甲州街道「台ヶ原宿」。
江戸幕府によって整備されたこの街道は
日本橋から下諏訪まで56里(約219km)の道程。
そこに設置された38の宿場のうちの一つが台ヶ原宿だ。
今も本陣、脇本陣、問屋場などにその面影を感じるが
観光地というには静かでのどか。
そのバランスがとてもいい。
静かな通りで目を惹くのは
七賢で名高い山梨銘醸の酒蔵の建物である。
黒々、かっこいい!
シビれるぅ〜〜〜(≧∇≦)♡
その酒蔵から100メートルほど東に
なにやら人だかりができている。
なになに。本陣跡?脇本陣跡?
いやいや、お蕎麦屋さんなのでしたー!
店内玄関付近は待つ人でギッチリ、店前の道路にも人がいっぱい。
(写真は帰り際に撮影)
宿場町とは言え人通りは少なく山梨銘醸の前にチラホラと人影が見えるくらいだったのに
この大人気ぶりはすごすぎる。
店の横の駐車場はもちろん車でいっぱい。
一応玄関にある順番待ちのリストに名前を書いてきたが
どうも8番目になるらしい。
ううううぅ〜〜 心配。
ここは「二八そば」「十割そば」の2種類あるので
どちらかが売り切れちゃわないかものすごく心配。(>_<)
玄関内にいるとついソワソワしてしまうので
店の前に立つことにする。
するとこんな美しい景色が。
実は盆栽大好きの私。
順番待ちは楽しくないけれど一瞬にして心が洗われた。
なんて美しいのだろう。
この宇宙。この曲線。このバランス。
惹きこまれる・・・・
玄関内にもこんな松の景色が。
簡素だけれどセンスを感じる和の風景。
癒される〜〜〜
と盆栽ちゃんたちのおかげで楽しく過ごせた待ち時間。
意外にも早く順番が回ってきた。
しかも「二八そば」「十割そば」両方まだあるって!!
よかったぁ〜〜〜〜〜(T_T)
食べたいものはもう決まっております。
お蕎麦2種類でしょ、
その前に甲州のお蕎麦屋さんでは定番の「鳥もつ煮」!
店内は満員につき厨房は大忙しのよう。
しかししばらく待っているとなにやらおっそろしく良い香りが・・
このたまらない、濃厚な香ばしさ・・
アッもしや私達が注文した「鳥もつ煮」では!?
キャー やっぱりそうだった♡
「鳥もつ煮」
出ました、甲州名物「鳥もつ煮」!
山梨のお蕎麦屋さんではどこでも当たり前のおつまみなのであります。
ガツンと甘く、ぎゅううと濃い。
ハツ、レバー、砂肝に山椒がガッツリ、柚子も効いている。
これはお酒に合いますね〜〜
ちなみに「くぼ田」にはご近所の
七賢「甘酸辛苦汁」「絹の味」「なま生」
白州「森香るハイボール」などが揃っております♡
「二八そば」
ランダムに光をはじく、素朴な粗挽き肌。
褐色のホシ、その奥に影のような粒子も見え隠れし、
平打ちの輪郭線がやわらかい曲線を描いている。
箸先での香りはごく淡く、口に含むとみずみずしい独特の軽い食感に出会う。
味わいもみずみずしく淡いのだが、
独特の軽いコシを楽しむうちにかすかに香りが感じられてきた。
二八っぽい香りではなく優しい蕎麦の野生の香りであるところが嬉しい。
「十割そば」
丸鉢に四角い竹簀という組み合わせがユニーク。
鉢が深いので竹簀がちょうど浮かんで水が切れるようになっている。
印象も「二八そば」より特別感がある演出。
こちらも平打ち、やや粗挽きで、二八よりは密そうな質感。
二八で感じたのとはまた別の、不思議な野生的な香りをひそやかにまとっている。
噛み締めた質感は密で、やや固め。
味わいも淡いのだがその肌と舌が触れたところぎゅっと澄んだ野生が伝わってくる。
それを追いかけ、見つめるひととき。
(私の蕎麦駄文が官能的とか言われるのはこういうところなんでしょうか(^^;;))
「くぼ田」は汁もなかなか個性的。
甘さはやや甘め、くらいでなじみやすいが
出汁の風味がちょっと変っている。
それでいてちゃんとおいしい。
先程まであんなに大混雑、大賑わいだった店だが
今はもうすっかり静か。
昼の暖簾を下ろす直前の、一時の静けさを垣間見ることが出来た。
玄関を出ると力強い「手打ち蕎麦」の文字が見送りに出てくれている。
なんたって好きな言葉は「手打ち蕎麦」の私。
シンプルで力強いこの幟、大好きなんですよね〜〜!!
その文字、ハネ、ハライを見つめると・・ドキドキしませんか!?
しませんね!?
やっぱり私だけか・・・・(^^;;)