2013年04月10日

秋田・仙北市角館町「そばきり 長助」


<秋田・仙北市 蕎麦の旅その6>

どれほど長い間ここに帰ってくることを夢見ただろう。

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10年前に初めて訪れて以来3度目の、「そばきり 長助」。
東京から近い距離ではないだけに嬉しさもひとしおである。


角館の観光名所「武家屋敷通り」のすぐ裏、
小人町に翻る弁柄色の暖簾。
町名からもこの街の歴史の深さを感じさせられる。

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「そばきり 長助」は筋金入りの農家の蕎麦屋。
蕎麦の種まきからお客さんに出すところまで、
すべての工程を自家生産している全国的にも稀少な蕎麦屋である。

自分の気に入った蕎麦だけを栽培し、収穫し、磨き、石抜きし、選別し
年間通して風味を損なわぬよう玄蕎麦のまま低温貯蔵庫で管理保存し
その日使う分のみ自家製粉して手打ちする。
しかも毎日「十割(白)」「十割(黒)」「二八」の3種を打ち分け、
土日にはさらに限定で「スペシャルな十割」を打っている。

普通にお蕎麦屋さんを営業するだけでも大変なはずなのに、
一体いつ寝ているのかと開いた口がふさがらないほどの仕事量である。
聞けば収穫の時期はやはり過労で毎年5キロは痩せるそうだ。

しかし「そばきり 長助」店主には
「自分が美味しいと思う蕎麦を作るためにはひとつの手抜きもしたくない」
という情熱がある。
その情熱が「そばきり 長助」の強烈なエネルギー源となっているのだろう。

そんな偉業の末のお蕎麦を、お店に行って「くださーい」と言えは簡単に食べられるのだから
お客さんというのはなんと楽チンで幸せなのでしょう(^^)


とは言え前回までの2回は、私はまったくそんな影なる苦労は知らなかった。
ただ「農家のお蕎麦屋さん」とだけ認識していて
そのお蕎麦の美味しさにびっくり魅了されていただけのファンであった。
打ち場で黙々と作業する店主の姿に秋田の男らしさ、たくましさを感じ
秋田っていいなあー、かっこいいなあーと思っていた。


そんな「そばきり 長助」のお蕎麦。

私が再会を夢見た「二色もり」!

「二色もり(数量限定)」
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うわぁぁおいしそう!!
もう見ただけでおいしい!食べなくてもいいくらいの感激!
なんというこの景色・・・素晴らしすぎる・・・


感極まってつい激写、連写。

「十割(白)」
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ふっくらゆたかな「白」の美肌。
「黒」との対比がまた素敵すぎて、
あああ もう私 この白と黒の間に住みたい・・・


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ムーと穏やかに、しかし濃厚にただよう上品な香り。
なんとも厚みのあるかぐわしさに思わず目を固く閉じる。
口に含むと実にやさしいコシが迎えてくれ、
そこからひろがる豊かがふっくらした味わいがたまらなすぎる。さいこうです。すばらしすぎる。
ああああ あなたはなんとやさしく、さりげなく、豊かに深い方なのでしょう
ってもう早くも私は壊れました。
ああーおいしいよう ばんざーい・・・(ヘナヘナヘナ)



「十割(黒)」

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もうこの美しさについては一体どうなんでしょうか
この重なり。肌。輪郭線。
これ程かっこいい食べ物って他に思いつきません。

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ドキドキしつつ「こんな素晴らしい香りがするんだろうな」と想像しながらたぐり上げる。
すると、うわあああ これまた、なんという・・・
その想像の美しいところだけをすくい上げたような絶妙さにまた目が開かなくなる。
外側の香ばしさ、たくましさが、じわーと淡く美しく伝わってきて
いやらしさが全くない、実にさりげなく洗練された「黒さ」なのだ。
ふっくらとした食感の中に潜むジャリつぶ感のさりげなさがまたニクイ。
ああー おいしすぎる すばらしすぎる
ご近所の方が本当に本当に羨ましい!!


さらに、本日は「土日限定のスペシャルな十割」、
「十割赤そば」もあるのです!

