2012年04月21日
とうきょうスカイツリー駅「向島七福 すずめの御宿」
「とうきょうスカイツリー駅」もリニューアルオープンし
いよいよスカイツリー開業まで一ヶ月となった。
東京に観光に来た人の楽しみが
増えたのはいいことだと思うが・・・
(はしゃいで見上げている人を見ると私も嬉しくなる)
何が残念だと言って「業平橋」という、
香りある名前の駅が消えてしまったことである。
「とうきょうスカイツリー駅」。
無味乾燥。
「業平橋駅」のほうがずっとかっこいーのに!!!
観光に来た人にもその方が旅情があってずっといいと思うのだが・・
(ついでに言うと私は「スルガ銀行」もスルメみたいで
見る度に悲しくなる。
昔の「駿河銀行」はロゴも行書体で格好良かったのになあ)
その「旧・業平橋駅」を最寄とする蕎麦屋。
「向島七福 すずめの御宿」。
付近には店らしいものは他になく
まあ住宅街といっていい目立たぬ通りにある。
そこに突然こんな黒々とした店屋が現れても、
唐突というよりかえって粋な印象を受けるのは
向島という土地ならでは。
入り口の丸窓から打ち場が覗ける演出。
道路からすぐ店内、ではなく、
こんな「玄関のしつらい」があるだけで
ふっ、と穏やかな気持になる。
数メートルで、時間が切り替わる。
奥に長い店内。
おおっあれはなんじゃ
「和牛すき焼き蕎麦」で、
しかも「ほろほろ鶏の卵添え」。
なかなかインパクトのあるメニューだなあ。
このお店はメニューが豊富で面白い。
夜はコースメニュー(2.940円〜)他、
「鰻まき玉子焼き」
「酷のある銀だらの焼き物」
「酷のある豚肉の焼き物」
「お好み天ぷらいろいろ」
「うにの貝焼き」
「焼ふぐ」
その他蕎麦屋の定番メニューもいろいろ。
ユニークなのはランチの
「江戸蕎麦と選べるちょっと一口ご飯セット」
というもの。
この店の江戸蕎麦というのは
「江戸味噌と大根おろしの汁で食べる二八蕎麦」のことで
セットのご飯は以下から選ぶ。
「国産うなぎご飯」
「コラーゲンかに玉ご飯」
「島骨鶏の卵かけご飯」
「うにの貝焼きご飯」
「焼きふぐご飯」
「鶏つくねご飯」
「和牛そぼろご飯」
楽しくてつい、頼む予定もないのに
どれにするかバーチャル決断したくなるではないか。
私はやっぱり「島骨鶏の卵かけご飯」かなあ♪
TKG大好き!(焼き海苔必須)
何故こんな楽しいランチセットを頼まぬかと言うと
例によってお腹が蕎麦の予約でいっぱいだからである。
ここはお蕎麦が3種類もあるのだ!
「粗挽き玄粒田舎蕎麦」
「十割蕎麦」
「二八蕎麦」
「二八蕎麦」の汁を「江戸味噌+大根おろしの汁」に替えたものが
「江戸蕎麦」だというので、3枚目はそれを頼むことにする。
「十割蕎麦」(一日20食限定)
(メニュー説明より)
「当店の石臼で挽きっぱなしの丸抜きを振るいにかけず打ち上げたつなぎなしの香り高い一品です」
むわぁーっ
濃厚に漂う熟成の香り。
硬めのちょっとパキパキとした食感で、
でこぼこした節を感じる輪郭線は
芽吹きたての猫柳の枝のようなイメージ。
熟成特有の味わい、甘さが濃厚な蕎麦だ。
「粗挽き玄粒田舎蕎麦」(一日20食限定)
(メニュー説明より)
「玄蕎麦を殻ごと挽き、粗く手挽いた玄粒と合わせ、野趣あふれる風味に仕上げた蕎麦です」
迫力、圧巻の肌である。
物凄い黒さ、粗さ、ジャリジャリのツブツブ。
手繰り上げるとこれまた爆発的と言っていい
濃厚な甘皮のかぐわしさである。
焙煎されたかのような香ばしさ。いい香り〜〜〜
食感は見た目の通りのツブツブのザリザリで、
時折チリっとした刺激を感じるのも楽しい。
噛みしめるとこれも「十割蕎麦」同様、かなり硬めの食感である。
「江戸蕎麦」
(メニュー説明より)
江戸時代のお醤油が普及する前、蕎麦汁は味噌味でした。粋な江戸っ子は「あく抜き蕎麦」(蕎麦殻を抜いた白い蕎麦)を「煮ぬき汁」(江戸味噌に大根おろしの汁、かつをだしを加えた汁)で食べていました。それをできるだけ忠実に再現したのが当店の「復刻」江戸蕎麦です。麺とのからみも抜群でどこか懐かしさと新鮮さを感じさせられる味わいです。(尚、江戸と東京を食べ比べていただきたく、お醤油味の汁もお付けしております。)
ふわぁーっと甘い粉の香り。
そして驚きはなんとも珍しい繊細なつるぬる感である。
かみしめた部分が伸びて応えるような、独特のコシ。
津軽そば(大豆をすりつぶした呉汁を使う蕎麦)にも似た食感だ。
そして
「江戸味噌に大根おろしの汁、かつをだしを加えた」
という江戸蕎麦の汁。
写真では手前にある、底のほうが濁ったような汁だが、
これがおいしい!
