2012年08月22日

愛知・名古屋市引山「志蕎庵 江月」

 
「大阪や名古屋は小麦粉文化だから
 美味しいお蕎麦屋さんなんてあまりないんでしょう?」
と言われることがある。

いえいえ、とんでもない。
たしかに土壌としては小麦粉文化、うどん文化であるから
お蕎麦屋さんの数自体は関東よりずっと少ない。
しかしそんな「タコ焼き県お好み焼き市うどん町」みたいなところで
敢えて蕎麦を打つお蕎麦屋さんと言うのは
やはり相当な「志」を持って「打って出ている」のである。


名古屋に来たら毎度外したくないこの名店。
その名も「志」がつく、「志蕎庵 江月」。

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外観はどうということのないシンプルさである。


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いつも大抵開店直後に来るので最初は誰もいない。
しかし人気店ゆえ、次から次へとお客さんが入ってきて
あっという間に満員になるのだ。



「粗挽きそばがき」

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粗挽きと言ったからには本当にザックザクの粗挽きである。
ひと粒ひと粒から香りがはじけだしてきそうな、まぶしいほどの蕎麦粒子たち。
もた〜とろ〜と半分湯に沈んだ姿に、私の方がとろけそうだ。

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もわぁ〜〜 とろどろ〜〜
食感は見た目以上にゆるめのとろーんそばがき。
今日はちょっと瓜にも似たような、ひねた穀物のような香りが
さわやかに華やかに、ふんだんに香っている。
とろとろの中のざらつぶ感が楽しい!
本日の蕎麦は茨城「常陸春そば」の新蕎麦。


「十割せいろ」
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おっなんだか今日は以前よりダイナミックな印象・・?

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のびのびと力強く流れるようなラインを描いて盛られた蕎麦。
ひんやりさわやかに漂うは、
先程のそばがきと同様、少し瓜に似たような、ややひねたような香り。
輪郭がパキパキはっきりしているのに、噛みしめるとふわっ・・と
意外なほど軽い、なんともすばらしいコシがある。
そしてその中に、かすかにかすかに感じる粗挽きのジャリ感がまたいい。
よく見なければ気づかない程度に「やや平打ち」のようだし
この食感は実に個性的だ。


この店の汁がまた醤油の強い、なかなか個性的なものであることは
私は毎回蕎麦湯の時まで忘れている。

気づけば店内は近所の会社の人などでまさに満員だ。
皆ランチ(丼とそばのセットなど)を慣れた調子でオーダーしている。


なかなか来られないけど、次回は是非土日に来て
久々にここの手挽き(土日限定)が食べたいなー!








posted by aya at 15:23 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>愛知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
写真が素晴らしいのでしょうか?

被写体が素晴らしいのでしょうか?

眺めるだけで『どろり』感、

そして非常に繊細な切りなんですが、平打ちが一目で分かります。

私も宿題が出ているので困るんですけど、写真は綺麗に取るように頑張ります。(分かってるよね!⇒ カメラ君!!
Posted by よしの at 2012年08月22日 23:42
よしのさま
以前とある写真家が、「被写体の最高の写真家は、一流のプロ写真家ではなくその被写体の家族」と言い切っておられました。ひょっとしたら私はあのそばがきさんと血がつながってたのかも(^o^)♪
Posted by aya at 2012年08月23日 23:32
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