この「赤そば」とは、先日行われた
「そば食べくらべの会・タベクラーベ」
でも一番人気、話題をさらった「高嶺ルビー」という、赤い花をつける珍しい品種の蕎麦。
もちろん「そばきり 長助」ではこれも自家栽培、自家製粉の手打ち蕎麦である。


実は私、この時すでに「ものすごーくお腹いっぱい」だったので
「十割赤そば」はほんの少しいただくつもりでした。
が!
頼み方が悪かったようで、ガッツリ一人前来てしまいました!


「十割赤そば」
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ど、どうしよう、富士山ぐらい大きく見える・・・
食べきれる自信全くなし・・・

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しかしこれがまたどうにもこうにも凄かった!!
見るからにみずみずしくやわらかそうな肌。
手繰り上げると、かつて出会ったことのない香りがパーンと私を包み込んだ。
あなた誰ですか!?ほんとにお蕎麦さん!?というくらい突き抜けた野生の香り。
見た目の通りぬちゃーとやさしくやわらかーい食感と
これまた独特、出会ったことのないコシが絶妙で
そこあふれる味わいがまた素晴らしい。
苦みにも似た野趣あふれる旨みが、淡く美しく真ん中に浮かぶようにある。
いや〜〜〜びっくりです。こんな美味しさもあったんですか。

アッッ!(もっとびっくり)

一気に全部食べちゃった・・・!
半分も無理かと思ってたのに・・・(^^;)



ちなみに店主は元樺細工職人。
「そばきり 長助」にある「木で出来たもの」は食器から家具まで
ほとんどが店主の手によるものである。

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境界線がユニークな机は、小学校の机を思い出して私もお気に入り(^^)

聞けば聞くほど、いつ寝ているのか心配になる店主だが・・・



次回までしばらくの夢を見て、

また「長助」のお蕎麦に会いに行きたい。









.
posted by aya at 15:02 | Comment(5) | TrackBack(0) | 東北の蕎麦>秋田 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うわ〜、自家栽培のお店ということだけでも凄いのに
家具、器まで作ってしまうとは・・
おそばも空間も店主の世界感に包まれた手作りのお店、ほんとうに素晴らしいですね!!
しかも、めちゃめちゃ美味しいなんて、かっこ良すぎます!!
テーブルの真ん中、さりげなくていいですね (^^)

数年に一度でいいから、自分を見つめ直すための「人生の休暇」をとって、こんな旅してみたい・・・。

ayaさんもいろいろ有った後なので、良いリフレッシュになったんでしょうね〜
Posted by やまもと at 2013年04月10日 20:20
やまもとさま
もしやまもとさまならどんなお店・・?と想像楽しくなっちゃうコメントありがとうございます。
角館は新幹線だと本当に近くてびっくりでした。贅沢ですが日帰りも全く余裕ですよ♪でもなかなか勇気の要る贅沢ですね(^^;)
Posted by aya at 2013年04月12日 23:48
なんとなんと、長助さん、タベクラーベの経験を生かし、この桜祭り期間中から、今までやっていた白&黒十割の「二色盛り」の黒のかわりに、会津在来十割白と高嶺ルビー十割と合わせた「二種盛り」を提供開始しました!
自信を持ってお勧めします!
Posted by たみ at 2013年04月28日 19:07
たみさま
うがうあがうが〜〜〜!!行きたいです〜〜ほんと、たみさんの秋田情報は毎度悶絶です。どこでもドア〜〜〜!!(>_<)
Posted by aya at 2013年05月15日 00:25
初めまして。岩手県南に住まいします、こまとといいます。本日高遠さんのブログを拝見したとたん蕎麦好きの爺さんとしては無性に食べたくなり、長助さんにお邪魔し食しました〜!今日は、おすすめの十割り二色そば大盛りです。おつきの、蕎麦羊かんも絶品です(甘味大好きです)。癖になりそうな予感なのでお店の方とのお話で、次回は赤蕎麦を頂きたいと思います。岩手にも美味しいお蕎麦がありますので機会がありましたら是非散策がてらご一緒したいですね!
Posted by こまと at 2017年05月21日 22:38
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