2012年05月18日
新宿三丁目「彩蕎庵 吉遊」
これだけ便利な場所にあるのに
説明すると必ず「え、そんな所にあったっけ?」と
言われる店である。
説明は簡単だ。
「新宿通りに面して、旧三越とマルイの間にある小さな階段を降りた地下食堂街」
である。
「彩蕎庵 吉遊」は階段を降りてすぐ左手だ。
この場所は昔はあんな店で、
そのあとあんな店になったりこんな店になったりしたのだが
常に蕎麦屋であり続けてきてくれた場所。
店内の印象は昔から殆ど変わらないので
同じ席に座りながら、あの店だった頃の思い出、
この店になってからの思い出といろいろよみがえる。
懐かしい友達と来た思い出、
涙が出るほど美味しい蕎麦をひとりで感激しながら食べた思い出。
買い物ついでに便利なので
なんだかんだで結構来ているのだが
今日は久しぶりだ。
本日の蕎麦は「山形県舟形町 最上早生」だって!
久々に来てみると、おー
なんだかやたらとメニューに気合が入っている。
何枚ものラミネート加工したシートに大きな派手な宣伝文句と写真入りのメニュー。
その勢いに押されて
「渾身のそばがき」
「お得!ランチ 季節の野菜天そば」
というのをとってみる。
「渾身のそばがき」
うわー これはいい
あなた香るでしょう!おいしいでしょう!
きたー・・
フレッシュな、なんともすんばらしい芳しさ!
青々としたフレッシュさ、甘さ、香ばしさ、たくましさ、まろやかさ。
どれもが突出せずに、蕎麦という穀物の香りの素晴らしさが
バランスよく濃縮された感じにうっとり。
口に含むとモチッとして、フワ〜とエアリーに溶けていくのがたまらない。
時間立つとフワがなくなりモチッと短くなるんだなあ。
「季節の野菜天そば」
あんまり見かけない、かなり無理矢理なレイアウトであります。
もうちょっとお盆が大きい方がいいかも・・?(^^;;)
箸先ですっきりと香るかぐわしさ。
さきほどのそばがきと同じ蕎麦粉なのだと思うが、
こちらの方がややストイックなイメージのかぐわしさに感じるから面白い。
口に含んで・・・アレ?何かが・・
と思い眺めてみると、なるほど〜
もしやこれは機械切りかな?
しばらく来ないうちに手ごね機械切りになったのかもしれない。
食感の味気なさは否めないが、初めからこういうものだと思って食べれば
香りよく味わい深く、大変美味しい蕎麦である。
またひとつ、「この場所の時代」が移ったような気がした。
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前のお店の割烹八ヶ岳蕎麦の麺線、コシとの対比がなんか凄いですね(汗;;
蕎麦掻きはふわ〜っと感が出てますね。「ここに行ったら」コレ、みたいな。
肌合いを見ると、微粉イゼンの、という感じですね。
動いていく蕎麦シーンは止められない。だからそのときどきのどきどきを、ときどき書き留めておきたいのです。
そばがきおいしかったですよ〜