2015年12月15日

京都・京都駅「京都和久傳」大叔母とにしん蕎麦


私のルーツの4分の1は京都だ。

私の親戚には面白い人が沢山いて、
特に「女傑」と呼ぶべき大叔母達が何人もいた。
それぞれの大叔母同士には血縁はないのに「なぜこんなにも!?」
と思うくらい素敵であっぱれで、どこか笑っちゃう大叔母達。

日本で最初に海外公演を果たしたプリマドンナだった大叔母。
(なのに普通の会話が五代目志ん生級に可笑しい。相槌一つがたまらなく可笑しい)
初期の宝塚女優だった大叔母。
(バレエと日舞の名手で晩年は私の親友だった)

皆残念ながら亡くなってしまったが
今回は今も元気で京都に住んでいる「伝説のスーパー美人」の大叔母と
京都駅でランチすることに。

大叔母に会うのは久しぶりだったが遠くから見ただけで私は仰け反った。
その類稀なる美意識。
セーターも、パンツも靴もバッグもこれ以上ないほどシンプルな美しさで、
見れば見れるほど選びぬかれたものであることわかる。
マーガレット・ハウエルが見たら驚くのではないかと思う程
文句のつけようがないコーディーネート。
歳はとっても美貌は変わらず。(きゅ、90歳・・・アンビリーバボー)
肌は抜けるようにそれこそ雪のように白く、
お化粧で白いのではなく首筋まで抜けるように真っ白で、
美しい形の小さな口元には鮮やかな真っ赤な口紅つけているという・・・

ええええ??大叔母、何歳だったっけ??と何度も見入ってしまったほど
もうもうもう、ひたすら口あんぐりの美しさ!!

あまりの全身の美しさに私はどうしてもいろいろ聞きたくなってしまったのだが
なんとその美しいアイボリーの編み込みセーターは大叔母の手編みという。
しかも、
「東寺のがらくた市で糸問屋の放出品の何キロもある糸束を買って持ち帰って
細い糸と太い糸を合わせて自分で編んだの。同じデザインで何枚も編んだわ」
とサラリと言う。
そこに合わせたこれまた素敵なネックレスは
ドリス・ヴァン・ノッテンがアフリカで買い付けたビーズで作りました、
と言われたら信じるようなニクイほどお洒落な木のネックレスだったのだが(しかもニ本重ね付け)
「東京に行った時乗り換えの駅の構内で300円のを2本買ったの」
と言う!!!!!( ̄□ ̄;)!!

しかも大叔母は料理の名手でいまだに京都某店に某食べ物を卸してるって・・・・・
もうもうもうひたすらアッパレ、ただただ降参するしかない。


そんな大叔母なだけにどこでランチしていいか本当に迷ってしまったが
脚が不自由なため駅から近いところがいいというご希望。


というわけで今日は「和久傳」のお手軽バージョン、
「京都和久傳(ジェイアール京都 伊勢丹11F)」へ。

私は何を隠そう伊勢丹デパ地下で売っている
「和久傳」の「鯛ちらし」弁当がだぁ〜〜〜〜い好きでして、
その「鯛ちらし」も入っているランチコースを選択♡ 




「京都和久傳」はデパートのレストラン街にあるだけあって
さすがに雰囲気はかなりカジュアル。
出てくるお料理もかなりカジュアル〜だったのだが
とにかく最後の鯛ちらしが楽しみで楽しみで・・・♪


ところが、実際は〆の炭水化物は3つから選べるようになっていて、
そのひとつには「にしん蕎麦」もあるではないですか・・・・!!

そうか〜「和久傳」は紫野の2階で「五(和久傳の手打ち蕎麦屋さん)」
も始めたし、ここにも手打ち蕎麦があるわけなのね〜〜
うううう迷う・・・大大大すきな「鯛ちらし」を諦めて、
普段は食べない温蕎麦に、いくか?いかぬか!?


いきます!鯛ちらしはまたデパ地下で買えるし!(^o^)


というわけで和久傳的「にしん蕎麦」。

IMG_7496.jpg

おーっ意外にも太打ちの平打ちである。
そしてよく考えると私「にしん蕎麦」というものを生まれて初めて食べます(* ̄∇ ̄*)
どんな食べ物なんでしょう アハハハ〜〜〜〜



お・・?

おおお〜〜〜〜

おいしいじゃないですか〜〜

IMG_7498.jpg

まずとにもかくにも蕎麦の香りを嗅ぎたい欲求がDNAに書き込まれた虫のような私は
この絶対的に周囲を支配する出汁の香り高さにしんの香り高さをすべてかき分け
蕎麦を味わうことだけにどうしても集中してしまうのであるが・・・

これが大変美味しかった。
蕎麦粉の良さが伝わる正統のかぐわしさ、
程よいコシの中から生まれるバランスの良い、滋味深い味わい。
わ〜 予定していなかっただけにうれしいな〜〜
おそば おそば おそば(^o^)

そして出汁もさすがに素晴らしい。
とにかく和食の甘い味付けが苦手な私はこういった煮魚っぽいもの?は
ちょっとドキドキなのだがこれは甘くないし
にしんもすっきりした旨みがあって肉ホロリ、とても美味しかった。



それでも未練がましく「鯛ちらし」の写真も撮らせてもらった私(^^)

IMG_7497.jpg

あらまー!ご飯が信じられないくらい薄いではないですか!!
確かにコースでこの前にたくさんお料理が出てきたので
ご飯が少ないのは当然の配慮なのだが・・
これではせっかくの美味しいバランスが〜・・

一口もらいましたが何故かデパ地下弁当のほうがずっとおいしく感じてしまった・・
(実際この翌日の夜また買って新幹線で食べましたがやっぱりめちゃくちゃ美味しかった(≧∇≦)♡)




久しぶりに会えた大叔母とのランチタイム。
とても刺激的で楽しい時間ではあったが
今はもう亡くなってしまった親戚たちの話をたくさん聞いて
諸行無常の感、寂しさにも引きづられた。
あれほど輝いていた人達、輝いていた時代がまるごとみんな、消えてしまったなんて。


しかし食事が終わり店を出ると
いつ直したのか大叔母の真っ赤な口紅が綺麗に塗り直されていた。

それを見たらもうとにかくただただ
「参った!」!!(≧∇≦)


90歳の大叔母に元気をもらったひとときだった。




posted by aya at 15:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>京都 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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