蕎麦屋で鰹たどういう訳だい、と問いたくなるが
元は地元の有名店である。
「話せば長い物語よ」と芝居じみてひょうきんに答える大女将は
御歳80歳を軽く超えて尚たいへんなお元気ぶり。
この大女将は同じ葉山の有名魚料理店「魚寅」の名物女将だった人である。
葉山で明治の昔から続く魚店「魚寅」は
今は5代目の経営する洒落た魚料理レストランに生まれ変わっている。
そしてこの「蕎麦処 鰹」は「魚寅」大女将とその娘さん夫婦、お孫さんが
自宅を改造して営んでいる「蕎麦と魚料理の店」である。
自宅改造の店だけに場所は大変にわかりづらい。
今日は私の大切な大切な「湘南の家族(要は親友みゆきちゃんファミリー♪)」
4人でウキウキやって来たのだが
私は久しぶりの「鰹」だったので今回も迷いまくってしまい
家族4人を盛大な迷子の巻き添えに!(ToT)
今回肝に銘じて
「葉山の有名なパン屋ブレドール、ケーキ店サンルイ島の左側の小道を入ったところ」
と覚えました!もうこれで迷いません!


自宅改造の店ゆえ外観はまるきり普通の住宅である。

夏の玄関、蝉の声。
白い暖簾の「鰹」の文字が潔く美しい。

「こんにちはぁ〜」と中に入る。

自宅改造とは思えぬほどゆったりとした空間。
この他に個室もある。
メニューは
もりそば、辛味、とろろ、鴨汁、カレーせいろなどの蕎麦メニュー、
出し巻き卵、そばがき、牛すじ煮込みなどのおつまみメニューの他に
「蕎麦処 鰹」ならではのすごいメニューがてんこ盛りである!
じゃーん

じゃーん

魚好きの私には身がよじれそうなほど美味しそうなメニュー!
しかもこの達筆はなんと今年御歳92歳という親父さん(大旦那)の手によるものと聞いて更に驚き。
「地 小あじナンバン」

昔からのルートで新鮮な地のお魚が入ってくるというだけあって
「鰹」のお魚はいちいちおいしい。
胃の腑に染みとおるようにおいしい。
鯵の南蛮漬けはもともと大好きだがこれはなんだかやたらに美味しいなあ〜
「家族」と一緒だからかなぁ〜
これはみゆきママのチョイス。さすが!
そして大女将のすすめでお刺身は盛り合わせにしてもらいました。
どっかーーーん!

まぐろ、タイ、アジ、つぶ貝、イカ、生しらす。
宝の山に潜り込んだ猫のようで楽しかった!おいしかった!特にアジ♪
こんなにおいしいものを家族でつつき合うひとときはしあわせの一言に尽きる。
アルコールはビール、焼酎、ワインに
お酒は「竹鶴」「白岳山」「群馬泉」などがあるが
本日は運転のせいもあってお酒大好きのパパもみゆきちゃんもめずらしくノンアルコール。
でもこの家族はよく喋るし飲んでなくても笑いが絶えず楽しいんだなあ〜(^o^)
「蕎麦の刺身」

これはみゆきパパのリクエストで。

最初箸先で香りを寄せたときはほとんど香りを感じなかったが
しっかりした歯応えを楽しむうちに
それはそれはかぐわしく、正統派の蕎麦の香りが膨らんできた。
味わいも滋味深く舌に染み渡るよう。おいしい!
「自家製豆腐」


これはめずらしい、かなり液体に近いゆるゆるの豆腐である。
豆の味がとても濃いのがうれしい。
ここで「地 姫子だい天ぷら」というのが珍しいので頼んだら
今日は残念ながらできないということでメニュー変更。
「天ぷら盛り合わせ」

海老、かぼちゃ、さつまいも、なす、ししとう。
そしてなんだかやたらにおいしかった白身のお魚は尋ねると
「地のカマス」って聞いた気がしたんだけど・・
違ったかなあ〜なんだかすごく意外なお魚だったのだが・・
もうニヤニヤ浮かれて頭がふやけてたので(いつもでは?)失念。
「もり」

待ってました!
美味しい、大好きな、「鰹」のお蕎麦!

