2012年05月06日

神田「眠庵」八種もりの会


恒例・神田眠庵の蕎麦会。

店のお客さんの中の希望者が集まるこの会は
昼の部12名、夜の部12名が定員なのだが
毎回希望者が多いため
出席希望を前回出席時に出してしまう強者もいるほど。

お店からは定番の自家製豆腐と自家製おから、
そして8箇所の産地のお蕎麦が出されるのだが
さらに出席者持ち寄りのお酒とおつまみがモノスゴイ。

特に今回はとんでもなく豪華で美味しいおつまみとお酒が集まってしまい
蕎麦が出てくるまでのブレーキに苦戦する者多数!
お腹いっぱいになっては8種の蕎麦が入らなくなってしまうので
「どうしよう・・!」と本気で困り果てながらも
美味しくてついパクリ、お酒チビリ。
和気あいあい、楽しい蕎麦前じかん。

実は今回は私も食べ飲みし過ぎたのか、
それとも単なる蕎麦酔いか(トランスとも言う)、
後半のレポートはかなりフニャララなのですがお許しを!


ジャーン
1枚目の登場!

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いつものように1枚目のみお店の「プロ盛り」。
2枚目以降は小鉢に盛られてきたものを各自ざるにパカとひっくり返す
「セルフ盛り」につき、盛りの乱れはご了承ください。
もうちょっと気持ちが落ち着いていれば、
上手に散らすことも出来そうなものなのだが
なにせ「蕎麦を前にした私」というのは
一日の中で最も心が荒れ狂っているときだと思うので・・・
その瞬間が8回も来てしまう蕎麦会。
心中はもはや北斎「神奈川沖浪裏」である。


1枚目「北海道・江差」2011年、品種はキタワセ。
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いかにも、濃厚な香りをふんだんにまとっていそうな
震える輪郭線、色とりどりの粒子が見え隠れする肌。
珍しく「見た目からして北海道!」とまで思ったのだが
たぐり上げた香りは思ったよりずっと淡かった。
ところが。あとからフワーーーと、以前ここで何度も出会った
あの倶知安ビーフジャーキー野郎を思わせるようなびっくりたくましい香りが、
ごく微かに煙るように追いかけてくる!すてきー!
見た目の通り、軽い、しとぴたっとした肌。
はああ 1枚目からなんという奥深き美味しさ・・・



2枚目「静岡」2010年、在来種。
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水水しく、どこか老成した風情。
甘く香ばしい香りを放つ肌は、意外なほど繊細な食感で
水々しい肌が口中で繊細にこぼれていく様にうっとりだ。
味わいは濃厚スモーキーで、墨にも似た香ばしさ。
これもおいしいー!




3枚目「富山」2011年、清水(旧山田村)在来種。
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これまたみずみずしく、ややグッタリとやわらかそうな肌。
しかもこれが!!とんでもないほどのかぐわしさ!!
炊きたてのお米のような濃厚な甘さと香ばしさが
ムンッムンッに飛び散るように香っていて
最高においしいー!(まだ食べていない)
そして食感にもびっくり。
見た目の通り実にやわらかいのに、
それを感じさせないコシ?があり
むしろガッツリとした食べ応えすら感じてしまうから不思議だ。
テーブルからは美味しいー美味しいーと唸り声があちこちから上がっている。
この夜、この蕎麦に感謝。



4枚目「茨城・笠間」2011年、常陸秋そば。
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え”! さらに濃い香ばしさ、かぐわしさ。
この前の富山であんなにヘベレケ(?)になったのに・・
今回のトランスはこうして始まった。
もはや何が何やら全部美味しくてわからない物語。
メモを見ると頭の悪そうな字で
「きょうれつ、コシぜつみょう、味こい こわれる〜〜〜!
 味 新蕎麦と思えない 煮詰まったようにこい」
と書いてある。
ここで壊れたらしいので皆様どうぞよろしく。  




5枚目「長野・松本」2011年、信濃一号。
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素直でおおらかなな印象のライン。
そしてこれまた強烈なほど濃厚な芳しさ!
今日は本当に凄い蕎麦続きでわたしゃもうへにゃへにゃである。
口に含むと見た目通りのおおらかで直線的な舌触りで
しかもそれでいて「やさしくやわらかい」のが眠庵らしい。




6枚目「大分・豊後高田」2010年、新品種・さちいずみ。
RIMG0643_.jpg
 
これは前回の蕎麦会でも登場した新品種・さちいずみ。
どうやら私はこの品種がとても好きである。
今までの5枚と違い、香りの中に甘さの要素がなく、
下を強く支える野性的な香りがギューーーー!
肌はスルスルとすべらかで、食べても甘味は少なくスッキリ。
そのぶんかぐわしさが
濃厚なまま天高く広がっていくように感じられる。




