2014年06月04日

芝公園「案山子」


今夜は、ずっと楽しみにしていた夜。

夜の「案山子」に行くんだーー!!(^O^)


芝公園駅、田町駅、三田駅の真ん中あたり。
大通りは巨大なビルだらけの大都会だが
路地を一本入ると住宅あり古い商店ありの、
のんびりした眺めに出会う。

その路地のひとつにポコンと建つ、
四角い箱のようなモダンな建物。

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この箱の中に、どれほど深くて大きくて楽しい世界があることか・・
その魅力を知る者としては、この中に
「案山子」の世界の全てが収まっていることが不思議に思えるほどだ。
四次元ポケットの入り口みたい!



木の風合いが美しい、清潔感あふれる店内。
夜は照明が落とされて落ち着いた雰囲気になっている。

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冒頭で「夜の案山子に・・・」と書いたのには理由がある。
「案山子」は夜の料理の数々がとんでもなくすんばらしいのだ。

お昼も「お蕎麦+TKG」という、ものすごくおいしくて楽しいランチをやっているのだが
(TKG=卵かけご飯)
今夜は久々に夜の料理を楽しみにやって来た。


今月はこんな感じ・・・と、ときめくーーー!

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お酒は店主と相談して、最初にお薦めされたこちら。

愛媛「石鎚 槽絞り 純米吟醸」
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お薦めってやっぱりすごいもので
本日4種類味見した中でこれが一番好きでした。



「前菜盛り合わせ」
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一皿で、目の前の世界が変わる。
「織部豆腐」「隠元胡麻よごし」「生蓴菜酢」「枇杷白和へ」「白海老艶煮」
日本人であることが誇らしくなる美しさ。

白海老は富山のもの。
甘い味付けが苦手な私なのに不思議な美味しくパクパク食べてしまう。




織部焼に見立てて抹茶をあしらった「織部豆腐」。
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その美しさもさることながら
思い切り抹茶を効かせた苦味のある味わいにも意表を突かれる。
大人の味!


「生雲丹と生湯波 ポン酢ジュレ」
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メニュー名を見ただけで飛びつきました、
大好物だらけの贅沢な取り合わせ。
上品な雲丹と濃厚な湯葉がひんやりとろ〜り、からみあう〜




「蓮根のきんぴら」
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名前も姿もこんなに素朴な料理だというのに、
これがまた何がどうしたかって言うくらい、とんでもなく美味しい!!
私が人生で食べた中で一番美味しい蓮根料理、と言い切ってしまいたいくらい美味しい。
さっぱりした印象なのに食べ応えがあり、
蓮根の旨みの上になにやら魔法のように美味しい味がついている。
(多分ごくシンプルなものなのだと思うが)。
どんな料理法なのか、訊いてみたかったけれど恐れ多くて訊けず・・
次回勇気を出して訊いてみようかなあ〜



「越中梅貝旨煮」
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全くもう、上手い人はどうしてこういうニクイことを次々とするのでしょうか!
最高の素材にさらりと手を加え、頂点の美味しさに持っていってトンと出す。
さすがは越中バイ貝、宝物のように美味しすぎますって!!
えーん、これ毎日食べたい・・今日だけでもあと10個くらい食べたい・・
楊枝でぐりりり〜〜んっと出すのには技術が要りますが
1個目は大成功、2個目は最初失敗しましたが執念で貝を割って全部食べました(^o^)



あまりにも美味しいもの続きだが興奮はまだまだ、というかどんどんヒートアップ。
これを落ち着けという方が無理です!
だってね、今日は私、人生で一番贅沢で、人生で一番美味しいアレを食べちゃったんです・・

「コロッケ」!!

しかも、真鯛の!!

