2012年08月29日
稲毛「利兵衛」
駅に着いてしまえば道はかんたん。
JR稲毛駅と京成稲毛駅をつなぐ道の、ちょうどまんなかだ。
8月の灼熱の中を歩いてきた体に
これが、キクーーーッッ!
キン!と冷えた陶器のグラスで飲む生ビー。
くーーっ たまりまへん!!
できることなら2杯くらいイッキにいきたい!
(救急車呼ぶのはお店の迷惑なのでやめましょう)
体と舌が喜ぶものを熟知した店主。
夏の体にはこれが、キクー!!
小さなお通し。
旬の野菜は焼いただけが美味しい!
「黒龍」
家具も器もミュージアムギャラリー級の「利兵衛」。
どれも店主らしい、大胆な魅力と生命力にあふれたものばかり。
「鴨焼」
「利兵衛」と言えば「鴨」なんです。
バンバンバーンと太っ腹に分厚く切って
豪快に焼かれた感じがおいしい、うれしい!
「アジの南蛮」
鯵に鰯に鯖秋刀魚、青身のお魚大好物の私。
揚げてあってもこんなにさっぱり食べられる、お酢は魔法だ。
「天ぷら盛合わせ」
天ぷらも豪快なのが利兵衛風。
お皿いっぱいのゴージャスな夏野菜。
さあさあ来ました!
「せいろ」
しゅるちゅるっと流麗みずみずしい舌触り。
香りや味わいが淡めなだけに
冷麦のような感覚でどんどんいけてしまう。
鴨や天ぷらなどのごちそうの後には、こんなお蕎麦もいいねえ〜
「田舎」
野性的な黒い肌。
ザックザクの粗挽きながら
平打ちのために軽やか、流れるようなライン。
淡く香る大地のたくましさを思わせる香りと
噛み締めたジャリ感がうれしい。
「ダッタン」
目が覚めるような芥子色の韃靼蕎麦。
これだけ色鮮やかなのは久々に見た。
韃靼そばはポリフェノールの一種であるルチンが
普通のそばの100倍とも言われているが
味としての違いは何と言っても「苦味」と言われている。
でも私は「苦味」という味の成分がどうも大好きらしく
(ex.ゴーヤ、グレープフルーツ、トニック、ハラワタ系?)
全く気にならないんですね・・おいしい〜
ところで、今日の蕎麦が盛られてきた木のせいろ。
縁の幅がたっぷりとられ
まるで「蕎麦の額縁」のようでいいなあと思ったら
なんとこの店の開店の頃、店主が手彫りしたものだそう。
「いやー、お客さん来なくて暇だったもんから!」
と豪快に笑いながら謙遜するが、いやいやいや・・・
蕎麦の美しさが映える、実にいいせいろだ。
さすがは目利きの店主の作。
エネルギーの塊のような店主と、
飾らないのに芯から可愛らしい奥さんと話す時間はいつも楽しい。
前回来たのは震災直後で
あの時はこの素敵なお二人にどれほど励まされ、力をもらったことだろう。
蝉の声。
陽に透ける朝顔の緑。
私が見た、今年の夏の「利兵衛」のしあわせ。
2011年3月の「利兵衛」
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お茶の水博士.www..もとい...御主人と
ほがらかな女将さんから元気をもらえますね
また行きたくなってしまいました。
>この店の開店の頃、店主が手彫りしたもの
ん〜、なんかここでもK原U山の香りが…
しかし、色々と出来る方が羨ましいのは事実です。
当方はある種の蕎麦を作りたいんだがな〜・・・(今年の「雨降らず」天気が辛いです
そう、まさにあたたかいお店!そしてパッと見はお茶の水博士実写版と言っていい店主、実際お話するとその目からピッカー!と溢れ出るエネルギー・・・アトムのサーチライト並だと思います(^o^)
よしのさま
何かを「作りたい」と思う気持ちは素晴らしいですね!