2012年05月16日

西国分寺「潮」


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本格的な美味しい日本料理と蕎麦が楽しめる、
西国分寺の名店「潮」。
その突出した実力と個性には驚かされっぱなしだ。


前回「くちこ汁」に「滋賀の鴨鍋」、「ぐじの造り」など
超絶美味づくしコースを堪能したのが2月。

今回はどんな展開になるのやら
楽しみすぎて朝から頭の中の8割は「潮」!
もちろんお昼ごはんもごく控えめで
ドタバタ動いて限界までお腹すかせて、
さあぁ 一発目!!


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ウハッ これはヤバイ(^^;;)
すんっごく飲みたいけど、このスーパー飢餓状態で一口でも飲んだら
ワタクシ赤色軟体動物になってしまいます。
まずはビール我慢で最初の一皿をウキウキお待ちましょう!


「先付」千枚蛸、アスパラ、トマト、小夏、オリーブ油
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お皿が置かれた瞬間の
テーブルいっぱいの柑橘の爽やかな香り。
もっと近づくとオリーブオイルの芳醇な香りも加わり
「先付」の前の「香りの先付」が素晴らしい。
蛸の吸盤のちゅるぷるコリ感、アスパラも最高に美味しい。



浦霞 本醸造
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本日は常温で。
余分なものを限界までそぎ落としたような、
この究極シンプルで静かな旨味はすごい。このお酒好き!
食べ物とぶつからない、まざらない。別世界にいるのに引き立てる。
以上、お酒1年生の感想。


ここで運ばれてきた
「ながーいステージに並んだスター達」
に一同から歓声が!

「前菜」
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あんっっまりにも美味しそうで
自分の取り皿に盛り合わせる気分は
宝の山からお宝もらうような,
お花畑からお花を摘むようなワクワク感!

こんなお花束になったぁー

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上から時計回りに
「蕨 胡桃和え」
「黒つめ蟹 雲丹やき」
「蛤ゼリー」
「ふぐ 煮凝り」
「蕗 近江牛焼き」

ではいよいよ、いっただきまーす!

「蕨 胡桃和え」
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蕨の野生の香り、味わいが素晴らしい。
粉状にした胡桃の濃厚さ、ローストしてそのままの胡桃の食感。


「黒つめ蟹 雲丹やき」
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黒つめ蟹とは青森の「毛が少ない毛蟹」だそう。
ざっくりみっちりした食感。
蟹と雲丹なんて贅沢だなぁー


「蛤ゼリー」
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貝殻いっぱいにふっくら盛り上がった蛤の姿に
テーブル一同悶絶!!
ほぼ全員が最後まで取っておきました。わたしもっ


「ふぐ 煮凝り」
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この煮凝り、最高すぎです!!
煮凝りの「ほんもの」の素晴らしさのなかでも
これは感動レベルが高すぎます。
濃霧のようにひろがり、夢のようにすぅーっと溶けて消えてゆきました・・
ふぐの出汁がまた、嗚呼・・・・



「蕗 近江牛焼き」
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蕗の野趣と近江牛の贅沢さが
補い合い、引き立てあって素晴らしい調和。
お肉だけより何倍も美味しい。



しかもまだもうひとつ前菜が御座います。

「じゅん才 吸酢」
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ちゅるんとしたじゅん才に、酢と胡瓜の爽やかな風味。
硝子の器が涼しげで夏の到来を幸せに感じる。



「蒸し物」さざえつぼ蒸し 雲丹 竹の子
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これまた一同から歓声。
そしていざ食べ始めたら
皆さんお酒が進んじゃって進んじゃって大変なことに(^o^)
つぼのなかには刻んだ肝、身の部分、竹の子が。
ほろにがいスープが宝物のように美味しく、
「お尻を叩くと全部出ます」との店主の言葉に
民族楽器楽団の如く皆揃ってお尻をたたきまくる。
手が痛いけど食べ尽くしたい気持ちが勝ります。イタタッ



「造り」初鰹たたき、からし
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初鰹のお造りの上に
大根おろし、からし、紫蘇、新たまねぎ、にんにくチップが。
もともと江戸っ子は初鰹を酢とからしで食べたんだそうで、
こちらにも酢があしらわれています。



「焼物」賀茂茄子、海老、胡麻みそ
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豆板醤の効いたピリ辛濃厚の賀茂茄子の焼き物。
1キロの味噌に卵の黄身を10個も入れてつくるという
濃厚胡麻みそ。
万願寺の風味と海老のぷりっと感がいい。




さあぁー やっとやっと
メインと言うべきあの方の登場です。

私、その方にお会いするの初めてなんです・・・
「花山椒さん」!!


まずは比内鶏の鶏ガラからとったスープに
極上比内鶏の手羽、もも、内蔵や卵などに加えて
五三竹も飛び込みます。

「鍋物」比内鶏、五三竹、笹がき蕗、花山椒
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次に、茹でて皮を向いて笹がきにした蕗が。
すきとおる緑が綺麗!
鶏の脂で鍋が黄色く染まってますね〜♪

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そしてこちらが本日のメインともいうべき

「花山椒」
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この器も潮さん作。縁飾りが素敵だ。



入ります!

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わぁー 出来たぁー!

