2016年06月26日
大阪・宇野辺「梵保庵」
その時私は京都に居たのだ。
ところが昼間に4時間、時間が空いた。
では、いざ行かむ!!
大阪・吹田市「梵保庵」へ(≧∇≦)/ !!
4時間あればたぐって戻って来られるよね〜〜
地下鉄だのJRだの阪急だのモノレールだの
どこで何回乗り換えたかわからないほど電車に乗って
やっとたどり着いた「宇野辺」駅。
初夏の日差しが容赦なく照りつける中
歩きはじめるとあっという間に暑くなりかなりの汗。
もう店はすぐそこと思ったところで突然緑の水辺が現れた。
うわー 涼しげできれい〜
(白い建物はパナソニックリゾート大阪という施設らしい)
「梵保庵」はこの静かな水辺のまん前という最高のロケーション。
店の窓からの景色もさぞ素晴らしいだろう。
ああ いよいよ「梵保庵」の蕎麦に会える!
会える・・・!
( °o°)
ぐわわわわーーーーん (lll ̄ロ ̄)!!
定休日ーーー!!!
「火・水・木」の3日間定休日だったんですね・・・
完全に勘違いして来てしまいました・・・
どうしよう、ショックすぎて池に落ちそう・・・・(;o;)(;o;)(;o;)
しかし!
これくらいであきらめる私ではなーい!
私の蕎麦愛を甘く見てもらっては困る!
なんとこの人、執念でここに戻ってきます。
時は流れて数十時間後・・・
うははは・・・・・
うはっはっはっはっは・・・・・
夕闇の中、帰ってきた蕎麦犬!!(怖い)
だってどぉーーーしても、
「梵保庵」のお蕎麦が食べたかったんだもん!
1階は蕎麦打ちスペースで店舗は2階になっていた。
下は静かだったが2階に上がるとほぼ満員でビックリ。
自宅改造なのかな?と思わせるこぢんまりとした空間だが
皆さん実に楽しそうにくつろいでいる。
窓からの景色は東山魁夷の絵そのままの深い深い青緑。
水辺の魔法だろう。
器のギャラリー&販売も兼ねているらしく
いろいろ個性的な器が並べられているのもインテリアの一部になっている。
テーブルに付くとまずはお茶とお漬物でもてなされた。
朱塗りの器やテーブルウエアが大阪らしい華やかな、気を抜かない美意識。
根来ってかっこいいなあ〜
隣のお席の方々は何だか音楽の話をしているみたい。
んー?
あそこには楽器も飾ってありますねえ・・
壁の張り紙を見て納得。
「梵保庵」では月に一度、津軽三味線の生演奏&蕎麦の会が行われているらしい。
店の奥さんが津軽三味線を習っていて
その先生はこの間世界大会で優勝したらしい!
そしてねそしてね、
その向こうの張り紙には
「当店のそば
白・信州八ヶ岳 二八の更科そば
黒・越前粉を中心とした玄挽入の二八の田舎そば」
うふっふっふっふっふーー♡
楽しみだなあ〜〜〜
お目当ては決まっていてもメニューがいろいろ楽しい。
私のような「酒量だけは小鳥」な人間でもものすごーーく飲みたくなるものばかり。
でもやっぱり一番嬉しいの赤く囲った中の文字なんですが〜
白と黒〜〜♡
ああ〜〜ウキャキャキャキャッッ(≧∇≦)♡
私の心は「白と黒の合もり」に決定しているのだから
こんな魅力的なもので誘惑するのはやめていただきたい。
上記の誘惑にグラングランに揺れている私に
さらに「小椀そば」って! 本当にやめていただきたい!!
これなら追加でイケる気がしてきちゃうじゃないですかぁ〜〜♡
これもいいですよねえ〜
前日予約ならこんな鍋コースもある。
「そばきりたんぽ」に「そばしゃぶ」〜(≧∇≦)
「夜明け前」
「いぶりがっこ」
燻製大好きな私はいぶりがっこも大好物 。
あー秋田が懐かしいなあ〜 また行きたいなあ〜〜
「金平ごぼう(ピリカラ)」
キンピラって黄金の名メニューですよねえ〜!
レンコンも入っているのがさらに嬉しい。
「そばがき」
えーーー!!
普通のそばがきのつもりで注文したら
なんとおろし汁のお風呂に浸ってきてしまいました。
メニューの「そばがき(みぞれつゆかけ)」の文字を見落としてました!やっちゃった!
でもでもでも、このみぞれつゆすごく美味しい〜
そばがきはちょっと粉感のある舌触りで蕎麦の香りはあまりしないのだが
郷土料理のようなほっこりしたおいしさ。
「河内鴨くんせい(焙り)」
焙ってあるだけあって燻製の香りがさらに際立っていて嬉しい。
やわらかく、色も質感もハムのような感じの燻製。
「だし巻き玉子(ふわふわ)」
ふわふわと名乗ったからには本当にふわふわ!!
