2016年07月08日
栃木・日光市「甜蕎屋源平」
とにかく蕎麦への思いが熱過ぎる。
私のことではない。
まず店名からして熱い。
「甜蕎屋源平(てんきょうや・げんぺい)」。
「蕎麦は甘味と香りが勝負どころ」というところからつけられたらしい。
蕎麦の甘味と香りを賭けた源平の戦!?
店名も面白いがその蕎麦はもっと面白い。
店内は戦どころか明るく家庭的な雰囲気。
しかし見上げるとメニューは見慣れない漢字名だらけで難解を極める。
月輪蕎麦? 礎蕎麦? 金剛蕎麦??
それぞれの蕎麦の説明は大変専門的で長いので
できるだけわかりやすく手短にご紹介すると、
◯月輪(がちりん)蕎麦
一番粉、碾き割り粉、御膳粉、碾きぐるみという、
4種類の粉をブレンドした「超粗碾き10割蕎麦」。
◯十割蕎麦
蕎麦の殻を取り除いて『丸抜き』にしてから製粉。
甘皮から一番粉まで全てまざっている『碾きぐるみ』の十割蕎麦。15食限定。
◯粗碾き蕎麦
玄蕎麦を蕎麦殻付きのまま製粉、メッシュ30〜80番の粉を使用。
繋ぎを16%使用し、のど越し、歯ざわりを高めた蕎麦。
◯礎(いしずえ)蕎麦
玄蕎麦粉(2割)丸抜き蕎麦粉(8割)の配合で、外二で打たれた蕎麦。
ハァハァ・・・
説明している方が何がなんだかわからなくなっているのだから
読んでくださる方は半分逃げ出しているのではないかと思うが、
でも最後の「金剛(こんごう)蕎麦」の発想が面白すぎるので
もう少しだけお付き合いいただきたい。
◯金剛蕎麦(15食限定)
「月輪蕎麦 + 粗碾き蕎麦 =金剛蕎麦」
と書いてある。
え、2つの蕎麦の「混合」で、「金剛蕎麦」?
ダジャレだったの!? (* ̄∇ ̄*)
ネイミングにもビックリなのだがさらにスゴイのは「混合ってなに?」というところ。
皆様、ご覚悟ーーー!!
なんと「月輪蕎麦」と「粗碾き蕎麦」が「混ざって盛られて」くるのです!!
2種類の蕎麦が二山で盛られてくるのではないんですよ。
超粗挽き十割蕎麦と、つなぎ入り粗挽き蕎麦が
「混ぜられ絡み合って」盛られてくるのです!!
(お店ウェブサイトより)
この店に来るのは初めてではないが
何度聞いても新鮮にびっくりしてしまう斬新すぎるメニューである。
今あるのは
「月輪蕎麦」「十割蕎麦」「粗碾き蕎麦」「礎蕎麦」
の4種類らしいので今日は全部を心ゆくまで満喫しましょう♡♡
とウキウキ気分のところに、蕎麦犬的大問題発生。
う・・・ううううう〜〜〜
一応、店内にこういう張り紙はあるのですが〜・・・
向こうのテーブルでは現在2つの煙突?狼煙?が大変な勢いでモクモクしてまして
もうもうもう、私の鼻の中も脳の中も心の中までもタバコのにおい一色!
どうしよう〜・・。
愛する蕎麦の香りを嗅ぎたいあまり蕎麦が出てくるとその途端に
嗅覚がそれまでの100倍くらいになってしまい
店中の香りが鼻の中に入ってきてしまうという
蕎麦犬特異現象をどこでも展開している私としては
この店内の状態で蕎麦の香りがわかるか大変不安・・・
せっかく来たのになあ・・・(;_;)
「月輪蕎麦」
もはやこの器を持って店の外に二人(蕎麦と私)で駆け落ちしたい衝動にすら駆られるが
そうもいかないこのもどかしさ。
煙よ今だけ向こうに行っておくれ〜・・
まさに今。私の顔の周りはタバコの香りで満ちている。
しかし私は、心眼で、あなたを見つめる!
