あの夜階段をのぼってヨーガン・レールさんの部屋に行くと
ヨーガンさんは暗く静かな部屋でランプシェードを作っていました。
だだっ広い部屋にはその材料であるカラフルなプラスチックごみが雑然と散らばっていて
不思議な雰囲気でした。
日本のファッション界で大成功をおさめ
最高級の素材を使って美しい服を長年作り続けた
ファッション・デザイナー「ヨーガン・レール」が
沖縄の海で拾い集めたごみでした。

つい40年前は美しかった沖縄の海がごみだらけになってしまった悲しみ、
物を作る人間として自分が地球にしなければならないこと。
ヨーガンさんは静かな声で語りながらその手は片時も休めませんでした。
静かな夜、一人のアーティストが「夢中になって」ものを作っている姿に
私は目を見張りました。

そのヨーガンさんが沖縄の海岸で亡くなって一年。
私にはその瞬間もヨーガンさんが「夢中」であったことが目に浮かぶようです。
40年日本に暮らし、これからも日本に住みたい、
この国の美しさを取り戻すために何かしたいという言葉に涙が出ます。
ヨーガンレールさんのランプシェードの展示は東京現代美術館で明日まで、です。
(ランプシェード、拾ったビーチサンダルのアート、ヨーガンさんが撮った
沖縄の海の写真などが展示されています。)









I’ll never forget the night that he talked to me about his new art and thought making a beutiful lampshade with the plastic garbages in his quiet room. We lost a great artist, JURGEN LERL last year.
His exhibition is being held at Tokyo Modern Art Museum.
May Jurgen's soul rest in peace.