2015年02月19日

神田「眠庵」フランスの蕎麦とたまき庵


神田の路地裏、隙間の奥に潜む「眠庵」にて・・


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フランスの蕎麦粉で打った十割蕎麦を食べました!


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ぎゃ〜〜〜〜 黒い!
黒さもここまで黒ければ立派!
ジャリジャリもここまでいけば立派!
国内産蕎麦粉ではあり得ない激しさである。

神楽坂の人気蕎麦ガレット店「ル・ブルターニュ」にいた名職人さんが
ただいま本場フランスのブルターニュ地方で活躍しておりまして
その方が入手してくれたというフランスの蕎麦粉。

店主によるとフランスでは日本のようにまず蕎麦の皮を剥いてから製粉するという
発想も技術もないらしくとにかく皮ごとまるごとそのまんま!ガガガと粗挽きしてしまうので
この黒さになるらしい。
そしてそのガガガ粗挽きこそが、フランスの蕎麦ガレットの美味しさの秘密らしい。

というわけで、普段は自家製粉の「眠庵」だが
このフランス産蕎麦粉に関してだけは丸抜き(皮を剥いた蕎麦の実)の状態でなく
粉の状態でやってきたということになる。
これがその粉。

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素人目にはそんなに黒くもなく、どちらかというとピンクみを帯びて見えるが
これを打つとあの真っ黒になるらしい。
確かに外皮らしい黒い粒が見えている。

それにしても・・・
ただ「十割蕎麦」を打つだけでも難しく世の中では苦労している人がいるというのに
こんっっな荒い外皮がジャッキジャキに入った超粗挽き粉を
ヒョイッと十割でつなげちゃう技術って・・・
いろいろとタダモノではない眠庵店主だが、すごすぎる!



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もっは〜〜と濃厚にただよう、焦がしたような渋い香ばしさ。
味わいは土のような石のようなイメージで甘みはなくどこまでも素朴な渋さ。
フランスの空の下の広大な蕎麦畑を思い、しみじみとした気持ちになる。

それにしてもこの香り、どこかで・・
と思ったら、これはイタリアのピッツォッケリにやっぱりそっくり!
色の黒さもまさにこんな感じだったなあ。
ピッツォッケリとはイタリア北部の蕎麦パスタで
一昨年私はコモ湖の畔の「城」に招かれ
その郷土料理であるピッツォッケリ・パーティーに参加させていただくという
人生の大事件があったのだ。
http://ayakotakato.seesaa.net/article/381895797.html

パーティーではあらかじめ濃厚ソースが絡めてあったので
日本でのように蕎麦粉の香りだけをムハムハ堪能するという奇行を展開するわけにはいかなかったが
おみやげに頂いた乾麺ピッツォッケリは
帰国して自宅でこっそりそのまま、何もつけずにいきました(^o^)
http://ayakotakato.seesaa.net/article/382463559.html

今回「眠庵」で食べたフランス産蕎麦の香りは
まさにこの乾麺ピッツォッケリを彷彿とさせるもの。
乾麺ピッツォッケリは半分以上デュラム・セモリナ粉が混ぜてあったので
食感にモッチリ感があったが(それでもあれほど黒く香り高いのだからビックリ)
この「眠庵」のは十割ときている。


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ところどころに荒い粒があるのではなく全部が荒い!荒い粒だけでできている感じ。
食感はややくだびれたような、ぐったりした感じだが、
そこに儚いコシを持たせて信じられないほど端正に美しくつなげている。
ジワ〜〜と口中に広がる渋い滋味深さ。
パリ・モンパルナスのクレープリー・ジョスランで
何度も私を悶絶させた蕎麦ガレットの美味しさは、やはり蕎麦粉にあったのだなあ。
私は本当に蕎麦という穀物の香りが好きなんだなあ。



ちなみに「眠庵」ではいつもこんな黒い蕎麦を出しているわけではもちろんない。
全国各地の蕎麦が産地別で二種類、日替わりで打たれている。
この日出会ったもう一枚は宮城の蕎麦。
仙台・秋保大滝近くにあった日本が誇る超名店「たまき庵」の製粉によるもの。

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ふわーーーっとこちらに飛んでくるかのように濃厚に漂うフレッシュな、たくましいかぐわしさ。
この濃厚さはすごい。
畑がそのまま鼻に飛び込んできたかのような感激!(どんな大きさの鼻の穴)
噛みしめるとアレレ、意外と味はさっぱりめ・・・と思いきや、
きたきたきたきた下の方から押し上げるようにジッワーーーと広がる味わい深い蕎麦の旨みが!


「たまき庵」からやってきた丸抜き(皮を剥いた蕎麦の実)。

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めくるめく思いに、涙が出そうになる。

たまき庵・・!

私にあんなにたくさんの思い出をくれた「たまき庵」が
思い出の中の店になってしまった。




2013年10月の「たまき庵」






posted by aya at 09:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>千代田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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