2016年01月19日

PV ”Rosebank House" のメイキング報告Vol.3


rosebankhouse_s.jpg


プロモーションビデオ「Rosebank House」をご覧くださった方から
「Rosebank Houseって何?」というご質問を
多くいただいたのでちょっと書きます。

この曲は山下洋輔さんと演奏するために
私が去年の秋に書いた曲です。

タイトルのRosebank Houseについては・・
私の母は1950年代にアメリカで高校を卒業しました。その時に母がステイしていたバーランド家はその町で一番歴史の古い家。その家のおじいさんは1800年代にスコットランドから苦労してアメリカ大陸に渡ってきて、大草原の小さな家のお父さんのように何もなかったその地に最初に家を建てた人でした。
私は小さい頃からバーランド家の話を聞いて育ちました。私の母がアメリカにいたのは1年ですがたった1年と思えないほど母はバーランド家の影響を強く受けています。娘である私も会ったことのないバーランド家の7人の家族のことを親戚のように思ってきました。私も家族ひとりひとりの個性や口癖、エピソードなどをみんな知っていました。

アメリカで主に母の世話をしてくれたロイスお母さんはバーランド家の歴史についての大きな本を出版した人でもありました。その本はアメリカ郷土史の重要な資料と認められ全米の公立図書館に必ずあるそうです。
その本にはバーランド家のおじいさんが1800年代にスコットランドで生まれた家、Rosebank Houseも出てきます。ロイスお母さんが1950年代にスコットランドのパースにあるその家を訪れ、その時撮った白黒写真も掲載されています。

それから60年の時が経ち、バーランド家のお父さんもお母さんも亡くなり世代が変わりました。もう誰もスコットランドのおじいさんの生家がまだあるのか確認しに行こうという人は居ないのかも・・それを寂しく思った母は「バーランド家の娘」として4年前私を連れてその家を探しに行きました。
パースという街の大雑把なエリア名と、Rosebank Houseという家の愛称しかわからない。ずいぶん昔に人の手に渡っているからもはやその愛称は誰も知らないかもしれない。そんな手がかりしかないのに見つかるか大変不安でしたが、タクシーの運転手さんのご親切と幸運も重なって、広大な草原の奥のさらに森の奥に、今は人の手に渡った美しいその家を見つけた時・・・
私の頬を涙が伝いました。
「ありがとう」

ご先祖への思い。家族への思い。
叫びたいほど大きな感謝だけれど届かないほど遠い大切なもの。



Rosebank House
Ayako Takato

Rosebank House にいらっしゃい
森の奥深く でもあなたの場所からもそう遠くない
さあ私たちと家族になりましょう
モノクロームの写真の中に私たちを見つけられるはず

愛しき日々
優しい笑顔
消えてしまったあなたにいつか追いついて
伝えたい言葉



”Rosebank House" on Youtube
https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=Ogidw1ZVPvA
演奏 : 高遠彩子&山下洋輔デュオ




posted by aya at 12:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | aya>お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック