2015年12月16日

奈良・近鉄奈良「そば切り 百夜月」


奈良にあって「百夜月」とは何とも風雅な店名である。

なんたって「天の原ふりさけ見れば春日なる」の昔から
人が月を愛でてきた土地というイメージがある。


その風雅な店は「近鉄奈良」駅出口から1分以内という超便利な場所にあり
それでいて騒々しさは全くないという奇跡の立地である。


今日は久々に来たのだが
このテントみたいな?ひこにゃんみたいな?布でくるんだようなお店・・
ユニークだなあ

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(ひこにゃん^^)

大きなガラスの向こうに店内が浮かび上がったように全部見えていて
まるで店全体がショーケースのよう。
以前来たのは昼間だったのだが夜眺めるとますます印象的だ。

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ここの店舗デザイナーはかなり攻めているなあ〜


左側の、赤い毛氈が鮮やかに見えているのは待合いスペースらしい。
石を敷いて坪庭風にしてある。

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客席から見てもショーケースな感じが面白い。
道行く人はすぐそこ、すぐ近くを通り過ぎていく。

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そして先程から私の目の焦点はあの右奥の貼り紙に集中している。

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きゃ〜〜〜

本日の蕎麦
「二八・十割」     群馬赤城産
「手挽き(限定十食)」 鳥取・溝口産

だって(≧∇≦)!!
私には

「ドレス」    ジヴァンシィ 
「アクセサリー」 ハリー・ウィンストン

と書いてあるようなまばゆさだ。


「百夜月」はおつまみ類がシンプルで品数は多くないので
とにかく「蕎麦」が入っているものを全部頼んでみました。
だってお蕎麦が入ってると何でも美味しいんだもん〜


「鴨のそば粉焼き」
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しっかり焼いてるのに柔らかく弾力があって、まぶした蕎麦粉が焼けた味もすごくおいしい。
味つけもほっとする美味しさ。
今回関西に来てから鴨を食べる機会が何度かあったのだが
不思議なことにどれも印象が似ていてどれも美味しかった。
「みんなちがって、みんないい」ではなくて
「みんなにていて、みんないい」でした(^o^)



「そばがき」
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墨のようなストイックな渋い香り。
とろとろーんと流れるようにゆるい質感で
食べるとふんわりエアリーな感じもありなめらかでおいしい〜〜
質感が質感なだけに最後は食べるのが結構たいへんだったが
おいしいので意地でも頑張って残さず綺麗にいただきました(≧∇≦)




「ざるそば 二八」
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白木のせいろに簀の質感。
美しい日本の眺め。



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潔く流麗な輪郭線。
むっちりとした弾力のあるしっかりめの食感だ。
香りはごく淡かったが、だんだんかすかにさわやかに甘い、
二八らしい香りが伝わってきた。
味わいも極限まで上品に淡かったが
これもだんだんかすかにほんのりした甘さが感じられるように。
大好きな群馬県赤城の蕎麦。




「ざるそば 十割」
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十割は趣向がうんと変えて楕円の細長いお皿に盛られてやってきた。
こういう演出の変化はこちらも楽しいし、
それぞれの蕎麦に対するお店の思いが伝わってくるようでいい。

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ざっくりと素朴な粗挽き肌、いかにもむっちりとしていそうな流麗なライン。
二八と同じ赤城だがこちらほんのりと葉っぱのような
青い野生を感じる香りが淡〜くふわ〜〜
ウレシイ(*>ω<)♡
味わいもその感じで葉っぱのような野生を淡く感じる。
見た目よりもなめらかな舌触りで、密な質感のため二八よりしっかり固め。




そして最後はいよいよ、私にとって本日のメイン・・!!
十食限定なのであらかじめ電話し今日はまだあること確認して
ウキウキやってきたのです〜♪


「ざるそば 手挽き」
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ギャー

容赦なさ過ぎの物凄い極粗挽き!!


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すすすすごすぎる・・・
見入れば見入るほど攻め攻めなこの肌・・・!

しかも姿だけでなくこちらは香りもたいへんに個性的。
言葉にすると平凡になってしまい残念なのだが強いて言えば干し草のような?
とにかく出会ったことのない個性的な野生の香り。
島根・溝口産ということで期待はしていたが面白すぎる。
食感がまたものすごい。
ゴッツゴツの輪郭線、ツブツブのフシが口中を撫で
噛みしめようとするとギチギチと固く暴れる感じ。
攻め攻めだぁー!
食感はものすごいがそこから溢れる味わいはとても美味しい。
なんともフレッシュで野生的、個性的な穀物の旨みが
ギチギチと溢れてくる本当に稀有な蕎麦。




店内のBGMはジャズ・ヴォーカル。
今サッチモのCheek to cheekに変わった。



亡き人を想いながら、蕎麦湯。

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ここの汁は甘めながらなかなか美味しく、
濃厚蕎麦湯に溶かすとさらに美味しい。


普段は蕎麦湯は蕎麦湯だけで飲むのだが
今日はなんだかいつもしないことをしている。



暖簾出て月無き路地の空凍てる






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posted by aya at 11:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>奈良 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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