
「青梅街道」の真上にある「青梅街道駅」。
改札を出て左に歩けば店はすぐ「青梅街道沿い」に見えてくる。
どうにもこうにも青梅街道、
外観からはわかりにくいがここはすごい店なのだ。
店に入ってみよう。

普通だ。
非常に気楽でのんびりとした、
居酒屋のような食堂のような雰囲気である。
ところがメニューを見てびっくり、食べてびっくり佳蕎庵、
なのである。
とにかくメニューが多くて、どれも美味しそう。
まずは、
そばメニュー、
「天付きもり」「上天付きもり」「野菜天もり」「小海老おろしぶっかけ」「かき揚げもり」
「辛味おろし」「冷やし山かけ」「鴨もり」「鴨こま切汁もり」
うどんメニュー、
「もりうどん」「肉野菜汁うどん」「肉汁うどん」「肉葱汁うどん」「鴨もりうどん」
「鴨こま切汁うどん」「つけ玉うどん」
季節のそばうどんメニュー、
「揚げ茄子ぶっかけ」「納豆ぶっかけ」「ひやかけ」「南高梅おろしひやかけ」
「きのこおろしぶっかけorひやかけ」「ねばとろぶっかけorひやかけ」「すだちひやかけ」
御飯物メニュー、(ハアハア・・・タイプするだけでも大変)
「江戸前にぎわい天丼」「海老野菜天丼」「かき揚げ丼」「小海老ちらし天丼」「とろろ丼」
その上「本日のおすすめ」らしきおつまみメニューがすごい。
「一本釣り物!関自家製〆鯖」「小笠原尾長鯛刺身」「真蛸ぶつ」「黒鯥兜煮」
「天然真鯛兜煮」「えぼ鯛煮付」「愛知浅利純米酒蒸し」「氷下魚炙りマヨネーズ」
「真蛸とアボカドタルタルソース」「小平産茹でたて枝豆」「新じゃがフライドポテト」
「ニラ玉」
そば・うどんメニューがあれだけ揃った上に
もうこれは「料理自慢の居酒屋さん」ではないですか!
なるほど日本酒メニュー、焼酎メニューの充実も凄い。
なにやら珍しいお酒もあるらしく、
カウンターのところに置いてあるお酒の瓶の写真を撮りに立っていく人もいる。
しかも蕎麦も魚も産地を厳選し、
野菜などはできるだけ地元である小平産のものを使用ということで
食材への思い入れも伝わってくる。
そんな店ながら、ですよ。
(ああ ここまでが長かった)
そのお蕎麦の本気っぷりがすごいのだ。
基本的にお蕎麦は3種類。
「生粉打ち」
「粗挽き」
「もりそば(並そば)」
うふ♡ もう頼んじゃった。

あーんなに美味しそうなメニューを全部すっ飛ばし
最初からお蕎麦にツッコむ私・・・こりゃ蕎麦原理主義とか言われても仕方ない。
「もりそば(並そば)」

本日は岩手の蕎麦、品種は「階上早生」。

つるりなめらかな極細切り。
箸先に手繰り上げると・・おほー! これは濃い。
ひんやりしゃっきりしめられているにも関わらず
ムワァーと濃厚な香りが伝わってくる。
極細の蕎麦は口中でこまかな束パラ感を感じさせ
ちょっと津軽そばにも似た、つるつるムニーとした歯ざわりだ。
すこし瓜のようなイメージの爽やかな香りと、野性的な味わい。
とにかく香りも味も濃いので
つるつるの細切りだが食べ応えがあってうれしい。
「生粉打ち」

本日は長野の「信濃一号」の新蕎麦。

おおー こちら打って変わって ほぼしめていない常温である。
蕎麦粉は違うのにこちらにも先程の「もりそば」に似た
瓜を思わせるさわやかさがあるのが面白い。
パラッとほどけるような、ハラハラとした食感の中からこぼれる
草のようなたくましい味わい。
おいしい〜
「粗挽き」

本日は福井の蕎麦、「大野在来種」。

きゃーー これはおいしそう すごくおいしそう もう食べる前から大好き!
こちらもしめていないほぼ常温そばで、
粗挽きだけにたぐり上げた箸先からはことさら強烈な香りは感じられなかった。
しかし来た来た来た来た・・・
ジワジワと、迫るように私を染めるようにやってくる
その香りの素晴らしさときたらなんでしょう。
まるく、しろく、きよらかに甘い香りがホワ〜〜〜ッ
口中をめぐるざらつきもやさしく、
ひゃー これはおいしい おいしすぎる!
そしてここはうどんももちろん手打ち。
これだけ蕎麦が美味しいのだからうどんも美味しいに違いない・・・
「もりうどん」

「佳蕎庵」のうどんはなんと小平産の小麦と、各産地の小麦のブレンド。
本日は小平と香川と愛知。

やっぱりこれまた味が濃い!
おいしい国産の小麦で美味しく作ると、うどんも本当に美味しいんだなあー
細切りちゅるちゅる、やわらかいのにしっかり弾む食感もいい。
これだけのお蕎麦、うどんを出す店が
あんなにたくさんのメニューを全部カバーしているなんてすごいなあー
昼時には「ランチサービス」というセットがあり本日は「天ぷらセット」。
この内容がまたお蕎麦屋さんとは思えないワクワクするもの。
ランチの天ぷらが
「海老or穴子」+「本日の魚(イサキorタコ)」+「野菜天」
と選べるなんて楽しいではないか。
あれだけ美味しい蕎麦とのセットではもったいないようなサービスだ。
「私ねー、穴子とイサキ!」とつい選びたくなるではないか。
でもやっぱり私は次回もお蕎麦三種類に暴走したくなっちゃうんだろうなー
佳蕎庵ランチは遠し!