「真鯛ころっけ」

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まあ遠景は普通にコロッケなのです。

しかし宝の扉を開くと・・・

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(>_<)

(>_<)

(>_<)

く、口がきけません・・

美味しすぎてどうにかなります

もう、なんというか、とにかく爆発的な美味しさなのであります。
肉の部分と白子(卵?)の部分とがほっこりほっくり別々にやってきて
さっくりした衣と絡まり、溶け合い、真鯛の旨みがぎゅううう〜〜と倍増し続ける。

これはなんですか。芸術ですか。

こんな贅沢でありがたいコロッケを食べちゃったからには
明日からは感謝と謙虚の心をもって積善に励まねば確実にバチが当たる。
ああ ありがたや ありがたや・・・



千葉「鳴海 直詰め生特別純米 千葉」
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「案山子」はお料理が鮮やかだからか酒器はシンプル。
このあと
福岡「若波 純米吟醸」
長野「澤の花 中取り 純米」
と昇進!
私はいつも通り味見のみ、のはずが
お料理があまりにも美味しいのでついついちょこっと舐めたくなり
アレ〜 今日はいつもより酔っ払っているような・・?(≧ω≦)



「砂肝コンフィ」
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砂肝好きなのでついこれも!
いつも言われるのだが私は飲めないくせにお酒が好きな人が好きな食べ物が好きらしい。
コリコリしているかと思いきやふっくらした食感に驚き。
これはお酒に合いますね〜〜(ってもう舐めない方が・・(^^;;))



ここまででもう相当堪能したはずなのだが
どれもがあまりにも美味しいので「美味しいものハイ」になってしまい
もう、できることなら全部のメニューを見てみたいのだが
私にはこの後好きな人(お蕎麦)との逢瀬が待っておりますので
あと2品ほど・・


「蚕豆 かきあげ」

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軽い気持ちで頼んだこちら。
見た目も実にシンプルでさり気ない・・・のだが!!
食べた瞬間、目がかっぴらいてゲラゲラ笑い出してしまいました!!
え〜〜〜??なんでこんなに美味しいのー!??
ありえないんですけどーーー!
さっくりした衣の中から現れる、
ほっくり甘い、畑の宝物のようなそら豆の味わい。
姿も味も、シンプルで素朴でこんなにも美しい。
はあああああ 上手い人って、本当にニクすぎる・・



「ヤングコーン、えんどう豆、あすぱらサラダ」
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うううう・・・これもまた・・・・
メニュー名と姿から「こんな感じの味かな〜?」とだいたい想像するではないですか。
それをいちいち遥か越えて、一口一口に感動がある。
それぞれの野菜のパリッとかサクッとした食感。
素材の味を頂点に引き出すセンスと腕にまたまたヘナヘナ・・・
ヤングコーンってこんなに美味しかったっけ?



もう何が何だか、お蕎麦の前にスーパーハイになってしまった私ですが
あの方にお会いする前は身を正します。

今だけは、コロッケもキンピラも忘れて、澄んだ気持ちであなたに会いたい・・


「ざる蕎麦」
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世界に誇りたい、日本の絶景。
本日は茨城と栃木のブレンド。

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繊細な平打ち、素朴でやさしい趣の輪郭線。
そこからふわーっとふんだんに漂う、ふっくらとした野生の香り!
野生味にあふれつつ、まろやかで上品な印象のかぐわしさが素晴らしい。
しっとりぴたっとした肌の舌触り。
食感は見た目の通りふんわりとやさしく、味わいも白く上品なイメージで、
フレッシュな野生の香りに良いつつ
はあああ 素晴らしい・・・・

こちらはさすが、汁も大変美味しいのだが
蕎麦が美味し過ぎて当然のことながら最後まで一度もつけられない。

鮮やかに過ぎていったあの美しい料理の数々のあとで、
今私は、澄んだ湖を泳ぐような、すべてが洗われるような心持ちだ。



そして今回は、長年気になっていた
「鴨南蛮」を拝むチャンスにも恵まれた。


「鴨南蛮」
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おおお〜
誰もが加えたくなるような菜の緑など
鮮やかな色彩を一切排した、ストイックなまでに渋い姿!

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これがまた・・
焼き葱の香ばしさといい、澄んだ出汁といい
蕎麦と鴨肉の美味しさが非常に美しく大切に伝わってくる鴨南蛮である。



店に居た時間は本当にあっという間に感じたが、
なんと今夜は、開店時刻から閉店時刻まで長居していた!!
信じられない・・・


楽しい時間は、あっという間に過ぎるもの。

楽しい夜は、心にずっと残るものだ。


posted by aya at 00:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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