2013年07月12日

浅草「手打そば やぶ茂」


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最寄り駅はつくばエクスプレス「浅草」駅。

銀座線や都営の浅草駅からだと少々あるが
ちょうどビューホテルの裏手に当たるこのあたりは
ユニークな店が点在し散歩するにも楽しいエリアだ。



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店内も構えもいわゆる町蕎麦屋の雰囲気。
出前のバイクも大忙しの店であるが、特筆すべきはこの店が「手打ち蕎麦屋」であることである。

メニューは「カレー南蛮」から「玉子丼」「かつ丼」「カレーライス」まで何でもござれ。
厨房も店内スタッフもいわゆる下町情緒なおばちゃん風で
愛想はなくても仕事は完璧でとても親切だ。

その雰囲気からどうしても、
機械打ちの蕎麦がドカーンと山盛りでやってくる感じがしてならないのだが、
(さあハンカチのご用意を)このお店の「もりせいろ550円」は
この値段にして店主自慢の手打ちそばなのである。
下町の良心、泣かせるではないか。

「もりせいろ」
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せいろからあふれかえるてんこ盛り。
量だけはサービス精神満点の町蕎麦屋風だが、
その蕎麦は・・・

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このゆる〜い店内においては異質なものに感じてしまうほど繊細な手打ちの風情。
細く、ややはかなく、やさしいその姿。

いわゆる江戸前ツルツルッというのではなく
独特のスベスベ感、しなやかさがあり
スルスルぱっぱっと食べられる。そこが自然な江戸の感じだ。

香りはフレッシュな蕎麦の香り、というのとはちょっと違うが
ほっとするような甘い香りが濃厚でおいしく、汁はもちろん最後まで要らない。
(ちなみに汁はザ・下町!な甘く濃い汁)

あー おいしいなあ なごんじゃうなあー


ちなみにこちらのうどんは小麦粉のせいなのか
いかにも味の濃そうな色味の濃さなのだが、味わいは意外と淡白。
見ているとやはりこちらでは蕎麦の方が断然人気のようである。



奥のテーブル席では肉体労働のお昼休憩らしいお兄さん達が
むさぼるようにランチのセット物を食べている。
ピアスに超細眉のお兄さん達が、ニッカの脚をガバッとひろげ
「カレーライスセット」や「親子丼セット」を
物も言わずに実に美味しそうに食べている。
労働の美しさというものに、なんとなく見惚れてしまう。


さらに私が気に入ってしまったのはメニューの中に見つけたこれ。
「冷たいそば うどんの部」「ご飯物の部」「おつまみの部」などの最後に

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「当店独特品の部」ほろ酔いセット!


キャッ (≧∇≦)♪







.
posted by aya at 10:43 | Comment(5) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>台東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オッ! えんこの「やぶ茂」かい・・
 渋いところが出てきたもんだ
  えんこ界隈の庶民の味方よ!

今昔物語
いつの世も、不良?(ヤクザ、芸能関係・・)は地名を逆さ読み、略読みした。
のがみ→上野 ざぎん→銀座 ぶくろ→池袋・・
えんこ界隈をウロウロするとは・・
でっ、お勉強会
 何で「えんこ」?
  何のことはないが明治時代にはあの界隈を浅草公園と呼ばれていて、その公園の逆さ読み。
でも、今時の子に「じゅく」と言ったら、きっと原宿なんだろうな。
などと えんこ をウロウロ徘徊する蕎麦娘に教える人でした。
Posted by 而酔而老 at 2013年07月12日 17:14
なつかし〜!
高遠さんがココへ行くとは思わなかったぁ。
相変わらず繁盛店なのですな。

『当店独特品の部』も健在で。『セットメニュー』でいいじゃないのさ。ひと品しかないのに『部』にしてるんですよね。
あと、ココでおすすめなのは『おつまみの部』です。
まず『かつ煮』がある!(医者が何と言おうがビバ揚げ物!) そして、他のつまみも定番品でありながら実際にたのんでみると、形状やボリュームが定番じゃない! サービスがいいの!

そして『手打ち』。古くからあるお店では「手打ちっぽくないけど手打ち」というパターン、ありますよね。
ココはまだ外観に2ヶ所も3ヶ所も『手打』の文字があるので判りやすいけど、私が10年以上たまに寄り続けている都内のとあるお店は、手打ちだなんてどこにも書いてなくて、打ち場は絶対に見えない所にあって、そもそも御主人が「だって誰にも(手打ちだと)言ってないもの」という徹底ぶり。
それで『もり』『かけ』400円で量たっぷりだもの、ほとんどの人は気付かないですよ。
ひそかな楽しみです。

> ほろ酔いセット!
> キャッ (≧∇≦)♪

いや、「キャッ」って、あなた。
「ほろ酔い」っていうのは「酒を飲んでいくらか酔いが出ていること」(大辞泉)ですよ。1杯いかずにテロンテロンで血管まで切れちゃってちゃあ、ほろ酔ってるヒマも無いじゃないの。
『駆け抜ける2せんべろセット』でしょ!

(こうるさい年寄りでごめんね。もう50歳になったので、四捨五入で約100歳なの)
Posted by TC at 2013年07月13日 04:30
而酔而老さま
「えんこ」実際に使ったことはないですがうっすら〜と知ってましたぁ〜、而酔而老さまには日常語だったとは!
ザギン、ブクロはまだ通じますがノガミは通じないかもですね・・私突然言われたら絶対わかりません。ちなみにバーソー行く?と言われて通じなかった経験もあります(^^;;)

TCさま
>『当店独特品の部』も健在で。『セットメニュー』でいいじゃないのさ。

よくないですよー!なくなったら私悲しいです。
「当店独特品」も「一品しかないのに”部”」も味わい深すぎます。こんなナイスなメニュー見てたらもう嬉しくってまたおちょこ3杯で顔の血管切っちゃいます!キャッ (≧∇≦)♪!!
Posted by aya at 2013年07月24日 22:12
Posted by 榊原福美代 at 2018年03月16日 18:59
頂きたかったですね🌷
Posted by at 2018年03月16日 19:26
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