2012年12月06日
一橋学園「手打蕎麦 醍醐」
おいしい店、おしゃれな店、使い易い店、いろいろあるが、
「理屈抜きに大好きな店」というのがある。
この店は行く前に電話をした時点でもう大好きになってしまった。
「営業時間は何時からですか?」と電話すると
なんとも朗らかな、しかも自然な調子で
「11時からやってまーす、おまちしていま〜す」。
その声を聞いただけで私はすっかりリラックスしてしまった。
いいなあ、どんなお店かなぁ
ワクワクしながら訪ねる。
臙脂に白字を染めぬいた暖簾。
「好きな言葉は手打ち蕎麦」と言って憚らない私は
その堂々たる「手打蕎麦」の文字にシビれしばし見惚れる。
(本当に文字だけで心からときめいてしまうのだから我ながらどうかと思う)。
植木や小さな待合椅子の備えられた外観は
なかなか落ち着いた雰囲気だ。
ところが、壁に目立つように掲げられたメニューを見てビックリする。
けんちんせいろそば うどん ¥600
おろしぶっかけ車海老天ぷらそば うどん¥700
肉せいろそば うどん ¥800
えーっ手打ちでこの値段、この安さは一体!?
メニューを見ると「せいろ¥750」「鴨せいろ¥1150」と
通常メニューの値段はごく一般的なので、全然割にあっていない。
せいろが¥750で、けんちんせいろが¥600ってどういうこと??
のーんびりと店主。
「大サービス品なんです〜」
「景気もなかなか回復しませんからねえ、
お客様に来ていただかないことにはどうしようもないですよね〜」
まるで他人事のような物言いに思わずクスッと笑いたくなったが、
いやいや サービスったって、この値段は・・ねえ?
「そーおなんですよ!全然つじつまがあわないんですよ!」
と、驚いた表情ですっとぼけたように言うので、ついに笑い出してしまった。
マイッタ。好きになっちゃったぞ!!
ではその大サービス品を、いただこうではありませんか!
「けんちんせいろ」
けんちん汁をつけた方が150円も安いのですから
いくら私でも「「けんちんせいろ」に致しますよ〜
贅沢気分!
ふっくらフワンとした白い肌にくっきり黒いホシ。
ありそうでない個性的な姿に意表を突かれる。
さらに噛みしめてみて驚いたのはコシの強さ。
小麦と蕎麦の香りが混じった甘い香りと味わいで
蕎麦の香りもしっかりしているのだが、よくある二八そばの美味しさというよりは
「うどんみたいで美味しい」のが不思議だ。
あとでうどんを食べてうどんがとても美味しいのでなるほどと思わされた。
けんちん汁は具沢山とはいかないが(なにせマイナス150円の偉い汁様だ)
胡麻油の香りが豊かでおいしい〜
蕎麦をつけるとコシが程よく柔らかくなりまたおいしい〜
「おろしぶっかけ車海老天ぷらうどん」
大きな天ぷらにギュ〜と美味しい汁。
そしてうどんがすごくおいしい。
つるつるの肌と弾むコシ、何より小麦の味わいが濃い。
この店はそばうどんメニューがとても充実していて
「納豆」「おろし」「とろろせいろ」「天せいろ各種」
「たぬき」「きつね」「月見」「玉子とじ」「若どり南ばん」「カレー南ばん」
「にしん」「かけとろろ」「鍋焼うどん」「味噌なべうどん」
などなどなどの他に
創意工夫に溢れるメニューが面白い。
「力カレーうどん そば」
「鴨カレーうどん そば」
「海老カレーうどん そば」
「わさび」
うーん、「手打蕎麦 醍醐」
まだまだ相当奥が深そうだ!
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ご近所でお昼を日替わり蕎麦していたころ・・・
平日の昼飯時、定休日を違える店を確保して、田堀、佶更(当時)、中屋(東大和)、悟空(一橋学園駅を醍醐側に降りて、スーパーの角を左に曲がると学園坂商店街。この坂を下りて行く途中にありましたが、何年か前に閉じてしまった)及び「その他」を日々とっかえひっかえして回っていたことがあります。
「その他」の中には、この醍醐始め色々なお店があって、西国分寺から立川、東大和、小平等々自転車で行きつける1時間内ゾーン(往復及び食事時間含め)を渉猟していました。
問題は真夏の暑さ、臨時休業。お店によっては「休みます」メールを入れてくれたところもありました。
当店の蕎麦、少し白くなったかな?ちょっと糸こんにゃくめいて見えていたんですけど、粉が変わったか?
>お店によっては「休みます」メールを入れてくれたところもありました。
わぁ〜心温まるお話!いかにもご近所づきあい、でいいですね〜。
糸こんにゃく。。うん、確かにやや透明感はありましたが、ややです。白いお蕎麦でした!