2012年10月24日

千葉・国府台「SOBA ISBA いさと」


その宇宙の入口は、国府台の住宅地の一角に突然在る。


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「どうぞ中へ」と、にこやかに誘う黄色い暖簾。
私は吸い込まれるように中へ入る。




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ごく普通の民家のリビング。
私はこの窓から差し込む光がたまらなく好きだ。
この光が照らす時間が好きだ。


早く「いさと」のお蕎麦に会いたくて、つんのめって早歩きしてきたので
(私はソ走りと呼んでいる)
10月の大汗をかいた。
で、こうなる。

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アルコール類については語る資格がないほど弱い私だが
このビールはとても好き。
日本のビールの中では特別な味がすると思う。


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いさとの野菜はほとんどが地のもの、また自家栽培のもの。
いぶりがっこも嬉しいなあ〜大好物。



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千葉の美味しさ「ゆでピー」。



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「佐久の花」
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そして、なんといっても
「いさと」のおつまみといえばはこれ。

「玉子焼」
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食べたことのない方には一見普通の玉子焼かもしれないが
側面を見れば脳もとろける〜♪

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とろ〜り ジュワァ〜
味噌、黒糖、唐辛子で煮込んだ鴨肉が肉厚の玉子焼きの中にたっぷり入った、
「鴨肉入り玉子焼」。
黒糖のがっしりとした甘みと味噌の風味が独特で
私の周りにも熱烈なファンの多い人気メニュー。
何かの真似ではなく「自分の閃きと信念で突き進む店主」ならではの
アイディア玉子焼だ。



そしてこちらはその店主会心の新メニュー。
蕎麦畑がそのままカタマリになったような、
宝物のように繊細で美味しい「いさと」のそばがきを
油で揚げちゃうとは何事だ!と思うのですが・・・

「揚げそばがき」
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わ、わ これは美味しい。
カリッと揚げられたそばがきは濃い汁と油の香りがたまらない、ストレートな美味しさ.
揚げ出し豆腐のように誰もが大好きな「日本のおかず」の美味しさである。
しかも何がすごいってその中から現れるそばがきの存在感。
これだけしっかりした味の中では
蕎麦という穀物の「地味な滋味」は薄れて当然なのだが
それがしっかりと感じられる。
汁と油の美味しさの奥に眠るふくよかな蕎麦の香り・・・
添えられた宇和島のあこや貝も風味豊かでおいしい。




しかし、やっぱり私は
「動物と蕎麦は何も着ていないのが一番好き♪」

「そばがき」
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「いさと」の「そばがき」はテーブルに運ばれて尚ぐつぐつしているのが凄い。
(以前動画アップしてしまったほど!)

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ほわあ〜〜 温かい湯気が運ぶ香り。
青い野性味をまとったかぐわしさが、私の脳を狙い撃ち麻痺させる。
ふわとろざらもにょの舌触りのあと、
その粒子と粒子は口中で粘りつくことなくあっけなくまばらにほどけてゆく。
蕎麦畑に頭をつっこんだかのような夢、ストイックな味わい。
はあぁ おいひい・・・ふわとろざらもにょ・・・




そして宇宙にたどり着く。


「ざる」
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透き通る、いさとの宇宙。

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私は宇宙を見ているのか、宇宙の中にいるのか。

吸い込まれそうな肌。その重なり。

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不規則なざらつきを持ちつつも、はらふるぷるりとした肌は
どこの蕎麦屋でも感じたことのない、まさにここにしかない宇宙である。
独自の理想を追求し続ける店主に選ばれし美しき蕎麦のみが大切に手挽きされ、
そのままやさしく手をつないだかのような特別の食感。
「いさと」では毎度のことではあるが、私は恍惚降参泥酔状態である。

私の脳内をシャキーッと洗うかのような鮮烈な香りの宇宙に浮かぶうち、
記憶の中で何かがうごめく。
この香り・・
聞けば先日「潮」で出会ったのと同じ、北海道・雨竜町の蕎麦であった。
無論同じ蕎麦であっても、その特性を出しきれなければ
まったく違うところにたどり着くだろう。
卓越した技術を持つ二人の蕎麦職人が打った蕎麦が
姿や食感はまるで違えど同じ高みにたどり着いたという事実。
同じ蕎麦なのだから当たり前といえば当たり前のことなのだが、
私は少なからず感無量となった。
その両者に全く違う印象と感動を覚えつつも、
同じ最高のものを掴んでいると感じることが、凄いことに思えたのだ。



食後にはこんなうれしいものが。

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大きな大きな、栗の渋皮煮。
栗は大好きだが甘いものは苦手な私、
そのすっきりさわやかな甘さ加減にびっくり。うわぁ おいしい〜〜
このさわやかさの秘密は?と奥さんに尋ねると
「うふふ〜〜 結構大変なの♪」
とうれしそう。
かわいらしい秘密だな。



静かなリビングに注ぐ、秋の午後の光。


私にとって「いさとの宇宙」とは、その蕎麦なのか
この窓からの光が照らす時間なのかわからない。

ただ思うのは
「いさとの蕎麦にはこのリビングの光の中で出会いたい」
ということだ。




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2011年4月の「SOBA ISBA いさと」
2009年12月の「SOBA ISBA いさと」





<1012/10/31 ライブ出演のお知らせ>










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posted by aya at 15:52 | Comment(5) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>千葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うわ〜、こんなに画像から美味しさが伝わってくるお蕎麦って、
本当にすごいですね。
撮影禁止の某藪蕎麦店の蕎麦もすごかったけど、
ここのも負けず劣らずすごいですね。
とにかく食べたい♪

話は変わりますが、
ゆでピーって美味しいですよね^^
Posted by 蕎麦めし at 2012年10月25日 00:25
「ソ走り」そのネームング思い浮かぶところが素敵です(笑
つんのめって早歩き・・・まさか右手右足同時に動いてませんよね??

宇宙そば、うっっ、なんて美味しそうなお姿でしょう!!惚れぼれします!
揚げそばがき、揚げると焼いたときのように甘みが強くなるんですか!?

青空の日差し、風と自然を感じながら食べるそば、全身で美味しさの全てを吸収してるのか、より美味しく感じます。自然の中で食べるそばは好きだな〜
Posted by やまもと at 2012年10月25日 20:19
蕎麦めしさま
嬉しいコメントありがとうございます。蕎麦めしさまのコメントを見て今写真を見返し私もものすごく食べたくなっちゃいました。ゆでピーおいしいですよねー!でも意外とひろまっていないですよね。

やまもとさま
自然光のの降り注ぐ蕎麦は美しいし、外で食べる蕎麦はもっといいですね!ほんと、全身で食べている感じですよね。
ソ走り、やまもとさまはしたことないですか〜?(^o^)
Posted by aya at 2012年10月29日 16:28
もちろん!ありますよ〜!!

最近では・・外より家ソ走り!?
そば粉が届く日には、普段の怠け者ぶりが嘘のように
やたら素早く玄関で受け取ります(笑
Posted by やまもと at 2012年10月30日 12:37
やまもとさま
かっ かわいい・・(すみません)
Posted by aya at 2012年11月04日 07:34
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