2012年01月25日
三軒茶屋「玄そば 東風」
日差しは明るいが風の冷たい午後。
大好きな東の風に、会いに来た。
うわぁーい、今日はいいタイミングで
お気に入りの半個室スペースが空いているではないか。
ギター担いだ二人連れだったので大いに助かる。
ついてるなあ。
「しらすおろし」
私の定番だが、こちらでは初めて頼んだらしく
意外なルックスに嬉しくなる。
何だか黒っぽいと思ったら
じゃこ山椒と大根と昆布が合わせてあるのだ。おいしい!
「だし巻き玉子」
ふっくらドーン、豊かな眺め。
甘辛の味付けでだし巻きというよりは玉子焼きに近い感じだ。
「せいろ」
あああ
相変わらず美しい蕎麦。
美しい笊。
自然光に照らされた絶景にうっとりせずにいられない。
完全美を誇る、端整な姿。
清澄な肌を手繰り上げると、ふわぁーっ。
蕎麦という穀物のかぐわしい香気が、
ふんだんに、ダイレクトに伝わってくる。
なんてフレッシュですばらしい香りなんだろう。
口に含むと姿のままの端整な輪郭線が口中をめぐり
繊細な割にはしっかりとしたコシを楽しませてくれる。
「田舎」
その姿を見ただけでときめかずにはいられない。
「玄そば 東風」の洗練、都会の「田舎そば」。
褐色の肌に無数に浮かぶ、黒いホシ、白い影。
じゃりじゃりと音がしそうな肌を見つめつつ手繰り上げると、
香ばしい「黒い香り」。
しかもそれがたくましい感じではなく
飽くまで澄んだ、軽い香ばしさなのが小気味良い。
今日はいつもよりしっとりやわらかそうだと思ったら
やはり今日は驚くほどやわらかめの食感だ。
じわ〜、もにょ〜、じゃりじゃり〜とした舌触りだが、コシはしっかり。
濃厚でありながらあくまで軽い、美しい味わいに酔う午後。
通りには冷たい風がぴゅうぴゅう吹いているらしい。
でもガラスの内側、この陽だまりの席だけは
たんぽぽでも咲きそうないい日和だ。
2010年12月の「玄そば 東風」
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