まあ味噌と大根おろしだから私がは好きに決まっているのだが〜
もうひとつ、食べ比べ用に添えられてきた「お醤油味の汁」というのは
てっきり1枚目、2枚目の蕎麦についてきた基本の汁かと思いきや
全然違う汁でびっくり。
「粗挽き玄粒田舎蕎麦」「十割蕎麦」「二八蕎麦」
といったシンプルな蕎麦メニューには
江戸醤油ー!という感じの辛い濃い汁。
「江戸蕎麦」には例の
「江戸味噌、大根おろし、かつおだしの汁」ともうひとつ
「すこし甘めの柚子風味の汁」
が添えられてくるという演出である。
蕎麦も3種類、汁も3種類作っているなんて凄い。
お昼はランチセットでない人にもデザートが付くのか
「このあとデザートにところてんがつくのですが、
甘い黒蜜と酢醤油とどちらがいいですか?」
と感じの良い店員さんにニコニコと聞かれる。
なんと、これは素敵なサービスですよ。
甘いものが苦手な私には
「甘くないデザートがつく」というのは
滅多に無い喜びである。
こんな店の最寄り駅は、
「とうきょうスカイツリー駅」なんて
ようちえんのクリスマス会みたいな名前でなく、
やはり「業平橋駅」であってほしかったな、
とまだまだ未練がましい私であるが・・・
帰りには言問橋を渡って、
ちょっと機嫌をなおす。
言問橋。吾妻橋。駒形橋。
まだまだ素敵な名前はたくさんあるから、
そういうものをたいせつにしようと、隅田川を渡る。
言問橋袂より
*2012年5〜7月の出演のお知らせ*
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まあ、もっとも今時の子に「業平」の文字を見せてもせいぜい「ぎょうへい」と読まれるのがオチですが・・・
スカイツリーか・・真下から天空を見上げれば、輝く星々が・・・
ナンジャ、コリャ (@o@) ??
何テェ蕎麦屋じゃ、プラネタリューム付きかいな・・
「すずめの御宿」から歩いて十数分位の東向島の「菊元」は行かれましたか?
へ ん ! ぜ〜〜っ〜〜たい、変!!
天井には星、店内の小上がりは躙り口風だし 変!!
『すき焼き蕎麦』っていったら、一時期しきりに通った
『丸の内 更科』以来だ。『すき焼きうどん』はあっても
『蕎麦』はなかなか無いんだから。プラス50円で生卵を
2個に増やしてもらってたんだから! その時だけは私には
珍しくビール飲んでたんだから!
『東京スカイ蕎麦』は発表されたメニューによって無さそうと
判ったから、スカイツリーの帰りはここに寄らなきゃ。
地名・駅名はどうしようもないですわな。
『麻布』の西だから『西麻布』なんて、まるで『麻布』の
付属品みたいな名前にされちゃってますけど、あそこは『霞町』。
土地の寺社に因んだ地名はいじらない方がいいのに。
今も上野『翁庵』の箸袋には『車坂』の文字が残っているかな?
てか、私は今、仕事の真最中で、書き込みとかしてちゃ
駄目なんだけど……。
近々、顔出します。
ayakoとさんとわたしも同感です。
あの高さを支えるからそうなったんであろう近代的な設計より東京タワーやエッフェルの鉄塔型で実現できたら格好よかったのになー。
ayakoさん聞いてくださいー。
わたしも風邪ひいて昨夜中ウンウンウンウンと苦しくて(笑)38.7も出ててましたー。20代になってから一度このくらいの熱が出た時に関節まで痛くなって辛かったんですがそれから約10年後の発熱もツラいです!
今日は一日中おふとんですが今夜もまたウンウンウンウンするのかなー。コワい! 熱吸い取りマシーンがあればいいのに‥!
菊元!まだなんです。可笑しそうですね〜〜
TCさま
常にお腹が蕎麦の予約でいっぱいの私には
どんなに食べたくても種物を食べるのは本当に難しいことでして・・
この店でも然り、でございました。
「霞町」も「車坂」も素敵ですね!!
黎さま
え!えええええ!!熱!
その後少しは回復されましたでしょうか?
私も直後なので臨場感を持って同情、心配いたします。熱は本当に苦しくて嫌ですね(>_<)私は「人間、熱と戦う時は一人ぼっちなのね・・」とか暗ーくなりまくっていました。はやく完治されますように!!
いつも楽しく拝見しております♪
以前
本屋さんで偶然アヤコさんの本を目にし、
タイトルに惹かれ手にとり
帯のアヤコさんに一目惚れし
更に文章で完璧にヤラレてしまいました♪
駅名の話
とても共感してお邪魔しちゃいました
いろいろあったとしても
やはり寂しいと感じます。。。
はじめまして!とっても嬉しいコメントありがとうございます(^o^)
名前とか言葉とか、ずっと昔に消えてしまって私達が知らないものがどれだけあるかと思うと、今あるものだけでも守りたいですよね。