ああああ
すばらしいー・・・
氷水で締めない常温に近い空気が運ぶ、たくましい蕎麦の香り。
やや生々しいとも言える穀物のかぐわしさである。
ふっくらふわっとした舌触り、それに続く軽すぎない優しいコシが素晴らしい!おいしい!!
香りの割に味わいはすっきりとして、そのぶん甘みをストレートに感じる。
絶妙のふわっとしたコシを楽しむうちに、さらに濃くなっていく。
この蕎麦の美味しさにはグルメなみゆきちゃんファミリーも全員一致で唸ってました!
やったー(^o^)
濃厚蕎麦湯♪

「蕎麦処 鰹」は蕎麦汁がまた大変美味しい。
代々魚のプロである店なのだから出汁がいい、と思えば納得である。
今も2年ものの鰹節を手でかいているそうだ。
「うちはさ、全部ほんもの、全部手作りだから。だからおいしいのよ!」
今までは蕎麦打ち担当のお孫さんや奥さんにしかお会いする機会がなかったのだが
今回は大女将とお話することができてまさに「鰹」の歴史を見る思いだった。
たたずまいは上品だが、常連客には「おや、もう帰んのかよ」とポンポン声をかけ
私たちにも「もうさー、暑くてやんなっちゃうよね、気をつけて帰んだよ」
と家族に言うように親切な大女将。
その人柄、口調はさすがの魅力を湛えている。
おっと、せっかく大女将から聞いた店名の由来を書くのを忘れていた。
「鰹は、一にめでたい。二に力がある。三に出汁が出る。」
まさにその通りの、葉山の名店「蕎麦処 鰹」である。

(店内の自家製粉スペース。「鹿児島」っていう袋があったけど
今日の美味しいお蕎麦は鹿児島のだったのかな?(^o^))
なるたけ早く、行けるうちに行けるだけ、
いろんな蕎麦屋に行っておきたいね〜。
『竹鶴』置いてるのもいいね〜。
大旦那さんの書いた御品書きの『しらす』は生?
どっちにしても早く行かなきゃね〜。
縁あって彼とはかなり長い付き合いです。
驚くべきは、彼の私には有り得ない能力。
お店に来たお客さんの名前、好み、この前何をどのようにオーダーしたか、何が好みか・・etc
信じられない神業のように脳の襞に詰め込まれている。それは、恐るべきほどに・・
私の銀玉のようにツルツルした脳にはとてもとても詰め込まれない情報を・・
あの、ポヨポヨ(失礼 (>_<))ホノボノ (x_x)ゞ 淡々とした見た目とは裏腹に、(x_x)ゞ 凄い神業を秘めている。
話は逸れましたが、あのお店での是が非でもの、是非、是非、是非、是非・・・しつこい!!??
時期の一番の○が沢山つくような焼き魚を食べてほしい(破産覚悟で・・)
レベルの高い美味しい肴、酒、蕎麦・・etcを楽しんだ後です!!
我が目前に置かれた、あたかも、小笠原流・伊勢流の如きに見事に喰い散らかした焼き魚の骨の残骸。
おもむろにその残骸をポヨポヨ店主が盗み去る。
やや間お置いて素敵な塗りの椀が運ばれてくる。
そう! 喰い散らかした魚の残骸のアラ、骨を煮てスープを作ってくれる!!
これは、これは!!あの店のスペシャリティー!! 隠れメニューかもしれないが、感動は隠せない。
無礼覚悟で書いてしまうが、あの日あの時・・心に、舌に どの何よりも美味しかった!
あのスープで喉越しの良い素麺か冷や麦を食べてみたい!!是が非でも食べてみたい!!決して味・香りの出しゃばる蕎麦ではなく(ただし、蕎麦屋ではあるが!)
ンン〜〜ッ・・
蕎麦屋「鰹」で喰いたいな!「アラ出汁そうめん」
ごめんなさい・・・鰹さん
でも、ちょっとだけ 本当
長文すみません
過去何度か遭難して・・・ようやくたどり着けました。
> 「うちはさ、全部ほんもの、全部手作りだから。だからおいしいのよ!」
ふっふっ、鰹の由来も交え大女将から伺いました(^_^)
天ぷらホクホク、プリプリですね〜と伝えたら
地元の素材だから美味しいのよ!とおっしゃってました。
オススメの生しらすも、十割セイロも濃厚で美味しかった〜
ほんと二ヤニヤしてしまいます。
適度に改装された空間もいいですよね!
あのあたりの住宅街にある迷子になりそうで、ひっそり佇むお店
鎌倉の穴子丼屋さん「左可井」もそうだったな〜
あそこも美味しかった(^_^)
TCさまはまたいろいろ楽しい寄り道がありそうですね〜〜(^^)
酔 老 さま
>銀玉のようにツルツルした脳
っていう表現が可笑しすぎるんですけど・・
「アラ出汁そうめん」って何ですか!?美味しそう・・
やまもと さま
わあー楽しい時間を過ごされたようですね!
お話もできたようで、私も想像しただけでニヤニヤしちゃいますよー(^^)