2012年01月24日
乃木坂「祈年 手打茶寮」
外苑西通り沿いの美しい顔。
瀟洒なデザインの建物は小さな教会のようだが
そこに純白の暖簾が不思議と似合っている。
店内は白を基調に赤がポイントに置かれた明るい雰囲気。
昼間は外からの光で店内中が白く輝き
さらにスタイリッシュなイメージになる。
今回は初めて夜訪れたのだが、夜のほうが親しみやすい印象だ。
ふた穂(奈良)特別純米
あまりにも寒いので今日は燗酒!と決めていた。
決めたはいいが二口で真っ赤というのはどうなんだ。
これ以上飲むと「テーブルが津波」になってくる。
おいしいのになあ、もっと飲みたいなあ。
「九十九里浜 背黒いわしのごま漬け」
「あじとトマトのおぼろたたき」
「あじ、トマト、薬味におぼろ昆布を混ぜてサックリとたたいたもの」
とメニューにあり、気になっていたのだが、これ大ヒット!
鯵のなめろうをさっぱりと最高に美味しく食べられる感じ。
入っているメンバーが全員大好き。
ちょっと意外なようで素晴らしい、絶妙な取り合わせだ。
欠点といえば美味しすぎて
この3倍くらい食べたくなってしまうところでしょうか・・
「鴨ねぎ焼き」
お蕎麦は3種類。
「定番のもり(粗目)」
「吟白(水捏ね更科生一本)」
「豊穣(発芽そば)」
がある。
私は「定番のもり(粗目)」が一番好きなのでそれを1枚と、
「吟白(水捏ね更科生一本)」と「豊穣(発芽そば)」が
二色もりになったものを頼むことにする。
「定番のもり(粗目)」
丸く深いせいろ。
堂々とした貫禄がありいい眺めだ。
見入りハッとさせられる、超粗挽きの肌。
明るめの肌に大きな陰影が無数に浮かんでいる。
たぐりあげた箸先でふわぁーと迎えてくれる、澄んだ香りがたまらない。
あああうれしい・・・
私まで澄んだ気持ちになり、口に含み軽く驚く。
見た目以上に大きくゴロゴロとした粗挽きの食感。
丸みを帯びてやさしい、超粗挽きの肌は
よくあるザラザラとかツブツブとかチクチクとかではなく
「ゴロゴロ」というのが近い。
そうきくと硬いイメージに聞こえるかもしれないが決して硬くはなく
程よいコシ、そこからあふれる味わいが素晴らしい。
来てよかったなあー
「吟醸二色」
「吟白(水捏ね更科生一本)」
更科の美しい香りが、かなり濃厚にムンと香る。
食感は独特のつるすべ感。
たぐりあげても口に含んでシャープな角の立った輪郭と
直線的なラインを保っている。
この「吟白(水捏ね更科生一本)」もまた
「定番のもり(粗目)」同様、ユニークな食感だ。
「豊穣(発芽そば)」
こちらが「祈年 手打茶寮」の名物とも言える「発芽そば」。
修行先の長野県上田の「手打百藝おお西」直伝の蕎麦で
「手打百藝おお西」出身の職人の店ではよく出会う。
蕎麦の芽を一晩水に浸し芽が出てから打ったもので
都内ではこの「祈年 手打茶寮」でしか食べられない蕎麦だ。
「発芽米」同様、普通の蕎麦より栄養価が何倍も高くなっているらしい。
軽く粘りのあるしっかりした食感で、
今日のは熟成らしいむわぁーとした香りだ。
そしてこちらが好評につき通年メニューになったという
「トマトとガーリックの冷製」
イタリアンレストランでの大好物、
「冷製トマトのカペッリーニ」のようなものを想像したが
こちらのはかなりスパイシー。生のガーリックの辛味かな?
蕎麦は「定番のもり(粗目)」なので
これだけしっかり強い味だとせっかくの蕎麦がもったいない・・
とジレンマに苦しむのは、私の常でございます。
メニューを見るとこの店は、美味しいと思ったものをとことんやる、
という感じが伝わってきて面白い。
おつまみの欄には
あじメニューのコーナー、鴨メニューのコーナーがあり
美味しい素材をいろいろなバリエーションで食べられる。
天ぷらそばにも思い入れがあるらしく
「天ぷらそば・関東(濃い口だし、天ぷらは上乗せ)」
「天ぷらそば・関西(薄口だし、天ぷらは別皿)」
と2種類ある。
天ぷらそば文化については何も知らない私には
メニューを見ただけで面白い。
見上げると半個室部分の天井は
和紙でやわらかな照明が演出されていた。
今回初めて気づいたが、綺麗で見入ってしまった。
同じ店でも、訪れた時間やシチュエーション、こちらの心持ちの都合などで
なにか新しい発見があるものだ。
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ここ、こんなお店だったとは意外です!!
というのは、いつも車でピュンと通り過ぎるので気にとめないんですが月いち程度は運動不足で時間があって気の向く時に歩くんですが反対側の歩道を好んで歩くくせが付いていて夜に歩くと向こう側に教会みたいな建物が見えて何かなと数年間思ってました(笑)!
行くお店リストに入れてこちらも近々行ってみます♪