2011年11月19日
千葉・京成稲毛「蕎麦 長寿庵」
稲毛の住宅街の奥にちょっと不思議なエリアがある。
千蔵院という立派な寺院の門、本堂の美しさにも驚いたが
付近にはこれも寺院かと見紛うような旧家があつまり
京都の郊外にでも迷い込んだかのよう。
その住宅街の中の、古くはこの辺りのメインストリートだったという静かな通りに
突然蕎麦屋が現れる。
明るく端正な印象の外観。
パッと見て好感の持てる店ではあるが、外に「手打ち」の文字はない。
何も知らなければ愚かな私はそのまま素通りしてしまいそうだ。
でも、今日は素通りしませんよ!しませんとも!!
こんな素敵なお店なんだもん!
じゃん!
改装してまだ2年のきれいな店内で、
さっそく始まってしまいました。
蕎麦屋で昼ビー、たまりませんなぁ〜〜
(偉そうに言って今日は本当に「一口で」
メリーゴーランドになってしまったのだが・・)
この店は大変にメニューが多いので
メニュー本を眺めていると
最初のおつまみだけで何十分でも経ってしまいそうになる。
だってね、
おつまみは、
にしん棒煮、もつ煮込み、イカの唐揚げ、ネギトロ、生桜海老かき揚げ、大多喜産生ゆば、かつ煮、だし巻き玉子焼、川エビの唐揚げ、そばがき、まいたけあんかけ豆腐、エビ入りさつま揚げ、枝豆、鴨焼き、鴨のくんせい、鴨スモークのサラダ、天ぷら盛り合わせ、そばだんご、板わさ、自家製の蕎麦の実入り水羊羹、
ごはんものは
特海老天重、うな重、天重、天丼、野菜入り天丼、すき焼丼、かつ重、かつ丼、親子重、親子丼、焼肉丼、カツライス、カツカレーライス、カレーライス、玉子丼、ライス、
冷たいおそば、うどんは
鴨せいろ、鳥汁せいろ、元気豚せいろ、生さくら海老せいろ、ざるそば、もりそば、特海老天ざる、天ざる、親田の辛味大根おろしそば、つけとろろそば、なめこおろしそば、きしめんざる、細打ちうどんせいろ、海老おろしそば、
温かいおそば、うどんは
特海老天ぷらそば、天ぷらそば、天とじそば、鴨南そば、親子南そば、山かけそば、五目そば、力うどん、生桜えびそば、海老おろしそば、おかめとじきしめん、カレー南蛮、肉南蛮、山菜そば、おかめそば
鍋物は
鍋焼きうどん、チゲ鍋うどん、すき焼きうどん、味噌煮込みうどん、けんちんうどん
なんと愛情余って当ブログ初の
全メニュー掲載に至りそうになってしまいました!
どこかからコピーしたのではありませんよ、
わたしの「手打ち」メニューです!
その他セットメニューとして
季節物らしい「舞茸天と生ゆばのせいろ」というセットや
各ご飯物メニュー+せいろのセットなどもあり・・・
(しかしその中には「あさりとじ丼せいろ」なんて
ご飯物のページにはなかった丼もあったりしてウカウカできない)
この上お酒のメニューのページもダーッとあるのだが、
ハァハァ・・もう勘弁してください。
すべては掲載しませぬが、
鶴齢や黒龍、花泉など、お酒好きなら「おっ」という品揃えでございます。
「かつ煮」と「黒龍 特選吟醸」
恥ずかしながら、「かつ煮」という食べ物を、本日初めて食べた私。
もちろん「カツ丼」は食べたことありますけどね、
いやぁー、ごはんの上に載っていないと別の食べ物に見えるんですね。
丼とはまた違う「ご馳走」感。
かつ煮よ・・はじめまして。
「じゃこ天」
ほかほか湯気が立ち、生姜とネギと♪
そして、想像の倍の面積でした!
「生桜海老かき揚げ」
まるで秋草の野のような眺め。
カリカリサクサクの空気感。
いいおつまみだなあ〜
そして、いよいよお蕎麦である。
ここまでの流れだと「何でもある楽しい町蕎麦屋さん」だと、思いますよね?