この蕎麦の香りをかぐ!!!!!
ふんっ
つるりとした肌の中に超粗碾きの粒が眠っているのが見てとれる、なんとも迫力ある姿。
もんんんのすごく美味しそうなのでものすごくい嬉しいのだが
とにかくとにかく集中するしかなない。
お蕎麦の香りよ香りさん、あなただけ、こっちにおいで〜〜・
・・・おお〜
なんだか、あまり体験したことのない
とても美しい白い野生の香りがする(気がする)。
超粗碾きの粒子をはらんだ肌はかなり硬めの質感で
噛みしめようとすると口中で暴れる感じがある。
本日の「月輪蕎麦」は越前の蕎麦だそう。
「十割蕎麦」
緑がかった美しい肌の色が嬉しい。
タバコのにおいがちょっと弱まってきているのはもっと嬉しい。
わあ〜い!わかりましたわかりました、
さっき「月輪蕎麦」で感じた香りはまさにこれ!やっぱりこれ!
今まで出会ったことのないさわやかで力強い野生の香り。
そしてこれは十割というのが信じられないほど
のびやかなまでのつるつるトゥルトゥルの食感だ。
輪郭線のはっきりした微粉のならめか肌が
揃って束になって口中を流麗にめぐるのを楽しむ。
こちらは「月輪蕎麦」と同じ越前の蕎麦粉。
ここで素晴らしいニュースです!!
煙突の火が完全に消されましたぁ〜〜万歳!!(≧∇≦)
まだ残り香はあるにせよ、心も鼻腔も澄ませて・・・
「粗碾き蕎麦」
うわ〜 打って変わって黒い肌。
無数に散りばめられたホシ、素朴な風情に満ちたこの景色。
姿の通りの黒く香ばしいストイックなかぐわしさ。
味わい、甘みはごくすっきりとしているので
香りだけが口中で生まれ続けるのが余計際立って感じられる。
殻付きのまま粗碾きしただけあって、ザックザクの硬い質感。
試しに(試しにって(^^;;))汁につけてみると
汁の香りを飛び越えるように香ばしさが濃厚に感じられ驚いた!
こちらは北海道の蕎麦。
「礎(いしずえ)蕎麦」
玄蕎麦粉(2割)丸抜き蕎麦粉(8割)の配合、外二で打たれた蕎麦。
今までで一番白っぽくすんなりして見えるが・・
ふわ〜と香る、いかにも北海道らしい強くシャープな野生。
口に含むと「十割蕎麦」以上にくっきりはっきり、かための輪郭線でつるつるの舌触り。
味わいはあっさりと澄んでいる。
蕎麦汁は結構甘めなのだが
蕎麦湯に溶くとぱあーっと出汁が香り立ち甘さを感じないから不思議!
私は蕎麦湯には蕎麦汁を入れずそのまま飲むのが好きなのだが
蕎麦汁を蕎麦湯に入れるとその蕎麦汁の本当の姿のようなものが見えてくるので
面白くて時々こうして飲んでみる。
でもそれがすごくおいしかったりすると
「蕎麦湯だけで飲みたい」けど「蕎麦汁を加えても飲みたい」と
煩悩でぐるぐるになって蕎麦後の至福のリラックスタイムであるはずの蕎麦湯時間が
大変落ち着かない時間になってしまうんですけどね・・(* ̄∇ ̄*)
今日は最初の2つのお蕎麦がモクモクのおかげで今ひとつわからなかったのが
本当に残念だったが、あとの2つは十分に楽しめてよかった。
蕎麦犬頑張った!
蕎麦の甘味と香りを賭けた源平の戦い・・・
私は本日大いに戦いましたよー!(意味違う)
う〜ん・・
喫煙者のお客さんのことを思うと難しいのだと思いますが
できれば禁煙にしてくれると
ものすごーーく嬉しいんだけどなあ〜・・・
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食事したら
部屋から出て吸ってくれればお互い
幸せなのに、、、
食べログで禁煙って書いてあったのに、、
大変ためになるブログでした。
m(__)m