2015年04月09日

群馬・沼田「あずま茶屋」


手打ちか、手打ちでないか、それが問題だ。

蕎麦は手打ちでなければならない、と言っているのではない。
ただ私は手打ち蕎麦の文化を愛する「手打ち蕎麦屋さん応援派」なので
お蕎麦はできれば手打ちであって欲しい。

故に通りがかりに見かけたお店に入るか否かはその見極めにかかってくる。
「手打ち」の文字がどこかにあるか。
見えるところに打ち場があるか。


しかしこんな楽しいハプニングもある。

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道路端に燦然と輝く「手打そば」の文字。
どこをどんなスピードで走っていても、
「そば」の文字だけはそこだけ電飾がついているかのように
私の目に飛び込んでくるのはなぜだろう。
視力も全くいい方ではないのに。
これを私は「蕎麦的 逆動体視力」と呼んでいる。

看板の文字が「手打そば うどん」となっているのがやや気にならないでもないが、
店はすぐそこ、100m先らしい。ヨシ、行ってみよう!

じゃーん


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あっれー?

看板の文字が「手打そば うどん」じゃなくて「手打うどん そば」になっちゃったよ?

「手打うどん そば」の「手打」の二字はどこまで形容してくれるものなのか?
「そば」までカバーしてくれているものなのか?

ま、いいか、道路端の看板は「手打そば うどん」だったしね!(かなり古かったけどね!)
入ってみよう〜



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「はい、いらっしゃ〜い・・・・・」

大変リラックスした状態で迎えてくれるおばちゃんの声と
大変リラックスした状態の店内にいっぺんに和む。

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「いらっしゃいませ 懐かしい田舎の味を食ってみらっしゃい」

うはは〜 いいなあ〜


メニューを見ると「もり480円」「ざる500円」とかなり安い。

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うーん・・やっぱり手打ちじゃないのかな・・
ちょっと不安になってきた私。

普通はそんなことはとてもできないのだが
この店に限っては雰囲気がのんびりしてとてもいいので
高遠彩子、一世一代の大決心でおばちゃんに訊いてしまいました!!

あっかる〜〜い声で、

「お蕎麦手打ちなんですか?安いですね〜」


するとおばちゃん、

「・・うーん十割じゃないけどね・・」

と言葉を濁し(?)奥に消えてしまった!!

ううう・・うぬぬぬ・・・これはどう解釈すれば・・・・


というわけで蕎麦前に「舞茸天ぷら」を頼むことにする。
って意味分からないかと思いますが、私実は機械打ちの町蕎麦屋さんの
「天せいろ」とか「冷やしたぬき」ってものがだぁーーいすきなんですね〜〜(^o^)
「天」さえあれば手打ちでも機械打ちでも大喜びの大好物なので
どっちかよく分からない場合は保険と言ってはなんですが天ぷらをとるわけですね♪
しかも舞茸天っていうのがまた大好物なのですね!


「舞茸天ぷら」
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(このお皿も天ぷらも都会ではありえない大きさ)

えっ?  頼んだのは「舞茸天」なんだけど・・

「ふきのとうは、おまけ。」

えええええ〜〜〜〜!?
おばちゃん!!!
おまけが主役と同じくらいいっぱいありますよ!?
いいの!????

この天ぷらが最高の美味しさ!
舞茸は田舎らしいふっくら大ボリュームで、衣がバリンバリン!
ふきのとうも、すばらしい青い香りと苦味があってめちゃめちゃ美味しい〜
あたたかさに涙が出る。いやされる〜〜

思わず、感激を言葉で伝えると

「(ふきのとうは)ちょっとおっきくなっちゃったやつだけどね・・・」

と謙遜するおばちゃん。

ああ〜〜いいとこに来たなあ〜



ふと店内を見回すと店の一角は「ブティック」になっていた。

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この店のおばちゃんか、近所のおばあちゃんが作ったらしい「ファッションアイテム」に
手書きの値段がついている。
いろいろと珍しい展開にワクワクする。


「はい おまちどおさま〜〜・・・」

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つるつるむにむに、小麦の甘〜い香り。
ややピンクがかった蕎麦は手打ちではなさそうだが
こんな時こそ大好物の「天せいろ」を食べるチャーーーンス!!
(大好物なのに手打ち蕎麦屋ではどうしても蕎麦だけで食べちゃうので滅多に食べられない)
さっき来た天ぷらと食べれば天せいろだもんね〜
「舞茸とふきのとうの天せいろ」なんて最高の贅沢!!
おいしいなあー♪


ムハムハ大喜びで食べながらテーブルの隅を見ると、
割り箸や楊枝入れや食卓塩とともになにやら小さな壺があって
中によくわからないすり胡麻のようなものが入っている。

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早速おばちゃんに訊いてみると、なんと「えごま」だという。
しかもおばちゃんの、自家製!!

「ウチはね〜自給自足だから・・アハハ・・」

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これが美味し過ぎてビックリ( °o°)!
胡麻ほど香ばしくなく野性味があり、滋味なるハーブ、といった味わい。
ただでさえ美味しい「天せいろ」がこれをいれると更に薔薇色の美味しさに!!
買って帰って毎日食べたい、と思ったほどだが
生産量も多くないだろうから譲ってくれとも言い辛い。

「これは・・このあたりの人はよく作るものなんですか?」

と訊いてみたのだが

「いや〜・・・わたしだけ。」

偶然とは言え、なんだかすごいお店に来ちゃったなあ〜(^o^)




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隅の席では作業服姿のエレベーター工事関係者が
二人とも「天ざるそば 780円」を食べている。
その天ぷらが山脈のように大きい。
さっきからずっと、思い切って転職するかしないかの話をしている。


厨房にはお手伝いのおばちゃんが居るらしく
おばちゃん二人で楽しそうにおしゃべりしている。
内容は聞こえないが相当仲が良さそうだ。




都会よりも少し遅く春が訪れた沼田。

あずま茶屋の春の音。







posted by aya at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>群馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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