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お、おいしい・・・・・・・・・・・。

くだらぬことを言うようですが、花山椒って花なんですね!
山椒というものは、まさに「スパイス」。
ツーンというかピーンというか
とにかく香りが尖って立って強力ですよね。
花山椒というものはそっくり同じ香りながら
それが「はなやかに」「ほわぁ〜んと」
なんともうっとりと香るのだ。
そして比内鶏の美味しさは言わずもがな。
肉がちょっとあぶってあるのがニクイ。
そしてかぶりつくとぷりっ、ふっくらとやわらかく、
なにより脂のすごいほどの甘み・・
五三竹の食感も素晴らしい。
噛むとパリッと、新鮮に割れるように砕ける。
そこから春の香りがふわぁ〜
濃厚な鶏の旨みが花山椒と五三竹という野の香りでくるまれて
なんとも趣深い鍋だ。


一同の熱いリクエストにより
この鍋にはご飯を入れて雑炊を作ってもらうことに(^o^)♪


そのお楽しみを待つ間・・


湯葉、蕗、竹の子、グリーンピース
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この器も潮さん作。
最近は「桶型」に凝っているそうなのだが
器として実に楽しい。

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やや甘めの味付け、すべてがピタリちょうどいい食感。
このグリーンピース、大粒で美味しいなあ


雑炊できたぁー!

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比内鶏の出汁にふんわり卵〜
うー お腹いっぱいだけどおいしい・・


そしてこちらが大人気でした、

水茄子のぬか漬け
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茄子の色彩と、うつくしいムラが表現された器の彩色がぴったり。
こちらは手で割いていただきます。

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昔あった糠漬けの味。
澄み渡る発酵の味が体を清めてくれる気がする。
おいしいおいしいと皆に売れる売れる!
日本人は本能的にこの味を求めているのかもしれない。



そしてここでいきなり、
スタート前の競馬馬のように目がランランとしてきちゃった人が・・

お蕎麦!!
こんなにお腹いっぱいでも、君はどうしてこうも魅力的なのだ!
今夜は絢爛美食づくしでしばらく離れていた気がするだけに
その名を聞いただけで嬉しさが下から下から浮かび上がってくるようだ。
ああー わくわくする・・・



きたっ

「止そば」
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あああ 素敵ですねえ
お蕎麦の眺めは美しいですねえ
私は「笊の上の蕎麦」という眺めを世界遺産に登録申請したい。

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端整な肌、かろやかな重なり。
たぐりあげ、淡く漂うような甘い香ばしさにしばしうっとりとする。
あー うー 私ほんとうにお蕎麦さんが大好きです・・・
口に含むとかろやかな姿の通り、
くにゃんくにゃんとごくやわらかい蕎麦だが
単なる茹で過ぎ蕎麦とは全く違い、そこには絶妙の食感がある。
噛みしめるごとにフワンと受け止めてくれるやさしいコシ。
また舌に広がる味わいがいい。
常陸秋そばらしい正統派の蕎麦の旨みが
舌の上にギュッと小さくひろがる感じ。
群馬・赤城町の常陸秋そば。
蕎麦が出てきて食べる速度と勢いがいきなり倍増した私に
ギョッとする同席の方あり・・・そりゃそーですよね(^^;;)


「止そば」のあとはいよいよフィナーレ。

「甘味」よっぱらい大納言
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見事な、江戸切子。
透けた小豆がいかにも涼しげだ。

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ひんやり小豆に白玉。
なにがよっぱらいなのかな?と皆で推測していたのだが
答えは香り付けに使われたブランデーだった。
使い方の妙なのか、誰もブランデーとは分からず
「このお酒のよい香りは何だろう??」
と侃侃諤諤、最後は店主に教えてもらったのでした(^o^)



「胡桃のタルト」
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店主初挑戦という胡桃のタルト。
初挑戦にしてこれですか!
なんでケーキまで作れちゃうんですか!
ローストした胡桃をあたり鉢で丁寧にあたったという
ゆたかな森のごちそうデザート。


おいしいものにウキウキニコニコ、喜びっぱなしの私達を
店内の高いところに無数に点在するお地蔵様達が
静かに見下ろしている。


すべて店主の手による仏像たちをまだ見てない方は
是非是非前回の写真をご覧下さいね。
「潮美術館」なんです!


2012年2月の「潮」





2012年7月のライブのお知らせ

この記事へのコメント
アレッ??
「潮」ってお蕎麦もあるんだ ヽ(*'0'*)ツ
お蕎麦も好きだし、料理も好きだし、美味しいものは大好きだし、美味しいお酒は大々大好きだし・・・
鬼門だな (>_<) 「潮」って・・・
時に「和」時に「洋」時に「中」・・・
全てが揃う

夢を喰うのは「バク」 やたらメッタラ美味いを喰うは「バカ」かっ・・
「バカ」でも良い、美味いものを、美味い酒をしこたま取り込めば  何故か幸せ!!
「バカ」を続け過ぎて「バカ」に追いつけない、我が「バカ」な体
やっぱり行きたいが、一歩間違えると 〆にたどり着けない 大好きな 大好きな 〆に・・・
「潮」 罪な店だ
Posted by 而酔而老 at 2012年05月19日 19:36
潮さんのお料理の数々、美術館を巡ったような気持ちになりました。
夜は行ったことがないので行ってみたいです。。
Posted by 25¢ at 2012年05月20日 20:10
而酔而老さま
相変わらず蕎麦ロマン溢れるコメントありがとうございます♪でもなあぁー、而酔而老さまがお蕎麦までたどりつけないのは潮だけじゃないってのがなあぁー、ロマンって言うか、いつもですよね?みたいな(^^;;)

Posted by aya at 2012年05月23日 22:35
25¢さま
潮はやっぱり夜がいいですが、でもそういうお店はいっぱいありますよね。私もなかなか夜行かれなくて・・というお店ありますが、行く日を楽しみにする時間を楽しんでいます(^o^)
Posted by aya at 2012年05月23日 22:44
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