2016年09月26日

神奈川・金沢文庫「寿徳庵」


信念を持って人が行かない道を突き進む。
その情熱と気迫に、尊敬を込めて笑っちゃう名店!


京浜急行「金沢文庫」駅から徒歩10分ちょっと。
車通りの多い横須賀街道沿いにぽつんと佇む町蕎麦屋風の古い店は
なんとなく寂しそうにすら見える。

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しかし近づいてみると早速様子がおかしいです。

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気迫を感じる文字で書かれた
「当店の一押しメニュー 季節の香り蕎麦 胡桃切り
 韃靼蕎麦 自家製粉 十割蕎麦」。
それも面白いが、気迫余ってそのままそのマジックで暖簾に書いちゃったみたいな
「二十四種の香り蕎麦」って・・?
暖簾にマジックで手書き!! (* ̄∇ ̄*)


さらに、扉を開けて驚かされる。
昼時とは言え店内はギッチリ満員!
決して広くはない20席ほどの空間に家族連れも多いので
外からの印象からすると仰け反るほどの賑わいだ。

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(帰り際ちょっと空いてきた時にこそっと撮影 m(_ _)m)


店の雰囲気にふさわしい、いい〜感じのお酒やおつまみのメニュー。

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おでん、いか焼き、豚角煮!

楽しいな〜 頼んじゃいたいなあ〜
 
しかーし、ここでは私
それらの楽しいおつまみにうつつを抜かしている余裕はないのであります。

壁の案内。
何やら話は1750年まで遡り「みかん切り」「貝切り」「こぶ切り」など
珍しい「変わりそば」が紹介されている。

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「必ずしもおいしい物ばかりとは限らず・・」
「珍しい事だけでもご賞味いただければ幸いです」
っていうのが正直すぎて素敵で可笑しい(≧∇≦)

そしてなんと「寿徳庵」では1年を24の季節に分けて
「二十四節季の香り蕎麦」を毎年展開し続けているのだ。
入り口の暖簾にマジックで殴り書いてあったのはそれである、



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本日の「香り蕎麦」は一番右の「くるみ切」。
他に「韃靼そば」「生粉打ち蕎麦(十割)」「もりせいろ(二八)」があるので
当然それ全部いきます( •̀ .̫ •́ )✧!!

でもさすがに4枚は無理なのでううう〜〜と思っていると
こちらのメニューに「二色せいろ」っていうのがあるではないですか!

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値段から推察するに「二色せいろ」は普通は「もりせいろ+何か」なのだと思うが
もし他の組み合わせもお願いできるなら少ない量で4種全部食べられるのでは?
と悪巧みを始める私。
店員さんに相談するとできるという。
やったあー!よかったぁ〜
では
「生粉打ち蕎麦(十割)」
「もりせいろ(二八)」
「韃靼そば」
「くるみ切」
全部お願いします!


店内満員につき店は大忙し。
奥の厨房には店主夫妻(?)がてんてこまいで働く姿が垣間見え
明るい声が甲斐甲斐しい女性が全てのお客さんに大変手際よくサービスしている。

ところがここで事件発生。
私が頼んだ「変則2色せいろ」が繁忙時にはややこしかったらしく
気がつけば厨房内が「男はつらいよ」のワンシーンのような大モメの事態に!
(茹でる人と盛る人とでズレが生じてしまったらしい)

あちゃー 申し訳ない・・・(>_<)
やりとりは客席には丸聞こえなのだがしかしそれが険悪な雰囲気ではなく
まさに映画のような「ムード」になるところがこの店らしい。
無事解決し、結局私がオーダーした通りで何の間違いもなかったのだが
何度も謝りながら持ってきてくれた。
こちらこそ忙しい時にすみません・・・


「2色せいろ」は重ねでやってまいります。

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左上のお椀は何かな?と開けてみたら
「そばがゆ」でした。
「そばがき」も「そばがゆ」もお腹に余裕がなくて頼めないと思っていたから
うれしいサービス。


しかし兎にも角にもまずはお蕎麦にダイブ!
うひょひょひょひょーい

「生粉打ち蕎麦(十割)」
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決然と勢いのあるラインを描く、いかにも香りそうな生々しい印象の肌。
手繰り上げると見た目の印象に違わぬ
ややツンとするほど強い野生を含んだ香りが濃厚に漂ってきた。
こういう野生は時として全体のバランスを壊しその野生だけになってしまいがちだが
この「生粉打ち」の野生はかぐわしさ、滋味深さの中で嫌味なく個性を主張している。
コシはなく固めで口中で暴れる感じがあるが細打ちゆえ食べづらさはない。
とても足が早く乾きやすい蕎麦だがあっという間に食べてしまい問題ナシ!
だって美味しかったんだもん〜〜(^o^)