運ばれテーブルに置かれた瞬間ふるんふるんっっと揺れてときめきました(≧∇≦)
ウワこれはおいしい!!
出汁もうまみもしっかり濃いのにすっきり上品。
食べ応えがあるのに全く脂っこくないのも素晴らしい。
ここのだし巻きものすごく好きー!
そしてついに・・・♡
「合もり(白と黒)」
あああああ
あなたに会いたかった
灼熱の中を歩き、
数十時間の時を越え、
今、私はあなたの前にいる・・・感涙。
「ざるそば(白)」
おお〜〜〜
更科なので香りはそれほど期待していなかったのだが
美しい更科と小麦の入り交じった白く甘い香りが嬉しい。
一般に更科そばは香りではなく喉ごしを楽しむものと言われているが
極上の更科そばは蕎麦の香りの美しいところだけを
天女が羽衣でふわりとすくい上げたような素晴らしい香りがあるのだ。
なかなか出会えない天女の世界ではあるが・・・
「梵保庵」の「白」はその要素に小麦の甘い香りが加わって
美しくも親しみやすい感じのかぐわしさ。
澄んだ軽やかさよりまったりまろやかな白い香り。
肌はつるつるだが一本一本がはらりはらりと独立し輪郭線に角を感じる、
ちょっと寒天にも似た独特の質感。
すっきりとした甘みがありとても美味しい更科そばだ。
「ざるそば(黒)」
打って変わって黒といったら黒い肌。
箸先から漂うストイックな黒い香ばしさに、
ふくよかな小麦の香りがまったりマイルドな印象を加えている。
みっちり密でちょっとネチッとした質感。
こんな感じの太打ちに出会うことはあるが
これは細打ちのため全体に洗練された印象であるところが素晴らしい。
肌そのものはなめらかなのに散りばめられたホシが時折ジャリッ!と楽しい刺激。
おいっしい〜〜〜!
本当に本当に、きてよかった・・・
「梵保庵」は蕎麦汁がまた異様に美味しい。
薄くすっきりした印象なのにうまみや甘みはしっかり濃いという魔法世界。
なんだかわからんがやたらに美味しいー!
だし巻き玉子があんなに美味しかったのは焼き方ももちろんだが
この出汁のせいでもあったのだ。
「鴨香」
うっわ〜 これまた大変に美味しくて困るんですけど〜〜
先程のおつまみで食べた「河内鴨の燻製」が入っているらしい「梵保庵」の鴨南蛮。
燻製というのが珍しく、香り高いために「鴨香」というネーミングも頷ける。
あたたかい汁の中で白そばがふっくらに感じられて優しい食べ応え。
そして何より出汁がまたまた美味しすぎる。
うーんこんなにすっきり美味しいと飲み干したくなっちゃいますね〜危険危険。
そしてやっぱり誘惑に負けていってしまいました、
「小夏」ちゃん!
「夏香(すだちとみょうがのそば)」の小さいサイズは
「小夏」という可愛らしい名前なのだ。
ネーミングもいいが味はもっと素晴らしい。
ほんのり甘めだがすっきりの美味しい出汁。
この「小夏」の出汁は柑橘のせいかちょっと個性的な風味になっていたが
それも含めて大変に美味しい。飲み干したい!
みょうがとすだちの風味が最高で
白そばがすっきりするするととてもよく合ってとにかく滅法美味しい。
普段もりそば一筋で種物を食べる機会があまりない私は
すだちの冷かけを食べた経験は数えるほどしかないのだが
すだちってかなり酸っぱいんですね〜
それが素晴らしいのですね〜
かなり酸っぱいので蕎麦は「すだちの本体でなく香りとともに」食べると美味しい♡
すだちのひやかけってすだちの世界一おいしい食べ方ではないかと本気で思いました。
魁夷の青緑は黒一色に塗り込められた。
同じ闇でもそこに水辺があると思うとしっとりとした黒に感じる。
水辺に眠る植物たちが見えるような気がしてくる。
店内は少し空いてきたもののオーダーは次々入るので
お店の奥さんは始終大忙し。
しかしとても自然な,営業的でない接客で感じがいい、
帰り際こんなものをくれた。
次回の津軽三味線と蕎麦の会のご案内。
「是非来てね!アラ宣伝しちゃった。うふふ。」
とおちゃめな奥さん。
あのお蕎麦と津軽三味線といろんなアテで3500円!?
格安だし楽しそう〜!!
お近くの方はぜひぜひ♪♪♪
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その執念には脱帽です。
でも、ブログを拝読してその理由が理解出来ました!
声もそうですが、半端ではないですね。
尊敬いたします!!!
こういうハプニングって行かれないままだとその後ずっと気になって悲しいんですけど,頑張って行っちゃえばすっごく楽しい思い出になるんですよね〜(≧∇≦)全部楽しかったです♪♪♪