7枚目「鹿児島」2008年、鹿屋在来種。
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ビスクドールのような、なめらかな泥のような
ごく細かいざらつき。
みずみずしいせいか、舌に触れたときは
味が濃いような淡いような珍しい感覚だったのだが
やわらかくやさしいコシを噛みしめると、なんという味わい深さ!!
甘くたくましく、まさに老成したイメージの味わい。
こんなに味が濃いのに水水しいさっぱり感があるから不思議である。
3年半熟成の魔法?
適切に管理された蕎麦は年月を経てこんな美味しさをまとうのだ。


8枚目「福井」2011年、大野在来種。
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他の人のところへ運ばれてきた段階で
色の美しさに目を奪われる。(人のを見過ぎ)
うっすら、ひんやりとしたような美しい青み。
これまた、ひとつ前の鹿児島に似たビスクドールな肌で
何よりも、超がつく華やかフレッシュ、濃厚な香りが素晴らしい。
ほんのりと甘くすっきりした味わい。
いつもながら眠庵蕎麦会で食べる福井は最高においしい!



美味しい蕎麦が続き過ぎて
背骨も脳もトロけてへにゃんへにゃんのメモだったが
翻訳(?)したらどうにか形になってヨカッタヨカッタ。

しかしへにゃへにゃ&同席の皆さんとの時間が楽しすぎたため
今回は玄蕎麦の写真も「お酒マンハッタン(林立し過ぎ)」の写真も
撮り忘れたぁ〜




2012年3月の「八種もりの会」
2012年2月の「八種もりの会」
2011年12月の「八種もりの会」
神田「眠庵」
神田「眠庵」(豆のスープ)
2011年11月の「八種もりの会」
2011年9月の「八種もりの会」
2011年7月の「六種もりの会」
2011年5月の「眠庵」手挽き蕎麦
2011年3月の「眠庵」
2011年2月の「八種もりの会」
2010年11月の「八種もりの会」
2010年9月の「八種もりの会」
2010年7月の「八種もりの会」
2010年4月の「八種もりの会」







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posted by aya at 08:34 | Comment(8) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>千代田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>しかし〜楽しすぎたため
>今回は玄蕎麦の写真も「お酒マンハッタン〜」の写真も撮り忘れたぁ〜

ぅわ〜んっ!!(59;;
Posted by at 2012年05月06日 18:29
また忘れた...

号泣者でした。
Posted by よしの at 2012年05月06日 18:30
食べ比べは最高4種類止まり、同じ産地の弦蕎麦で
十割、二ハ、普通粉+粗挽き、粗挽き、までは経験済みですが・・・(これも楽しいですよ)
8種類の産地を食べ比べるのは魅力的ですね!!
産地ごとの違いがはっきり分るんでしょうね〜
いつか体験してみたいな〜
いつもながら誘惑されまくりです・・・うっうっ



Posted by やまもと at 2012年05月07日 21:00
よしのさま
あらー、それはそれは!「あっ撮り忘れちゃった、まっいいかぁ〜」と全く気にしていなかったのですが、待っていてくださる方がいらしたのですね。
ごめんなさい〜次回は絶対撮りますね!

やまもとさま
>十割、二ハ、普通粉+粗挽き、粗挽き
わぁー楽しい!そういう時、意外と二八がすごく香ったり、というような不思議なことってありませんか?
同じ粉限定で、となると更に楽しいですね!
Posted by aya at 2012年05月08日 13:52
池袋のライブ会場、ネットで見てみたら、
建築もみてみたいです!
ドライブ友人とお蕎麦屋さん巡りの旅行計画してみようかな!
ayakoさんから楽しみをいただいてますね♪
ウキウキします♪

八種もりの会、どうしたら参加出来るのか気になっていました!食べ比べ憧れますー★!一度お店に食べに行ってお店の方に次回が満席かどうかお聞きしてみると良いんでしょーか(*^_^*)?
Posted by 黎 at 2012年05月09日 20:52
>不思議なことってありませんか?
さすが鋭いですね〜!
少し甘皮の入った粉なので、二ハだと良い意味で中和され味と香りの良いところが引き立つ感じがするかも・・・十割だと濃厚ゆえに旨味+α入ってくるので旨味が薄れ感じがするかも知れませんね。
粗挽きは、旨味、雑味、野生的で食感も好きなんですが、旨味が薄く感じて、あれれ??(笑
結局、粗挽き+普通粉が良いとこ取りで一番美味しく感じましたよ〜。
ちなみに産地は北海道「牡丹」でした〜
Posted by やまもと at 2012年05月09日 21:04
黎さま
明日館、素敵でしょう?私も楽しみです!
八種もりの会はお店に何度か行って雰囲気のわかっている人が中心のようですが、是非お店に行かれたときに直接聞いてみてくださいね♪



Posted by aya at 2012年05月10日 09:07
やまもとさま
ウワワワ、おもしろいですねー!そうなんですよね〜、「なんで二八の方が蕎麦の味が濃いの??」てこと意外とあるんですよね。「良い意味で中和」・・凄い、面白いです!
Posted by aya at 2012年05月10日 09:10
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