私も大好きです!
しかし肝心のお蕎麦に関しての宣伝の控えめさ?が対照的である。
ここはかなり気合の入った「自家製粉」の店なのに
これだけ大きな看板のなかでそれを全く書いていないのだ。
そんな「商売上手でない感じ」がまた魅力でもありまして・・・


ちなみにお隣は「デパート」です。

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デパートとクリーニングが同義語なのかよくわかりませんが
この眺めはほのぼのとして大変よろしいです(^o^)
2軒赤い色がなんとなく合ってる気もします。



座敷席とテーブル席がある店内は
スッキリしているが流木のテーブルやきのこのような丸椅子が
ナチュラルで可愛らしい印象。

IMG_1479.jpg




さあメニューを見てみましょう。
ここもこの店らしさがいっぱいです♡

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まず目をひくのが左下の「三十品目御膳」。
えっ これ食べると30品目食べられちゃうんだ!?
しかも新鮮な地元野菜いっぱいで?
そんな、作るのに手間のかかる、しかも商品としては地味なセットメニューを
お蕎麦屋さんで普通にやっちゃう!?
自然食レストランとかならわかるが・・・。
これはほんとーーーうに、心から
お客さんの体、健康のことを考えていなくてはできないことである。
「〇〇丼とセット」とかの方が作るのもずっと簡単だし売れそうなのに
そうではなくて「三十品目御膳」。
素敵なお店だなあー



「天ぷら盛り合わせ」についても驚かされた。
メニューに出ていた写真はこれである。

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えーとこれは・・
かぼちゃとししとうと・・・奥に見えてるのはエビかな?
野菜だけの天ぷらじゃなくてエビ入っていますよね?
じゃないと1300円はちょっと高いですよね?
とつい思ってしまう地味めな写真・・・

だったのだが!
実際やってきたのはこれであった。

どどーん

「天ぷら盛り合わせ」
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えー! 大きなエビが3尾も!
ヒラメの昆布締めまで入って、
かぼちゃ、ししとう、しいたけ、れんこん。
パリッとした薄衣でとてもおいしい天ぷら盛り合わせ。
いやいやいや・・こんな豪華で美味しい天ぷら盛り合わせを
あの写真で紹介しちゃうって・・もったいなすぎるでしょう〜〜
ほんとに・・なんていうか・・
好きになっちゃうなあー



そして圧巻は「蕎麦がき」である。
「山ぶき」の「蕎麦がき」・・・
みなさんも一緒にびっくりしてください。

いいですか?

せーの

「蕎麦がき」
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えっ

うわーーー!!

もうなんというか、この店の店構えやメニューの感じからしたら
信じられないくらい攻めっ攻めのものすごいそばがきがやってきてしまいました。
どんだけの粗挽き。
どんだけの攻めっぷり。
すごすぎる!!

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蕎麦畑をそのまま乱切りしたかのような極粗挽きの蕎麦粒子。
白、緑、オレンジ、色とりどりの粒子達が目にまぶしい。
香りは爽やか系か生々しいような野生の感じを想像したが
意外にもふっくら豊かで上品な穀物の香り。
ざっくざくつぶつぶモッチモチでおいしい〜


壁には「本日のお蕎麦」という案内がある。

IMG_1485.jpg

「蕎麦がき」はいつもは「岡山県 蒜山産」だが
今日だけたまたま「北海道・蘭越産」だったらしい。

ここで私は店主と話す機会を得たのだが
その時の店主の印象にはまさに私がこの店に感じた印象を凝縮したような感じだった。
蕎麦の個性に合わせたかなり詳しい製粉の方法や「一年中新蕎麦」を保つ保存方法などを
静かにまじめに話し続ける姿。
たった一度の印象ではあるが、冒頭に書いた
「他の人がしないやり方でひたすらに研究・努力する職人魂。
 不器用な印象すら受けるほどまっすぐな真面目さ。」
に目を見張った。



「ざる蕎麦」
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その店主入魂の蕎麦。
やはりただごとでないことになっている!!


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息を飲む、美しさ。
端正な極細切り。
であるのに、極粗挽きの素朴な肌には粗挽きのホシが無数に浮かび
その奥に白くゆらめく陰影がまたたまらなく美しい。
これが十割って一体どういう事なのだ!と言いたくなる極細粗挽超絶美に見入り
食べる前から私はこの宇宙に頭から吸い込まれている。

実はもっと驚くべきことがある。
ここまで書かなかったのだがこの店の蕎麦は
なんと手打ちではなく機械打ちなのだ。
普段から「手打ち蕎麦屋さん応援派」の私だけにこれには参った。
こんな魂のこもった機械打ちがあるとは。

機械打ちということもあって量もすごい。
ふつうの1.5倍から2倍くらいある気がする。
どきどきとたぐりあげると、すーっと水のような香りがする。
そのみずみずしい香りの向こうに超澄んだ超美しい香りが淡く浮かんでくる。
舌触りもみずみずしく、これだけの美しい肌であるから
その肌のすべり、コシ、素朴さと優しさ、最高に素晴らしい食感!!
味わいと香りはごく上品で淡いのだが
どこまでも透明な水のような味と白く上品な穀物の淡い香りを追いかけるひととき。
本日は福井大野の蕎麦。



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「鴨汁蕎麦」の鴨汁はほっとするようなスタンダードなおいしさ。
ちなみに「ざる蕎麦」の蕎麦汁は鰹が渋く深く香る甘めのタイプだった。



店主がこれと見極めた産地の蕎麦を
「一年中新蕎麦のおいしさ」で提供すべく完璧に保存し
店主自身が設計したという手作りの電動石臼挽き機で
ゆるぎない信念を込めて挽く。


「魂のこもった機械打ちの蕎麦」というものに
私はここで出会ったのだ。



posted by aya at 00:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
FBでもありがとうございました。それにしても、この蕎麦掻、迫力ありますね。ぜひ、食べに行ってきます♪
Posted by yuzurin at 2016年12月15日 18:21
yuzurinさま
すごいそばがきですよね〜ぜひ美味しい楽しいひと時を!
Posted by aya at 2017年01月08日 07:17
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