銀座シネパトス。
2013年3月、閉館。

のどかな円形の外観は古き良き昭和の趣だが、
階段を降りればのどかどころではない。
昭和がぐりぐり煮詰まってものすごい濃い味になって、
この地下いっぱいに染み付いている。

映画館の他に数軒の飲食店が並んだ地下街は
浅草地下商店街ほどではないにしろ、古い建物独特の匂い。
写真に写り込んでしまった人々も
後から見ると驚くほどこの建物にマッチしている人ばかり。
「ここはもう何十年もアタシの遊び場なの」といった感じの
キメキメひっつめ髪に全身ピタピタラメラメおばあちゃんは元不良少女風。
濃い眉と険しい表情が外国の女優のようだ。

古い建物の匂いは映画館の隅々までも染み付いているけれど
劇場内は改装されていて古くなく綺麗。
スピーカーが前にしかないのも
サラウンドスピーカーに慣れている耳には新鮮だ。
ハリウッドが舞台の映画を観て、
アメリカンドリ〜〜ムな世界に2時間浸って出てくると
まず見える現実世界はこんな眺めである。

こっちのほうが夢・・・?

ちなみに今回観た映画はこれ。

80年代ロックンロールミュージカルということでしたが
何よりそのコメディー要素に、声を潜めるのが大変なほど笑ってしまいました。
あっぱれトム・クルーズ、可笑しすぎる・・・!!
銀座のこの場所で、
大手シネコンでは上映していない映画が観られるのも
あともう少しだ。
<1012/10/31 ライブ出演のお知らせ>
地下に降り立てば、そこには昭和の歴史が堆積したかのような異次元空間が。
明らかにそれとわかる学生服をできる限りわからないよう片手に抱えおずおずと入場券売り場のおばちゃんに「大人一枚・・」わかっているのに「はいっ!ロマンポルノ大人一枚ね・・」 勢いをつけるのに未成年のくせに並びの三原(食堂?)でビールをひっかけ・・
つい先日あの階段に腰掛けてぼんやりと見ていると、夢か幻か、そんな若かれし自分の姿が思い浮かばれた。
好きだった場所が時に流され行く
仕方のないことだが やはり寂しい
あえてこう呼びたい赤い別珍のシート、残せるものなら残してやりたい赤い別珍のシート
時は平成 昭和が流されてゆく
今日は戯れません
ここは私の疲れたときの憩いの映画館だったのに。。
なぜかホッとするんですよね、ここ。
ここ数年古い日本映画にはまっているのでこちらでいい映画たくさん見せてもらいました。
豊かな時代、すてきなファッション、大人の考え・ふるまい等教えてくれるし、小さい頃見た
場所を思い出せてくれるから好きなのです。
2日の日に和泉雅子さんがゲストでいらっしゃるようなので行こうと思ってます。
この劇場について書くには私なんて青すぎると思ってましたので素晴らしいコメント嬉しいです。こういう声が、聞きたかったです。
25¢さま
ほっとする憩いの場がなくなってしまうは寂しすぎますね・・・
fatricefarmさま
はじめまして、コメントありがとうございます。
>豊かな時代、すてきなファッション、大人の考え・ふるまい等教えてくれる
素晴らしいですね!古い映画に出てくるのファッションは本当に素敵ですし、現代にはいない「若い大人」が出てくるのもため息が出ます。
あのね、あのね、
この地下街には少し前まで、銀座で唯一の正統派の色っぽいグッズショップがあって、そこを経営していたのは私達と同じ誕生日のKB氏の友人で、近所のとある大劇場で公演がある時は出演している名門の超名優がちょいちょい顔を出していたという、そんなエピソードがあるので、今度会った時に実名で詳しく……聴きたくなさそうだね。
水を失い、猥雑さを失って、銀座は年々きれいにラッピングされていきますなぁ。
ちょっと前まであそこの飲食店の並びにも蕎麦屋があったんですけどねぇ。
もう、相変わらず可っ笑しすぎますからTCさまは・・(^^)
あのね、あのね、と意外な始まりと思ったら「正統派の色っぽい」と来て大爆笑。詳細聞きたいですよ、いつか教えてくださいね。