2011年10月19日
大阪・谷町六丁目「そば切り 文目堂」
あやめどうが すき。
古い建物。
そこに身をゆだねる時間。
「細切り」
嗚呼・・・
あなたはやはり、うつくしい。
あなたに逢いに、ここへ来たのだ。
端正な「細切り」は、機械切りと見紛うほどのととのった面持ち。
たぐりあげると箸先からムワァーと濃厚なかぐわしさがこぼれる。
しっとりとした微粉の肌は足がはやく乾きやすいようで
余り阿呆のように恍惚としている暇はない。
しかし今日のかぐわしさはまた前回と全然違って面白い。
感覚を研ぎ澄ませて(怪しい顔つきになって)見つめると、
ポンセン?か、麦こがしか、トウモロコシのような、
とても美味しい香ばしさがある。
はあー おいしい・・・
きてよかったようー、しあわせだよーう
「粗挽き」
だいすきな「文目堂」の「粗挽き」。
ザックザクの黒い小山は
ドキドキするほど(っていうかしてます)の眺めだ。
しかし・・およよ?
たぐりあげた香りはここの蕎麦としてはごく淡い。
表面にたっぷりたたえた水分のせいかと思い
一生懸命ゆっくり食べたら香りはどんどん濃厚に!!
甘さやふくよかさのない、どこかストイックすぎるような香りだが
この雑味なき清らかなたくましさは実にめずらしく新鮮だ。
またこの粗挽きの舌触りが素晴らしすぎる。
ザックザクー
ザラつぶー
ふくらむ味わい・・・
私の前で食後の読書をゆっくり楽しんでいた女性が帰った。
「ごちそうさま。おいしかったです。」
私も、もうしばらくこの時間の中にいたい。
あやめどう だいすき。
2010年5月の「そば切り 文目堂」
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