2011年11月04日

神田「眠庵」(八種もりの会)


11月だというのにぽかぽか日和の文化の日。

神田・眠庵恒例の「八種もりの会」夜の部に行ってまいりました。

今回はまた、すごかったですよ〜

いつもどおり一枚目のみ、笊にのってやってきます。
(2枚目からはお椀に盛られてきたものを「セルフ盛り」)

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1枚目「山形」09年、品種は「最上早生」。
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ムワァーー!!

こっ これは・・・

以前ここで出された幻の香り爆発蕎麦、北海道は倶知安のあの蕎麦を
彷彿とさせるかのような物凄い香り。
熟成のプロが玄蕎麦のまま2年熟成させただけあって、
むわんむわんの濃厚さ、もう一枚目から完全にノックアウトである。
見た目の直線的なラインが印象的だなあーと思ったら、
食べてみると今まで出会ったことのない、やさしい不思議な粉感を感じる。
輪郭線がはっきり感じられるのも眠庵では珍しい。
というか一枚目から既に完全恍惚状態で
メモを取るのが早くもイヤになってきた。
はあああ・・・おいひい・・・・・


2枚目「宮城」10年、品種は「常陸秋そば」。
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ムワァーーーー!
これまた物凄い香りの濃厚さ。
先程の山形よりは軽やかで、香ばしい香り。
たぐりあげただけで「おいしーー!」と叫んでしまった。
これまた輪郭線や角がハッキリ感じられ、噛みしめるとコシもしっかり。
これほどしっかりした食感の蕎麦は眠庵では初めて食べた。
しっかり噛みしめる分、甘みが増したい放題増していき・・
濃厚・・おいしい・・あまい・・だいすき ひー



3枚目「福島」10年夏蕎麦。
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ムワァーーーー!

もう分かりました。
今日はこの「ムワァーーーー!」がスタンダードなんですね眠庵さん。
省略すればいいのだが、やはり正確を期すため(?)
正直にしつこく書かせていただきます。

しかしこの蕎麦・・・
店主の説明によると
「農家さんから品種はキタワセと聞きましたが、
 打っているとこれは会津のかおりです」。

面白い!

でもね。
このお蕎麦、箸先でたぐりあげた香りは大変香ばしく素晴らしいのだが
食べてみると味と香りがぜんぜん違って、
北海道の蕎麦でたまに出会う、個性的な香りがするのですが〜

・・・やっぱりキタワセも混じっているのでは・・?

と店主に聞いたら、なんとその香りこそが「会津のかおり」らしい。
品種名が品種名だけに、面白い!



4枚目「鹿児島」09年、品種は「春のいぶき」。
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「春のいぶき」はあたらしい品種。
名前の通りの爽やかで明るい姿。
これまた書かせていただきます、「ムワァーーーーー!!」
熟成らしい「甘さ」や「たくましさ」だけでない、
軽やかな美しさをも併せ持った熟成感にうっとり。
熟成蕎麦には美しさや清らかさの要素が不可欠なんだなあーと
つくづく実感させられる。
この蕎麦もまた、1枚目「山形」に似た不思議なやさしい粉感があり
噛み締めるとその粉感から味わいと甘さがジワーッとあふれ出る。
あー すてきだー おいしいなああ・・・


5枚目「長野」11年新蕎麦、信濃一号
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キターーー!
ちょっとちょっと、これは今回一番かもしれません。
深く、濃く、こうばしく、かぐわしく、何もかもが豊か!
私の走り書きメモには
「爆発 満月 大きく満ちる。たりないものはない」
と書かれています。もう完全に壊れております。

でも本当にそんな感じ。
香りが大きい。
美味しさが大きい。
しあわせが満ちている!
おいしーーーーい!


6枚目「北海道」11年新蕎麦、江差
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あのー
こうも香り爆発最高に美味しい蕎麦だらけでは書きようがないんですけど・・
と思った矢先に、この北海道。
箸先にたぐると、フワァ〜っとまろやかなかぐわしさ。
十分にかぐわしいが、
香り爆発系揃いの本日の出場蕎麦達のなかでは品が良い印象。
やや太めに打たれ、そしてこれまた2枚目宮城と同じように
眠庵では初めて出会った強靭なコシを持っている。
弾力を楽しむうちに、最初殆ど感じなかった甘みがほんのりとふくらんできて
そのかそけき情緒が、爆発系の中にあって魅力です・・



7枚目「徳島」09年、在来種。
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やや太め、ふっくらとやさしい姿。
徳島大好きの私はここで再度壊れまして、
壊れながら頭に浮かんだフレーズに一人ウケしてました。

「もう香りが鼻に入らない・・・」


本当に、今日は濃厚かぐわしい蕎麦続きで頭のてっぺんからつま先まで
美味しい香りに染まった気分。

「美味しすぎてトランス!!」
「ムワァー ムワァー ムワァー」

とメモにはあります。



8枚目「福井」05年、大野在来種。
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いつもこの蕎麦会のトリを飾る福井大野在来種。
05年、物凄いヴィンテージものの登場である。

静かな滋味溢れる、たくましい香り。
なんという香り高さ。なんという美味しさ。
噛みしめるとなんとも個性的なやさしい食感で
粉と粉がそっと手をつないでいるのが見えるようだ。
独特のはかなさが、大切に食べなくてはという気持ちにさせるが
それにしては味も香りも甘さもたくましい。
穀物の生命力というものを感じさせられる。




お酒もおつまみもおいしいものが沢山あったのに
ブログではそこまで手が回らず・・

あっお酒は青森の「喜久泉」というのが美味しかったでーす!






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2011年9月の「八種もりの会」
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posted by aya at 17:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>千代田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すみません、毎度(滴る汗;;;;

眠庵さんの6〜8種味わい会ご報告、楽しく拝見いたしました。誠にありがとうございます。

さて、実際に蕎麦を作ってみると、年によって全く出来栄え(というか、生育環境の方です)が違います。
一番難しいのは、夏蕎麦作りです。

だから、当方は何時も騒ぐのです。
しかし、北の蕎麦は(標高が高い所も同じ)早めに種を蒔かなければなりません。そうすると、このところ顕著でありますが、台風の被害に遭いやすくなります。今年は大丈夫のようでしたね、V!

それにしても、'05年の蕎麦、ですか。凄いですね。聞いただけでもソットーものであります。
分かりました。当方も一応保存環境は徐々にできつつありますので、玄蕎麦保存やってみましょう。(ま、良い出来の時です

蕎麦栽培〜収穫〜処理について、今は不足しているモノが多い。例えば唐箕、石抜き機、殻剥き機。借りたり、目〜で(!!)チェックしたり、依頼したりと手間暇がかかります〜。

あと10日ほどで今年の蕎麦収穫本番!見てくれでは過去最高の出来栄えなんだが、さて??
Posted by よしの at 2011年11月04日 22:30
よしのさま
それはそれは、ドキドキワクワクどころではありませんね〜。素晴らしい出来だといいですねー!
Posted by aya at 2011年11月05日 23:09
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