2012年09月01日

秦野「手打そば くりはら」



「くりはら」に帰りたい。



春に訪れたあの日のアルバムをひらく。


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そんなに似ているわけでもないのに

生まれた家を思い出すような、

帰るべき場所に帰ってきたような気がする、

にほんの家。


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漬物ももちろん自家製。地ものの無農薬野菜。

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「ソバ掻き」
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自然のかたちの素朴な器に
自然のかたちの素朴な食べ物。
新潟、津南の蕎麦だ。

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ふわーーっとさわやかな、草原のような香り。
香りが濃厚さがたまらなくうれしい。
それほど微粉と言うわけでもなく素朴な肌に見えるのだが
口に含んだその肌のなめらかさ、きめ細かなつるつるさときたら!!
ほわもにょながらぷつりと噛み切れる感触も面白く
これは、おいしいおいしいおいしいぃ〜〜〜
ついどんどん食べてしまってあっという間に無くなってしまった・・(>_<)




季節の野菜や山菜をカラリと揚げた天ぷらは、
そのままくりはらさんと野原を散歩しているかのような眺め!
実際くりはらさんが摘んできた葉や山菜が多いのだ。

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ひとつひとつに
ものすごく大切な味がする。
畑で生まれたきれいなものの味。



これも自家製、大好物!

「刺身コンニャク」
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ぷるぷるやさしいみずみずしさ、静かな味わい。
売っているものとはまるで別物。




「せいろ」(十割)
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縁側から差し込む陽に
かさなる蕎麦の輪郭線があざやかに浮かびあがる。

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これまたさわやか、濃厚なかぐわしさ。
草原のようなさわやかさは「そばがき」と似ているな、
と思ったらこれも新潟の蕎麦だった。
しかしこの「せいろ」にはもう一歩踏み込んだ、ちょっとめずらしい野性味がある。
とは言えしばらく食べているとだんだんその香りにも慣れてしまって
味わいや甘みも淡く感じてきてしまったのだが
次の「手挽き」が出てきて食べるうち、
驚くほど甘みと味わいが濃くなってきた!
肌が少しぴとっとしてきた頃がまた超絶においしい〜〜〜〜



「手碾きざる」(あらびき十割)
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こちらはなんと地元秦野でくりはらさん自身が育てた
自家栽培蕎麦。
それを遠く眺むこのときめき。
どんな香りがするだろう・・とドキドキしながら近づいてみると

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粗挽きながらくっきりとした輪郭線を際立たせた
もっちり美肌蕎麦。
なんと香りは、これまた「そばがき」「せいろ」と同じ方向でびっくり。
しかしこちらは先程の濃厚な野性味よりも
ほんのりと甘くやさしい印象の方がつよい。
やや太めの蕎麦はたっぷりと重量感があり
箸先でピンピン跳ねてつかみにくい感じもあるが
それだけにもっちりした食感が楽しめる。

手動の石臼で蕎麦を碾く労力がどれほど大変なものか
身を持って知っている私からすると、
 (といっても「何時間か頑張った」とかいう立派な体験ではなく
 「ちょっと動かそうとしたけど1cmくらいしか動かなった」というどうしようもない話)
毎日手挽きで蕎麦を出しているというのは
気が遠くなるような仕事である。
1時間重い石臼を回し続けても10人分も碾けない程度なのだ。
お店が空いてくると、ここでくりはらさんが黙々と手碾きする姿が見られることもある。

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「黙々と」と書いたが、お伽話か絵本の中に出てきそうなくりはらさんに限っては
作業姿も結構楽しそうに見えてしまうから不思議。(大変なのにすみません(^^;;))

くりはらさんは私の知る限り「常に笑顔を絶やさない人ナンバー3」に
エントリーしている方もある。(ああ3人ここで発表してしまいたい)
しかもニコニコほのぼのしているだけではなく、こんなにえらい人でもある。

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しかも

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こっ こんなこともしていただいては
かたじけなくてうれしくて もうどうしましょう。
なんだか私の似顔絵?みたいのも描いてある?
きゃーうれしーい(≧∇≦)



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店内にはこんな子も。
私が酔っ払った時の立ち方、歩き方にそっくりだと大笑いされました。
またしてもキューピー・・祖父譲りなので、しかたない。(^^;;)




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この家はくりはらさんのおじいさん、おばあさんが実際に住んでいた家。
私までがなつかしい気持ちになるのは
この家が一度も人の手に渡ることなく
家族によって継がれてきたからかもしれない。




ああまた

「くりはら」に帰りたい。


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posted by aya at 09:52 | Comment(5) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近津南や十日町などの(米どころからの)蕎麦で打ちましたという話をよく聞くようになりました。

十日町の蕎麦ねぇ〜、とか思っていましたが、それはそうだ、市域がこのところすっかり変わってきてしまって、あの辺は他に小千谷と栄村くらいしか残ってない。

だから、標高が高い松代(松之山)とかの方だって立派に十日町市となっている。
だから産地に驚く必要はないわけです。
なあるほど、そうすると十日町の常陸秋をたぐっていてもナンもおかしくないわけなんだと思いました。

Posted by よしの at 2012年09月01日 15:28
うっうっ、うわ〜〜〜
ちょっとちょっとayaさん!

くりはらさん、畑の生き帰りに通るので行こうと思いつつ、定休日、営業時間外で入れず・・・
2〜3日前にリベンジの話をしてたところ・・・
いつもながらピンポイントで出ちゃいました!
結構あるんですよ〜、こういうパターン
こっそり頭の中を覗てない???笑

秦野産のそば、濃厚で甘みが強いですよね!?
畑で収穫したキタワセも味の種類が多いっていうのかな・・・北海道と比べ密度濃厚な印象でした。

あ〜〜ますます行きたくなってきた〜!
畑に遊び行く時にリベンジしよう〜!

Posted by やまもと at 2012年09月02日 20:27
よしのさま
さすがは地元事情通!でも統合は何かと寂しいですね。

やまもとさま
う〜ふ〜ふ〜、実は昨日未明、やまもとさまのアタマをパカッと開けて覗いてみたら「くりはら行きたい」って書いてあったんですよ〜(ホラーかい)
Posted by aya at 2012年09月03日 00:00
本日リベンジしてまいりました。
最近お疲れで箱根でボケッとパワー充電、その前にと思って行ったのですが「くりはら」でメロメロにされて、そのまま帰ってきました(笑

ayaさんの名言「「くりはら」に帰りたい。」なるほど納得。
帰るどころから住でしまいたいほど素晴らしいですね〜
Posted by やまもと at 2012年10月21日 21:28
やまもとさま
>その前にと思って行ったのですが「くりはら」でメロメロにされて、そのまま帰ってきました
もう〜やまもとさまったら最高なことを言ってくださいますね!
くりはらは箱根全山くらいの価値があるわけです。わっかるわ〜(^o^)♪♪♪
Posted by aya at 2012年10月22日 16:33
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