どっこい、それだけではないから「蕎麦 長寿庵」なのだ!
この店の蕎麦は2種類、
「もりそば(機械打ち)」と「手打ち田舎せいろ」。
まずは
「舞茸天と生ゆばせいろ」
目の前がいっぱいになる程、ドカンと豪華なボリューム!
こちらの蕎麦は「もりそば(機械打ち)」で。
白い、淡白な印象のお蕎麦である。
「もりそば」
あらっ。
えー!
機械打ちと侮るなかれ・・・と自分自身に言わなくては、である。
うーん、「長寿庵」の「もりそば」、予想を超えてとても美味しいのだ。
無論手打ちの風情はない。
しかし機械打ちでも美味しい蕎麦はとても美味しいということを
改めて気付かされ考えさせられてしまった。
「香らない味のない手打ちよりは
小麦粉の香りムンムンの味の濃い機械打ちの方がいいな」
と思ったことはある。しかしここの蕎麦は、
機械打ちの蕎麦にありがちな濁ったような甘さ濃厚さがなく
全てが澄んで、とても美しい。
ふわぁっと香る甘い香り。
するする〜とした舌触り。
ほんのりと上品な味わい。
あらーおいしい、うわーおいしい、
と止まらず蕎麦だけ全部食べてしまったので
大好物の舞茸天&生ゆばは後から追いかけて。
大多喜の生ゆば、ふわんふわんで美味しい!
この店に来たら、是非おすすめです。
「あさりとじ丼せいろ」
このセットのお蕎麦は+150円で
「手打ち田舎せいろ」にしてもらった。
青い陶皿が美しい演出。
「手打ち田舎せいろ」
まず、その姿の風情に釘付けである。
土佐和紙のような趣の黒っぽい肌。
チリチリと舞う細かな黒いホシ。
平打ちの輪郭線はやさしいラインを描き
程よい空気感をもって竹簾の上に重なっている。
箸先にたぐりあげ、
「ウワおいしい!」
思わず声に出てしまう。
この軽やかな、美しい香ばしさ・・・嬉しすぎるではないか。
平打ちゆえ、ひらりやさしい歯ざわりで
コシというものを意識させない絶妙のコシの中から
じんわりと滋味溢れる味わいと甘みがあふれる。
そして特筆すべきは、これも「もりそば」同様、
非常に澄んだ美しい香りと味わいであることである。
甘皮の香ばしさ、味わい、甘さをこれだけ楽しませながらも
どこか軽やかで澄んでいるのだ。
あ〜おいしい〜 おいしいよう〜〜〜
店内には近所の常連さんらしいお客さんが
入れ替わり、立ち変わり。
今来たおばあちゃんは足も悪そうなのに
息子のためにビールを買いに出るのが定例で
今日はそのついでに寄ったそう。
「アタシ一人でここに来たのはじめてだよ・・
一人で蕎麦屋なんて、なんだか恥ずかしいよ・・」
と盛んにはにかんでいて可愛らしい。
テレビではお昼のバラエティ番組でクイズをやっている。
窓から見える、店の向かいはご覧の眺め。
旧家揃いの不思議エリア。
(お寺じゃなくて民家なのですよ!)
次回は
「元気豚せいろ」「生さくら海老せいろ」あたり、
食べてみたいなー!
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手打ち、ご苦労様です(笑)
ところで機械打ちですが、
全ての工程で機械を使う店と、
延しと切りだけ機械を使う店など、
色々あるらしいですね。
延しと切りだけなら、手打ちと
あまり変わらないのかなって思います。
今は乱切りが出来たり、
手切りに見せる機械もあると聞きます。
完全機械打ちなのに、
高遠さんをも唸らせる味で、
乱切りにされたら自分には
もう分かりません(汗)
機械の発達も喜ばしいことですが、
手打ちが消えてしまうのも嫌です><
乱切り機械はいかにも日本人らしくて面白いですが手打ちは消えませんよ!そんな日が来たら私どうやって生きていったらいいんですかf^_^;
記録がすぐ出てくるところがさすがはふつ〜さま!私なんてブログに書かなかった日の記録は全てが何年前だか季節がいつだかも思い出せません。
改装後も是非是非♪