「もりせいろ(二八)」
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こちらはとてもわかりやすく二八。
十割よりも香りは二割減な感じで、
そこに小麦のしなやかさと柔らかさ、甘みが加わり大変おいしい二八そば。
こちらもとても足がはやくかわきやすいので
美味しいものはさっさと食べちゃいましょう〜


「韃靼蕎麦」
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来ました来ました、
韃靼蕎麦ならではの目が覚めるような黄色!

血液をサラサラにするルチンが普通のお蕎麦の100倍と言われる韃靼蕎麦は
苦味があるのが特徴と言われている。
しかしもともと味の中の「苦味」という要素がとても好きらしい私(苦い食べ物大好き)は
毎度あんまり感じないんですよね・・・
この韃靼蕎麦はどうかな?


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あらー!
案の定ほとんど苦味はあまり感じません・・
お茶のような渋い香りと味わいがとてもおいしい!
(↑てことは一般的には苦いのでは?(^^;;))
これが4種の中で1番みずみずしい弾力があり
結局味、食感ともに1番気に入っちゃったかも。
でもどこでも韃靼蕎麦が一番好きというわけではないので
やっぱりこの韃靼蕎麦が特に美味しかったんです♪



「くるみ切り」
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可愛らしい薄桃色。

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香りはクルミと言われなければわからないが
独特の豊かなナッツ系の香りがふあ〜。
「変わり蕎麦」とは更科にくるみを混ぜ込んだ蕎麦だが
いわゆる更科のようなツルツル感や弾むようなコシはなく
やわらかく大人しい食感で全体の印象もおだやか大人しい蕎麦。
そうか、「香り蕎麦」というだけあって
香り以外の印象は大人しいのが正解なのかも♪



蕎麦湯を頼むとこうなったので驚いた。

どどん!

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普通の蕎麦湯と、韃靼蕎麦湯。
そうですよね〜ルチンは蕎麦湯に溶け出すから飲まなきゃソンソン!
ルチンの効果は超低血圧(90-50)の私が証明しております・・(飲みすぎ)


蕎麦汁はこの店の外観、内観のイメージからすると
信じられない程甘くなくすっきり洗練されている。
しかし出汁は結構個性的ですっきりしているだけにそれがドンと前に出ている。


「そばがゆ」
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サービスのそばがゆ。
個人的に、蕎麦は炊いてしまうと一番印象としての蕎麦度が低い気がするのだが
(香り・味の点で)
やっぱり古くから世界中で食べられてきただけに素朴なほっこり感がいい。


気づけば店内は少し空いて
昼下がりののんびりモードに切り替わっている。


「寿徳庵 二十四節季の香り蕎麦」はこの後、

「黒胡麻切り」9/23(秋分の日)から10/7まで
「菊切り」菊切り 10/8(寒露)から10/23まで
「般若切り」10/24(霜降)から11/7まで

と移り変わっていきます。

「般若切り」は仏教界での日本酒の隠語「般若湯」から名前を取ったお蕎麦で
なんと「八海山」で打っています。
しかも他の変わり蕎麦は全て御膳粉で打っていますが
般若切りだけは全粒粉で打っているとか!

うううーん 気になる!!

期間は霜降から立冬まで。

般若に会いに行きませんか〜(≧∇≦)/




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posted by aya at 10:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんとか一度にお店の多くの蕎麦を味わいたい!分かります(^_^;)気前の良いダッタン蕎麦湯もいいですね〜。店構えとお蕎麦のギャップもまた魅力かと(^.^)
Posted by t.nakayama at 2016年09月29日 04:52
t.nakayamaさま
いろんなお蕎麦があると嬉しいのはアイドルグループの魅力と一緒だと思うんですよね〜
一人の素敵な人に夢中になるのも最高だけど、沢山のかわいい子に囲まれて目移りしたり&#9825;比べちゃったり&#9825;一番好きな子を見つけたい&#9825;みたいな(≧∇≦)/
Posted by aya at 2016年10月29日 15:10
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